プリンセス・シシー(1955)

Bunkamuraル・シネマ で開催されている(10/1811/14)

ロミー・シュナイダー映画祭2024】 にて

「プリンセス・シシー」を鑑賞してきました

他には「最も重要なものは愛」(日本劇場初公開)
「デス・ウォッチ」(日本劇場初公開)の2本が公開されていますが

日程と時間の関係で行けません、涙

原題「Sissi」(オーストリア皇后エリーザベトの愛称)は

ドイツ語映画の中で最も成功した作品のひとつで

ロミーは16歳にして映画界のトップスターとなり

続く「若き皇后シシー」(1956)「ある皇后の運命の歳月」(1957

との3部作は、皇后シシーの誕生日がクリスマスイブであることから

今でもクリスマス特別番組として人気で

アメリカの「素晴らしき哉、人生! (1946)みたいなものですね)

ヨーロッパではドイツ語圏の国を中心に放映されているそうです

でもロミーが主演したのは、継父がロミーのギャラを事業に投資して破産

無理やり主演させられていたんですね

20歳になったロミーは「シシー4」の頑なに断り

母親と継父にも、ドイツ映画界にも、「ロミー=シシー」のレッテルにも幻滅し

アラン・ドロンとの共演をきっかけに恋に落ちたロミーは

パリのドロンさまのもとへ逃げ出し、同棲

その後も「幸福」とはいえない、波乱万丈な人生を送るわけですが

本当にこの映画のロミーはお人形みたい

可愛いくて、お転婆で、動物好き

パステルカラーの衣装、長くて豊かな栗色の髪

ハンサムで男らしい王子様(軍服姿ってかっこいいよね)

まるで夢の中の憧れの世界

日本でも多くの女性が影響を受けたと思います

似たような少女漫画や「ぬりえ」もたくさんありました(笑)

特に前半の皇帝フランツ・ヨゼフとの出会いまでがコメディタッチで楽しい

ババリアバイエルン)の田園地方で多くの子ども達とともに

自由な生活を送っていた公爵夫妻ですが

ある日公爵夫人のもとに、姉ヘレーネこと愛称ネーネの縁談が舞い込みます

オーストリア帝国皇帝フランツ・カルルの暗殺未遂があり

后は夫を退位させ、息子のフランツ・ヨゼフ1世(カール・ハインツ・ベーム)を

皇帝に擁立させたことで、后は(公爵夫人は后の妹)息子の妻に

従妹のネーネを迎えようとしていました

ところが皇帝は、城を抜け出し川で釣りをしていたシシーに一目惚れ

(その前に馬車馬に水をやるシシーに会っているがな 笑)

婚約発表のパーティでネネではなくシシーを選びます

だけど大好きな姉のことを思えば、素直に喜べないシシー

おまけに姑の后はかなりキツイ

こればかりは身分関係なく世界共通なのね(笑)

でもネーネにもすぐに素敵なダーリンが出来て幸せに

姑も皇帝の機転で意地悪できなくなります

最後はウィーンでの盛大な結婚式で幕を閉じるというもの

とにかく全てが「目の保養」

どうせなら3部作全部上映してくれればいいものを

なんで1作目だけなのよ

続きが気になるじゃない(笑)

Bunkamuraさんには、ロミー・シュナイダー映画祭を

来年もぜひお願いしたいです

 

【解説】映画.COMより

オーストリアの最も美しく最も悲劇的な皇后とも言われるエリーザベトと、夫であるフランツ・ヨーゼフ1世の出会いや結婚を描いた歴史恋愛ドラマ。後に「夕なぎ」「ルートヴィヒ」などで活躍する名女優ロミー・シュナイダーが、主人公エリーザベト(通称シシー)を演じ、当時弱冠17歳だった彼女の名をヨーロッパ中に知らしめた作品。
19世紀のオーストリア。皇太后ゾフィーは若き皇帝フランツ・ヨーゼフのお后候補として、妹ルードビカの長女ネネに白羽の矢を立てる。ネネ一家の主であるマックス公爵は宮廷暮らしを嫌い、家族そろって田舎暮らしをしていたが、フランツが一目で恋に落ちたのはネネではなく、田舎暮らしを楽しむ自由闊達な妹シシーの方で……。
フランツを演じるのはライナー・ベルナー・ファスビンダー作品ほか、のちに「血を吸うカメラ」などにも出演するカール=ハインツ・ベーム。ロミーの母であるマグダ・シュナイダーが、シシーの母役で出演した。2024年10月、「ロミー・シュナイダー傑作選2024」にて4Kデジタルリマスター版でリバイバル公開。

1955年製作/102分/G/オーストリア
原題または英題:Sissi
配給:コピアポア・フィルム

 

映画よ、さようなら(2010)

原題は「La vida util」(スペイン語で耐用年数、または寿命)

とても映画ツウ、シネフィル向けであるとともに

映画を映画館で人々に届けるために働く人々への

映画を愛する人々への敬意が込められている作品

舞台は南米ウルグアイモンテビデオにあるシネマテーク

(上映ホールを備えたフィルム・アーカイヴ)「シネマテカ・ウルグアイ

日本でいえば「国立映画アーカイブ」のような

ミニシアターで働くホルヘ(45 歳)は

古いフィルムの管理、上映作品の選択

舞台挨拶から映写、座席の修理までこなし

ラジオ「シネマテークの時間」で、映画解説をする毎日

ホルヘを演じたのはもともと映画評論家の方で

館長役は実際にシネマテカ・ウルグアイ

長年映画キュレーターとして働いてきたご本人

映画はフィクションですが「シネマテカ・ウルグアイ」は実際財政難に陥り

館長自ら映画に出演することに同意したそうです

その日の館長へのインタビューのテーマは「観客教育」

「観客を育てなければならない」という映画の持つ問題点について

「映画とは記憶することでも博識であることでもない」

「偉大な映画監督の作品を年代順に言える事じゃない」

「映画は人を動かす 心を動かす」 と論じ

オフィスの壁には黒澤明監督の「乱」と「モダンタイムス」のポスター

VHSの棚には「生きる」のテープなど映画愛がいっぱい

 

さらにホルヘが意義も自信も持って上映作品に選んだのは「オリヴェイラ特集」

マノエル・ド・オリヴェイラ19082015年)はポルトガルの映画監督で

105歳まで劇映画監督として活躍したことで有名なんですけど

熱く語ったところで何人知ってます?って話ですよね(笑)

観客は減少し、会員数も毎月減って行く一方

老朽化した劇場と映写機の修理代もない

賃料は8ヶ月滞納し立ち退きを迫られる

頼みの綱の後援財団からも「営利事業とは言えない」と支援を停止されてしまい

シネマテークは事実上倒産してしまいます

涙するホルヘ

ついに閉館の日、ホルヘは鞄に荷物をまとめ

モンテビデオの街をあてどなく放浪していると

突如、「駅馬車」のワンシーンが流れます(笑)

ホルヘは密かに恋している友人の女性

パオラが数学講師として働く大学を訪ね

そこで学生から哲学の代講師間違われると「そうだ」と言って

「嘘」についての講義を始めます

ホルヘは「嘘」を「映画」に置き換えると

「嘘は尊い

「嘘は普遍的」

「嘘は高貴なもの」

「僕は高貴な嘘の新参者 誰が規則を作れる?」と

映画への敬意を殺すものは何もないことに、彼自身気づくのです

本物の講師がやってくると

教室から出たホルヘはポケットのナッツを池の鯉に与えると

馴染みの床屋に散髪に行きます

散髪が終わると床屋に仕事用の鞄を置き去りにして

再びパオラに会うため大学に向かいます

 

そこで彼が口にしたのは、何度も練習したデートへの誘い文句

「コーヒーを飲みに行かない?」ではなく

「今から映画を見に行かない?」 でした

映画の仕事をするだけが映画愛じゃない

好きな人と一緒に映画を見ること

それも映画への愛だとわかったから

パオラは少し驚いたものの、快く「いいわ」と答えたのでした



誇りを持ってやってきた仕事への執着を潔く諦め

(60分という長さなのでそう感じる)

新しい一歩を踏み出す、さわやかなラストでしたが

これはウルグアイだけでなく

日本の名画座やミニシアターが置かれている状況も同じ

決してお涙頂戴なストーリーではありませんが

映画館を愛する人なら感動すること間違いないと思います

 

監督・脚本のフェデリコ・ベイローの詳しい経歴はわかりませんが

1976ウルグアイモンテビデオ生まれ

30代でこんな映画撮ったなんて凄いですよね

趣味は「コーヒーを飲んだ後、空を見上げて観察すること」だそうです(笑)

 

 

【解説】映画.COMより

老朽化と観客の減少により、閉館の憂き目に遭うシネマテーク=フィルムライブラリー。そこに勤める1人の男の姿を通して、フィルムで撮影された映画やシネマテークにオマージュをささげる。南米ウルグアイの首都モンテビデオ。両親と暮らす45歳のホルへは、シネマテークに勤めて25年になる。フィルムの管理、作品の選択、プログラムの編成、映写から客席の修理と、ホルヘはさまざまな仕事を一手に担っていた。しかし、ここ数年は観客も減少し、建物の賃料も滞納状態が続き、老朽化した機材も修理不能で、館長やスタッフたちを悩ませている。出資元の財団から、利益が出ない状態を続けるわけにはいかないと通告され、ついに立ち退きを迫られる。「25年間、毎日ここにいる」と誇りをもって言える、ホルヘにとって大切な場所が静かに終わりを迎えようとしていた。監督は「アクネ ACNE」のフェデリコ・ベイロー。

2010年製作/67分/ウルグアイ・スペイン合作
原題または英題:La vida util
配給:Action Inc.

 

仁義(1970)

「東京日仏学院 エスパス・イマージュ」で開催された「追悼 アラン・ドロン

2本目はジャン=ピエール・メルヴィルの最高傑作とも言われている「仁義」

2度目のレビューになるので、前回とは違うアプローチをしたいと思います(笑)

原題はLe Cercle Rouge」(赤い輪)で

運命で結ばれた人間は、一つの赤い輪の中にいる

(運命、あるいはカルマの定め)というブッダの言葉から

 

しかもこの「宿命論」というテーマのオーラを浴びたように

公開された年にブールヴィル病で亡くなり53歳没)

その3年後メルヴィル心臓発作で倒れ早すぎる死を迎えます55歳没

メルヴィル赤い輪」の脚本は西部劇の転調で

セルジオ・レオーネ夕陽のガンマン「ウエスタン」)

舞台は西部ではなくパリ、南北戦争後ではなく現代、馬ではなく車

刑務所から釈放されたばかりの男という

伝統的で簡素なスタイルから始めたといいます

そこでイタリアを代表する世界的な名優

ジャン・マリア・ヴォロンテを招いたわけですが

ヴォロンテは相当厄介な性格で、しかも流暢なフランス語を喋れるので

撮影は大変だったそうです

(でもカメラの前では人格が変わるらしい 笑)

 

確かにヴォロンテならフィルム・ノワールだのヌーヴェル・ヴァーグだの

スカした映画なんぞ糞くらえとかいいそうだわ(笑)

映画の最初の3分の1は

刑務所から出所したコレー(アラン・ドロン)と

列車での輸送中脱獄したヴォーゲルジャン・マリア・ヴォロンテ)の

別々の行動を見せられます

コレーは、マルセイユの刑務所で 5 年の刑期を終えた釈放前日

看守から宝石店を襲う「仕事」を頼まれます

あまり乗り気ではないが、話を聞いてしまうコレー

コレーがかっての仲間リコを訪ねると

寝室にはコレーの恋人だった女(持っていた女の写真のほくろでわかる)

リコはコレーが密告しなかったおかげで助かったにも係わらず

豪邸に住み、コレーの恋人まで奪っていました

しかしコレ-は現金が必要だったため、黙って銃と金を奪い立ち去ります

ヴォーゲルはマッテイ警部ブールヴィルによって

マルセイユからパリまで列車で移送されています

ヴォーゲルは隠していた安全ピンで手錠を解き、列車から飛び降ります

マッテイはすぐに列車を停め追いかけますが、若いヴォーゲル追いつきません

すぐさま憲兵と警察犬の手配や道路の封鎖をし、ヴォーゲル追跡

服を脱ぎ川を渡ったヴォーゲル

ダイナーに停めてある車のトランクに忍び込みます

(検問にあいトランクの鍵を開けたままだった)

そのアメリカ車はコレ-が停めたものでした

メルヴィルアメリカのギャング映画を喚起するのも好き)

食事を終えしばらく草原を走ったコレーはトランクを開けます

コレーが隠しておいた銃を持って現れるヴォーゲル

彼がパリを騒がせている脱獄した囚人だとすぐに気付くコレー

コレーはゆっくり煙草を吸うと

煙草の箱とライターをヴォーゲルに投げるのでした

なぜならすぐに彼が自分と同類だとわかったから

 

さらにリコが雇った殺し屋ふたりに襲われたコレーをヴォーゲルが助け

偶然という運命によって絆が深まるふたり

中盤は、元警官のジャンセン(イヴ・モンタン にスポットが当てられます

刑務所の看守から聞いた仕事の話をヴォーゲルに教えるコレー

ヴォーゲルはその話は信憑性があると

計画に必要な狙撃手としてジャンセンを紹介します

 

その頃ジャンセンはアルコール依存症による幻覚に苦しんでしました

(本当にあるかどうかはわからない)ドアの隙間から

様々な昆虫や爬虫類が現れてジャンセンを襲うのです

しかしコレーとの待ち合わせのクラブに現れたジャンセンは

仕立てのいいコートにスーツ

いくら腐っても、仕事の時は何をするべきかわかっている男

コレーからの依頼を引き受け、その日から酒を断つのです

 

パリのヴァンドーム広場にある高級宝石店に下見に行き

ここで彼らの計画がはっきりとわかります

一方、ヴォーゲルを逃がしたマッテイ警部は

(彼もまた猫3匹と暮らす孤独でルーティンな男)

彼がナイトクラブのオーナーのサンティ(フランソワ・ペリエ)と

親しいことを知ります

 

マッテイ警部はサンティに愛息の犯罪を見逃すかわりに

大麻所持をでっちあげたつもりが本当にやっていた)

ヴォーゲル逮捕に協力するよう交換条件を出します

終盤の宝石強盗のシーンは約25分

しかもセリフがなく、撮影も地味(全体的にモノクロを思わせるカラー)

 

高級宝石店で宝石を保護するため使用されているのは

精巧な電子セキュリティシステム

宝石に触るどころかケースにさえ近づけません

まずコレーとヴォーゲルが忍び込み看守を縛り宝石店の玄関を開け

やってきたジャンセンが特殊なライフルを組み立て

システムを無効にするキーに弾丸を発射、見事命中します

(三脚から外して撃ち込むシーンかっこいい)

成功に酔いしれるため、酒の香りだけ嗅ぐジャンセン

しかし宝石を持ち去ったコレーは

仲介人に宝石を捌くのを断られてしまいます

これはナイトクラブのオーナーのサンティの仕業で

代わりにコレーがサンティ紹介された仲介人は、変装したマッテイ警部でした

商品を田舎の邸宅まで持ってくるように頼むマッテイ警部

コレーとジャンセンが邸宅に向かいヴォーゲルはアパートに残ります

ジャンセンを援護として車に残し屋敷に入るコレー

 

マッテイ警部に宝石を見せていると

この商談が安全でないと悟ったヴォーゲルが突然現れ

宝石を持って逃げるようにコレーに告げ

ヴォーゲルは銃を構えていたものの

マッテイ警部を撃つこともなく、コレーの後を追います

ヴォーゲルを列車で移送したとき

マッテイ警部は吸おうと思った煙草を吸うのを止めました

その誠意が彼の命を救うことになったんですね

 

しかし邸宅にはたくさんの警官が隠れていました

銃声を聞いたジャンセンがふたりを助けよう車でやってきますが

結果3人とも次々と射殺されてしまうのでした

この映画に女性は出てきません

コレーの元カノとクラブのダンサーと花売り娘だけ

(それと宝石店の彫刻のおっぱい 笑)

 

彼らが破滅してしまったのは宝石泥棒のためだけじゃない

お互いへの信頼、忠誠心による自己犠牲

男の友情という美徳のためだったのです

セリフが少ないからこそ、セリフが生きる

4人の男が全員主役で、それぞれ違ってそれぞれ痺れる

まさしく「追悼 アラン・ドロン」にふさわしい1本でした

 

「二度と会えないかもしれないから礼を言っとく・・Merci

ル・ジタン(1975)

東京のフランスと呼ばれている

「東京日仏学院 エスパス・イマージュ」で開催された

アラン・ドロンの特集上映「追悼 アラン・ドロン」に行ってきました

サムライ」「仁義」「ル・ジタン」「フリック・ストーリー

パリの灯は遠く」「山猫」「暗殺者のメロディ」7作品が上映されるほか

映画プログラマーのクレモン・ロジェ氏による講演会

映画評論家・荻野洋一氏によるトーク11/1終了)

字幕翻訳家の上條葉月氏

アンスティチュ・フランセ日本の坂本安美氏によるディスカッションもあります

私はトークイベントは無理なので(笑)

1本目は未見だった「ル・ジタン」を鑑賞してきました

原題は「Le Gitan」で、仏語でジプシー(ロマ)のこと

ジダン」とあだ名されるロマ族のならず者、ドロンさまが脱獄し

仲間と共謀して銀行を襲おうと計画する話と

 

そのドロンさまが、大物の宝石泥棒で妻殺しの

ポール・ムーリス演じるヤンの行くところに偶然にも度々現れて

ヤンまでドロンさまの仲間だと警察に疑われてしまうというもの

監督のジョゼ・ジョヴァンニ10代の頃から犯罪組織と関係し

戦時中はフランス人民党ファシストゲシュタポ協力)に所属

終戦後は少なくとも3件の強盗殺人に関与し、死刑を宣告されるものの

大統領恩赦を受け1956年に釈放されるという経歴の持ち主

その経験を生かし小説家、脚本家、映画監督として成功

ジダンが強盗を犯すのは、自分が生まれ育ったロマのコミュニティを守るため

無期懲役で入獄したのも、ロマを追い出そうとした村の村長を殺したため

しかも服役中にはリケという検察官?官憲?からジプシー出身という理由で

屈辱的な扱いと虐待を受け、その恨みを晴らそうとする

どちらかといえば復讐劇なのですが

セリフはいちいち気障(笑)

 

この偶然は引っかかる 魚の小骨のようにな」
「パン丸飲みするといい

 

なぜ助けた 犬と同じか?」
「私は植民地にいました 助ける者を匿う決まりでした」

 

「お礼だ 取ってくれ」俺は国の金しか奪わない」
「握手だけでいいです」

 

「夜明けは俺の時間」なんて

ドロンさまだから似合うし、許される特権ですね(笑)

ウインクするシーンなんてマジでキュンで

(釣りをする男の子と、助けてもらったヤンに)

この映画がノワールであることを忘れてしまいそうです(笑)

脇役は皆よくて

ジダンの仲間にボクサー(レナート・サルヴァトーリ)と

あだ名のないジャック

 

ジダンを追うブロー警視

 

ブロー警視の部下でヤンの妻と不倫していたマルーユ

そしてヤンのかってのレジスタンス仲間で

今は小さなホテルを経営しているニニー(アニー・ジラルド

フランス映画はこういう気丈な女性を描くのが本当にうまい

ジタンら3人は外国に逃亡する旅券を手に入れ

最後の仕事としてニースの郵便局を襲撃しますが

昔の仲間だったリナルディ兄弟に密告された

マルセルが警官に撃たれて死んでしまいます

ジタンはリナルディ兄弟を射殺し、ニニーのホテルの近くに潜伏

その夜、ニニーのホテルにヤンの弁護士と

ヤンの盗んだ宝石の密売の仲介人、ジャンノが訪れると

カップルが宿泊したいとやってきます

ふたりはジャンノを尾行してきた男女の刑事でした

そこにボクサーとジャックが夜食を食べに来てしまい

ついでに女好きのジャックが

従業員のミレーユ・ダルク(ノン・クレジット)を口説く(笑)

ホテルは包囲され、逃げようとしたボクサーとジャックは撃たれて重傷

それを知ったジタンはバイクで逃げますがやはり撃たれ

町のはずれの動物病院に駆け込み意識を失いますが

獣医は黙ってジタンを手当てするのでした

それから1ヵ月後、ロマのキャンプに身を隠し

妻と息子と過ごしていたジダンでしたが

新聞でボクサーがまだ生きていることを知り

ボクサーの居場所を教えてもらうためヤンの家を訪ねると

ヤンはジダンを快く迎え、ジダンに食事と寝床まで与えます

早朝、そっとヤンの家を出て行こうとしたジダン

ヤンを捕まえようとやってきたブロー警視と部下たちに遭遇

ジタンはブローにピストルを突きつけヤンを逃がそうとします

しかしヤンは逃げようとせず

自分の車のキーをジタンのポケットに入れるのでした

ブローを人質にして車に乗り込むジダン

(ブローがいるため)警察が車を撃てないでいると

ブローは駐車場に置き去りにされていました

ヤンはジャンノの密告により逮捕され

ジダンはひとりロマのキャンプに向かうと

仲間のジプシーたちが立ち退きをさせられている最中でした

ジタンは口笛で息子を列車の貨車に呼び寄せると

「さようなら愛する息子」と別れを告げたのでした

ラスト、ジダンが死ななかったのは

フランス人のレジスタンスを戦う者への敬意でしょうか

 

泥棒という以外、なんの共通点もないジダンとヤンが

いきなり理解し合って助け合うのは謎ですが(笑)

殺人、強盗、脱獄を繰り返し、社会に復讐していく男を演じながらも

隠しきれない色気

男盛り40歳のドロンさまを堪能できます

(ポスターがまたカッコいい)

 

 

【解説】映画.COMより

ジプシーの出身というだけで、いわれなき差別を受けてきた男、ル・ジタンの憤りと反逆の人生を描くフィルム・ノワール。製作はレイモン・ダノンとアラン・ドロン、監督・脚本・原作は「暗黒街の二人」のジョゼ・ジョヴァンニ、撮影はジャン・ジャック・タルベス、音楽はクロード・ボラン、編集はジャクリーヌ・ティエドが各々担当。出演はアラン・ドロン、ポール・ムーリッス、アニー・ジラルド、レナート・サルヴァトーリ、モーリス・バリエ、マルセル・ボズフィ、ベルナール・ジロドーなど。

1975年製作/フランス
原題または英題:Le Gitan
配給:東映洋画

 

LAMB/ラム(2021)

「タイムトラベルが理論上可能になった」

原題はDýrið」(アイスランド語で野獣)

 

美しくも厳しい自然のアイスランドの山間で牧羊を営み

牧羊犬と猫と暮らす仲睦まじい夫婦イングヴァルとマリア

でもそこには、なぜか寂しそうな空気が漂っていました

ある吹雪の日、羊たちの目が怪しく光り

何者に驚いた野生の馬たちが、群れをなして羊小屋の前を走りすぎます

やがて春になり、一匹の雌羊から生まれた人間の体をした子羊を

夫婦は「アダ」と名付け、わが子のように育てるのでした

やけにタル・ベーラっぽいなと思ったら(笑)

監督のヴァルディミール・ヨハンソン(1978年生) は

2012年から2015年にかけてサラエボの映画学校フィルム・ファクトリーで

タル・ベーラに師事したそうです

その後ハリウッドで照明技師や特殊効果を担当し(しかも大作ばかり)

なんと本作が長編監督デビュー作

とにかく映像として、見応えがある

素晴らしいカメラワーク、撮るもの全てが美しい

 

「アダ」ちゃんなんて、本当にもう可愛くて(笑)

毎夜、子を呼ぶ母羊の哀れさも

マリアが母羊を殺してしまうのも理解できますし(母親のことは所詮羊と思ってる)

イングヴァルが弟に彼女のことを「幸せ」と例えたこと気持ちもわかります

アダを殺そうとした弟が思わずメロメロになってしまうのも

でもやがて、母から子を奪った報いを受けるのです

監督曰く、アイスランドの民話をベースにしているそうですが

ヒロインの名前が「マリア」であることなどから

キリスト教(聖書)にも由来しているところがあるでしょう

 

たぶんそれぞれのシーンに意味があって

謎の多い物語ですが、私的にこういう意味深な作品は好み

アダのその後(人間より成長が早い)した先が気になる

すなわち、ラストまで見終えてはじめて考察が始まるタイプの映画

第一章(KAFLI Ⅰ

吹雪の夜、大雪原を歩いてきた“何者か”が羊小屋にやってきて

(首に穴が開いていて大きな呼吸音がしている)が

羊たちは柵を超えて逃げ出しますが、1頭が転倒しその場に残ります

春になり羊の出産ラッシュ

イングヴァルとマリアは一匹の雌羊から取り上げた子羊を家に連れ帰り

人間の赤ちゃんと同じように育てます

納屋から「アダ」と書いたベビーベットをイングヴァルが運んできたことから

夫婦には以前アダという娘がいたことがわかります

大事に育てていたアダが行方不明になり

どうやら、実娘のアダは湿原で迷子になり亡くなった・・らしく

慌ててアダを探す夫婦

 

アダは母羊と共にいました

赤ちゃんと思っていたアダはもう歩けていて

(自分から母羊についていったのかも知れない)

顔と右手が羊、人間の身体をしていました

その後も毎晩(夜といっても白夜なので明るい)

夫婦とアダの寝室に向かってアダを呼び続ける母羊

第二章(KAFLI Ⅱ

ある日、草原の真ん中で車から放り出された男

怪しいけれど決して犯罪者ではなく(ミュージシャンらしい 笑)

放浪癖のあるイングヴァルの弟ぺートゥルでした

ぺートゥルはその夜、マリアが鳴き続ける母羊を射殺し

雨のなか埋めるのを目撃してしまいます

翌朝、イングヴァルとマリアからアダを紹介されたぺートゥルは

アダを「あれは子どもではなく、動物だ」と言い草を与えようとしたり

夫婦が寝ている間にアダを連れ出し、ライフルを向けます



アダがいないことに気付いたマリアが家の中を探すと

アダはぺートゥルに抱かれて眠っていました

第三章(KAFLI Ⅲ

ぺートゥルとアダがトラクターで釣りに行った帰り道

ラクターが故障してしまい、ふたりは歩いて帰ってきました

その夜、酒を飲みサッカー観戦をして3人が大はしゃぎしていると

アダは犬と散歩に出かけることにします

そこで“何者か”の気配を感じた犬が激しく吠えると、犬は殺され

慌てて家に入ったアダは、ベッドに酔いつぶれたイングヴァルに抱きつきます

そのときぺートゥルは、マリアに関係を迫っていました

ふたりは不倫関係にあったようですが、マリアがそれを断ると

「母親を殺したこと、あの子は知っているのか」 と脅します

マリアはぺートゥルを納戸に閉じ込め

翌朝イングヴァルとアダが

置き去りになっているトラクターを修理しに行くと

ぺートゥルに出ていくようにとお金を渡し、バスに乗せます

イングヴァルはアダに、歩きながら

どんなに迷子になっても「家に帰れる」位置と方角を教えていました

そこに銃を持った半獣半人の男が現われイングヴァルを撃ち

アダを連れ去ってしまいます

銃声を聞いたマリアがトラクターの場所に行くと

瀕死のイングヴァルが倒れていました

イングヴァルの命の灯が消えていく瞬間

マリアは天を仰ぎ涙を流します

 

アダもイングヴァルもぺートゥルも去ってしまった

「でも何とかなる」

(そんなこと言い切る前に、救急車呼ぼうよ 笑)

たぶんマリアは懐妊していたのでしょう

だからぺートゥルの誘いを断ったし

半獣半人もマリアではなく(母羊の仇を討つならマリアのほう)

イングヴァルを殺したのではないかと思います

 

半獣半人がアダの父親なのか(喉に穴が開いていない)

それとも仲間としてアダを迎えにきたのかはわかりませんが

(子どもには母親が必要だから成長するまで待った)

西洋秘教で伝承されている、バフォメットという

顔が山羊、身体が人間の悪魔(または神)がモデルではないかと思います

バフォメットの頭部を上下にひっくり返すと聖母マリアの象徴である

フルール・ド・リスの形になるそうです

さらに聖書では「羊」は善(=神)、「山羊」は悪(=悪魔)

イエス・キリストのことを「神の子羊」と呼ぶこともある)

同様に「犬」は善(=神)、「猫」は悪(=悪魔)という観念があるそうで

そう考えると犬がバフォメットに殺されて

猫が生き残るのもわかりますね

父親が悪魔で、母親が神なら、アダはどっちやねん!

という疑問はありますが(笑)

 

イングヴァルはアダがいつか、仲間とともに去ってしまうと感じていた

アダもそのことに気が付いていた

それぞれ生きる場所が違うのです

それでも、もしアダが帰りたくなったとき

いつでもわが家に帰れるよう、帰り道を教えたのだと思います

 

 

【解説】映画.COMより

アイスランドの田舎で暮らす羊飼いの夫婦が、羊から産まれた羊ではない何かを育て、やがて破滅へと導かれていく様を描いたスリラー。「ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー」などの特殊効果を担当したバルディミール・ヨハンソンの長編監督デビュー作。山間に住む羊飼いの夫婦イングヴァルとマリアが羊の出産に立ち会うと、羊ではない何かが産まれてくる。子どもを亡くしていた2人は、その「何か」に「アダ」と名付け育てることにする。アダとの生活は幸せな時間だったが、やがてアダは2人を破滅へと導いていく。
「プロメテウス」「ミレニアム」シリーズのノオミ・ラパスが主人公マリアを演じ、製作総指揮も務めた。アイスランドの作家・詩人として知られ、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」の歌劇脚本を手がけたショーンがヨハンソンとともに共同脚本を担当。

2021年製作/106分/R15+/アイスランドスウェーデンポーランド合作
原題または英題:Lamb
配給:クロックワークス

 

シンプル・プラン(1998)

原題は「A Simple Plan」(シンプルな計画)

原作(脚本も)はスコット・B・スミスのベストセラー小説

公開時はコーエン兄弟の「ファーゴ」(1996年)と比較され

酷評もあったようですが、これはこれで面白い

普通の人たちが大金を拾ったために引き起こす、愚かな悪循環

最初は金を隠し、ほとぼりが冷めたら山分けしようというシンプルな計画だった

でも今の生活が苦しいから、少しでいいからすぐに分け前が欲しい

そのわずかな欲望が、やがて悲劇に変わるというもの


金に目がくらんだ奴ばかりで、どんどん気分が悪くなる(笑)

でもその変貌ぶりに目が離せない

特に素晴らしいのが主人公の兄を演じたビリー・ボブ・ソーントン

自他ともに認める冴えなくて頭の悪い男

女の子と付き合ったのは学生時代に一度だけ

それも賭けの対象にされていただけという悲しい過去

でも本当は純粋で思いやりがあり、人を観察する能力にも長けているんですね

この迷惑なダメ男が、やがて優秀な弟より真実を語るようになります

ミネソタ州ライト郡にある雪深い田舎町

飼料店で働くハンク・ミッチェル(ビル・パクストン)は

図書館に勤め現在妊娠中の妻サラと(ブリジット・フォンダ

つつましやかに暮らしていました

ある日、兄ジェイコブ(ビリー・ボブ・ソーントン)と

ジェイコブの親友ルー(ブレント・ブリスコー)と

墓参りに行った帰り道、キツネを追って入った森の中で

墜落したセスナ機を発見します

機内には死体と440万ドル大金が入ったバック

無職のジェイコブとルーはこれで大金持ちになれると大喜び

最初は金を盗むことにすることに反対していたハンクでしたが

全額ハンクが預かることで同意します

もちろん大金のことは、誰にも話しちゃいけないと釘を打つのですが

 

そのハンクが妻に何もかも打ち明け、出産後の生活を考えたサラは

万が一持ち主が現れた時のためのプランを考えます

金の一部を着服し、残りはセスナ機に戻すというもの

ハンクがジェイコブを誘い森に向かうと

狩りに来た近所の老人(ジャック・ウォルシュ)が偶然ノーモービルで通りかかり

正体がばれたと思ったジェイコブは思わず彼をバールで殴ってしまいます

遺体を橋から落とし事故に見せかけようと工作をするふたり

しかし死んだと思った老人が息を吹き返し

ハンクは本当に老人の息の根を止めてしまいます

図書館に勤めるサラは、新聞記事で金が

人の兄弟に誘拐された相続人の身代金だったことを知ります

やがて娘を出産すると、ますます強欲になってしまうサラ

ジェイコブから老人を殺したと聞いたルー

ハンクに自分の取り分を要求し、当局に訴えると脅迫してくると

サラはルーを酔わせて、ルーが老人を殺したと偽証させ録音することを提案します

ハンクはジェイコブにルーを騙すよう頼み、計画は成功しますが

裏切られたことに気づいたルーが激怒、ハンクに銃を突きつけます

ハンクを救おうとルーを撃ってしまうジェイコブ

さらに取り乱したルーの妻ナンシーをハンクが撃ってしまいます

ハンクとジェイコブの家庭内喧嘩による殺人自殺だという証言が認められ

ふたりは無罪になりますが

親友を殺してしまったことに苦しみだすジェイコブ

さらに金を持って町を出ようというハンクに

町に残り父の残した農場を立て直したいと言うジェイコブ

そこでハンクは、自分を大学に行かせるために両親が借金したこと

そのせいで農場が潰れ、父親が自殺したことを知らされます

しかも保安官のカールから、FBIのバクスターと名乗る捜査官が

誘拐事件の身代金を乗せたまま消息を絶ったセスナ機を探しに

町に来ているから会って欲しいと呼び出されます

ジェイコブがうっかりカールに飛行機のことを口走っていたからです

(偽のFBI捜査官がなぜセスナ墜落現場が分かったのかのかは謎 笑)

バクスターがFBIのバッジを見せないことを不審に思ったサラは

バクスターが誘拐犯人の兄弟のかたわれだと突き止めハンクに連絡

ハンクとジェイコブと保安官と森にセスナ機を探しに行っていたバクスター

セスナ機を見つけると保安官を殺し

保安官の銃を盗んだハンクがバクスターを殺す

 

目の前にいる弟は、かっての「ちゃんとした」自慢の可愛い弟じゃない

「飛行機なんか見つけなけりゃよかった」

ジェイコブは、自分も殺してくれとハンクに頼みます

兄の最後の頼みだと懇願するジェイコブを泣きながら射殺するハンク

やがて本物のFBI捜査官がやってきて

ハンクが殺人と横領で疑われることはありませんでしたが

身代金440万ドルのうちの5000枚に印がつけられており

捜査官は犯人がそのお金が使うのを待つだけだとハンクに打ち明けます

どの紙幣に印がつけられているのかはわかりません

 

サラに440万ドルを燃やすと告げるハンク

サラはもう貧困生活は我慢できないと必死にを止めますが

ハンクは彼女を突き飛ばし、全てのお金を暖炉に放り込むのでした

いちばん欲深で悪知恵が働いたのは

貞淑かわいい奥さん」だったんだな

 

彼女が、お金をセスナ機に戻せと言わなかったら

ルーに偽証させろと言わなかったら

少なくとも誰も死なずに済んだのだから

それにしても、なぜ人間は大金が手に入ると誰かに話したくなるのでしょうね

もし「宝くじ」で大当たりしても

家族にも親友にも内緒にしておくのがいちばんかも知れません

もちろん奥さんや旦那にも(笑)

 

 

【解説】映画.COMより

ふとしたことで大金を手にした人々が平凡ながらかけがえのない人生を見失っていく姿を描いたサスペンス。スコット・スミスの同名ミステリー(邦訳・扶桑社海外文庫)の映画化で、脚本をスミス自身が手掛け、監督には「クイック&デッド」のサム・ライミがあたった。製作は「トゥルーマン・ショー」のアダム・シュローダーと「ハムナプトラ 失われた砂漠の都」のジェームズ・ジャックス。製作総指揮は「プライベート・ライアン」のゲーリー・レヴィンソンとマーク・ゴードン。撮影は『Boys and Girls』のアラー・キヴィロ。音楽は「グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち」のダニー・エルフマン。美術は「アマデウス」のマリア・ヴォン・ブランデンスタイン。編集はエリック・L・ビアソンとアーサー・コバーン。衣裳はジュリー・ワイス。出演は「マイテイ・ジョー」のビル・パクストン、「ジャッキー・ブラウン」のブリジット・フォンダ、「パーフェクト・カップル」のビリー・ボブ・ソーントン、「Uターン」のブレント・ブリスコーほか。

1998年製作/122分/アメリ
原題または英題:A Simple Plan
配給:東宝東和

 

ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー(2023)

メゾンマルジェラでビジュ爆発
じゃぁ結婚しようよ!

英題は「Baby Assassins 2 Babies

 

メゾンマルジェラとは菅田将暉紅白歌合戦で着ていたニットのブランド名で

殺し屋稼業のちさと(髙石あかり)とまひろ(伊澤彩織 )が

金欠になったアルバイト先で「菅田将暉おぢ」に影響されて

「花束みたいな恋をした」にリスペクト

(まひろが映画をチェックするのは「フィルマークス」笑)

殺し屋と言っても「ゴルゴ13」のように国家・企業・秘密組織

極悪人を狙撃するわけではなく(笑)

どちらかというと不運に巻き込まれ方

今回は殺し屋アルバイターのゆうり(岩永 ジョーイ)とまこと(濱田龍臣)兄弟が

「正規の殺し屋を殺せば、空いた枠に繰り上がりになる」という噂を信じ

マネージャーの赤木(橋野純平)と共に、ちさととまひろの命を狙うというもの

ストーリーそのものはなんてことないのですが

安物のラップはダメ(わかる 笑)

まひろのヌンチャクの様な電話アクション

「花束みたいな恋をした」の感想の言い合い

ちさとの任侠姐さんの如き賭け将棋(あっさり負けるんかい)

着ぐるみでの格闘

突然の「新しい学校のリーダーズ

掃除屋の田坂さんギャルの宮内ちゃん+須佐野さんのプリンからの殺人依頼

(プリンを食べた感想が「待って・・」から長い  笑)

情に流されず、きっぱり殺すラスト

ファンシーな日常と、キレッキレのアクションというギャップ萌えと

テンポの良さで飽きさせない

しかもスピーディーなうえ、CGもほぼカット割りもない格闘シーンは

もはや世界レベル

 

この先もシリーズは続いているようなので

このスタイルをどこまで維持して、どこを変えていくのかが

課題になっていくのでしょうね

すご腕の殺し屋で共同生活を送っている杉本ちさとと深川まひろ

4年前に入会してほったらかしにしていたスポーツジムの会費と

殺し屋の組合の保険料の未払いがあることを知らされます

 

振り込み期日ギリギリに銀行に支払いに行くと、そこに銀行強盗が現われ

振り込み時間に間に合わなかったふたりは謹慎処分になり

やがて所持金は底を尽きアルバイトをすることにします

一方、殺し屋アルバイトのゆうりとまこと神村兄弟も金欠で

(まことは定食屋の娘、さくらちゃんに気がある)

マネージャーの赤木から、台東区で活躍する女殺し屋コンビ

ちさととまひろのポストを奪えば正規の殺し屋に昇格できると言われ

神村兄弟はちさととまひろを襲撃する計画を立てます

しかし難なくちさととまひろ返り討ちにされてしまい

倒れた神村兄弟を回収に来た

清掃スタッフの田坂さんと(水石亜飛夢)宮内ちゃん(中井友望)

が、ふたりがふざけているうちに神村兄弟が隙を突いて逃走

後を追った田坂さんが撃たれてしまいます

(死ぬかと思ったら、たいした怪我じゃなかったという 笑)

田坂さんの仇を討つため、神村兄弟を探すちさととまひろ

宮内ちゃんは謹慎中のふたりに特例を使って

神村兄弟を殺すよう依頼します

廃工場に神村兄弟を追い詰めたちさととまひろ

ちさとと、弟まことがそれぞれ重傷を負

まひろとゆうりの一騎打ち

激闘の末、勝利したのはまひろでしたが

その時には4人に奇妙な友情が芽生えていました

しばらく談笑した後(最後の晩餐は「ちゃおちゅーる」 笑)

ちさととまひろが銃口を向けると

ゆうりとまことは満足した顔で、殺し屋の末期を受け止めたのでした

 

次からは各種支払い、遅れないようにね(笑)



【解説】映画.COMより

殺し屋女子2人組の活躍を描いた、阪元裕吾監督の青春アクションエンタテインメント「ベイビーわるきゅーれ」の第2弾。
組織からの依頼で殺しを請け負っている、ちさととまひろの2人は、ジムの会費、保険のプラン変更など、日々のお金に頭を悩ませ、いつものように途方に暮れていた。一方、殺し屋協会アルバイトの兄・ゆうりと弟・まことの兄弟もまた、お金の悩みを抱えていた。上からの指令ミスでバイト代はもらえず、正社員ではないため働いても満足した生活ができない。そんな現実を前に、お金が欲しい兄弟は、「ちさととまひろのポストを奪えば正規のクルーに昇格できる」という噂を聞きつけ、ちさととまひろの前にたちはだかる。
ちさと、まひろ役を前作同様に高石あかりと伊澤彩織が演じるほか、ゆうり役を「燃えよデブゴン TOKYO MISSION」の丞威、まこと役を「ウルトラマンジード」の濱田龍臣がそれぞれ演じる。

2023年製作/101分/G/日本
配給:渋谷プロダクション