処刑の丘(1976)

早稲田松竹にて「ロシアンリアリズムの深淵(しんえん)」2本目

原題は「Восхождение」(昇天)

原作はヴァシル・ビコフが1970年に発表した小説「ソトニコフ」(主人公の名前)

監督のラリーサ・シェピチコは

ソ連映画の巨匠アレクサンドル・ドヴジェンコに師事し

モスクワの映画大学(VGIK)ではアンドレイ・タルコフスキーと同期

才色兼備の持ち主で「マドンナ」と呼ばれ

38歳のとき本作でベルリン国際映画祭金熊賞を女性監督として史上2人目で受賞

世界的な名声を得たものの、1979年ロケハンに向かう車が大型トラックと衝突

彼女を含むスタッフ全員が即死するという衝撃的な結末を迎えます

シェピチコ夫エレム・クリモフは

彼女が撮るはずだったFarewell 」(さらばマチョーラ

別れ」(1981)というタイトルで完成

次作「炎628」もシェピチコの精神を受け継ぎ作られたそうです

ラリーサ・シェピチコとエレム・クリモフの結婚式の様子

 

ドイツ占領下の冬のベラルーシ

パルチザン部隊の食料を調達しに行ったふたりの兵士がドイツ兵に見つかり

尋問を受けるとひとりは「人間の尊厳」こそ大事だと処刑台に立たされ

ひとりは「生きてこそ戦える」とドイツ軍の犬となり命を救われます

 

つまり表向きはパルチザンの抗争を描いた戦争映画ですが

実態はイエスの象徴とユダの象徴

「聖書」(キリストの受難)のメタファー(比喩)なのだそうです

シェピチコがなぜ「キリストの受難」をテーマにしたかというと

本作の制作前、脊椎の負傷を患ったのと同時に妊娠

自分が死ぬかもしれない重傷と、命の誕生を同時に経験したことから

「死に直面したとき、人はどうあるべきか」という疑問を

「キリストの受難」に見出したからだといいます

当時のソ連では無神論が国の方針でしたが

ロシア人の多くにはキリスト教的な象徴主義

(”目に見えない夢、神秘、死や苦悩など人の内面感情が根付いていて

主演のボリス・プロトニコフを選ばれたのも

彼の顔がイコン(キリストの肖像画)に似ていたからだそうです

 

1942年ベラルーシ

ドイツ軍による大規模な掃討作戦から逃れ

雪深い森の奥深くにある本隊の宿営地を目指していた、いちパルチザン部隊

しかし食料は尽き、病人と怪我人ばかり

このままでは本隊に辿り着く前に餓死してしまう

部隊長は(頑丈そうな)兵士ルイバクに

いちばん近い村へ食料調達に向かうよう命じ

彼に同行することになったのが、元数学教師のソトニコフでした

ルイバクはその村に、かって彼を匿ってくれて恋に落ちた女性がいることを

(戦時下で結婚には至らなかった)ソトニコフに教え

会えることを期待していましたが

その村はすでにドイツ軍に焼き払われていました

その先の村の裕福な村長の家で(ふたりは村長をドイツ軍の協力者だと思う)

羊を手に入れ森に戻ろうとしますが

ドイツ兵に見つかり、銃撃戦の末ソトニコフはドイツ兵のひとりを倒しますが

足を撃たれ負傷

持っていた銃で自殺しようとしているところをルイバクに助けられ

ルイバク彼を抱きかかえ近くの民家へ逃げ込みます

そこには3人の幼いどもたち

母親のデムチハが帰って来るのと同時に

ドイツ兵と(ドイツ軍に協力している地元の)警察が

ドイツ兵殺しの捜査にやって来て

デムチハ屋根裏にふたりを隠しますが

(肺を患っている)ソトニコフが大きな咳をしてしまい

(子どもを置き去りにできないと抵抗する)デムチハと共に連行されてしまいます

ドイツ軍に支配されているその村は親衛隊の活動の拠点になっていて

彼らを待っていたのは尋問官ポルトノフ(ベラルーシ人)による過酷な取り調べでした

最初にソトニコフが呼ばれますが 、一切の情報を明かすことはなく

激しい拷問の末、死を覚悟した彼はむしろ穏やかな表情さえ浮かべていました

一方のルイバクポルトノフの質問に軽々しく答え

ポルトノフがドイツ軍に協力する(補助)警察になれば命は助けると提案すると

さすがにそれは出来ないと悩みます

答えは処刑が執行される翌朝まで待つというポルトノフ

ソトニコフと同じ牢に閉じ込められたルイバクは

胸に焼き印を入れられた瀕死のソトニコフの姿にショックを受け

ルイバクは「死んではおしまいだ」

「生き残るために、今は嘘をついて(ドイツ軍に)協力するふりをしよう」

「後で逃げ出せばいい、生きていればまた戦える」とソトニコフを説得します

しかしソトニコフは「自分の尊厳を汚してまで生きることに価値はない」と

ルイバクの提案を拒否します

同じ牢にデムチハ投獄され、次に(羊を盗まれた)村長も投獄されます

ふたりはルイバクとソトニコフが偶然入った家の住民というだけなのに

パルチザンの協力者という容疑で逮捕されたのでした

さらにバーシャというユダヤ人少女が

捕らえられ匿っていた人物を白状するよう拷問を受けますが

命の恩人の名前を明かすことなく捕らえられます

デムチハと村長はバーシャの面倒を見ていた人物を知ってい

かっては尋問官ポルトノフとも隣人で親しかったことがわかります

夜が明け、 ルイバクソトニコフ、デムチハ、村長、バーシャの5人は

雪の積もった村の広場に設置されている処刑場へと行進させられます

デムチハは3人の子どもたちの行く末を心配するあまり取り乱し

バーシャを保護していた人物の名前を明かそうとしますが

村長にたしなめられ我にかえります

同胞を裏切ったところで、子どもの安全が保証されるわけじゃない

全ては罠なのです

ところがドイツ軍の幹部と去ろうとしているポルトノフを見つけたルイバクは

「自分は役に立つ人間だ」「情報をすべて話す」

「警察員として働かせてくれ」と懇願します

ポルトノフが幹部に相談すると

5つの縄が吊るされている処刑台に4人だけ立たされ

ルイバクはソトニコフの足台を外すよう命じられます(絞首刑の執行)

広場には見せしめのため村人たちが集められ

そのなかのひとりの少年がパルチザンの帽子をかぶってる

重傷で歩くのもままならないソトニコフでしたが

自ら処刑台に上がると少年に微笑むのでした

絞首刑、ルイバクはドイツ兵から絞首刑執行の見事さを讃えられ

村人たちから軽蔑の眼差しを向けられます

そのとき「生きてこそ戦える」「死んだらおしまい」というルイバクの信念は

「なぜ自分だけが生き残ったのか」という罪悪感に変わります

 

これはサバイバーズ・ギルト(Survivor's guilt/生存者罪悪感)といって

戦争だけでなく、自然大災害や事故・事件など

多くの死や家族を失う出来事で自分だけが助かった際

「死んだ人に申し訳ない」「自分の行動が他者の死を招いたのではないか」と

誰にでも起こりうる心理状態

だから私たちはルイバクの行動を軽蔑しながらも

彼が抱えることになる苦悩もよくわかるんですね

トイレで首を吊って自殺しようとするものの、失敗

死んで謝罪するも許されない

 

そのとき村の門が開け放されたままになっているのを見たルイバクは

脱走を試みたものの、冷たい雪原に崩れ落ち絶叫するだけでした

かつての仲間も、故郷も、恋人も、もはや存在しない

もうどこにも行く場所などないことを悟るのです

 



【解説】早稲田松竹アーカイブより

ナチス・ドイツに捕えられたパルチザン部隊の二人の兵士たちの揺れ動く心象を、詩的な語り口と鮮烈な映像で描いてゆく反戦映画の傑作。戦争と不条理と無益さ、人間の奥深さと愚かさ、そして生と死の尊厳を卓越した演出力で語りきる。
監督はソビエトで最も偉大な女性監督として知られるラリーサ・シェピチコ。個人の内面の葛藤に徹底的に焦点を当て、唯一無二の作風で高い評価を獲得。本作は1977年ベルリン国際映画祭金熊賞を受賞した。2022年に英国映画協会が発表した「史上最高の映画ベスト100」にも選出され、近年再び注目が集まっている。

監督ラリーサ・シェピチコ 脚本:ラリーサ・シェピチコ/ユーリ・クレピコフ
撮影ウラジーミル・チュフノフ/パベル・レベシェル 編集ワレリヤ・ベロワ
音楽アルフレード・シュニットケ 出演ボリス・プロトニコフ/ウラジミール・ゴスチューヒン/セルゲイ・ヤコブレフ/リュドミラ・ポリャコワ/ヴィクトリヤ・ゴルジェンツル/アナトリー・ソロニーツィン

1977年ベルリン国際映画祭金熊賞受賞

 

炎628(1985)

原題は「Иди и смотри」(来いそして見ろ

原作は1943年に白ロシア(ベラルーシで起きた

ロシア語で「ベラ(白)」+「ルーシ(ロシアの地域)」という意味

ドイツ軍のアインザッツグルッペンによる「ハティニ虐殺を基にした

アレシ・アダモヴィチの小説ハティニ物語

邦題のタイトルの「628」とは、ベラルーシでドイツ軍焼き払われ

皆殺しにされた村の数のこと

アインザッツグルッペンとはユダヤ人を銃殺するため組織された移動殺人部隊で

なぜベラルーシ人(スラブ人)まで虐殺されたかというと

スラブ人はユダヤ・ボルシェヴィズム(ユダヤ人共産主義)の支配下にあり

ロシア革命も裏でユダヤ人が操ったもの

ユダヤ人と共産主義者を(伝統的な国家や文化を破壊しようとしていると)同一視し

殲滅の対象にしたそうです

どこかの誰かさんのやってることと同じで

戦争はとんだ「いいがかり」で起きてしまうものなんですね

ただ今見ると、直接的人を殺したりやレイプのなシーンはなく

意外にも影像的な過激さは控えめ、むしろアート的といっていい

(それでも残虐さは十二分に伝わる)

一方、沼の中を島へ逃げる一連の長回しのシーンや

乳牛を殺す、赤ん坊を投げる、女性の髪を掴んで引きずり回す

これ演技でも特撮でもなく、本当にやってるリアルさは半端ない

主人公の少年がラストには老人のような顔になってしまったのも

撮影(本物の実弾も使われたらしい)の過酷さによる本物かも知れません

1943年、白ロシアの小さな寒村

上空にはドイツ軍の偵察機(通称「ウーフー」)

(推定)14歳になるフリョーラは(近所に住む友人の)金髪の少年と

パルチザンが地中に隠した銃を掘り出そうとしていました

村長は「銃など持つと悪いこと(戦争)が起きる」と警告すると

フリョーラも金髪の少年も村長の言うことに耳を傾けるどころか

年寄の言うことだとバカにするだけでした

翌朝、パルチザンの部隊が銃を手に入れたフリョーラを迎えに来て

フリョーラは母親の反対を押し切りパルチザンに入隊してしまいます

陣地に着くとフリョーラ憧れの指揮官コサッチがいました

しかしコサッチは病人と女子どもと一緒に

新入りのフリョーラを置き去りにして出発してしまいます

落ち込むフリョーラに(コサッチの愛人)グラーシャは

アンタを死地に送りたくないコサッチの温情だと

彼には意外とやさしいところがあるのだと伝えます

そこにドイツ軍の落下傘兵が降下してきて、陣地は焼き払われてしまい

フリョーラはグラーシャを自分の村へ連れて行きます

しかし村には人の気配が全くなく、ハエだけが集っていました

グラーシャはフリョーラに勧められ

母親が作ったというスープ(まだ温かい)を飲みますが

(フリョーラの妹たちが残した人形を見ると)思わず吐いてしまいます

フリョーラは村人は沼地にある島に逃げたんだと、島に向かうため外に出ると

グラーシャが見たのは虐殺された村人の死体の山でした

(フリョーラは気付いていない)

沼地を抜け島にたどりつくと、近隣の住民たちが避難していましたが

村で唯一生き残っていたのは村長だけでした

しかしドイツ軍にガソリンで焼かれ全身大やけどで瀕死の状態

村長は「だから言っただろ」

「銃など持つと悪いことが起きると」とフリョーラに告げます

家族が殺されたのは自分のせいかも知れないと、ショックを受けるフリョーラ

その頃、パルチザン兵の大男ルベージは

(食糧庫のあるドイツ軍占領下の)ペレホディ村に奇襲をかけようと計画していて

眼鏡の男と、若い兵士と、そして(銃を持っている)フリョーラが

食料を調達するメンバーに選ばれます

ドイツ兵骸骨からヒトラーの人形を作り(村人たちが人形に唾を吐く)

バグショフカ村に向った4人でしたが地雷原で眼鏡と、若い兵士が爆死

フリョーラとルベージは2人だけで村人から乳牛を奪うことに成功しますが

ドイツ軍の偵察機に見つかり、機関銃掃射と照明弾による攻撃により

ルベージも乳牛も死んでしまいます

翌日、近くのカセニ村の農地に停めてあった馬車を見つけたフリョーラは

死んだ牛を運ぶため盗もうとしますが、持ち主の農夫に見つかってしまいます

しかし農夫はフリョーラを咎めるのではなく

(ドイツ軍から守るため)フリョーラの銃と軍服を畑の牧草に隠すと

自分の家に連れて行き家族になりすますよう教えます

カセニ村(ナチスの「焦土作戦」の進軍ルート→ペレホディ村の次の標的)に

やって来たドイツ軍は、身分証明書の確認(検問)と登録のため

住民たちに広場に集まるように命じます

ドイツ軍に焼き払われたパルチザンの陣地や

ペレホディ村を目撃してきたフリョーラは「殺される、家から出るな」と叫び

抵抗する男たちもいましたが

ドイツ軍は集会を開くためだと、集会場(大きな納屋)に村人全員を押し込め

若い中隊長が「子どもを連れていない者は窓から出ろ」と叫びます

(我が子を置いて出てきたら、命は助けてやるという意味)

これは親に、あえて(両方死ぬか、子どもだけ死ぬか)「選別」させ

「子どもを見捨て自分だけ助かった」という罪悪感を負わせることが目的

(「ソフィーの選択」でも描かれていました)

さらに次世代根絶(将来反乱分子やパルチザンになる可能性がある)のため

子どもたちを確実に殺害するためでした

(ネタニヤフ政権が一方的にハマスの軍事拠点だと主張し

ガザ地区の病院、学校、難民キャンプを攻撃するのものもこういうことか)

何人かの男たちが納屋の狭い窓(明かり取り用の開口部)から這い出ようとし

どさくさに紛れフリョーラも脱出に成功します

最後にひとりの女性が赤ちゃんを抱いて出てくると

ドイツ軍はその女性を捕まえ、赤ちゃんを窓から納屋の中に放り込むと

女性の長い髪を掴んで引きずり回します

ドイツ軍は逃げようとした男たちともども

手りゅう弾とガソリンと火炎放射器で火を放ち、機関銃で一斉射撃

納屋に閉じ込められた村人たちの激しい悲鳴が消えていくと

祝宴だとフリョーラを呼び彼の頭に銃を向け記念写真

村の家畜を略奪し、女性をトラックに押し込み輪姦

虐殺を免れた寝たきりの老婆に「たくさん子どもを産め」と告げると

置き去りにして去っていったのでした

その後、フリョーラが村を出て歩いていると

パルチザンに待ち伏せされ破壊されたドイツ軍の車両や死体

(女性が食べていたロブスターは高級食材=アーリア人は優れた文明人という意味)

笛を咥えさせられ放心状態の(ドイツ軍に連れ去られた)女性も見つけます

そしてコサッチとの再会、コサッチはやっぱりやってくれた!

ドイツ軍の将校や協力者(ベラルーシ人の通訳)が捕らえられると

司令官は高齢で誰にも危害を与えていない、平和的な人間で孫もいると主張

(子ども殺しの根絶やしが、よくもしゃあしゃあと)

協力者はドイツ軍に脅されだけ命乞いをします

村人に「選別」を命令した中隊長だけは

共産主義は劣等民族に宿る根絶すべきだと正当性を主張します

そこでパルチザンのひとりがただ殺すだけじゃもの足りないと訴えると

通訳の協力者は中隊長の言葉で自分の言ったことではないと弁明

コサッチは協力者にドイツ軍将校にガソリンをかけ焼き殺すよう命じます

言われるがまま、ドイツ軍将校たちガソリンをかける協力者

しかし、復讐に燃えた他のパルチザンが

火を放つ前にベラルーシ人の協力者もろともドイツ兵を射殺してしまいます

パルチザンが次の現場に向おうとしている時

フリョーラは水たまりに浮かんだヒトラーの肖像画を見つけると

はじめて手にした銃の引き金を引きます

1発、2発、3発・・

弾を撃つたびに、ナチスの行進、ナチス党結成、ヒトラーの演説

第一次世界大戦まで映像が巻き戻されていき

ついには幼いヒトラーの顔(写真

ヒトラーも人間の子だったのです

そのときフリョーラは殺された双子の妹を思いだしたのでしょうか

涙が溢れてきてしまうのでした

 

 

【解説】映画.COMより

第2次大戦を背景に白ロシアのハトィニ村の人々の悲惨な運命を描く。監督・脚本は「ロマノフ王朝の最期」のエレム・クリモフ、共同執筆はアレクサンダー・アダモーヴィチ、撮影はアレクセイ・ロジオーノフ、音楽はオレーグ・ヤンチェンコ、美術はヴィクトル・ペトロフが担当。出演はアリョーシャ・クラフチェンコ、オリガ・ミローノワほか。

1985年製作/ソ連
原題または英題:Come and See
配給:松竹富士クラシック=松竹富士

 

 

 

MERCY/マーシー AI裁判(2026)

原題は「Mercy」(慈悲)

犯罪が増加した近未来のロサンゼルス

AIが司法を担うマーシー裁判所が創設され

被告人は90分以内に無罪を証明しなければ

その場(裁判所)で処刑されてしまうというミステリースリラー

 

テンポもよく最後まで飽きさせない構成で、意外と楽しめました

100分という尺と、事件を解決するまでのタイムリミットが90分と

ほぼ同時刻なのも面白い

一方で本格派の法廷ものを期待すると、ツッコみどころ満載

弁護士はいないうえ

世界中のデータベースをもとに、すべての個人情報が観覧できる権限が

判事に与えられているのです

しかも最後は容疑者とAI判事がバディを組んで捜査するという(笑)

でも近い将来にAIは、警察の捜査においても大きな役割を果たすことは

ありえないことじゃない

そこで私もAIに「星屑シネマ ブログ」と質問したら

星屑シネマは、はてなブログで運営されている映画レビューサイトで

管理人はid:burizitto(べべ)氏で、古今東西の映画作品を幅広く紹介しています

主な投稿内容は最新の映画レビューや映画祭レポート

季節の話題等を詳しく報告しています

ブログの特徴は最新作から、過去の名作

アニメーション作品まで多岐にわたり幅広いジャンル

詳細なタグ付けで興味のある作品を探しやすくなっています・・などなど

 

「べべさんとは どういう人」では

長年にわたり膨大な数の映画を鑑賞し

独自の視点でレビューを綴っている映画ブロガーで

特定のジャンルに偏らず、フラットで丁寧な語り口

社会派作品からエンターテインメントまで幅広く鑑賞し

読者に作品の魅力を丁寧に伝えるスタイルが特徴

映画ファン同士の交流も大切にされています

と、なんとも好意的な回答

もし私が何かの容疑で逮捕されても、陪審員には有利に働きそうです(笑)

ロサンゼルス市警のレイヴン刑事(クリス・プラット)が目を覚ますと

そこはマーシー裁判所でした

AIのマドックス判事(レベッカ・ファーガソン)は

妻のニコールの殺害の容疑で逮捕されたことを告げますが

(元相棒が殺害後されてからアルコール依存症が再発し)

泥酔していたため全く記憶がない

ただ言えるのは自分は妻を殺していないということ

 

そこでマドックス判事は、レイヴン刑事の自宅の防犯カメラ

本人と家族の通話、チャット、SNSへの投稿などから

レイヴン刑事の有罪率は97.5%であることを告げます

90分後も有罪率が92%以上の場合、その場で死刑が執行される)

そこでレイヴン刑事は(自分を弁護してくれるだろう)

愛娘のブリット、禁酒サポーターのロブ(クリス・サリヴァン)

同僚のジャクリーン(カーリー・レイス)との通話が許されますが

彼らの評言もレイヴンが犯人だと思い込んでいるものばかりでした

それだけ状況証拠が揃っていたのです

レイヴンは、妻が「裏スマホ」を持っていたことを思いだし

それは(公式のクラウドや通信網に接続せず端末同士で直接通信を行える )

AIに探知されない非公式の通信端末でした

(そんな端末が「合法」ならAI裁判も無効だろうという 笑)

通話相手は妻が通っていたレストランのシェフ、マルコだとわかります

マルコは偽名で本名はパトリック・バーク、しかも複数の前科がありました

 

マルコは客として来たニコールに一目惚れしたことを明かし

ただ夫との関係(離婚を考えている)に悩むニコールの愚痴を聞き

彼女のため料理を届けていただけだと言います

妻の不倫を疑い、マルコが犯人だと疑っていたレイヴンですが

殺人のあった時刻、マルコは勤務中でアリバイは完璧でした

次にニコール仕事用メールから、職場で化学物質の盗難があったことがわかり

真犯人は化学物質を盗んだ人物でないかと疑うレイヴン

そして(ニコールが殺された)前日、ニコールの同僚を呼び

自宅の庭でバーベキューをしたことを思い出します

家の防犯カメラから、経済的な問題を抱えていたチャールズを疑うと

マドックス判事は、チャールズと禁酒サポーターのロブが

化学物質の失踪について話し合っている通話記録を見つけ

レイヴンに見せます(判事がそんなことしていいのか? 笑)

 

レイヴンがロブに電話すると、代わりにホルト(彼も同じ職場で妻の同僚)が出て

ロブが盗まれた化学物質の責任者であることを教えられます

さらにニコールはAI裁判システムの欠陥(アルゴリズム操作)を見つけていて

ホルトは彼女から機密データを受け取っていたことを打ち明けます

その後何者かに(AI裁判システムの不正を隠蔽しようとする「組織」)

殺されてしまうホルト

もういちど自宅と隣人の家の防犯カメラの影像を見直すと

茂みで何かが移動しているような様子

さらに娘のブリットが裏アカウントに投稿した

「幽霊がいる」という動画を思い出したレイヴンは

地下室の扉に誰かの手が映っているのを発見します

 

犯人はバーベキューのあと、防犯カメラの死角をくぐり抜けながら

裏口から侵入すると地下室に隠れ翌朝ニコールを殺したのです

来るときと違い、帰宅する車に乗り合わせていなかったのはロブでした

 

マドックス判事はレイヴンの無実を証明すべく捜査に協力

レイヴンはジャクリーンにロブの家に行くよう頼み

SWATチームロブ宅に到着しますがは空っぽ

しかし離れの小屋には「戦争でもするのか?」とSWATが呟くほど

大量の武器と、マーシー裁判所の詳細な見取り図が隠されていました

そこに飾られていたロブの幼少期の写真を見つけたレイヴンは

ロブの隣に映っていただろう少年をマドックス判事に探させます

そこからロブが孤児院にいたこと、隣に映っているのは兄のデイビッド

しかしロブだけが裕福な家庭の養子に迎え入れられ

デイビッドは最初のAI裁判で処刑された人物だったことがわかります

しかもデイビッドを逮捕したのはレイヴンでした

 

全てはレイヴンにも家族を失う辛さを思い知らせるためと

AI裁判所を破壊するための、ロブの復讐だったのです

娘のブリットに逃げるよう連絡しようとしますが

すでにブリットは(レイヴンを嫌っている)祖父母の家から

ロブに誘拐されていました

 

ここでレイヴンの無罪が確定し、裁判は終わりになるわけですが

レイヴンは裁判を終わらせることを拒否

(娘を助けるためにはマドックス判事の協力が必要)

ロブの小屋の爆破で、大半のSWATチームが犠牲になったものの

レイヴンの指示でドローン型パトカーに乗り

ロブが運転する(ブリットを乗せた)トラックを追うジャクリーン

爆弾を積んだトラックがマーシー裁判所に突っ込むと

衝突の衝突でネットワーク不具合が生

マドックス判事はレイヴンを拘束していた椅子から解放します

 

ジャクリーンがSWATに、ロブがいるトラックの爆破を命じたとき

現場にやって来たレイヴンは、トラックの中に娘がいると

ジャクリーンに爆破を中止するよう頼みます

しかしジャクリーンはレイヴンの言葉を聞き入れず

SWATはトラックに爆弾を仕掛けますが、マドックス判事が遠隔操作で解除

ジャクリーンがロブを直接撃ち殺そうとするも、それもマドックス判事が阻止

マーシー裁判所ことマドックス判事は、ロブの証言が真実であるかどうか

新たな訴訟を開始することを宣誓します

ある殺人の容疑で処刑されたロブの兄デイビッドには

殺人が起きた時間(自宅で?)ロブと電話で話していた

アリバイ(スマホの動画)があり警察に提出しましたが

それをもみ消したのは何とジャクリーンでした

ジャクリーンはロブの訴えでスマホを回収したにもかかわらず

証拠品として提出することなく破棄してしまったのです

 

それもAI裁判を実現させるため

100の犯罪を減らすためには、ひとつの冤罪は厭わないという

正義感のためだったのです

 

ジャクリーンとロブは逮捕され

(本物の法による正義とは真犯人に罪を償わせること)

レイヴンは無事救出された娘のブリットと和解したのでした



【解説】映画.COMより

AIが司法を担う近未来を舞台に、身に覚えのない罪で裁かれた男が、限られた時間の中で無実を証明しようと奮闘する姿を描いたリアルタイムアクションスリラー。「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」「ジュラシック・ワールド」シリーズのクリス・プラットが主演を務める。凶悪犯罪が増加する近未来。敏腕刑事のレイヴンは、バディを組んでいた同僚警官が捜査中に殉職し、犯人が裁判によって無罪放免となったという苦い過去から、AIによる厳格な裁判制度の制定を提唱し、AI裁判所である「マーシー裁判所」が設立された。しかしある日、レイヴンが目を覚ますと、妻殺しの容疑で自らがマーシー裁判所に拘束されていた。レイヴンは冤罪を主張するが、事件前の記憶は断片的だった。無実を証明するには、AIが支配する世界中のデータベースから証拠を集め、AI裁判官が算出する「有罪率」を規定値まで下げなくてはならない。それがかなわなければ即処刑という状況の中、レイヴンは残された90分で真実にたどり着こうと奔走する。主人公レイヴン役をクリス・プラットが務め、AI裁判官のマドックスを「ミッション:インポッシブル」シリーズのレベッカ・ファーガソンが演じる。監督は、「search サーチ」のプロデューサーとしても知られるティムール・ベクマンベトフ。プロデューサーに「オッペンハイマー」「ダークナイト」のチャールズ・ローベン。

2026年製作/100分/PG12/アメリカ
原題または英題:Mercy
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

 

国宝(2025)

原作は「朝日新聞連載された(201712018年5月

吉田修一の同名小説で

吉田氏はなんと3年間にわたり中村鴈治郎の協力のもと

黒衣(くろご)として舞台裏を取材

中村鴈治郎は映画でも主演のほか、歌舞伎指導に参加

作中の舞台で出囃子(でばやし) として演奏しているのは実際の出囃子奏者

カメラはソフィアン・エル・ファニ

チュニジア出身で主にフランスで活躍している撮影監督で

日本の映画みたいに(日本の映画だけど)綺麗に撮るだけじゃないんですね

顔に刻まれた深い皺、崩れた化粧、見た目や人間性の醜さまでしっかり映し出すのです

(寺島しのぶの厭らしさや、田中泯の迫力の半端ないことよ)

昨年6月の公開ながら、いまさらながらの鑑賞で(日本語字幕付きの2日間限定上映)

お恥ずかしいのですが(笑)

本物感は半端ありませんでした

一方でストーリーはずいぶん端折っている感じでしたね

いきなり喜久雄と俊介が「喜久ちゃん」「俊ぼん」と呼び合う親友になってるし

喜久雄を追ってやってきた春江は突然俊介に乗り換えるし

「丹波屋」の衆はいまさらヤクザの息子だって無視しはじめるし

俊介も喜久雄も何事もなかったようにカムバックするし(笑)

もう少し丁寧な葛藤の描き方をしてほしかったです(原作を読めってか 笑)

長崎の極道「立花組」の御曹司、喜久雄(吉沢亮)は

父親の権五郎(竹野内豊)が対立する「五代組」との 抗争で殺され

仇を討とうとするも失敗

喜久雄に女型の才能を見抜いた、歌舞伎の名門「丹波屋」の二代目花井半二郎こと

大垣藤次郎(渡辺謙)は身寄りのなくなった喜久雄を引き取り

跡取り息子の俊介(横浜流星)とともに厳しく稽古し

やがてふたりは歌舞伎の若手スターとして人気になりますが

藤次郎が怪我をした時、舞台の代役に立たせたのは喜久雄でした(俊介が家出)

さらに病に倒れると、三代目花井半二郎を襲名させたのも喜久雄でした

しかし藤次郎が死ぬと、喜久雄の才能に対する周囲の嫉妬もあり

何より血縁を重んじる「丹波屋」(大垣家)の態度が一変

さらに喜久雄がヤクザの息子であることや、隠し子がいることを

(梨園の皆が知っていることを)週刊誌にリークされてしまい

歌舞伎界から冷遇を受けるハメになります

(俊介の母マツ(寺島しのぶ)が関与していると思われる)

そこに俊介と(喜久雄の恋人だった)春江高畑 充希)が

息子を連れて8年ぶりに戻って来ると

さらに居場所がなくなった喜久雄は

俊介の妹?の彰子(森七菜)と関係をもつようになります

それを知った世話役の吾妻(中村鴈治郎)は

喜久雄が役を得るために彰子を利用したのだと激怒し

喜久雄は彰子とともに破門させられてしまいます

三代目花井半二郎という名前を隠し

地方の宴会場などのステージに立つようになる喜久雄

彰子は献身的に喜久雄を支えますが、喜久雄は絶望の淵で限界にきていました

それを救ったのは伝説的な女形である人間国宝の万菊(田中泯)

奇跡のカムバックを果たした喜久雄は、再び俊介とコンビを組み

「二人藤娘」「二人道成寺」 を演じると大ヒット、脚光を浴びますが

今度は俊介の(父親の藤次郎と同じ)糖尿病が悪化

俊介は壊疽(えそ)で左足を切断し、義足で「曽根崎心中」の舞台に立ちますが

残った右足にも壊疽が及び、歩くこともままなりません

白塗りの顔が涙で流れ、泣いているのは徳兵衛とお初なのか

それとも喜久雄と俊介なのか、わからなくなる

 

間もなく俊介は合併症で(心不全と思われる)この世を去ります

時が過ぎ「人間国宝」となった喜久雄のインタビューに

カメラマンとしてやって来たのは

かって芸者の藤駒(見上愛)との間にできた娘のあやの見上愛が2役でした

あやのは「悪魔と取り引き」をして自分たちを棄てた父親を憎んでいましたが

今は喜久雄の凄さを認め、父親として尊敬していることを伝えます

ラスト「鷺娘」(さぎむすめ)を踊る喜久雄

「鷺娘」とは、人間に恋をしてしまった一羽の白鷺が

美しい娘の姿となって、恋の苦しみと未練で踊り明かし

最後は雪の中で力尽きて息絶えてしまうというもの

たぶんですが、喜久雄は万菊の「鷺娘」を初めて見たときに

雪の中で刺客に撃たれ、倒れていく父親の姿を見たのではないでしょうか

激しい怒りと、どうしようもない哀しさ

一方でそれは降りしきる雪のように美しいものだったのです

 

その日は喜久雄の誕生日で

女形として初めて演じた、自分の歌舞伎演者としてのルーツの日でもありました

いつか雪の中で舞う「鷺娘」を演じたい

「鷺娘」をものにしたい

そのためだけに、どんな手段を使っても

どんなどん底に突き落とされても這い上がってきた

 

そう考えると辻褄が合う

脚本も方向性をひとつにしたほうがよかったと思いますね

でなければ「喜久雄編」と「俊介編」の2部作にするとか

(製作の段階ではこんなにヒットすると思わなかったのだろう 笑)

でも無事に劇場で鑑賞できてよかったです

歌舞伎のセリフや長唄の意味も掴めるので

耳が不自由でなくても、日本語字幕版は意外とおススメですよ(笑)

 

 

【解説】映画.COMより

李相日監督が「悪人」「怒り」に続いて吉田修一の小説を映画化。任侠の家に生まれながら、歌舞伎役者として芸の道に人生を捧げた男の激動の人生を描いた人間ドラマ。
任侠の一門に生まれた喜久雄は15歳の時に抗争で父を亡くし、天涯孤独となってしまう。喜久雄の天性の才能を見抜いた上方歌舞伎の名門の当主・花井半二郎は彼を引き取り、喜久雄は思いがけず歌舞伎の世界へ飛び込むことに。喜久雄は半二郎の跡取り息子・俊介と兄弟のように育てられ、親友として、ライバルとして互いに高めあい、芸に青春を捧げていく。そんなある日、事故で入院した半二郎が自身の代役に俊介ではなく喜久雄を指名したことから、2人の運命は大きく揺るがされる。
主人公・喜久雄を吉沢亮、喜久雄の生涯のライバルとなる俊介を横浜流星、喜久雄を引き取る歌舞伎役者・半二郎を渡辺謙、半二郎の妻・幸子を寺島しのぶ、喜久雄の恋人・春江を高畑充希が演じた。脚本を「サマー・ウォーズ」の奥寺佐渡子、撮影をカンヌ国際映画祭パルムドール受賞作「アデル、ブルーは熱い色」を手がけたソフィアン・エル・ファニ、美術を「キル・ビル」の種田陽平が担当した。2025年・第78回カンヌ国際映画祭の監督週間部門出品。
2025
66日に封切られて大ヒットとなり、同年11月には「踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」(2003年公開、173.5億円)の興行収入を超え、22年ぶりに邦画実写の歴代ナンバーワンの記録を塗り替えた。第49回日本アカデミー賞では最優秀作品賞ほか10部門で最優秀賞を受賞。第98回アカデミー賞では、日本作品で初となるメイクアップ&ヘアスタイリング賞にノミネートされた。

2025年製作/175分/PG12/日本
配給:東宝

 

メラニア(2026)

原題は「Melania」

2024年、第2期(第47代)トランプ大統領当選から就任式までの20日間を

2度目のファーストレディとなったメラニア夫人目線で追ったドキュメンタリー

ある意味面白いというか、興味深かったです

この映画が出来た背景は

メラニアがAmazon創設者のジェフ・ベゾスと食事をした際に

映画制作と共同プロデューサーを提案

さらに監督のブレット・ラトナーも、夫人が自ら指名したそうです

このブレット・ラトナー監督

のちに第1期トランプ政権で財務長官となるスティーブン・ムニューシン氏と

2004年、映画製作会社「ラトパック・エンターテインメント」を設立

「アメリカン・スナイパー」や「マッドマックス 怒りのデス・ロード」など

著名な映画を製作していますが

2017年に多数の女性からセクハラを告発され(#MeToo運動)

ハリウッドから追放されてしまいます

それがメラニアのおかげでカムバックすることが出来たわけですから

(もともとトランプ夫妻とは親密で、私邸マール・ア・ラーゴに滞在するほどの関係)

メラニアを悪く撮るわけがありません

いわばメラニアのプロモーションビデオ

しかもAmazonがメラニアに支払ったギャラは

2800万ドル(約44億8千万円)という(笑)

おかげでマール・ア・ラーゴや

ニューヨークのトランプタワーでのセレブな生活

トランプの自家用機や、大統領専用機(エアフォースワン)の中を

ご観覧させていただくことができます

 

身体にフィットしたドレスで12cmのピンヒールを履き続ける

ストイックさが半端ない

移動の車中で(監督から)好きなアーティストを聞かれると

迷いなくマイケル・ジャクソンと答え

好きな曲は「ビリー・ジーン」と「スリラー」どっちか迷っていると

突然「ビリー・ジーン」を歌いだすという

庶民的な一面も見せて、好感度アップも忘れない(笑)

(ついでに監督も歌いだし、気心が知れていることが伺える)

トランプが記者の質問に詰まった時には、的確な助言をし

トランプが「今のシーンはカットだ!」と言っても

笑顔でカメラマンに「撮って」と返す聡明さ

(本物のインタビューではなく、演技のように見える)

さらに次期ファーストレディとして、政権移行に伴う複雑な手続きや

式典の準備、パレードの細部をチームに指揮

世界の子どもたちを支援するための

「Fostering the Future Together」(未来をともに育む) を立ち上げ

平和を尊重する次世代のリーダーを育てるための教育の重要性

米国の里親制度(フォスターケア)を利用する若者への教育や就業への支援

といったプロジェクト(慈善活動)をアピール

会談するひとりはネタニヤフ首相のサラ夫人

(メディアから「誤解されている者同士」だとして強い連帯感を持っているらしい)

ハマスに拘束されていたアメリカ系イスラエル人、アビバ・シーゲルさんを招き

未だ人質になっている夫キース氏の解放のために

自分の影響力と力(influence and power)を使って戦うことを誓います

(でもガザやイランの病院や学校が空爆されて民間人が亡くなるのはOKなのね)

 

そしてついにマール・ア・ラーゴから

ホワイトハウスに引っ越しの日がやってきます

まずは就任式の朝、大統領夫妻が次期大統領夫妻を

ホワイトハウスの「モーニング・ティー」に招待する

その後同じビースト(大統領専用の防弾車 )に乗り就任式の会場まで向かいます

(バイデンとカマラ・ハリスの苦渋に満ちた顔をカメラは捕える)

最後は新大統領夫妻が前大統領夫妻を

ヘリコプター(マリーン・ワン)まで見送るというのが慣例ということ

こういう一連の映像が公開されたのは、たぶん初めてじゃないでしょうか

さすが元モデル、「見せる仕事」を知っている

(でも大学生になり身長206cmまで成長したバロン君は微妙に陰キャラ 笑)

しかし公開1か月前となる2025年12月

トランプと親交があったとされるジェフリー・エプスタイン

(未成年者の性的人身売買に関与する) エプスタイン・ファイルから

エプスタインの「右腕」でモデルエージェントのジャン=リュック・ブルネルと

ラトナー監督がポーズを取っている写真が公開

旧共産圏スロベニア(旧ユーゴスラビア)出身で

モデル時代のメラニア(当時はメラニア・クナウス)を見出したのもブルネル

 

彼女のためにビザ取得し、ニューヨークでのキャリアをスタートさせるため

自身のモデル志望の少女をエプスタインに紹介していたといわれる

モデル事務所に所属させます

そしてメラニア28歳の時ブルネルが主催したパーティーでトランプと出会い

34歳(トランプは58歳)で結婚、現在に至ったというわけです

公の場では無言で甲斐甲斐しく

常にトランプと手を繋いでいるメラニアですが

劇中の彼女はトランプ以上に言葉も行動もタフ、トランプに対しても

「あなたは自分の言葉で話せばいい、世界はあなたを待っているわ」

「ノイズ(雑音)は無視して、今やるべきことに集中して」と

(トランプの秘密を全て握っている?)かかあ天下ぶりを発揮しております

 

そうしてラストは

「これからの4年間、私は自分のやり方でこの国の子どもたちのために尽くす」と

締めくくったのでした

(世界の子どもたちを救う「Fostering the Future Together」はどうなった?)



【解説】映画.COMより

第45・47代アメリカ合衆国大統領ドナルド・トランプの妻でファーストレディのメラニア・トランプを題材にしたドキュメンタリー。
ドナルド・トランプが2024年米大統領選に勝利し、第47代大統領への就任が決まったことで、米国史上初の「2度目のファーストレディ」となったメラニア・トランプ。本作は、2025年の大統領就任式までの20日間を切り取ったドキュメンタリーで、就任式に向けての計画立案や指揮、ホワイトハウス移行に伴う複雑な準備、そして首都・ワシントンD.C.へ再び家族と引っ越す様子もカメラで捉え、メラニアを取り巻く世界の内部へと踏み込んでいく。重要な会議、私生活での会話、これまで公開されなかった記録映像を通して、メラニアがファーストレディに復帰する姿を描く。
監督は「ラッシュアワー」シリーズや「X-MEN:ファイナル・ディシジョン」で知られるブレット・ラトナー。

2026年製作/104分/G/アメリカ
原題または英題:Melania
配給:Amazon MGM Studios

 

瞳をとじて(2023)

原題は「Cerrar los ojos

ビクトル・エリセが31年ぶりに発表した長編映画

 

1947年、パリ郊外の屋敷で中国人の使用人と住む

老貴族の富豪レヴィ(ホセ・マリア・ポウ)が

スペイン人民戦線の元エージェント、フランク(ホセ・コロラド)に

中国人女性との間にできた娘チャオ・シューを

上海に行き探して連れてきて欲しいと頼む・・

「別れのまなざし」という1990年の映画の撮影中

フランクを演じたフリオ・アレナスが突然失踪してしまいます

それから22年後の2012年

「未解決事件」というスペインのTVのドキュメンタリー番組で

フリオを探す特集が組まれ、監督で老貴族も演じたミゲルも呼ばれます

番組終了後、フリオに似ている男が高齢者施設働いているという情報が入ったと

テレビ局から知らせを受けたミゲルが施設のある小さな町に向かうと

フリオは(退行性健忘という)記憶喪失で

施設に来る前のこともミゲルのことも一切覚えていませんでした

フリオになにがあって、なぜ失踪したのか

フリオの記憶を取り戻そうとするミゲル

という、弱めのサスペンスなのですが(笑)

それよりも「寡作(かさく)な巨匠」と呼ばれる

(数は少ないが、ひとつの作品の質が高く歴史に残る功績を残した人のこと)

ビクトル・エリセの映画への愛と回顧録が詰まった作品なんですね

老貴族の屋敷の名前「悲しみの王(キング)」(El Rey de todo el mundo)とは

(欧州の家に名前をつける習慣が好き←住所や番地がなかった時代の名残)

1990年にエリセ監督が書いた脚本のタイトル

しかしクランクイン直前でプロデューサーとの対立により

製作中止に追い込まれてしまいます

(「エル・スール」もプロデューサーが資金不足を理由に撮影を打ち切られた)

冒頭とラストの登場する双面神「ヤヌスの像」のヤヌスとは

ローマ神話で「過去と未来」「入口と出口」の二つの顔を持つ門の神のことで

「悲しみの王」の原作で、アルゼンチンの作家ホルヘ・ルイス・ボルヘスの短編小説

「死とコンパス」に登場する像ということ

エリセ監督はこの物語を映画化するため「悲しみの王」の脚本を書いたそうです

そしてエリセ監督にとって最も大きな挫折なったのが

ファン・マルセの小説を脚本化した「上海の呪文」

戦後間もないバルセロナで少年ダニが、美しい少女スサナと出会います

スサナは彼女の父親はスペイン内戦で敗れた元共和派の戦士だと言い

陰謀が渦巻く東洋の魔都「上海」に逃亡し

秘密工作員として妖艶な女スパイと冒険する物語を聞かせます

(美しい嘘からの現実逃避)

スサナと会うたび、彼女の物語に夢中になってしまうダニ

それも3時間を超える超大作だったため

資金と時間を巡ってプロデューサーと対立

最終的にエリセ監督が降板し未完のままに終わります

つまり劇中劇の「別れのまなざし」は撮れなかった映画たちへの鎮魂歌

エリセ監督にとって「悲しみの王」であり「上海の呪文」

そしてエリセ監督も主人公のミゲルと同じように

長い年月長編映画を撮ることが出来ないまま、執筆活動で収入を得てきたのです

(ほかにCMの演出、美術館の展示ビデオ、映画製作に関するワークショップなど)

フリオの持ち物の中にあった「三段峡ホテル」のマッチは

(彼が失踪中日本を訪れた、または日本人と交流があったことを示唆している)

広島県の安芸太田町に実在する「三段峡ホテル」のもので

エリセ監督の私物だそうです

もしかして(親日家だという)エリセ監督は映画界から干されていたとき

日本に隠遁(いんとん/世間を避けて隠れ住むこと )していたのかも知れません

つまりフリオはエリセ監督の投影だということ

本題を映画に戻すと(笑)

スペインでは、修道院や宗教団体(カトリックの修道会など)が

高齢者介護施設を経営しているケースが多くあるんですね

森で倒れていたところを発見されたフリオは

過去の記憶を全く失っていたため介護施設に預けられ

住み込みの用務員(建物の修繕や庭の手入れをしている)として働いていました

ミゲルは体験入居というかたちで施設に何泊か泊まることにし

連絡をくれた職員のベレン(マリア・レオン)から

フリオの持ち物である中国人女性の写真や、チェスのキングを見せられます

それは映画「別れのまなざし」の小道具でした

ミゲルにロープを渡され、なぜかもやい結び(水夫結び)ができる驚くフリオ

(ふたりが海兵隊時代に覚えたもの)

ミゲルはプラド美術館に勤めるフリオの娘アナ(アナ・トレント)や

かってフリオと恋敵として争ったロラ(ソレダ・ビジャミル)

映画の編集者で親友のマックス(マリオ・パルド)に会いに行き

マックスに「別れのまなざし」の残っているフィルムを

最近閉館した(フィルム上映できる昔の映写機が残っている)映画館まで

持ってきて欲しいと頼みます

一方、ミゲルが住む浜辺のバラックでは

隣に住む親切な若夫婦が(ミゲルの愛犬を預かってくれている)

管理人がここを売ることになったと、立ち退きしなければならないことを伝えます

贅沢なんかしなくていい

たった一度の短い人生スローライフで送りたいだけなのに

そんな長閑な考えはとうの昔に終わり、今はすべて金欲の支配下という嘆き

ついに「別れのまなざし」の上映日

古い映画館にフリオ、アナ、ベレン、そして施設のシスターたちが招かれ

マックスがフィルムを回すと

なんとチャオ・シューは見つかっていました

「悲しみの王」に向かい、老貴族の前にチャオ・シューを連れて来たフランク

老貴族は花瓶の水で布を濡らし、チャオ・シューの化粧を拭きとろうとします

するとチャオ・シューのアイラインが黒い涙の様に流れ

それを見た老貴族は発作を起こしそのまま息絶えてしまいます

老貴族(父親)の瞼を指で閉じたチャオ・シューは、自分も瞼を閉じ

そこで映画は終わります

フリオはこのラストを、娘アナの隣に座りながら目を見開いて観ていました

だけど彼が何かを思いだしたかどうかはわかりません

フリオが何を感じたのか、想像するのは私たち(観客)なのだから

最後にこの映画が製作された背景には

エリセ監督を敬愛する、スペインの映画製作会社「La Claqueta PC」のチームと

アルゼンチンの映画製作会社 「Pampa Films」が協力しあうという

国境を超えたドラマがあったそうです

 

 

【解説】映画.COMより

「ミツバチのささやき」などで知られるスペインの巨匠ビクトル・エリセが31年ぶりに長編映画のメガホンをとり、元映画監督と失踪した人気俳優の記憶をめぐって繰り広げられる物語を描いたヒューマンミステリー。
映画監督ミゲルがメガホンをとる映画「別れのまなざし」の撮影中に、主演俳優フリオ・アレナスが突然の失踪を遂げた。それから22年が過ぎたある日、ミゲルのもとに、かつての人気俳優失踪事件の謎を追うテレビ番組から出演依頼が舞い込む。取材への協力を決めたミゲルは、親友でもあったフリオと過ごした青春時代や自らの半生を追想していく。そして番組終了後、フリオに似た男が海辺の施設にいるとの情報が寄せられ……。
「コンペティション」のマノロ・ソロが映画監督ミゲル、「ロスト・ボディ」のホセ・コロナドが失踪した俳優フリオを演じ、「ミツバチのささやき」で当時5歳にして主演を務めたアナ・トレントがフリオの娘アナ役で出演。

2023年製作/169分/G/スペイン
原題または英題:Cerrar los ojos
配給:ギャガ

 

マーティ・シュプリーム 世界をつかめ(2025)

原題は「Marty Supreme」

マーティン・リーズマン(1930–2012) 1974年に発表した回顧録

「ザ・マネー・プレイヤー:アメリカ最高の卓球チャンピオン兼ハスラーの告白」を

「ゆるく」モデルにした卓球コメディ

タイトルの「Supreme」は英語で「最高の」「至高の」 という意味で

主人公マーティの口癖「I am supreme!」(俺は最高だ!)から

劇中で開発されたオレンジ色のピンポン玉のネーミングのこと

それにしてもマーティがクズ男すぎる(笑)

金のためにはどんな嘘でもつき、無神経でなりふり構わない行動

それもこれも卓球で世界一になるため

世界選手権の開催国に行く旅費を稼ぐためなんだけど

おかげで信用はゼロ、計画のほとんども失敗(笑)

だからといって単にユダヤ人を揶揄しているわけではなく

自身もユダヤ系アメリカ人であるジョシュ・サフディ監督が

ルーツでもあるユダヤ文化やアイデンティティを掘り下げたというもの

アウシュビッツなどユダヤ人に対する関する過激な発言も

「自分もユダヤ人だから(このジョークは)許される」のだそうです

(それにしても下品すぎるがな)

こんな不謹慎な男を、家族や友人が最後まで助けてくれるのも

戦後アメリカにおけるユダヤ人のコミュニティの結束力

さらにマーティが卓球で世界一になれば

ユダヤ人がスポーツ界でもなめられなくなり

同胞に誇りを与えることができると信じていたから

しかし世界選手権で無名の日本人(モデルは佐藤博治選手に負けてしまい

(マーティは日本が開発したスポンジラバーラケットに生涯文句を言っていたらしい)

リベンジを果たすため日本に向かい再戦する物語

 

実際の遠征費用は不法なものではなく(笑)

朝日新聞社など日本のメディア企業が後援したそうです

1952年ニューヨーク

マーティ・マウザー(ティモシー・シャラメ)は

卓球の全英オープンに行く旅費を稼ぐため

叔父の店でやりたくもない靴の販売員としてテキトーに働きながら

幼馴染の(既婚女性)レイチェルと不倫してしまいます

(オープニングの精子のシーンは選ばれし者という象徴らしい)

 

才能はあるけど、卓球クラブではイカサマまがいの賭け試合ばかり

賭けが大きければ、ふざけたプレイで観客を喜ばせます

ところが叔父がロンドンに行くために働いた給料700ドルを渡すことを拒否

当時卓球はメジャーなスポーツではなく

親族はマーティに真面目に働いて靴屋を継いで欲しいと思っていたんですね

そこでマーティは靴屋の従業員を店の護身用のピストルで脅し

金庫の金を奪うとロンドンに向かいます

選手の合同宿泊施設(現代の選手村のように立派でない)に

不満を持ったマーティは、勝手にリッツホテルに滞在

そこで元女優だというケイ・ストーン(グウィネス・パルトロウ)を知り誘惑

彼女の夫で実業家のロックウェルに自分を卓球王者だと売り込み

これはビジネスチャンスだとスポンサーになるよう勧めます

マーティは決勝で無名の日本人選手エンドウに敗れてしまいますが

マーティの言う通り「日本式ペンホルダーラケット」から

自社のペンのPRになると確信したロックウェルは

マーティに東京でエンドウとのエキシビションマッチを提案します

ただしそれは、多額の報酬と引き換えに

日本の観客を喜ばせるためのイカサマ試合でした

マーティはロックウェルの申し出を激しく拒否し

(同じユダヤ人で卓球仲間の)クレツキとともに

ハーレム・グローブトロッターズバスケットボールのエキシビションチーム)の

オープニングアクト(フライパンなどを使った卓球芸人)として

世界中を巡業することを選びます

グローブトロッターズのツアーが終わり

報酬を手にニューヨークに戻ったマーティでしたが

叔父から盗みを働いた罪で逮捕されそうになり

レイチェルの働いている店に逃げこむと、彼女が妊娠していることを知ります

マーティが俺の子じゃないと拒否り、レイチェルが泣いていると

そこにレイチェルの夫アイラが警察を呼ぶと現れマーティは再び逃走

タクシードライバーの友人ウォーリー(タイラー・ザ・クリエイター)を頼り

安ホテルに泊まることにし

ウォーリーが卓球協会からリッツに不正滞在した1,500ドルを支払わなければ

世界選手権への出場を禁止するという通知を発見

 

さらにマーティが風呂に入っていたバスタブが

(ホテルの支配人から入らないよう命じられていた)崩れ落ち

階下で愛犬のモーゼスを風呂に入れていたエズラ・ミシュキンを直撃

エズラはマーティにバックの中にある金を持って

モーゼスを獣医に連れて行くよう頼みます

ところがマーティとウォーリーはその金を持ってボウリング場に向かい

ボウラーたちを騙し賭け卓球で大金をせしめて逃げることにします

浮かれたのもつかの間、ガス欠になりスタンドで(これも不正に)給油中

追いかけてきたボウラーたちに見つかり

金は奪われるわ、ウォーリーの商売道具であるタクシーは壊れるは

ガソリンスタンドには火が付いてしまい

なんとか逃げ切ったものの、モーゼスが車から落ちてしまう

無一文になったマーティは、舞台で女優復帰するため

ニューヨークに戻ってきたケイに会いに行き

彼女を再び誘惑すると、セックスの最中彼女の首からネックレスを盗みます

ところが質に持っていくとネックレスはダイヤではなく

コスチュームジュエリーと知らされガックリ

 

ホテルに戻ると夫に殴られて家を出てきたというレイチェルが待っていて

ミシュキンは愛犬のモーゼスは何処だという

なんとミシュキンは元マフィアで実はとっても怖い爺さんだったのです

マーティは親友でスポーツメーカーの御曹司

さらにマーティの要望でオレンジ色の卓球ボールを開発してくれたボリスに

レイチェルを妹だと偽り泊めてくれと頼み

 

ミシュキンから謝礼を受け取とるため

レイチェルとボリスの父親の車を盗み、モーゼスを探しに行くことにします

スタンド近くの農家でモーゼスらしい犬を発見し

連れ去ろうとしたところに、農夫の親父が戻って来て不法侵入だと銃撃され逃げる

とにかく逃げてばっかりの男がマーティなんですね(笑)

無断で父親の高級車を借り壊されて戻ってきたうえ

ファザコンだと罵られボリスは

恩を仇で返すマーティにさすがにキレてしまい

マーティのために開発したボールを窓から投げ棄て、彼らを追い出します

 

そこでマーティはレイチェルの顔のあざが(涙で流れ)メイクであることに気付き

夫のアイラに殴られていなかったとわかると、レイチェルをアイラのもとに返します

そこでレイチェルは赤ちゃんがアイラの子ではないことを告白

怒ったアイラはレイチェルを(向かいに住む)マーティの実家に押し付けます

マーティは、ケイのところに行きネックレスを盗んだことを謝罪

ケイはマーティの嘘を見抜き追い出しますが

結局は彼を追いかけ、夫から結婚記念日に贈られたという

宝石の高級ネックレスを売って遠征代にするよう渡します

感動したマーティはそこ(セントラルパーク)でケイとセックスをはじめますが

巡回中の警官に見つかり(公然わいせつ罪で)職務質問され

ケイが有名人であることから、口止め料としてネックレスを奪われてしまいます

もういちどネックレスをくれよとせがむマーティ

だけどパーティに戻ったケイがなかなか戻って来ない

ケイは初舞台が批評家から酷評されたことを知り、個室で泣き崩れていました

さすがのマーティも声をかけることができず

ケイのスポンサーとして来ていた夫のロックウェルを見つけると

(世界選手権のある)東京でのエキシビションマッチを断ったのは間違いだった

どうしても出場させてほしいと頼みます

そのためには恥も外見もない

公衆の前で下半身をさらけ出し、ラケットでケツを叩かれることも厭わない

その頃レイチェルはミシュキンから大金を騙し取ろうと

別の黒い犬を用意を用意してミシュキンを怒らせます

ミシュキンと彼の部下はレイチェルを誘拐

マーティにレイチェルが殺されたくなかったら

モーゼスが見いる農家へ連れて行くよう強要します

そこでミシュキンとその部下と農夫が銃撃戦となり

ミシュキンと部下は死亡、レイチェルも撃たれます

しかもミシュキンの用意した報奨金は偽札(チラシを切ったもの)でした

そこにレイチェルの陣痛が始り

マーティはレイチェルを病院に置き去りにして、そのまま東京へ向います

ところが東京で世界選手権に出場する権利がないことを知らされ

さらにエキシビションマッチでエンドウに敗れると

ロックウェルから舞台で豚にキスするよう命令されます

マーティは試合はイカサマだと宣言し再戦を要求

エンドウもそれを承諾します

ここにきて、やっと本格的な卓球の試合のシーンのはじまり(笑)

エンドウを演じたのは2025年東京デフリンピックの銅メダリスト川口功人選手

川口選手は最初主演の依頼が来た時には、詐欺だと思ったそうです(笑)

撮影は360度どこからでも狙える特殊なマルチカメラ構成で

ピンポン玉を一切使わずお互いのリズムを完璧に同期させた「エア卓球」で行われ

後からCGで玉を合成

監督もお墨付きという本作で最も誇れるシーンになっています

僅差でマーティが勝利し会場に来ていたアメリカ陸軍兵士は大喜び

怒ったロックウェルからアメリカ帰りの飛行機に乗ることを拒否されたものの

軍の飛行機で無事帰国することができました

レイチェルのいる病院に向かうと、そこには母親の姿

息子が誕生したことをしります

その時マーティから「勝敗」や「世界一になるためだけに生きていた虚勢が消え

無条件の愛(血の繋がり)という感情が溢れだします

一方で「最低男」が「父親」になったことの責任と戸惑い

(見ているほうもマーティの人間性が突然変ったのに戸惑うわ 笑)

マーティはベッドに横たわるレイチェルに愛を告白すると

産まれたばかりの息子の姿を見て涙を流したのでした

 

 

【解説】映画.COMより

ティモシー・シャラメが主演を務め、1950年代のニューヨークを舞台に、実在の卓球選手マーティ・リーズマンの人生に着想を得て描いたドラマ。
卓球人気の低いアメリカで世界一の卓球選手になることを夢見るマーティ・マウザーは、親戚の靴屋で働きながら世界選手権に参加するための資金を工面する。ロンドンで開催された世界選手権で日本の手エンドウに敗れたマーティは、次回の日本での世界選手権への出場を目指す。不倫相手のレイチェルが妊娠し、卓球協会から選手資格を剥奪され、資金が底をつくなか、あらゆる方法で遠征費用を集めようとするマーティだったが……。引退した有名女優ケイ役でグウィネス・パルトロウ、マーティの友人役でグラミー賞受賞アーティストのタイラー・ザ・クリエイターことタイラー・オコンマ、マーティの恋人役でオデッサ・アザイオン、ケイの夫でインク会社社長のミルトン役でケビン・オレアリー、日本人選手エンドウ役で東京2025デフリンピックの卓球日本代表・川口功人選手が共演。「アンカット・ダイヤモンド」「グッド・タイム」のジョシュ・サフディ監督がメガホンをとり、第98回アカデミー賞では作品賞、監督賞、主演男優賞など主要部門を含む計9部門にノミネートされた。

2025年製作/149分/G/アメリカ
原題または英題:Marty Supreme
配給:ハピネットファントム・スタジオ