夕陽のガンマン(1965)4K復元版

原題は「Per qualche dollaro in piùもう数ドルのために

セルジオ・レオーネ監督作品の中で、本作が一番好き

というオールドファンも多いのではないでしょうか

顔のクローズアップを多用し、目で演技させる巧みな演出

イタリア映画の伝統を感じさせるネオレアリズモに

緻密に考えられたファッション

衣装デザインは舞台美術も兼ねているカルロ・シミ

レオーネは彼をよほど気に入ったのか

同じ衣装とセットを使いまわし(笑)

 エル・パソ銀行の支店長として出演させ

プロデューサーのアルベルト・グリマルディために設計した別荘は

レオーネの終の棲家となります

実質的な主人公は賞金稼ぎのモーティマー大佐を演じる

リー・ヴァン・クリーフ

冒頭からクールな立ち振る舞いに痺れます

遅れてやって来たクリント・イーストウッド

あだ名はモンコ(Manco)スペイン語で「片腕」

銃を撃つときと馬に乗るとき以外決して右腕を使わない

「荒野の用心棒」の続編を思わせるシークエンス

小僧に駄賃をねだられ、宿屋の女将は色目を使う

登場人物たちに直接的なセリフはあまりありません

雰囲気だけで魅せてくれます

帽子の撃ち合いで射撃の腕を見せつけあう

モーティマー大佐のほうが上をいくっていうのがまたいい(笑)

 

ふたりは賞金頭のインディオ(ジャン・マリア・ボロンテ)を捕えるため

協力することになります

刑務所を脱走したインディオは、ムショで同室だった元家具屋の男から

エルパソの隠し金庫の場所を聞いていて、襲撃に備えることにします

しかし自由の身になったにもかかわらず、インディオの目は虚ろ

手にはいつもオルゴール時計が握りしめられていました

モーティマー大佐は銀行襲撃の情報を聞き出すため

モンコにインディオ一味に潜入するよう命じ

モンコはインディオの親友をムショから脱出させると

インディオの仲間に入ることに成功します

インディオの計画は、まずエルパソとは別の銀行を襲い

保安官や自警団たちがそちらに向かった隙に

エルパソの銀行から金庫を盗もうというもので

4人の手下とともにモンコを別の銀行の襲撃に行かせます

途中で手下を倒したモンコは無線所のじいさんに

「銀行が襲われた」と嘘の無線を流させます

保安官たちが銀行に向かうと、インディオ一味はエルパソに向かいます

そこではモーティマー大佐が待機していました

 

しかしインディオのほうが一枚上手

入り口から入り銃を突きつけて金を奪う方法ではでなく

ダイナマイトで壁をぶっ壊し、隠し金庫ごと奪ったのでした

モーティマー大佐はモンコにリオグランデの北に一味を誘い込み

挟み撃ちにしようと持ちかけますが

モンコはインディオにモーティマー大佐と待ち合わせたのとは逆の方向を伝え

インディオは「ならば東だ」と砦に向かいます

 

そこで待っていたのはモーティマー大佐でした

裏の裏の裏をかく面白さ

モーティマー大佐は、ダイナマイトで吹っ飛ばしたら紙幣も灰になる

自分なら金庫を開けれるとインディオに持ち掛け、見事金を取り出します

インディオは分け前は後払いだとし

その夜宴が始まると、モンコは酔いつぶれたふりをして金を隠した小屋に行くと

そこにいたのはモーティマー大佐でした

モーティマー大佐はモンコに金を持って逃げるよう言いますが

インディオは最初からふたりが賞金稼ぎだと気付いていました

ふたりは一味に捕りリンチされます

しかしインディオの側近が銃を与えふたりを逃がします

インディオはふたりが部下たちと殺し合いになれば

分け前が増えると計算したのです

インディオの計画通りモンコとモーティマー大佐は部下たちを皆殺しにしますが

金はすでにモーティマー大佐が別の場所に隠していました

モーティマー大佐との決闘に挑むインディオ

銃を抜くのは時計のオルゴールが鳴りやんだ時

そして、なぜインディオが虚無感露わだったのか

オルゴール時計を大切に身に着けていたのかがわかります

 

インディオはかって夫のある女性に横恋慕していました

その女性を手に入れるため、夫を殺し屈辱しようとすると

女性はインディオの銃で自殺してしまったのです

その女性こそモーティマー大佐の妹でした

良家に育った軍隊の英雄が、賞金稼ぎになったのもインディオを殺すため

妹の復讐をするためだったのです

時計のメロディが鳴り止むと同時に、もうひとつの時計のメロディ

モーティマー大佐の時計を持ったモンコが現れます

クライマックスでも決して焦りは見せない

遠景を巧みに織り込んだ、ダイナミックで余裕の長回し

この脳裏に焼き付くようなワンシーンワンシーンを決して忘れない

役目を果たし去っていくモーティマー大佐

ひとり馬車の荷台に死体を担ぎ込むモンコ

勘定が足りないことに気付くと、死にきれてなかった奴がひとり

男を倒すと「これで計算があう」と馬車を走らせたのでした



 

【解説】映画.COMより

「荒野の用心棒」で世界中に“マカロニ・ウエスタン”ブームを巻き起こしたセルジオ・レオーネ監督と主演のクリント・イーストウッド、音楽のエンニオ・モリコーネが再結集し、2人の賞金稼ぎの共闘と友情をスタイリッシュに活写した西部劇アクション。
凶悪犯エル・インディオが刑務所から脱獄し、1万ドルの賞金が懸けられた。インディオ一味を追う若き賞金稼ぎ・モンコと商売敵のモーティマー大佐は、一味全員の賞金を山分けすることを条件に手を組むことに。2人は反発し合いながらも次第に絆を深め、インディオを追い詰めていくが、大佐にはある別の目的があった。
「真昼の決闘」のリー・バン・クリーフがモーティマー大佐を存在感たっぷりに演じた。同じくレオーネ監督とイーストウッドモリコーネがタッグを組んだ「荒野の用心棒」「続・夕陽のガンマン 地獄の決斗」とあわせて「ドル3部作」と呼ばれる。1966年製作/132分/イタリア・スペイン・西ドイツ合作
原題:Per qualche dollaro in meno
配給:アーク・フィルムズ

 

荒野の用心棒(1964)4K復元版

原題は「Per un pugno di dollari」(一握りのドルのために)

ドル3部作の4K復元版が公開され

劇場で見れる日がくるとは夢にも思いませんでした

本当に素晴らしかったです

セルジオ・レオーネがまだ無名の頃

イタリアで公開された黒澤明用心棒(1961)に感銘を受け

西部劇に作り変えようとしたのが発端ということですが

当時はイタリア人監督が日本の時代劇をスペインで撮影するという発想を

誰も信じなかったため(笑)

東宝はレオーネが申請したリメイク権許可依頼を無視

のちの映画のヒットにより著作権侵害だと告訴し

(リメイク権の依頼があったことは裁判中に判明)

荒野の用心棒の製作会社は東宝謝罪、10万ドルの賠償金

アジアにおける配給権配給収入の15%を東宝支払うことになります

一方、海外での映画著作者の報酬を知った黒澤は東宝を信じられなくなり

契約解除し海外進出を決意したそうです

裏目に出て「トラ!トラ!トラ!」を降板させられる)

ストーリーはクロサワ版とほぼ同じ

ひとりの風来坊が仕事を探しにやって来た町で

町を牛耳るふたつの一家がお互い敵対しているというもの

低予算のため、ハリウッドスターの高額なギャラが払えず

目をつけられたのが、テレビ西部劇「ローハイド」でブレイクした

クリント・イーストウッド

当時イーストウッドは「ローハイド」の番組制作側との契約で

ハリウッド映画に主演することができなかったため

半ば観光気分で海外での撮影を承諾したそうです

クロサワ版、レオーネ版どちらも傑作で

勝敗を決めるのは不可能なのですが

音楽はエンニオ・モリコーネの勝ち

(片手間に作った曲がまさかの名曲 笑)

「さすらいの口笛」が流れた瞬間鳥肌モノ

オープニングからワクワクが止まりません

そこから名無しの男(クリント・イーストウッド)がラバに乗って

サンミゲルという町にやってくる

木の枝には首吊りの縄

男が井戸の水を飲んでいると、幼い少年が建物に入っていく

しかし少年は無法者の男たちに追い出され父親ともども銃で脅されます

閉じ込められている女が窓から父子を見つめている

棺桶屋のじいさんが新しい棺桶が必要だと目論んでいる間に

男はちょっかいを出してきた無法者3人を早撃ちで瞬殺します

 

宿屋の親父シルバニトから

この町ではドン・バクスター(武器商人で資産家、町の保安官)と

ドン・ミゲル(酒の密売などで儲けているやくざ)が対立をしていて

すぐに町から出て行くよう言いますが

名無しの男が殺した3人の無法者はバクスターの手下で

男の銃の腕に惚れ込んだミゲルは男を100ドルで雇います

ミゲルには、ライフルの腕の立つラモンという息子がいて
ラモンはアメリカの騎兵隊との取引で、金を騙し取ったうえ機関銃で射殺し

メキシコ兵の仕業だと見せかけたためそれを偶然男が目撃していた)
町に警察(軍隊)が調査に来ることになります

ミゲルは、(治安のいい町見せかけるため)敵対するバクスター

一時休戦を申し出て夕食に招くことにします

 

同じ夜、男とシルバニトは

(ラモンらに虐殺された)騎兵隊の死体を町外れの墓地まで運び

あたかも生きているように墓標に立てかけます

それから男はバクスターにラモンの悪行を明かし対立を煽ると

両家は銃撃戦となり、バクスターの息子アントニオがミゲル一家に拉致され

 

男がラモンが騎兵隊から奪った金を探していたところに

ラモンの愛人マリソルがやって来て、誤って殴り倒してしまいます

男はマリソルをバクスター家に運び、バクスター夫人から謝礼を貰います

マリソルとアントニオの人質交換が行われることになると

再びそこに現れた幼い少年とマリソルの夫

我慢しきれず息子を抱きしめてしまうマリソルでしたが

男は夫にマリソルから離れるよう注意します

その夜ミゲル家で宴会が行われ、男は浴びるように酒を飲むと

酔いつぶれたふりをして寝床を抜け出し

マリソルを夫と息子のところ連れ出し「国境を越えるよう」

バクスター夫人から受け取った金を渡すのでした

そこまでしてくれる理由は何かと訪ねられ

男は昔知っていた女性を思い出したとだけ答える

(「瞼の母」だろうか)

しかしマリソルを逃がしたことはすぐにバレ

男はラモン一味にリンチされ利き手を踏みつぶされてしまいます

隙を見て脱出したところを棺桶屋に助けられますが

ラモンはバクスターの屋敷に灯油をぶちまけ放火

降伏するバクスター一家を皆殺しにします

その様子を棺桶の中から見つめる男

棺桶屋は男を鍛冶屋の跡地?のような場所に匿い

男は傷の回復を待ち(利き手でないほうで)早撃ちの訓練と

板金に精を出します

棺桶屋からシルバニトがラモンに捕まったことを教えられた男は

拷問を受け吊るされているシルバニトを助けにいきます

そこでラモンにライフルで心臓に命中させてみろと挑発する

何度撃たれて倒れても立ち上がる男

ラモンが弾切れになったとき

男は板金で作った防弾チョッキを着ていたことを種明かし

ミゲル一家を全滅させると、町を去っていくのでした

 

大急ぎで大勢の死体の寸法を図る棺桶屋おじさん

だけどどっちの親分も死んでしまって、棺桶代は誰が払うの?(笑)

延々と長ったらしいエンドクレジットや

ラストに余計な「おまけ」がないのも、余韻に浸れてよかったです

 

 

【解説】映画.COMより

イタリアのセルジオ・レオーネ監督が、黒澤明監督の傑作時代劇「用心棒」を西部劇としてリメイクした名作アクション。イタリアのみならず世界中で大ヒットを記録し、イタリア製西部劇“マカロニ・ウエスタン”のジャンルを確立した一作として知られる。
メキシコ国境に近いアメリカの小さな町に現れた流れ者のガンマン。ジョーと名乗るその男は、この町では悪徳保安官バクスターと悪党ロホ兄弟の2大勢力が対立していることを知り、彼らを争わせて共倒れさせようと画策する。
当時アメリカの西部劇テレビドラマ「ローハイド」で人気を集めていたクリント・イーストウッドが主人公のガンマンをクールな魅力で演じ、彼の名が世界的に知れ渡るきっかけとなった。エンニオ・モリコーネが音楽を担当。同じくレオーネ監督と主演のイーストウッド、音楽のモリコーネがタッグを組んだ「夕陽のガンマン」「続・夕陽のガンマン 地獄の決斗」とあわせて「ドル3部作」と呼ばれる。

1964年製作/99分/イタリア・スペイン・西ドイツ合作
原題:Il magnifico straniero
配給:アーク・フィルムズ

 

オッペンハイマー(2023)

「物理学300年の成果が大量破壊兵器か?」

「ノーベルもダイナマイトを発明した」

 

原題は「Oppenheimer」

原作はピュリッツァー賞受賞の

オッペンハイマー 「原爆の父」と呼ばれた男の栄光と悲劇」

(American Prometheus: The Triumph and Tragedy of J. Robert Oppenheimer)

第96回アカデミー賞では作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞

編集賞、撮影賞、作曲賞の主要7部門受賞

クリストファー・ノーランはインタビューで

子どもの頃聞いたスティングの「ラシアンズ」(Russians)で

オッペンハイマーを知り興味を持ったと答えていましたが

 

「ラシアンズ」聞いたほうがよほど「反戦」「反核」の

メッセージがありますね(笑)

つまり映画のテーマは「反戦」「反核」ではない

当時のユダヤ人科学者の置かれていた立場や

戦後、ジョセフ・マッカーシーが強行した「赤狩り」により

オッペンハイマー共産党員でソ連に機密情報を流したという疑惑

オッペンハイマー事件」を軸に描いているんですね

 

オッペンハイマーアインシュタイン

ドイツからのユダヤ系移民であったこと

同時期ハリウッドでマッカーシー赤狩りに協力したのは

ウォルト・ディズニーエリア・カザンロナルド・レーガン

ゲイリー・クーパーロバート・テイラーが有名ですが

ディズニーが熱烈な右翼として成功したのに対し

カザンは仲間を売ったという十字架を生涯背負うことになります

 

これらの背景が、アカデミー賞受賞の大きな要因になったとのではないかと

個人的には思っています

作風はいかにもクリストファー・ノーランらしく(笑)

時系列はバラバラ、現実と幻影が入り混じりながら展開していきます

 

物語は大きく、オッペンハイマーの目線(カラー)と

米国原子力委員会(AEC)のルイス・ストローズの目線(白黒)にわかれていて

 

ノーランファンにとっては面白い構成かも知れませんが

どこまで史実に基づいているのか、伝記ものとしても

非常にわかりにいのが正直なところ(笑)

1947年、ストローズはアインシュタインらを擁している

プリンストン高等研究所所長にオッペンハイマーを任命します

そこでオッペンハイマーアインシュタインに話しかけた後

アインシュタインはストローズを無視します

 

ストローズはオッペンハイマーアインシュタイン

自分の悪口を言ったのだと

さらにオッペンハイマーの特有の嫌味を含んだジョークに

自分が小ばかにされたと思い込んでしまう

それは単なる勘違いなのですが、そのことを根に持ち一生忘れない

面倒くさい男だったのです(笑)

ロスアラモス国立研究所の初代所長になったオッペンハイマー

ナチス・ドイツとの核エネルギーの開発を競争するための研究チームを結成

核エネルギーを利用した原爆の開発を進めますが

 

ヒトラーが自殺しドイツが降伏

これでドイツに原爆を投下しなくて済むと、安堵する科学者たちもいたわけですが

「日本がある」とオッペンハイマー

 

3年の歳月と22億ドルの予算が注ぎ込まれた国家プロジェクト

原爆で日本を降伏させる、原爆こそが戦争を終わらせるという名義のもと

原爆を完成させ、人類初の核実験トリニティは成功

広島と長崎への原爆投下が成功すると、研究所は歓喜に湧きます

タイムズ紙で「原爆の父」と称えられ

英雄として賞賛されるようになったオッペンハイマー

 

しかしエドワード・テラーの予言通り爆発は大気引火し破壊力を増し

直接爆破の被害に遭わなかった人々も、後遺症で死亡していくことがわかり

実際の死者の数はオッペンハイマーの計算を遥かに上回っていたことを

後になってから知らされるのです

(計算は得意だが、実験(現実)に弱いことが伏線になっている)

トルーマン大統領からホワイトハウスに呼ばれたオッペンハイマー

「自分の手が血塗られているように感じます」と語ると

大統領は彼を「泣き虫」と罵ったのでした

 

戦後、冷戦下に陥ったアメリカはソ連核兵器競争となり

(日本への原爆投下で)人道的影響から、倫理観に目ざめたオッペンハイマー

(そういいながら、現実は来日した際も広島と長崎には訪れなかった)

 

1954年になると、ストローズはオッペンハイマーの影響力を排除するため

AECの保安公聴会に働きかけ、米国エネルギー省(DOE)への機密保持許可

(国家安全保障情報、機密データにアクセスするためのセキュリティ)を

オッペンハイマーから取り消すための工作に成功するのです

(事実上の公職からの追放)

 

ロバート・オッペンハイマーキリアン・マーフィー)

22 歳のとき理論物理学の博士課程学生としてケンブリッジ大に留学

量子物理学の研究で計算は得意だが、実験は失敗ばかりでした

博士号取得後はカリフォルニア大バークレー校とカリフォルニア工科大で教鞭をとる

ロスアラモス国立研究所の初代所長に任命され

世界で初原子爆弾を開発に成功する

1965年、咽頭がんとわかり1967年62歳没

 

ルイス・ストローズ(ロバート・ダウニー・ジュニア)

戦後の核兵器開発、核エネルギー政策における主要人物でAECの委員長

両親はドイツとオーストリアからのユダヤ人移民で

靴のセールスマンからフーバー長官の腹心にまで昇進した叩き上げ

共産主義者

オッペンハイマーに馬鹿にされたと思い込んでいて復讐する



レスリー・グローブス(マット・デイモン

アメリカ陸軍工兵隊(USACE)士官マンハッタン計画の責任者

日本への原爆投下のスケジュールを立てた張本人

「(広島と長崎への)2発だけ」は史実と違い

実際には17基にも及ぶ原爆の投下が計画されていた

 

キャサリン・「キティ」・オッペンハイマーエミリー・ブラント

生物学者、元共産党員、オッペンハイマーの妻

オッペンハイマーと知り合った時は既婚だったが

オッペンハイマーの子を妊娠して夫と離婚する

 

ジーン・タトロック(フローレンス・ピュー)

精神科医英語文献学者

オッペンハイマーの元恋人でオッペンハイマーが結婚後も関係を続けていた

共産党員でFBIの監視下に置かれいて、1944年自殺(署名のない遺書)

検死で薬物(抱水クロラール)が見つかったことから暗殺という説もある

 

フランク・オッペンハイマーディラン・アーノルド

オッペンハイマーの弟で素粒子物理学

妻ジャッキー(エマ・デュモント)と共に元共産党

キティが育児ノイローゼになったときオッペンハイマーの息子を預かる

オッペンハイマーの推薦によりマンハッタン計画に携わる

 

アーネスト・ローレンス(ジョシュ・ハートネット

ノーベル賞受賞(1939)した核物理学者で

カリフォルニア学バークレー校でオッペンハイマーと知り合う

カルトロン加速器=ウランの濃縮装置)を開発し

広島に投下された原爆(リトルボーイの濃縮ウラン235を製造

カルトロンの改良に力を注いだ一方、カラーテレビの真空管なども開発

潰瘍性大腸炎アテローム動脈硬化により195857歳没

 

ボリス・パッシュ(ケイシー・アフレック

アメリカ陸軍の情報将校、アルソスミッション

(敵国の科学的発展を発見するための軍人や科学者による組織)のトップ

ソ連出身で父親はロシア正教会の神父(当時アメリカとソ連は同盟国)

 

デイビッド・ローレンスヒルラミ・マレック

核物理学者トルーマン大統領に原爆使用前に日本に警告するよう

(シラードの嘆願書)求めた科学者のひとり

彼の公聴会での「オッペンハイマーの失脚はストローズの個人的な動機」

という評言により、上院はストローズの米国商務長官指名を否決した

 

【右】ニールス・ボーアケネス・ブラナー

【左】パトリック・ブラケット(ジェームズ・ダーシー

ニールス・ボーア

ノーベル賞を受賞1922したデンマークの物理学者哲学者

オッペンハイマーが尊敬している

 

パトリック・ブラケット

物理学者でケンブリッジ大教授、ノーベル賞受賞者(1948)

オッペンハイマーが実験に失敗したことで講義を受けさせず

オッペンハイマーは彼のリンゴに注射で青酸カリを盛る(未遂に終わる)

 

エドワード・テラーベニー・サフディ

「水爆の父」として知られる理論物理学

アメリカに亡命したハンガリー生まれユダヤ

マンハッタン計画に参加し、核分裂だけの原子爆弾から

核融合を用いた水素爆弾へ発展させるべきだと主張しオッペンハイマーと対立

公聴会オッペンハイマーを非難する

 

 ケネス・ニコルズ(デイン・デハーン

マンハッタン計画の安全監督

 

ヴェルナー・ハイゼンベルク(マティアス・シュバイクホファー)

ノーベル賞受賞(1932)ドイツの理論物理学

ヴェルナーの知識がナチスによる原爆製造の解明に役立つと

オッペンハイマーは信じている

 

リリー・ホーニグ(オリヴィア・サールビー

マンハッタン計画に携わった唯一の女性

 

イシドール・アイザック・ラビ (デヴィッド・クラムホルツ)

ノーベル賞受賞物理学者(1944)

赤ん坊のときアメリカに移住したポーランドユダヤ

マンハッタン計画コンサルタント

オッペンハイマーと共にプロジェクトに取り組む

 

ヘンリー・スティムソンジェームズ・レマー

陸軍長官、原爆投下で京都を候補地から外すよう命じる

(新婚旅行先の思い出の地で美しい街でだったから)

 

ハリー・S・トルーマンゲイリー・オールドマン

第33代アメリカ合衆国大統領

1945年8月に広島と長崎に原子爆弾を投下する決断を下した

 

ロジャー・ロジェイソン・クラーク

保安公聴会での特別検察官

オッペンハイマーと他の証人に対し、共産主義者との関係について尋問し

2 1 オッペンハイマーの機密保持許可を剥奪することを理事会が可決

 

ウィリアム・L・ボーデン(デヴィッド・ダストマルチャン)

米国議会原子力エネルギー合同委員会(JCAE)の事務局長

公聴会でFBI宛にオッペンハイマーソ連のスパイだと告発した

手紙を書いたことを明かした

マッカーシズム共産党と思われる人物に弾圧迫害をする

 

ゴードン・グレイ(トニー・ゴールドウィン

トールマンとアイゼンハワー政権の弁護士で政府高官

(ストローズが任命した)公聴会の委員長

オッペンハイマーの機密保持許可の取り消しを決定する

 

ストローズの側近で上院補佐官(オールデン・エアエンライク

 

ロイド・K・ギャリソン(メイコン・ブレア)

オッペンハイマー代理人を務めた弁護士

 

アルバート・アインシュタイントム・コンティ

相対性理論で知られる理論物理学者、ノーベル賞受賞(1921

ドイツ生まれのユダヤ人で社会主義者1940アメリカ国籍を取得)

作中でオッペンハイマーは「相対性理論は古い」と語った

(そのわりにはアインシュタインに意見を求めている 笑)

 

ラスト、オッペンハイマーアインシュタインの会話のフラッシュバック

ふたりがストローズについて何も語っていなかったことがわかります

(単にインテリの興味のないことに無関心あるある)

 

1963年、オッペンハイマージョンソン大統領により

エンリコ・フェルミ賞を授与されたことにより、汚名挽回したそうです

 

それでも私がこの映画を見た限りでは、オッペンハイマー

戦争を終わらせた英雄とか、「赤狩り」の被害者というより

彼の人格そのもの問題、というか

ほとんどの登場人物に人格障害があるように思えました

 



【解説】映画.COMより

ダークナイト」「TENET テネット」などの大作を送り出してきたクリストファー・ノーラン監督が、原子爆弾の開発に成功したことで「原爆の父」と呼ばれたアメリカの物理学者ロバート・オッペンハイマーを題材に描いた歴史映画。2006年ピュリッツァー賞を受賞した、カイ・バードとマーティン・J・シャーウィンによるノンフィクション「『原爆の父』と呼ばれた男の栄光と悲劇」を下敷きに、オッペンハイマーの栄光と挫折、苦悩と葛藤を描く。
第2次世界大戦中、才能にあふれた物理学者のロバート・オッペンハイマーは、核開発を急ぐ米政府のマンハッタン計画において、原爆開発プロジェクトの委員長に任命される。しかし、実験で原爆の威力を目の当たりにし、さらにはそれが実戦で投下され、恐るべき大量破壊兵器を生み出したことに衝撃を受けたオッペンハイマーは、戦後、さらなる威力をもった水素爆弾の開発に反対するようになるが……。
オッペンハイマー役はノーラン作品常連の俳優キリアン・マーフィ。妻キティをエミリー・ブラント原子力委員会議長のルイス・ストロースをロバート・ダウニー・Jr.が演じたほか、マット・デイモンラミ・マレック、フローレンス・ピュー、ケネス・ブラナーら豪華キャストが共演。撮影は「インターステラー」以降のノーラン作品を手がけているホイテ・バン・ホイテマ、音楽は「TENET テネット」のルドウィグ・ゴランソン。第96回アカデミー賞では同年度最多となる13部門にノミネートされ、作品賞、監督賞、主演男優賞(キリアン・マーフィ)、助演男優賞ロバート・ダウニー・Jr.)、編集賞、撮影賞、作曲賞の7部門で受賞を果たした。

2023年製作/180分/R15+/アメリ
原題:Oppenheimer
配給:ビターズ・エンド

 

せかいのおきく(2013)

惚れた女に言ってやれ ”せかいで一番お前が好きだ” ってな

 

毎日映画コンクール 日本映画大賞、脚本賞、録音賞

キネマ旬報ベスト・テン 1(日本映画作品賞)、脚本賞

高崎映画祭 最優秀作品2024年の映画賞を賑わせている本作

 

一緒に高崎映画祭に参加した徳さんがDVDを贈ってくれました

徳さん、ありがとうございます!

幕末の江戸

排泄物を買い取り下肥(しもごえ)買い

へ売ることを生業としている「汚穢屋」(おわいや)の青年と

 

武家育ちであるものの、安政の大獄」(だと思う)で

父が浪人になり、処刑され

自身も喉を切られ声を失った、貧しい長家暮らしの娘

きくとの恋模様

8編のショートストーリーに区切られているので

ひとつひとつのエピソードが短く見やすいですね

(一部カラーの意味は不明)

 

ただ、大人の肛門期というか (笑)

スカトロジーというか(笑)

便の描写にはかなりのこだわりを感じた一方

私的には、もう少し糞尿のシーンは控えめのほうがよかったです

おきく(黒木華)は寺子屋で子どもたちに読み書き教えている22歳

突然の雨で厠(公衆トイレ)の庇(ひさし)で雨宿りをすると

そこには 下肥買いの矢亮(池松壮亮)と

紙屑拾い中次寛一郎)がいて

おきくは中次に一目惚れしてしまいます(笑)

 

私は恋愛で、一目惚れほど強力なものはないと思っています

いわゆる「あばたもえくぼ」

その人のどんな欠点でさえ愛おしいと思ってしまう

中次は「紙屑など売っても割に合わんだろう」と矢亮に誘われ

矢亮の相棒となって糞尿を買取り、江戸川の水路と荷車を使って

郊外の農家(地主)に収めにいくようになります

 

安政5年秋のある日、長雨が続き

おきくの住む長屋の厠(ここも公衆トイレ)から

便があふれ出し悪臭が立ち込めます

そこに大家に頼まれた矢亮と中次が片づけに来ると

思わず「私のはありません!」と叫んでしまうおきく(笑)

おきくの父、源兵衛(佐藤浩市)は、そんなおきくの気持ちを察してか

中次に「“せかい”という言葉を知っているか?」

空は果てしなく、彼方には知らない事がたくさんあるのだと

もし好きな女ができたら「せかいで一番好きだ」と言えばいいと教えます

 

でも教養もない、読み書きもできない中次は

源兵衛の言っている意味がわかりませんでした

そこに3人の侍が現れ、源兵衛は彼らについていきます

おきくに父親を知らないかと訪ねられると

侍と一緒に東へ向かったと答える中次

おきくは家の戸棚から懐刀を持ち出し父親を追いかけま

 

ぽかんとしている中次に

桶屋の孫七石橋蓮司)はなぜおきくを止めなかった

「庶民には“武家のしきたり”なんぞわからんからな」と嘆きます

そして竹林で背中を斬られて倒れている源兵衛と

少し離れ、ゼイゼイと息が漏る首の傷口を押さえているおきく

 

おきくは命を取り留めたものの、声を失ってしまい

父親を亡くした悲しみから床に伏せてしまいます

(長屋の女たちが食べ物を届けている)

半年が過ぎ、おきくのもとに

お寺の和尚(眞木蔵人)が寺子屋の子どもたちとやってきて

和尚は扉越しに「おきくさんには役割がある」

「役割は 役を割ると書く」 (これは名言)

「読むことはできなくても 書くことはできる」

「できないことは できる者がすればいい」 と声をかけます



「師匠」「お顔が見たいです」という子どもたちに

おきくは布団から出ると、ついに扉を開け笑顔を見せます

中次が紙問屋から頼まれた紙の束(半紙)を届けに来ると

おきくはさらに元気を取り戻します(笑)

半紙に「ちゅうじ」と書き、ひとり恥じらい畳に転がって照れてしまう

 

中次も矢亮も「臭い、臭い」と皆から蔑まれているけれど

厠の汲み取り業がなかったら、便所は溢れ町の人々は困る

肥料が手に入らず、農家も困る

おきくはふたりが重要な仕事をしているとわかってるんですね

だから矢亮が武家屋敷の門番から買取料を吊り上げられたうえ殴られ

便を浴びせられた姿を見ても、手ぬぐいを差し出す

矢亮から「そばにいられると迷惑だ」と断られても

身振り手振りで必死に、違うと

そんなことはないと訴えるのです

 

さらにおきくは味噌おむすびを握り

便と味噌をかけたユーモアなのでしょうか 苦笑

中次に差し入れすることにします

しかし途中で大八車(大型のリヤカー)とぶつかり転んでしまい

おむすびを轢き潰されてしまいま

それでもめげず(笑)中次の住んでいる長屋に向かう

雪がちらつく寒空の下、中次を待つおきく

やっと帰ってきた中次に、何が起こったか伝え(可愛い)

ぺしゃんこになったおにぎりを見せます

 

中次はおきくのほっぺについていた米粒を見つけると取って食べ

自分も身振り手振りで気持ちを伝えることにします

空を仰ぎ腕を回し、地面を繰り返し叩く

おきくさんが、せかいで一番好きなんだと

寛一郎さん、演技下手だなあ 笑)

そうして潰れたおにぎりを貪り

「おきくさんは武家の人で、おらはこんな身分だ

だけど、いつか読み書きを教えてほしい」と頼むのです

(喋れないおきくのために、読み書きを覚えたい)

おきくは何度も大きく頷くと中次を抱きしめるのでした

 

といっても、中次が長屋に住んでいることから

(孫七も中次を「庶民」と呼んでいた)

汲み取り屋が世間から差別され馬鹿にされていたとしても

「えたひにん」とは違うのでしょう

実際、昭和40年代まで人間の糞尿は堆肥として使われ

東京にも肥溜めが残っていたそうです

公的なインフラとして稼げる商売だったのかも知れません

 

やがておきくが教える寺子屋に、中次の姿

この日、おきくが選んだお題は「せかい」という文字でした

和尚の「東に行けば、いつしか西から出てくる」という説明に

子どもたちは「???」(笑)

そして毎早朝、父親の習慣を見習い四方に手を叩くおきく

でも彼女が耳を澄ませているのはいつも、中次の足音でした

 

ラストの3人での散歩は蛇足でしたね(笑)

どうしてもこのシーンが必要があるのであれば

ここは魚眼レンズではなく

3人を捉えたカメラが左から右へゆっくり消えていき、やがて左から現れる

和尚の言う「せかい」を表現したほうが、もっと素敵になった気がします

 

 

【解説】映画.COMより

北のカナリアたち」「冬薔薇(ふゆそうび)」などの阪本順治監督が、黒木華を主演に迎えて送る青春時代劇。
江戸時代末期、厳しい現実にくじけそうになりながらも心を通わせることを諦めない若者たちの姿を、墨絵のように美しいモノクロ映像で描き出す。武家育ちである22歳のおきくは、現在は寺子屋で子どもたちに読み書きを教えながら、父と2人で貧乏長屋に暮らしていた。ある雨の日、彼女は厠のひさしの下で雨宿りをしていた紙屑拾いの中次と下肥買いの矢亮と出会う。つらい人生を懸命に生きる3人は次第に心を通わせていくが、おきくはある悲惨な事件に巻き込まれ、喉を切られて声を失ってしまう。
中次を寛一郎、矢亮を池松壮亮が演じ、佐藤浩市、眞木蔵人、石橋蓮司が共演。

2023年製作/89分/G/日本
配給:東京テアトル、U-NEXT、リトルモア

 

デューン 砂の惑星 PART2 (2024)

原題は「Dune: Part Two」

フランク・ハーバートSF小説「デューン」(Dune) を映画化した

「DUNE/デューン 砂の惑星」の続編で、スタッフは前作とほぼ同じ

 

IMAXで鑑賞して正解、これはもうケタが違う

未曾有の映像体験でした

キャストは全員主役級

壮大なロケ、高技術VFXによる迫力の映像

大地の唸り、サンドワームの気配、砂嵐、日食

サンドベージュ、オレンジ、黒のセンス良く統一されたカラートーン

クライマックスの決戦

そこにハンス・ジマーの荘厳な音楽

地響きのような音圧が身体を揺らす

俳優組合(SAG-AFTRA)によるストライキの影響で

公開が4か月遅れたため、今年のアカデミー賞のノミネートとはならず

クリストファー・ノーランはラッキーだったのではないでしょうか(笑)

物語はひとりの男が英雄になり、やがて予言者として大衆に崇められ

神格化していく・・というプロセスが描かれていくわけですが

part1でしっかり、アトレイデス公爵家、ハルコンネン家

皇帝(コリノ家)と秘密結社ベネ・ゲセリットによる利権

砂漠の惑星アラキス(デューン)の先住民フレメンとの関係を把握しておくと

よりわかりやすい、面白く鑑賞できると思います

なぜ人は強者を求めるのか

予言者を必要とするのか

どうして宗教(イスラム教とキリスト教)は生まれたのか

神が出現したとしても、なぜ争いは絶えず終わらないのか

西暦10191年を舞台に描かれていくのです

つまり今から8000年以上経た未来の宇宙になっても

現在のガザや、ウクライナと変わらないということ

財閥や政治家は、土地や資源の利権を巡

そこに昔から暮らしている人々の家やインフラを破壊する

攻撃されるのは、政治とも利権とも何のかかわりあいもない人々

家族を殺され、住む家も水も食料もなくなったとき

民衆は救世主の登場を待つようになります

悪の支配者を倒し、元通りの生活を取り戻してほしいと

救世主の言葉に従い、自分たちの土地を奪った支配者を倒しに行く

反乱は勝利を収めたように見えましたが

それを許さない領主たちが

さらに激しい戦いを仕掛けようとします

この永遠に終わらない戦争のループを

ドゥニどう畳みかけるのか

今からpart3が楽しみでしかありません

 

ポール・アトレイデス(ティモシー・シャラメ

ハルコンネン家に滅ぼされたアトレイデス家唯一の後継者

母親と、フレメン(砂漠の民)と共にハルコンネンの哨戒を撃破し

アラキスの南側、フレメン民の住む地で彼らの言語を学び

サンドワームに乗るなどフレメンの流儀を覚え、チャニと恋人になる

フレメンから「ムアディブ」という名前を与えられ

選ばれし救世主という業を背負いハルコンネン家と戦い勝利するが

その時ポールが求婚したのは、チャニではなく皇女イルーランだった

 

レディ・ジェシカ(レベッカ・ファーガソン

ベネ・ゲセリットのメンバーでアトレイデス公爵の愛妾、ポールの母親

スティルガーにフレメンの教母になるよう

「命の水」(サンドワームの体液)を飲まされる

教母となる女性はこの毒素を飲んでも死なず

これまでの教母たち全ての記憶を引継ぎ、過去も未来も見えるようになる

そのことで実の父親がハルコネン男爵だとわかり

アリア(胎児の娘)とテレパシーで会話できるようになる

 

チャニ(ゼンデイヤ

フレメンの女戦士、ポールの唯一の味方で彼を愛するようになるものの

ポールが繊細で誠実な青年から、フレメンの救世主と崇拝されるようになり

ポールが支配者(=民衆が奴隷になる)ことに納得していない

 

シシャクリ(スヘイラ・ヤコブ

フレメンの女戦士でチャニの友人

最初はポールのことを馬鹿にしていたものの

ポールがフレメンの儀式をこなしていくうち受け入れるようになる

聖戦で捕らえられ、フェイド=ラウサの拷問を受けることを予想させる

 

スティルガー(ハビエル・バルデム

フレメンの部族長、予言や救世主の登場を信じていて

ポールとレディ・ジェシこそその人物だとフレメンの儀式を与える

聖戦で殉死

 

ガーニイ・ハレック(ジョシュ・ブローリン

元アトレイデス家の軍事教官で、ポールの武術指導者

アトレイデス家が滅ぼされた後、スパイスの密売人として生計を立てていたが

ポールと再会し、フレメンの戦いに協力するようになる

アトレイデス家が保有していた核爆弾のありかを知っている

 

ウラディミール・ハルコンネン男爵(ステラン・スカルスガルド

ハルコンネン家の当主、過度の肥満と身体的障害でありながら

スパイス(資源)を収穫する特許(のようなもの)の持ち主

ジェシカの父、ポールの祖父であったことがわかる

聖戦でポールに殺される

 

グロッス・ラッバーン・ハルコンネン(デイヴ・バウティスタ

ハルコンネン男爵の甥

スパイスの収穫フレメン襲撃で失い

アラキスの統治を弟に奪われてしまう

 

フェイド=ラウサ・ハルコンネン (オースティン・バトラー)

ハルコンネン男爵の甥でグロッス・ラッバーンの弟

精神病者危険な殺し屋で女好き(の、わりには立場はわきまえてる)だが

ハルコンネン男爵は、彼をハルコンネン家の跡継ぎ

皇帝にもなれる逸材と据えている

皇帝の代理としてポールと決闘し、敗れて死ぬ

 

皇帝シャッダム4世(クリストファー・ウォーケン

コリノ家の当主で宇宙の最高主権者、星間旅行を独占している

ハルコンネン男爵を利用し、アトレイデス公爵家を滅ぼした張本人

聖戦でポールに支配権を掌握(しょうあく)され、ポールの指輪にキスをする

 

皇女イルーラン(フローレンス・ピュー)

皇帝の娘で、ベネ・ゲセリットのメンバー

皇帝が最も信頼する予言者(ポールが生きていることも予言した)

ポールに娶(めと)ると宣言され、父親の生存を条件に同意する

 

レディ・マーゴット・フェンリング (レア・セドゥ)

皇帝の側近で、ベネ・ゲセリットのメンバー

教母の命令によりハルコンネン家の遺伝系統を確保するため

フェイド=ラウサを誘惑し彼の子を身ごもる

 

ガイウス・ヘレン・モヒアム(シャーロット・ランプリング

ベネ・ゲセリットの教母、真実論者

(民衆側の味方となり権力に反抗的になった)アトレイデス公爵を殺すため

皇帝を操った真の黒幕

 

しかし、アラキス上空に集まったコリノ家の領主たちは

ポールの勝利を認めず、支配権を拒否

ポールは領主と領主の艦隊を攻撃することを宣言し

スティルガーにフレメンを導き

フレメンが捕虜となっている船を奪還するよう命じます

 

アリアはジェシカに、これが新たな聖戦の始まりだと語り

フレメンでただひとり、ポールが救世主であることを認めないチャニは

サンドワームに乗って姿を消したのでした

 

 

【解説】映画.COMより

「メッセージ」「ブレードランナー2049」のドゥニ・ビルヌーブ監督がフランク・ハーバートSF小説を映画化し、第94回アカデミー賞で6部門に輝いたSFアドベンチャー大作「DUNE デューン 砂の惑星」の続編。
その惑星を制する者が全宇宙を制すると言われる砂の惑星デューンで繰り広げられたアトレイデス家とハルコンネン家の戦い。ハルコンネン家の陰謀により一族を滅ぼされたアトレイデス家の後継者ポールは、ついに反撃の狼煙を上げる。砂漠の民フレメンのチャニと心を通わせながら、救世主として民を率いていくポールだったが、宿敵ハルコンネン家の次期男爵フェイド=ラウサがデューンの新たな支配者として送り込まれてくる。
ティモシー・シャラメゼンデイヤレベッカ・ファーガソンら前作のキャストに加え、「エルヴィス」のオースティン・バトラー、「ミッドサマー」のフローレンス・ピュー、「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」のレア・セドゥが新たに参加。

2024年製作/166分/G/アメリ
原題:Dune: Part Two
配給:ワーナー・ブラザース映画

 

君たちはどう生きるか(2023)

第96回アカデミー賞長編アニメーション賞を獲得

日本語字幕付き英語吹替版が公開されたので

今更ですが鑑賞してきました

受賞の結果を受け鈴木敏夫プロデューサー氏によると

旧約聖書のような物語ですのでもともと

 アメリカのお客様のほうが受け入れてくれるのではと思っていました

ということ

宮崎駿黙示録”を作ったという意識があった

「僕らの若い頃、60年代では聖書をもとにした映画がアメリカでたくさん作られました

 この作品も色濃く影響された部分があるんです」

確かに50年代から60年代にかけては

ベン・ハー」「十戒」「天地創造」などの名作が数多くあり

宮崎駿監督が影響を受けたというのも納得いきます

しかも子どもの頃見た映画って強烈で忘れられませんよね(笑)

しかし新約聖書の一番最後にある

ヨハネの黙示録」(預言書とも呼ばれている)

黙示文学の中でも難解で象徴的

信者ですら言及することは避

教会の礼拝でも引用されることがないという正典

当時は新興宗教として迫害されていたキリスト教徒が

歴史的あるいは政治的な理由で)深い知識と教養のある人にしかわからないよう

敢えて暗号的にしたという解釈もあるそうです

1944年、東京

11歳になる眞人(まひと)は、空襲の火災で入院中の母親を亡くすと

1年もたたないうちに父親の勝一が疎開先(母親の故郷)で再婚

夏子というその女性は母親の妹で、しかもすでに妊娠していました

お父さんも夏子さんも悪いわけじゃない、でも割り切れない

田舎の学校にも馴染めない

だから小さな復讐をしてみた

石で自分の頭を殴り、血だらけになって帰宅します

効果てきめん、父親は学校に苦情を言いに行き

夏子さんはショックで寝込んでしまったうえ

(内心死んだ姉に申し訳ないと思っている)

行方不明になってしまいます

アオサギの導きにより夏子さんを探しに行く眞人と

それに巻き込まれてしまうばあやのキリコ

が、キリコは下界(三途の川?のある生と死の狭間のような場所)では

若くパワフルな漁師(笑)

そこに住む人々(殺傷をできないらしい)や

「ワラワラ」(来生を待つ魂)のため、食料用の魚を釣って与えています

さらに眞人がピンチになるたび助けてくれる、炎を操る少女ヒミ

それもそのはず、ヒミは眞人の死んだ母親(下界では生きている)だったのです

ヒミの案内で夏子を見つけ出した眞人

だけど夏子は帰らないと言います

眞人に憎まれていると思っているから

眞人は夏子を元の世界に、父親の元に戻すため

夏子を「お母さん」と呼びます

「お母さん」「夏子お母さん!」「お母さん!!」

この作品で宮崎駿が訴えたかったテーマは

「赦し」

そして「反戦」だと思うんですね

どんな恨みがあっても、戦争は決してしてはいけないのだと

黙示録の初心者向けの解説を読んでみると

黙示、「この世が終わって、来るべき世が到来する」こと

この世の神であるサタン(に属する宗教預言者や悪霊が滅ぼされ

最後の審判で人が天国と地獄に分かれると

エスキリストが王となり1000年間地上を支配(千年王国

人が神の子として完成して、新しい天地(新天新地)出現すると

エス12弟子のひとり、使徒ヨハネによって予言されたもの

(書かれたもの)と言われているそうです

つまり、眞人が使徒ヨハネ

ヨハネがいたローマ帝国では、キリスト教は強い迫害にあっている

第二次世界大戦での空襲

捕らえられ、パトモス島という小島に流される

→田舎に疎開(そこでも虐められる)

その地でヨハネは、これから起こる未来を教えられるわけですが

様が直接啓示をするのとは違います

神様から→エス大叔父?)

エスから→御使い(天使)(キリコやおばあちゃん達?)

御使いから→ヨハネ

まるで伝言ゲームのようで、ややこやしい(笑)

天使ミカエルは、青サギ(サギ男)?

赤い竜(サタン)は、インコ大王?

妊娠している女は夏子(これはわかる 笑

赤い女が産もうとしている子どもを食べようとしていて

(将来その子は強大な権力を握り、すべての国の王になると約束されていた)

神は妊婦を天に引き上げ、お腹の子を攻撃から守ろうとします

竜は女を殺そうと、やがて天で戦争が始まり

ミカエルたち天使が、竜とその手下と戦い

竜たち戦いに敗れ地上に投げ落とされてしまいます

 

黙示録ではその後も竜は女を殺そうと追いかけますが

宮崎版では、かって宙から降ってきたという神殿が崩れていき

眞人、夏子、キリコは無事脱出

大王とその手下たちは、小鳥となって飛び立っていきます

戦いが終わってみれば悪魔(アメリカ人)の姿も

決して怖いものだけではなかったのです

それから2年後、平和になった日本で

眞人は両親と弟とともに東京に戻ることになるのでした

 

 

【解説】映画.COMより

宮崎駿監督が2013年公開の「風立ちぬ」以来10年ぶりに世に送り出した、スタジオジブリの長編アニメーション。「風立ちぬ」公開後に表明した長編作品からの引退を撤回して手がけ、宮崎監督の記憶に残るかつての日本を舞台に、自らの少年時代を重ねた自伝的要素を含むファンタジー
母親を火事で失った少年・眞人(まひと)は父の勝一とともに東京を離れ、「青鷺屋敷」と呼ばれる広大なお屋敷に引っ越してくる。亡き母の妹であり、新たな母親になった夏子に対して複雑な感情を抱き、転校先の学校でも孤立した日々を送る眞人。そんな彼の前にある日、鳥と人間の姿を行き来する不思議な青サギが現れる。その青サギに導かれ、眞人は生と死が渾然一体となった世界に迷い込んでいく。
宮崎監督が原作・脚本も務めたオリジナルストーリーで、タイトルは宮崎監督が少年時代に読んだという、吉野源三郎の著書「君たちはどう生きるか」から借りたもの。主人公の少年・眞人役の声は、映画「死刑にいたる病」などに出演する若手俳優の山時聡真。そのほかの声の出演に菅田将暉柴咲コウあいみょん木村佳乃木村拓哉大竹しのぶ、國村準、小林薫火野正平ら。作画監督は「新世紀エヴァンゲリオン」シリーズで知られる本田雄、音楽は宮崎作品を支えてきた久石譲、主題歌は米津玄師の書き下ろし新曲「地球儀」。
タイトルとポスター1枚が発表された以外、映画の内容やキャスト、スタッフの情報なども明らかにされず、一切のプロモーションが行われないまま劇場公開を迎えるという異例の展開で話題を集めた。アメリカでも高い評価を得て、第81回ゴールデングローブ賞では日本作品で初めてアニメーション映画賞を受賞し、第96回アカデミー賞でも宮崎監督作およびジブリ作品として「千と千尋の神隠し」以来となる2度目の長編アニメーション賞受賞という快挙を成し遂げた。

2023年製作/124分/G/日本
配給:東宝
劇場公開日:2023年7月14日

 

第37回高崎映画祭 授賞式に行ってきました

群馬・高崎市 高崎芸術劇場で行われた

第37回 高崎映画祭 授賞式に行ってきました

最優秀作品賞「せかいのおきく」

「これからも映画の世界で生きたい」

「また戻ってこられるよう頑張りたい」と

阪本順治監督

黒木華(本物)

「すごくうれしい」

石橋蓮司(本物)

原田満生プロデューサー

最優秀監督賞 外山 文治 監督

「茶飲友達」

最優秀監督賞 足立紳 監督

「雑魚どもよ、大志を抱け!」

最優秀主演俳優賞 岡本玲

「茶飲友達」

最優秀助演俳優賞 森山未來

「ほかげ」

最優秀助演俳優賞 中村ゆり「市子」

「20年間の俳優人生ではじめて賞をもらいました」(笑)

最優秀新人俳優賞 花瀬琴音

「遠いところ」

最優秀新進俳優賞 堀家一希

「世界は僕らに気づかない」

最優秀新進俳優賞 辻凪子

「凪の憂鬱」

新進監督グランプリ 工藤将亮 監督「遠いところ」

「ダルマもらえるのかな?」(笑)

新進監督グランプリ 磯部鉄平 監督

凪の憂鬱」

受賞おめでとうございます

これからも自分たちの信じる映画作りや、演技に頑張ってください

5年後、10年後、たとえ100年経っても

本当に良いものは必ず残るのだから

 

授賞式前、徳さんが昭和レトロな「中央銀座通りアーケード」など

今回もいろいろ案内してくれました

お楽しみの高崎グルメは、天松の天丼ランチ

映画までちょっと時間があったので

群馬経済大学の学生たちが営んでいるという「カフェ あすなろ」で

コーヒーとプリンもいただきました

授賞式のあとは、「庄や高崎西口店」でカンパイ!

と言っても飲んだのはベベちゃんだけ(笑)

徳さん、fpdさん、帰りの電車の時間までつきあってくれてありがとう!

徳さんから高崎銘菓の「観音最中」

fpdさんからはウエッジウッドの紅茶のお土産いただきました

これはおうちシアターのお供に最高

ありがとうございます

(案の定、翌日仕事から帰ったら最中3個しか残ってなかった 笑)

映画にグルメに大スターまで見れて大満足

来年も、ぜひご一緒しましょう