
原題は「Wake Up Dead Man: A Knives Out Mystery」
(死んだ男を目覚めさせろ:ナイフが抜かれた”ミステリーこと”ブランの事件簿”)
過去2作のような派手さはなく、いかにもアガサ・クリスティ的
地味に密室殺人を紐解く正統派古典ミステリーに仕上がっています
その分ブランのおとぼけ探偵の魅力は半減
さらに(神の啓示を受けたから?)ブランが解決するのではなく
真犯人の告解(こっかい)によって真相がわかるというという結末(笑)

しかも尺が146分もあるにもかかわらず
最初の殺人に使われた酒ボトルを
誰が盗んでどこに隠したという謎は残されたままという(笑)
私的にはスッキリせず惜しいところでした

ニューヨーク州北部の小さな町にある「聖なる勇気の聖母教会」
聖金曜日の礼拝中、ウィックス神父は(毎回)疲れたという理由で
聖壇に隣接するクローゼットに休むため向うと、そのまま倒れる音がし
ジャドが向かうとウィックス神父の背中に突き刺されていたのは
悪魔の頭の飾りのついたナイフ
それはジャドが酒場のランプの飾りを酔って持ち帰り投げ捨てたものでした
警察も信者たちもジャドが犯人だと疑いますが
そこに登場したのが名探偵ブノワ・ブラン
真犯人を探すためジャドに協力を求めます
名探偵ブノワ・ブラン(ダニエル・クレイグ)

ジャド神父(ジョシュ・オコナー)

元ボクサーで試合中相手を殺した過去がある
言葉に無礼な助祭を思わず殴ってしまい除名になるところを
理解あるラングストローム司教の計らいで
(問題のある)ウィックス神父が率いる教区に派遣
信者たちに主の本当の教えとは何かを伝えようとしても理解されないうえ
ウィックス神父が何者かに殺されると、第一容疑者になってしまう
ジェファーソン・ウィックス神父(ジョシュ・ブローリン)

アルコール依存症で、自慰行為を告解するなど
(実際は前立腺がんの手術の後遺症の性不全)
聖職者であるにもかかわらず(聖職者だから?笑)堕落している
一方で力強い言霊と、型破りな説教で人気があり
(シングルマザーなど)聖書の教えに反する人間を攻撃しては
信者同士を結束させている弱い者いじめの法則(ランチェスターの法則)
何者かに殺されるが生き返って霊廟から脱出する
マーサ(グレン・クローズ)

幼い頃(ウィックス神父の父親の代から)教会に仕え
教会を実務の全てをまかされている運営者
ウィックス神父や信者から最大限信頼されていて
唯一殺人事件のもととなった「イヴのリンゴ 」の隠し場所を知っている人物
ヴェラ(ケリー・ワシントン)

地元で法律事務所を経営している優秀な弁護士
亡き父親がどこからか連れてきた出生不明の男子サイを
ヴェラの養子としたため面倒を見ている
ウィックス神父の死後「誰に忠誠を誓うべきか」を悩む
サイ(ダリル・マコーマック)

ヴェラの養子で政治家を目指していたものの挫折し
ウィックス神父の動画をアップした(保守派の)インフルエンサーとして活躍
遺伝子検査でウィックス神父の息子だったことがわかり(母親は不明)
ウィックス神父から全財産を相続すると宣言される
(マーサにとっては教会の権威を失墜させる決定的なスキャンダル)
ナット(ジェレミー・レナー)

離婚した妻に未練タラタラの町医者
(結婚指輪の代わりに薬指にナットをつけている)
一時的に昏睡させることのできる薬物(ペントバルビタール)を酒に混ぜ
ウィックス神父を殺害した実質的な犯人
リー(アンドリュー・スコット)

エゴイストなベストセラー作家で、新作タイトルの「聖人と吟遊詩人」 を執筆中
「不可能犯罪」の謎に深く関っている
シモーヌ(ケイリー・スピーニー )

原因不明の疼痛(とうつう)で引退したチェリスト
病を治す「奇跡」を信じてウィックス神父に全財産を寄付している
サムソン(トーマス・ヘイデン・チャーチ )

マーサと同じく幼いころから教会に尽くしてきた管理人
真の善人で、心から愛するマーサに尽くすため
ウィックス神父の替え玉となって霊廟に入り
ウィックス神父の祖父の亡骸から「イヴのリンゴ」を見つけて脱出したものの
欲に目がくらんだナットに殺されてしまう
プレンティス・ウィックス神父(ジェームズ・フォークナー)

ウィックス神父の祖父で教会の創設者
多大な資産を持っていたものの、強欲な人間(娘)に渡らないようにするため
「イヴのリンゴ」(巨大なピンク・ダイヤモンド)に替え
飲み込み死亡(窒息か)
グレイス・ウィックス(アニー・ハミルトン)

「あばずれ娼婦」と呼ばれていたウィックス神父の母親
グレイスの異性関係と散財に頭を悩ませていた祖父は
教会に留まることで資産を相続することを約束しますが
祖父の死後、資産がダイヤモンドに変えられたことを
(どこからか)知ったグレイスは教会を破壊してダイヤ探しますが見つからず
父の墓の前で憤死(激しい怒りのあまり死ぬこと)してしまう
ジェラルディン・スコット (ミラ・クニス)

非常に有能で真面目な地元の警察署長
ラングストローム(ジェフリー・ライト)

ジャドを「聖なる勇気の聖母教会」に派遣した司祭
ジェニー(リヴ・ヒューソン)

地元で兄と扉の修理や鍵の製作の会社を営む女性
霊廟の「開かないはずの扉」に
内側からだけ開けらる特殊なラッチ(掛け金)を取り付けるよう
依頼されたことを知らされますが
ジャド神父は犯人捜しより、彼女のホスピスに入居している身内の話に感銘を受け
神父としての勤めに本気で目覚てしまう

前2作と同じように、証言の食い違いや証拠のピースを繋ぎ合わせ
さらに証拠となるサイの(すべて録画している)動画によって
密室殺人と生き返った死人の真相を探るブノワ
しかし皆が集まった教会に日が差し込むと、啓示を受けた?ブノワは
やっぱり解決できないと言い出します
するとジャド神父の前にマーサがやってきて、告解を申し出ます
それは彼女にとっても一番大切な人
サムソンを自分のせいで死なせてしまったから

マーサはイヴのリンゴを誰にも渡さないために
ナットの協力で(薬を用意し皆が現場を離れている隙にナイフを突き刺した)
ウィックス神父を殺し、替わりにサムソンを埋葬します
(検死の終わったウィックス神父の遺体はナットの家の地下に隠される)
マーサに言われた通りダイヤを手にしたサムソンは
霊廟の扉を突き破り(どんだけ柔らかいコンクリートだ 笑)
(サムソンに変装した)ナットと合流

そこに何も知らないジャド神父がやって来て
ウィックス神父が蘇ったと信じてしまいパニック、気絶してしまいます
ジャド神父が気がついた時、鎌を刺されて死んでいるサムソンを発見
ブノワは自首しようとしているジャド神父を止め
彼と共にナットの自宅に向かいます
そこには薬物に浸かったウィックス神父とナットの遺体
(ウィックス神父がナットを絞め殺している構図)

つまりナットはイブのリンゴを独り占めするためにサムソンを殺したうえ
イブのリンゴの存在を知るマーサも殺そうと、彼女のコーヒーに毒を盛ります
(サムソンの復讐のためやって来た)マーサはこっそりカップを入れ替え
毒入りコーヒーをナットに飲ませると
死んだはずのウィックス神父が、ナットを殺したように細工したのです
マーサは全てを告白すると、自ら毒を飲んだことを明かし倒れ込むと
死に際で被害者への赦しを祈ります
ジャド神父はグレイスのことも赦すよう促すと
マーサは(いやいやながら?)グレイスのことも赦すと告げ
握っていたイヴのリンゴをジャド神父に託し息絶えると

ブノワはマーサが真犯人だと知ったものの、彼女の唇が乾いていたことで
すでに毒を飲んでいて時間がないことに気付き
犯人追及することを(神にまかせ)止めたことを打ち明けます
1年後、ジャド神父は(グレイスに破壊され十字架のない教会に)
木彫りの十字架を彫り、教会も「永遠の恵みの聖母」と改名し再開
一方、相続権(イヴのリンゴ)を諦めきれないサイは
ジャド神父がどこかにダイヤを隠しているに違いないと
ジャド神父のお金の流れを監視し続けていました
だけどジャド神父の隠し場所は銀行でないことはもちろん
ウィックス神父の祖父のように飲み込むのでもなく(だけど敬意をこめて)
教会に飾られた十字架のキリスト像の喉の奥に永遠にしまったのでした
【解説】映画.COMより
ダニエル・クレイグが主演を務め、ライアン・ジョンソン監督がオリジナル脚本で描く人気ミステリー「ナイブズ・アウト」シリーズ第3弾。ダニエル・クレイグ扮する名探偵ブノワ・ブランが、これまでで最も危険な事件へと挑む。
ある田舎町の教会で、絶対に実行不可能と思われる犯罪が発生し、名探偵ブノワ・ブランは若く実直な神父と手を組み、真相究明に挑む。しかし、その教会には長年封じられてきた忌まわしい過去が潜んでいた。
ブノワ・ブランと手を組む若き神父を「ゴッズ・オウン・カントリー」「墓泥棒と失われた女神」のジョシュ・オコナーが演じるほか、グレン・クローズ、ジョシュ・ブローリン、ミラ・クニス、ジェレミー・レナー、ケリー・ワシントン、アンドリュー・スコット、ケイリー・スピーニー、ダリル・マコーマック、トーマス・ヘイデン・チャーチら豪華キャストが共演。Netflixで2025年12月12日から配信。
2025年製作/146分/アメリカ
原題または英題:Wake Up Dead Man: A Knives Out Mystery
配信:Netflix