お気に入りムービー

ノマドランド(2021)

「家」は心の中にある 原題は「Nomadland」 ノマドとは英語で「遊牧民」転じて放浪者のことで 原作はジェシカ・ブルーダーが2017年に発表した ノンフィクション「ノマド: 漂流する高齢労働者たち」 国際的にも高い評価を受けた映画で ひさびさに凄い才能を見…

まぼろしの市街戦(1966)

「最も美しいのは窓から出かける旅です」 原題は「Le Roi de Cœur」英題は「King of Hearts」(ハートの王様) 見終わってみれば「なるほど」と思うシーンや 深いセリフが多くあり これほど(見る人によっては)汲み取れるものがある映画は 他にないかも知れ…

カリートの道(1993)

「アディオス 弁護士さん」 原題も「Carlito's Way」 原作はニューヨーク州最高裁判所の元判事、エドウィン・トレスの 同名小説「カリートの道」とその続編「それから」 ものすごく面白かったんですけど(笑) ブライアン・デ・パルマ節炸裂 傑作「スカーフ…

メランコリック(2018)

メランコリック(melancholic)とは憂鬱 あるいは物思いに沈むさまのこと きっちさんのおススメで鑑賞 東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門で監督賞 ドイツのニッポンコネクションで観客賞 ウディネファーイースト映画祭で新人監督賞を受賞 製作費300万…

ラ・ジュテ(1962)

原題の「La Jetée」とは空港の搭乗用通路や防波堤のこと 静止画を繋ぎ合わせた構成は「フォトロマン」と呼ばれる手法で セリフはなく、映像にナレーションを被せたショートムービー このわずか28分の作品が、のちの多くの監督に多大な影響を与えたそうです …

わたしは光をにぎっている (2019)

タイトルは、山村暮鳥(ぼちょう)の詩 「自分は光をにぎっている」から 自分(わたくし)は光をにぎっているいまもいまとてにぎっているしかもおりおりは考えるこの掌(てのひら)をあけてみたらからっぽではあるまいかからっぽであったらどうしようけれど…

ベルファスト(2021)

「失はれた地平線」を見た シャングリラ ベルファストからは行けない 原題も「BELFAST」 ベルファストとは北アイルランドの市、首府のことで 「機動戦士ガンダム」でホワイトベースがオデッサの戦いの後 地球連邦軍の補給基地があるため立ち寄った場所として…

友だちのうちはどこ?(1987)

原題も「خانه دوست کجاست ؟」(友だちの家はどこですか?) 友だちの宿題ノートを間違えて持ち帰ってしまった少年が ノートを返すため友だちの家を探しにいくという ただそれだけのシンプルなストーリー アッパス・キアロスタミは小津安二郎のファンを公言し…

異端の鳥(2019)

原題は「Nabarvené ptáče 」(ペンキを塗られた鳥) 作中で翼に白いペンキを塗った鳥(色違いの鳥)を群れに戻すと ほかの鳥から一斉に攻撃され殺されてしまうシーンのこと 主人公の少年は死んだ鳥の姿を自分と重ねます 原作は、ポーランドのユダヤ人作家イ…

アデル、ブルーは熱い色(2013)

原題は「LA VIE D'ADELE Chapitres 1 et 2 」 (アデルの生涯 第1章と第2章) 原作は2010年に刊行されたコミックス 「Le bleu est une couleur chaude」(ブルーは熱い色)著者のジュリー・マロ(1985~)はフランス生まれの女性BD(同性愛可) フランス映画…

トップガン マーヴェリック(2022)

原題も「Top Gun Maverick」 「トップガン」(1986)36年振りの続編として オールドファンを裏切ることなく、奇跡的に成功 ある「ならず者国家」がウラン濃縮プラントを建設 稼働前に破壊すべく特殊作戦に参加させるため トップガン卒業生であり精鋭パイロッ…

Z(1969)

高知のチャールストン・ヘストン(のほうが嬉しいと本人からリクエスト 笑) ギドラさんからのプレゼント第一弾レビュー 原題も「Z」 1963年5月22日にギリシャで起きた 左派平和主義者グリゴリス・ランブラキス(Grigoris Lambrakis)暗殺事件が題材 「Z」とは…

大脱走(1963)

原題も「THE GREAT ESCAPE」 原作は、自らの戦争実体験を活かした ポール・ブリックヒルのベストセラー いまさら何も語ることのない、傑作中の傑作(笑) 何度見てもやっぱり面白い、3時間近い長さも気にならない 戦闘シーンが一切ない戦争映画としても有名…

レディ・プレイヤー1(2018)

「俺はガンダムで行く!」 原題も「READY PLAYER ONE 」 「READY PLAYER ONE 」とは80年代のテレビゲームの 開始時に表示されるメッセージで 1人目のプレーヤーに対して「準備しなさい」ということ ガキの見る映画だと思って馬鹿にしていましたが スミマセン…

イヴの総て(1950)

傑作 原題も「ALL ABOUT EVE」 今見ると、大げさに見えるところもあるけれど これが「映画だ」といわんばかりの、脚本、演出、構成、演技 「女」の野心と性(さが)を見事に描いている ゴダールが事あるごとに「イヴの総て」を引用する理由が 解ったような気…

そして友よ、静かに死ね(2011)

原題は「LES LYONNAIS」(ザ・リヨン) ひさびさに痺れる映画に出会えました 重厚で緊迫感あふれる演出 しかも超かっこいい 通称モモン(ジェラール・ランヴァン)の孫の洗礼式に集まった モモンの家族と友人たち そのとき、かって「リヨンの男たち」と呼ば…

さらば、わが愛/覇王別姫(はおうべっき)(1993)

「覇王別姫」とは四面楚歌で有名な項羽(こうう)と項羽の愛人、虞美人(ぐびじん)の悲恋を描いた京劇作品のこと これはすごい、大傑作北伐、日中戦争、国共内戦、中華人民共和国成立、文化大革命という時代の変化に翻弄されながら、叶わぬ愛を抱えて生きて…

仕立て屋の恋(1989)

原題は「Monsieur Hire」(ムッシュー・ハイヤー=主人公の名前)やっぱりパトリス・ルコントが好き アプローチはヒッチコックの「裏窓」(1954)と同じ毎日向かいのアパートをのぞき見している男がある殺人事件を知ってしまう だけど「裏窓」のジミー演じる足…

ギリーは幸せになる(2016)

原題は「The Great Gilly Hopkins」(華麗なるギリー・ホプキンズ)この邦題はいい(下手な副題がついていないのもいい)原作は「テラビシアにかける橋」の児童文学作家キャサリン・パターソンの「ガラスの家族」(偕成社) 古典的な児童文学を現代風にした…

ヒンデンブルグ(1975)

私的にはヒンデンブルク号爆発事故といえばレッド・ツェッペリンのデビューアルバム「レッド・ツェッペリン I」(1969)のジャケットしか思いつかないのですが(笑) レッド・ツェッペリンとは「落ちる風船(つまり失敗)」を意味する「鉛の風船(lead balloo…

ビバ!マリア(1965)

原題も「VIVAMARIA!」 これがフレンチウエスタン 美女と銃と爆弾、しかも歌って踊って革命達成(笑) ジャンヌ・モローとブリジット・バルドーの共演だけあって 製作者側の”できるだけ脱がせろ”の要求がミエミエで 無駄に”お色気シーン”が多く、正直ダレる部…

ソイレント・グリーン(1973)

原題も「SOYLENTGREEN」ソイレントとは「soybean」(大豆)と「lentirl」(レンズ豆)の合成語1973年当時に50年後である2022年にはニューヨークの人口が4000万人を超えるだろうと設定したSF映画(ニューヨークの現在の人口は2000万人強)今となってはツッコ…

ギャラクシー・クエスト(1999)

これは面白い胡散臭いオープニングから徐々に盛り上がり絶妙なパロディ、巧妙な伏線張り登場人物を成長させるという作り込まれた脚本最後には感動して泣きそうにさえなる(笑)でも超!超!超!くだらない!!20年前に打ち切りになった宇宙探査局所属(NSEA)…

未来世紀ブラジル(1985)

徹底した政府の管理下に置かれた 20世紀の仮想国「ブラジル」 公開当時は中毒者も出たというカルト映画 テリー・ギリアム監督の最たる傑作といわれ 隠れファンも多い本作 レビューするのが緊張します(笑) 管理社会への風刺は、何度も使い古されたテーマで…

ボヘミアン・ラプソディ(2018)

「善き思い、善き言葉、善き行い」「ボヘミアン・ラプソディ」は、1975年10月にQueenが発表したアルバム「オペラ座の夜」からシングルカットされた曲ボヘミアンは、チェコの西部・中部地方を示す歴史的地名でラプソディは、狂騒曲という意味民族的、叙事的な…

マイケル・ムーアの世界侵略のススメ(2015)

これは良かった、万人にお薦めしたい面白い、わかりやすい、勉強になる、考えさせられる社会的メッセージと、切り口のセンス、押し付けがまさのなさトータルバランスも素晴らしいノンフィクションマイケル・ムーアが欧州各国を巡り、現地の人々と対話を重ね…

タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら(2010)

このクソダサい副題のおかげで、気が進まなかったのですが思わぬ拾い物とはこのこと、面白かったです過去のスラッシャー(めった切り)映画のパロディや登場人物のあまりのオバカさに笑えますが、それだけじゃないアリガチな設定を逆手に取ったストーリーが…

手紙は憶えている(2015)

原題は「Remember」(覚えている)私はどうして、こういう鬱々とした後味の悪い映画が好きなのでしょうラストの「IRemember」というセリフに震える90歳の主人公を演じたのは御年89歳クリストファー・プラマー見ている自分も老人の気分になってしまうほどの素…

セント・オブ・ウーマン/夢の香り(1992)

「足が絡まっても踊り続ければいい」 アル・パチーノのラストの名演説が感動的 この言霊に震えずにいれるでしょうか 高校3年のチャーリー(クリス・オドネル)は裕福とは云えない家庭の育ちで オレゴンから奨学金によって費用の高い名門校に通っています 良い大…

ドニー・ダーコ(2001)

最も難解な映画のひとつに数えられているカルト映画未来人だの、タイムトラベル、別の時間軸だの専門的な用語まで駆使したレビューまで多くありますこれはあえて、いろいろな解釈をされるために考えられた物語ではないでしょうかリチャード・ケリー監督は策…