「アラン・ドロン生誕84年記念祭」に行ってきました

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2019年11月9日
第7回「アラン・ドロン生誕祭」シネマライブが
銀座タクトで開催されました
アラン・ドロンを愛するファンが集まり
映画の名シーンと映画音楽を生演奏で楽しみます

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ドロンさまの秘蔵映像たっぷりの第6回も素晴らしかったですが
今回はよりグレードアップしたように思います
名優ジャン・ギャバンリノ・ヴァンチュラ
「あの胸にもういちど」のマリアンヌ・フェイスフルの
映像もふんだんに使われ、鮮やかに蘇る名シーンと名演奏に
会場から拍手が沸き起こります

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主催者で企画構成で視界も務める
チェイサーさんのセンスと才能が光ります

ライブシネマの詳しい曲目はfpdさんのブログ
https://fpd.hatenablog.com/entry/2019/11/10/120301
でご覧ください(笑)

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会場にはカリスマブロガーfpdさんのほかに
ゆうちゃん、(fpdさんのブロ友)徳さん
愛媛からはジーナちゃんが駆け付けてくれました
そのほか昨年のライブシネマでもご一緒になったみなさまと
今年もお会いできたことを嬉しく思います

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ライブシネマ終了後、チェイサーさんから参加者全員に
アラン・ドロン生誕84年記念祭セットリスト」CDが贈られました
これはドロンさまの映画を愛するファンにとっては、最高のプレゼント

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fpdさんからは「太陽がいっぱい」と「夜の訪問者」の
オリジナルサウンドトラック
東京国際映画祭」と「L.A.コンフィデンシャル」(1997)のパンフレット

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ジーナちゃんからは「四国道後うつぼ屋坊ちゃん」という
和菓子のお土産をいただきました

全国菓子大博覧会道家元賞受賞というだけあり
上品な甘さで緑茶によくあいました

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チェイサーさん、fpdさん、ジーナちゃん
素敵な思い出の品をありがとうございます

 

2次会は10名ほどで新橋の居酒屋へ

写真はイメージです

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2次会からはたっふぃーさんと、たっふぃーさんのブログの
人気コーナー「天然妻A」の奥様も参加してくださいました
チェイサーさんを囲んで映画の話から、そうでない話まで(笑)
盛りに盛り上がりました

写真は料理の一部です

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ちなみにチェイサーさんの一番好きなドロンさまの映画は
やはりその名の通り「チェイサー」(1977)で
好きな女優はロミー・シュナイダーだそうです

3時間+延長1時間があっという間に過ぎ
まだ飲み足りない数名は3次会に(笑)
そこでは札幌のguchさんと電話対談
みんな酔っぱらっているので会話が成り立っていたかどうかは不明(笑)

「いやぁ、映画って本当にいいもんですね」(水野晴郎さん風に)
映画で繋がる出会いと友情

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アラン・ドロン生誕85年祭」ライブシネマは
2020年11月8日(土)に開催されることが決定
またみなさまとお会いできることを楽しみにしています

 

ボルサリーノ (1970 )

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チェイサーさん主催の「アラン・ドロン生誕84年記念祭」も明日と迫り
(2019年11月9日(土)12:30~(開場12:00)銀座タクト)
勝手に前夜祭も、今夜で終わり(笑)

最後を飾るのは原題も「BORSALINO」
アラン・ドロンジャン・ポール・ベルモンド
三つ揃いのスーツやコートの着こなしが素敵すぎて
モデルのようです

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ブリテッシュスタイルのダブルブレスト(ボタンが2列になっている上着)と
ピークドラペル(テーラードジャケットの代表的なラペル(襟)の形)のスーツは

アメリ禁酒法時代の ギャングスタイルと
フレンチシックをミックスしたデザイン

コーディネートが効いていて、帽子やマフラーなどの小物使いもお洒落
ふたりを見ているだけで幸せになれます(笑)

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軽妙で印象的な音楽はクロード・ボリン
マフィアの紛争ものですが、ゆったりとしたペースと
時にユーモアのある展開にとてもマッチしています

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1930年マルセーユ
3ヵ月の刑を終えた出所したロッコ・シフレディ(ドロンさま)は
ローラ(カトリーヌ・ルーヴェル)という女が働いていたバーにきます
しかし店主に男と出て行き、どこに行ったか知らないと言われ
手下と共にバーに放火します

ローラはフランソワ・カペラ(ベルモンド)という男と一緒でした
ローラを巡り派手な殴り合いが始まりますが
同時にダウンした瞬間笑いだし、意気投合

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はじめはボッカスという親分に気に入られ、小賢しさと運の良さで
小遣い稼ぎをする程度のチンピラにすぎなかったふたり
それがボッカスの黒幕であるリナルディ弁護士(ミシェル・ブーケ)から
魚市場の大半を支配するエスカルゲルに手を貸すよう頼まれます

フランソワは迷ったときコインを投げる
このときはエスカルゲルの奥さんが美人だったから
依頼を引き受けることに決定(笑)

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話し合いの日、フランソワはマダム・エスカルゲルに
花束をプレゼントするため花屋に寄りました
そこにテニスに行く途中の若い女ジレットが現れ彼女に一目惚れ
マダム・エスカルゲルとの約束も忘れてナンパ(笑)
花束はジレットに渡されます

遅刻したフランソワはマダム・エスカルゲルから
ロッコは時間に正確で、花も持ってきたのにと嫌味を言われ(笑)
それでも「腐った魚作戦」(勝手にネーミングしています)に乱闘
エスカルゲルに魚市場の利権全てを与えることに成功します

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そのことに気を良くしたロッコは、ポリの肉市場を襲う計画を持ってきます
ポリとマレロはマルセイユを支配する二大親
あまりに危険な賭けに(コインで)フランソワは断りますが

ロッコとローラ、そして手下たちと湖に泳ぎに行った場所に
ポリ一家と一緒に可愛いジレットの姿がありました
フランソワはポリ親分の目の前でジレットをボートに誘い、ジレットも従う
ジレットはポリ親分が目をかけていた愛人でした

ふたりがボートから戻るとロッコも、ポリ一家もすでに帰ったあとでした
そこにポリの手下が現れジレットを殴り
フランソワはボコボコにされてしまう
フランソワはロッコの、ポリの資金源の食肉倉庫を
襲撃するという計画に乗ることにします

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(「ロッキー」(1976)に出てくるような肉のぶら下がった)倉庫で
牛肉に火をつけ燃やすフランソワとロッコと手下たち
そこにポリの手下たちが現れ銃撃戦となり
襲撃は失敗してしまいます

フランソワはジレットにこの計画を話したのです
そのジレットはフランソワの泊まるホテルの部屋で射殺されていました

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フランソワとロッコはマユセイユから逃げ
ひとまず田舎の隠れ家にひきあげ、仲間が武器を集めます
そんなときリナルディ弁護士が
マユセイユの助役になったと新聞で知ります

まずレストランを出るポリを暗殺
フランソワとロッコはポリの後釜として肉市場を牛耳ります
マレロは自分はポリほど馬鹿じゃないし
リナルディを殺すことだけは許さないと警告します

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ふたりはリナルディを殺すのは市長選挙のあとにしようと約束します
なのにリナルディは背中から撃たれ瀕死の重体
リナルディは病院で刺殺され、マレロ一家との抗争が始まり
フランソワはロッコが裏切ったと思うわけですが

リナルディ夫人が「真犯人を知っている」とロッコに告げに来ます
それはマレロの側近で「ダンサー」と呼ばれる男の罠でした
フランソワとロッコは再び手を組み、マレロの経営するカジノに行き
フランソワが賭けている間、ロッコはマレロの部屋に行き
マレロに銃で撃たれる前に、彼の机の上の(ペーパーナイフと思われる)
ナイフを投げつけます

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これでマルセイユのボスとなった、フランソワとロッコ
ロッコは豪邸を建て、豪華なパーティを開いていました
フランソワはマルセイユを出ていくと言います
「争いはとめどない」やがてふたりの殺し合いになると
じゃあ俺が出ていくと言うロッコ

どちらが旅立つか、またもやコインで決めようとするふたり
だけどロッコは最初からコインのトリックに気が付いていたのです
ボスの座はロッコに譲ろう

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そしてフランソワが建物を出た瞬間、何者かの銃弾が彼を襲う
フランソワの死体を抱きしめ、叫ぶロッコ

「その後ロッコ・シフレディの名を聞いたものはいない」
で、陽気に流れるテーマ曲(笑)

 

この作品はたぶん、ジャン・ポール・エドモンドとアラン・ドロン
正反対なキャラクターと個性の違いを楽しむことを目的としていて
「ゴッド・ファーザー」(1972)と比べるのは無意味だと思います

ちなみに5年後の続編は、フランソワの葬式から始まるそう
来年の「アラン・ドロン生誕84年記念祭」までには
観賞したいと思います(笑)

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残念だったのは肝心の「太陽がいっぱい」(1960)
冒険者たち」(1967)「地下室のメロディー」(1963)の
再見とレビューが今回間に合わなかったこと(涙)

過去記事は以下の通り
今読んだら自分でも恥ずかしいものもあるかも知れませんが(笑)

もし気が向いたら時間のある時にでもどうぞ

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太陽がいっぱい」(1960)
https://burizitto.hatenadiary.jp/entry/2013/02/09/120552_1
「太陽はひとりぼっち」(1962)
https://burizitto.hatenadiary.jp/entry/2019/05/31/222940_1
地下室のメロディー」(1963)
https://burizitto.hatenadiary.jp/entry/2018/02/08/115726_1
「山猫」(1963)
https://burizitto.hatenadiary.jp/entry/2018/06/23/171657_1
「危険がいっぱい」(1964)
https://burizitto.hatenadiary.jp/entry/2014/02/17/145835_1
冒険者たち」(1967)
https://burizitto.hatenadiary.jp/entry/2013/04/18/162527_1
「仁義」(1973)
https://burizitto.hatenadiary.jp/entry/2019/05/26/163315_1
「暗黒街のふたり」(1973)
https://burizitto.hatenadiary.jp/entry/2019/05/29/201100_1
「フリック・ストーリー」(1975)
https://burizitto.hatenadiary.jp/entry/2014/07/10/202803_1
スワンの恋」(1984)
https://burizitto.hatenadiary.jp/entry/2018/10/14/164219_1

 

それではみなさま
銀座で、新橋で、ドロンさまで盛り上がりましょう(笑)

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【解説】KINENOTEより
一九三〇年代のマルセイユに、青春の野心とロマンを生きた二人の男の物語。製作はアラン・ドロン、監督は「太陽が知っている」のジャック・ドレー。ユージェーヌ・サコマノの原作をジャン・クロード・カリエールクロード・ソーテ、ジャック・ドレー、ジャン・コーが共同脚色。撮影はジャン・ジャック・タルベス、装置はフランソワ・デ・ラモティエ、衣裳はジャック・フォントレー、音楽はクロード・ボラン、編集はポール・カイヤットがそれぞれ担当。出演は「暗くなるまでこの恋を」のジャン・ポール・ベルモンド、「シシリアン」のアラン・ドロン、「暗くなるまでこの恋を」のミシェル・ブーケ、「めざめ」のカトリーヌ・ルーヴェル、「5時から7時までのクレオ」のコリンヌ・マルシャン、フランソワーズ・クリストフなど。

 

さらば友よ (1968)

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「Yeah! 」「Yeahー!」

チェイサーさん主催の「アラン・ドロン生誕84年記念祭」
(2019年11月9日(土)12:30~(開場12:00)
勝手に前夜祭もここまできました
お待ちかね、原題も「ADIEU L'AMI」(さらば友よ)

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緊迫感あるコインゲーム
ドロンがブロンソンのタバコに火を付け「イェー」で終わるラスト
「男」を感じる名シーンに痺れます

テーマ曲は「冒険者たち」「サムライ」のフランソワ・ド・ルーベ
要所要所でニクくて素晴らしいメロディを聞かせてくれます

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アルジェリア帰りの兵士たちを乗せた船が、マイセイユに到着し
多くの軍人が港に溢れていました
その中で軍医のディノ・バラン(ドロンさま)は
同じ軍医で「モーツァルトと同じ綴り」のモーツアルトを探している
美しい女性から「バランさんでしょ?」と尋ねられますが
無視して移動します

次に外人部隊アメリカ人兵士プロップ(チャールズ・ブロンソン)が
やってきてバランをコンゴの戦地で人稼ぎしようと誘います
戦争に嫌気が差しているバランはプロップの申し出を断り
先ほどのモーツアルトという軍医を探していたイザベルと会います

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大手広告代理店に勤める彼女は、会社の債権を盗み利用していたけれど
年末の決算が近いのでクリスマスの連休に金庫に戻したい
金庫室は医務室の隣にあり、そこに勤めていて共犯で
死んだモーツアルトの代わりに、バランに仕事を依頼し
バランは彼女の会社に医師として潜り込みます
(そして若い女性社員ばかり身体検査をする 笑)

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バランは金庫室を覗くことができる医務室の小窓に
連写装置のついたカメラをセットし
警備員が金をしまうとき、金庫のダイヤルの組合せ番号を
写真に映して盗み出そうとします

週末の金曜日は帳簿をしまうため金庫が開けることになっていましたが
その日は社員のクリスマスのボーナスと月給を含めて
約二億フランの現金も金庫に入れられることを知ったバラン
バランは債券を返したとき、二億フランをいただこうと計画するのです

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しかしカメラには7つのダイヤルのうち
(警備員に隠れて)3つしか写し出されていませんでした
組合せは無数、時間は金曜の夜から月曜の明け方までの3日3晩

一方のプロップはコンゴ行きの仲間が集まらなかったのか退役
変態の金持ちが集まる秘密売春クラブで詐欺を働いていましたが
一発大きな仕事で大金を稼ぎたいと考えていました

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ふらりとバランを訪ねると、そこはまさにその時
バランが金庫破りをしようとしていた現場でした
プロップが仲間に入れてくれなきゃドアを開けないと言えば
バランは自販機の飲み物を買い占めて隠す意地の張り合い
(男っていつまでたっても子どもよね 笑)
なのにバランが隠した飲料の入れ物を見回りの警備員が持ち帰ってしまう

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それでもひとりよりふたり、同期の桜(笑)
同じ戦地を潜り抜けたふたりには友情が芽生え始め
バランはアルジェリアで一緒だったモーツアルトのことを話し出します
一緒にばかをした、楽しくて最高の奴だったと

バランがイザベルの依頼を引き受けたのは
それがモーツアルトが引き受けた仕事だったからかも知れません

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そうして交代で何千種類もある番号の組み合わせ試し
警備員の見回りのたび隠れる
なのにやっと開けた金庫は空っぽ、しかも金庫室に閉じ込められ
脱出しようとプロップが壁の向こうの電線をナイフで切ったら
電気は消え、空調まで止まるという災難
暗闇の中、金も、水も、食料も、希望もない

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あるのはドロンさまと、ブロンソンさまの光り輝く上半身の裸体だけ(笑)
これぞ「大人のエレガンス」と「男のマンダム」
日本のテレビコーマーシャルで外国人俳優を採用し始めたのは
この作品がきっかけだったかも知れません(笑)

もはや無用になったイザベルから渡された債権に火をつけ明かりを灯す
酸素がなくなるのが先か、脱水症状が先か
そのときプロップが壁に触れると、1か所だけ冷たい場所
通風孔があることを発見します

金庫の番号の組み合わせの次は、通風孔に通じる壁の破壊(笑)
ふたりは金庫の棚で少しづつ壁を壊し、通風孔から脱出
(「地下室のメロディー」もだけどドロンさまには通風孔がよく似合う)

歓びもつかの間、そこに転がっていたのは
死後2日は経っている警備員の死体でした

そこではじめて、バランは罠にかけられたとを悟ります
バランが金庫室に入る前に、金庫の番号を知ってる何者かが
警備員を射殺し、2億フランを盗み、バランに罪をきせようとした

「さらば、友よ」

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バランとプロップは、何があっても知らない者同士だと約束し別々に逃げます
金庫破りと警備員殺しのニュースは派手にかきたてられ
空港で非常線によって捕まったバランを救うため
プロップ奇怪な行動をし自分が逮捕されます

その間バランは、イザベルの行方を探すために
医務室の助手をしていたドミニクの家を訪ねます
助けてくれるのは君だけだ、会社に行ってイザベルのカルテを探してくれと
相変わらずの(笑)キスとベッドイン攻撃で落とそうとするのです

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警察ではプロップはバランのことは知らない
空港で逃げたのは秘密売春クラブの詐欺のせい
バランから電話が欲しいという供述が新聞に取り上げられます

バランはプロップの連絡係の看護師の勤める病院から
警察に捕えられているプロップに電話
その後刑事とカフェで待ち合わせして「夜まで待て」と告げると
あえて警察に尾行させドミニクを連れて
イザベルのカルテを探すため会社の医務室に向かいます
そこに現れたイザベル

同時に警察で金庫のダイヤルの番号を突き付けられたプロップは
それは”ワーテルローの戦い”(1815.6.18)だと告げ

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バランはドミニクのニックネームが”ワーテルロー”であることから
警備員殺しはドミニクと、(同性愛の関係にある)共犯のイザベルで
尾行し潜んでいる警官たちにもわかるよう説明します
犯行がばれ警官の存在に気付き、逃げようとするイザベルとドミニク

武器であるバランのリボルバーにもう弾は入っていない
バランは警官を阻止しようとしますが、ふたりは射殺されます
夜まで待てと約束したのに

バランはイザベルとドミニクに騙された被害者で
プロップは刑事の取引に応じず、売春詐欺で逮捕

警察署で煙草をくわえ連行されるプロップに
さりげなくマッチの火を差し出すバラン

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すれ違うふたりは最後まで目を合わせない
ここ、背筋に悪寒が走るほどかっこいいです

金持ちは保釈金ですぐ釈放されるでしょうし
売春と言っても、美女が回転駐車場で全裸になり
お喋り人形の「パパ~」を真似をするマニアなものなので(笑)
プロップも、よほど金持ちが立場を考えず控訴しないかぎりは
財布を盗んだ罪くらいにしかならない

たとえ善人でなくても、義理と人情を重んじる人間には
神様は罰を与えません

 

「イェー!」(笑)

 

 

【解説】allcinemaより
 A・ドロンとC・ブロンソンの共演による犯罪ドラマで、ブロンソン人気に火をつけた作品。アルジェリア外人部隊から帰還した軍医ドロンは、広告会社に勤める女ジョルジュ=ピコから奇妙な依頼を受ける。彼女が黙って持ち出した債券を会社の金庫に戻して欲しいというのだ。ドロンと同じく戦争帰りのブロンソンは、ドロンの仕事に興味を持ち、二人は金庫に潜入する事となった。こうなれば債券を持ち出す代わりに金庫の金を奪い取ろうという魂胆だ。だが、ようやく開いた金庫の中には金はなく、そのうえ二人は金庫に閉じ込められてしまった……。日本では他に「ジェフ」や「太陽の200万ドル」ぐらいしか知られていない監督ジャン・エルマン(その後は仏製アクションの脚本の仕事が多い)の代表作。スタイリッシュなラスト・シーンはやはりカッコ良い。「禁じられた遊び」から大分成長したB・フォッセーの姿も見れる。刑事役にB・フレ


ッソン。

黄色いロールスロイス(1964)

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原題も「The Yellow Rolls-Royce
これは隠れた傑作でした
恋して、お洒落で、楽しくて、だけどシニカル
心躍るテーマ曲が、ここぞというときに盛り上げてくれる

1台の黄色いロールスロイスが持ち主の手から手に渡る
オムニバス形式で紡ぐ3つの時代の3つの物語

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【第1話】
1930年代初期のロンドン
国務大臣フリントン侯爵(レックス・ハリソン)は
結婚10年目の記念日のお祝いに黄色いロールス・ロイス
愛する妻のエロイズ(ジャンヌ・モロー)に贈ります
しかし妻は侯爵が最も信頼する部下
フェーン(エドマンド・パードム)と不倫していました

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しかし(浮気に気づいた)フェーンの妻の要望で、彼の転勤は決定しており
アスコット競馬で男爵の馬のレースの最中、黄色いロールス・ロイスの中で
最後のお別れをしたいと約束するふたり

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競馬場には、もうひとりフェーンに気があるご婦人がいて侯爵に
駐車場で逢引きすることは「たいしたことじゃない」と耳打ちします
競馬どころではなくなった侯爵は駐車場に向かい
カーテンの閉まった黄色いロールス・ロイスの後部ドアを開ける
そこには抱き合うふたりがいました

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侯爵は自分の馬が優勝しても、ショックで歓びどころではありません
開き直った妻は強い、周りに愛想笑いまでしています
相手がジャンヌ・モローだから余計図太く見える(笑)

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金持ちのご婦人が若い男のパトロンになるのは、よくある話なのか
立場上離婚はできないと話し合う侯爵とエロイズ
エロイズはフェーンと別れる決意をします

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侯爵は黄色いロールスロイスを「忌まわしい」と返品してしまいます
恋と結婚は別物、私だって浮気だけで離婚しません(笑)
ただ元の夫婦の関係を取り戻すのは困難でしょう

 

【第2話】
それから数年後のイタリア
アル・カポネの子分パオロ(ジョージ・C・スコット)は
右腕のジョーイ(アート・カーニー)と
情婦のメイ(シャーリー・マクレーン)をつれて旅行中

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不機嫌なメイが気にいった黄色いロールスロイスを購入して
ピサの斜塔や、大聖堂といった観光地を巡ります
そこでもメイは「柱ばかり」と不機嫌

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そこに観光客相手のカメラマンで、口が巧くお調子者の美男子
ステファーノ(アラン・ドロン)が現れ
パオロは黄色いロールスロイスで彼をローマまで送ることにします
とにかくこの男、女を口説くのが天性(笑)
不機嫌なメイもやがて彼を意識するようになります
面白くないパオロはローマに着く前にステファーノを車から降ろしてしまいます

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その頃マイアミでマフィア同士の紛争が勃発したという電報が届き
パオロは縄張りを守るため、メイを置いて一時アメリカに帰国します
メイは早速ステファーノのいる町に向かうようジョーイに言いつけ
青の洞窟に行ったとき、ステファーノと恋に落ち
黄色いロールス・ロイスの中でふたりきり、情事を繰り返すようになるのです

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博士の異常な愛情」(1964)でキューブリックから
高い演技力を評価されたという ジョージ・C・スコット
同じ年の公開ですが、ここでは本物のイタリア系のマフィアにしか見えない

シャーリー・マクレーンはめっちゃ、めっちゃ、めちゃくちゃキュート
シャーリー・マクレーン史上最高に可愛い

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ドロンさまはハリウッドデビュー作
かなり陽気で真の女ったらしは、どんな女性にもその時は本気
だからモテる(水着姿はダサかったけど 笑)

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でもいちばんよかったのは 運転手のアート・カーニー
とにかく頭がいいし、人間ができているし、口が堅い
信頼できる男とはこういう男のこと

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パオロは凄腕の殺し屋
ジョーイはメイに、ステファーノを愛しているのなら
彼のために別れるべきだと教えます

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ステファーノに観光案内の礼を言い、写真の代金を渡すメイ
しかしステファーノは「売り物ではない」とお金を返し
メイが去ったあとメイの写真を破り捨てるのです
いくら好きでもマフィアの女と付き合ったらどうなるか
彼もわかっているはず

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そしてジョーイとメイは何事もなかったように
パオロと再会し旅を続けるのです

 

【第3話】
1941年、イタリア
アメリカのミレット夫人(イングリッド・バーグマン)は
ユーゴスラビア皇后に国境を越えて会いにいくため
黄色いロールス・ロイスを手に入れます
お側付きの女性があちこちで戦争が始まって
危険だと言っても聞く耳をもちません

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その話を傍で聞いていたダビッチ(オマー・シャリフ)と名乗る男が
自分も新しい王に会うためにユーゴスラビアに行く用があるので
同乗させてくれと願いでるのです

しかし国境付近になって彼はパスポートを投げ捨て
どうにか国境警備隊を切り抜け、国境を渡ってほしいと
トランクに身を隠します

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このミレット夫人の愛犬が馬鹿でねえ(笑)
危機を助けるんじゃなくて、危機を誘ってしまう
国境でダビッチが隠れているトランクに向かって吠える、吠える
国境警備隊がトランクを開けろと言った瞬間
空襲がはじまり、運転手は逃げてしまいましたが難を逃れます

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ダビッチは国外追放された対ドイツのパルチザンでした
ドイツの侵略の危機にさらされている祖国を救うため戻ってきたのです
ミレット夫人はダビッチを村で降ろし、ホテルに向かいます
ところがディナーの最中にまたもや空襲されてしまいます

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このイングリッド・バーグマン、すごくいい
大げさな演技は相変わらずだけど(笑)
吠えてばかりいる愛犬を放り投げたり
爆撃中でも逃げもせず、シャンパンを開け食事をするという大雑把さ

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被害の大きさを知り、レストランのテーブルクロスをひっぱがし
負傷者の包帯にして、豪華なドレス姿で人命救助
ダビッチの同志を集めるため、何度も黄色いロールスロイスを走らせる
タフで男勝りで、私が見たバーグマンの主演作の中で一番カッコイイ

アンソニー・アスキス作品はお初なんですけど(笑)
俳優の長所を最大限に引き出せる監督だと感じます
大物俳優たちが、これだけ活き活きと光り輝いて
楽しそうに演じる姿はそう見れるものではありません

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ダビッチはミレット夫人に感謝しつつ、同時に愛も芽生えます
で、ここまできたらもうおわかり(笑)
やっぱり黄色いロールスロイスの中で結ばれます

ミレット夫人はナチの非道を訴えるため
ダビッチと別れ、アメリカに帰国する決意をします
船に積まれる黄色いロールスロイスは傷だらけで埃だらけでしたが
ミレット夫人にとっては、何よりの誇りになったことでしょう

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好きな人との別れは辛いけど、次の新たな人生がある
だから前を向いて胸を張って進もう
そんな気持ちにさせてくれる

 

ドロンさまの出番は多くないものの(笑)
こんなフルコースを楽しめる映画はそうありません
お薦めです

 


【解説】KINENOTEより
「予期せぬ出来事」のコンビ、テレンス・ラティガンの脚本を、アンソニー・アスキスが監督したオムニバス・ドラマ。撮影は「サーカスの世界」のジャック・ヒルドヤード、音楽は「第7の暁」のリズ・オルトラーニが担当した。出演は「マイ・フェア・レディ」のレックス・ハリソン、「大列車作戦」のジャンヌ・モロー、「何という行き方!」のシャーリー・マクレーン、「さすらいの狼」のアラン・ドロン、「訪れ」のイングリッド・バーグマン、「日曜日には鼠を殺せ」のオマー・シャリフほか。製作はアナトール・デ・グランウォルド

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原題は「CHRISTINE」(クリスチーヌ=ヒロインの名前)
ドロンさま無名の23歳、3作目の主演で初めての主役級
一方のロミーは、皇后エリーザベトを演じたオーストリア映画
「プリンセス・シシー」(1955)が大ヒット
16歳でトップスターになり絶大な人気を誇っていましたが

”シシー”シリーズの4作目が、親への反抗もあり
どうしてもいやで、フランス映画への主演を決めたそうです
当時19歳のロミーが、たまたま雑誌で見かけたドロンさまを
相手役に指命したのも運命でしょう

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しかしまだこのときロミーはフランス語が話せず
ドロンさまもドイツ語がわかりません
ロミーはドロンさまのことを低俗な男だと思い
ドロンさまもロミーのことを感じの悪いと
お互いの第一印象は最悪だったそう (笑)

なのに撮影中に映画の中恋が、本物の恋に変わってしまった

翌年ふたりは婚約を発表
しかしドイツのマスコミからは、ドイツにいる家族と
ファンを裏切った女優だと叩かれたそうです

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この頃のロミーを、日本人に勝手に例えたらエビちゃん蛯原友里さん)かな
純粋なイメージで、白のドレスが似合う
笑顔が可愛くて見ているだけ幸せな気分になる

それなのに、ロミーの未来を予期していたように
この作品のラストも
実際のロミーの晩年も(睡眠薬とアルコールの過剰摂取)
最期は不幸に終わります

ゴシップはこれくらいにしておいて(笑)

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1906年ウィーン、若い少尉フリッツ(ドロンさま)は
エッガースドルフ男爵夫人、レナ(ミシュリーヌ・プレール)との
不倫がだんだんと重荷になっていました

親友のテオ中尉(ジャン・クロード・ブリアリ)は
そんな関係は終わらせ、もっと遊ぶべきだと言います
将校たちは酒場で、女の子をナンパできなかったら
皆にシャンパンを奢るという賭けをして楽しんでいたのです

テオはミッツイーという女の子と仲良くなり
ミッツイーの親友、クリスチーヌ(ロミー・シュナィダー)を
フリッツに紹介します

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クリスチーヌにはつい先ほど喧嘩別れしたばかりの冴えない彼氏がいて
フリッツは男爵夫人に別れを切り出せず悩んでいました
これでは話が弾むはずもありません
それでも男のマナーとして彼女を家まで送り届けます

テオとミッツイーはそんなふたりを、何とかくっつけようとします
自分たちのデートに誘い、恋のアドバイス
コメディタッチながら、ここらへんの演出は
なかなか説得力があります

結局クリスチーヌとフリッツを放って
木陰でふたりでイチャするだけなんですけど(笑)

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それでも何度かデートして(山へのドライブで木霊のシーンがいい)
ふたりはお互い惹かれあってきます
クリスチーヌはオペラ座の歌手のオーディションを受け
フリッツはクリスチーヌに結婚を申し込む決意をする

そこに夫の海外出張に同行していた男爵夫人が帰国し
合鍵でフリッツの部屋に入るとツーショット写真を見つけてしまう
そこに電話が鳴り、電話の向こうのフリッツは別れたいと告げます
夫人は、天覧オペラの警備の任務があるというのに
翌日必ず家に来るようにフリッツ命令するのでした

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夫人がフリッツの部屋を出るところに
弁護士のヴィンマーが偶然通りかかり、男爵に報告します

そんな時クリスチーヌはオペラ座に採用されたことで喜びで一杯
天覧オペラではオーケストラ演奏する父の応援にミッツイーとやってきます
テオとフリッツは警備席に着き、会場が暗くなると同時に
フリッツは任務から抜け出し男爵邸に向かいます
夫人とシャンパンを飲み、正直な気持ちを話し愛の手紙を暖炉で燃やす
これで終わりのはずでした

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しかし最終幕前の休憩で、フリッツがいないことに気付いた男爵は
急いで馬車に乗り自宅に戻り、不倫の証拠を探します
するとチェストに見覚えのない鍵が入っていました
男爵がフリッツの部屋に向かい、ドアの鍵穴に差し込む
夫人が隠していたのはフリッツの部屋の鍵でした

別れた男との記念品なんて取っておくもんじゃない

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男爵は名誉を回復するため、フリッツに決闘を申し込みます
しかし男爵側の仲介人による条件は、男爵が先に引き金を引くという
フリッツにとって不利なものでした
テオはいちどは決闘の証人を引き受けたものの
納得できず除隊を決意します

決闘の朝、銃声は一発だけ
テオとミッツイーは決闘の場所に走り
クリスチーヌの家にフリッツの死を知らせに行きます
クリスチーヌはショックを隠せない

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いつもの朝と同じく、軍の行進のマーチが鳴っている
だけどそこにフリッツはいない
クリスチーヌはバルコニーまで走り、視界から消えてしまいます
ほんの一瞬の隙に、飛び降り自殺をしてしまったのです

楽しいラブコメ調から、いきなり主役のふたりが死ぬという(笑)
さすがにこの結末は予想できなかった

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でも一番辛いのはお父さんだよな
男手ひとつで育てるのに苦労もしたことでしょう
そんなやさしくて、可愛い娘が突然いなくなってしまう

そんなことは男爵にも、夫人にも
貴族ににとっては関係のないことなのだろうけれど

 

 

【解説】KINENOTEより
「セクシーガール」のロミー・シュナィダーと、「お嬢さん、お手やわらかに!」のアラン・ドロンを主演させた独仏合作の作品。アルトゥール・シュニッツラーの有名な戯曲『恋愛三昧』の映画化である。一八世紀のオーストリアの都ウィーンに舞台をとって、ウィーン情緒たっぷりな恋の物語がくりひろげられる。監督にあたったのは、「巴里野郎」を作ったピエール・ガスパール・ユイ。ピエール・ガスパール・ユイ自身と、ジョルジュ・ヌヴー、ハンス・ウィルヘルムの三人が原作戯曲を共同で脚色し、撮影を担当したのは「モンパルナスの灯」のクリスチャン・マトラ。音楽をジョルジュ・オーリックが受けもっている。他の主演者は「いとこ同志」のジャン・クロード・ブリアリ、「肉体の悪魔(1947)」のミシュリーヌ・プレール、「レ・ミゼラブル」のフェルナン・ルドウ等。製作はミシェル・サフラ

あの胸にもういちど (1968)

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原題は「LA MOTOCYCLETTE」(オートバイ)
この邦題は私の邦題ランキングの中でもトップ
韻もいいし、映画の内容ともあっています

若い人妻がマゾヒスティックな妄想にとらわれるのは
ルイス・ブニュエルの「昼顔」(1967)もですが
同じSMでも、こちらは「調教」もの

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ミック・ジャガーの恋人として話題をふりまいていた
マリアンヌ・フェイスフルの演技はともかく(笑)
際立つ演出や独特の映像センスは素晴らしいと思います

オープニングは戦隊ヒーローものか、仮面ライダーのような
ライダーにぴったりなノリのいい音楽で始まります
が、一転(笑)

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レベッカ(マリアンヌ・フェイスフル)は夢を見ていました
鳥の群れ、サーカスでチェロを弾く夫レイモン(ロジャー・マットン)
ハーレーに乗るダニエル(アラン・ドロン)は山高帽のタキシード姿になり
乗馬ショーのレベッカを鞭で打つ

朝早く目が覚めたレベッカは、夫をベッドに残したまま
全裸のままワンピース型のレーシングスーツを身にまとい
FLHTエレクトラグライドにまたがり出発します
黒のショートブーツ、黒のグローブ、シルバーのヘルメット
金髪をなびかせこれは絵になる

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このマリアンヌ・フェイスフルが峰不二子のモデルという話は有名ですが
モンキー・パンチさんの「ルパン三世」ではなく
(連載が始まったのは映画の公開前)
1971年版のテレビアニメ「ルパン三世」の峰不二子のバイクシーンが
本作を参考にしたそうです

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ダニエルがいるハイデンベルクまで130km
ガソリンを入れるためスタンドに寄ると財布を忘れたことに気づく
スタンドのオヤジは知り合いのようで「夫から貰って」というと
当然白い目で見られます
地元の人間は、彼女が男に会いに行っていることに
感づいているのかも知れません
小学校で教師をしているレイモンは、子どもたちにまでバカにされています

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レベッカはバイクを走らせ
途中森で休んでると若い兵士を乗せた軍隊が移動
鉄骨のトラス構造の橋を渡り「ねずみ取りのようだ」と呟きます
踏み切りで列車が通ると、電車でレイモンたちと
アルプスに行ったときのことを思いだします

ダニエルとスキー場のコテージでの出会い
初めて結ばれたときのことを考える
レベッカの部屋に忍び込み、激しい一夜を共にする

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ダニエルは父親が経営する書店の得意客でした
大学教授で難解そうな本ばかり買っていく
次にダニエルはレベッカの顔色が悪いからと
父親の許可を得てレベッカをツーリングに誘います
冬道を走り山小屋へ向かう、しかし扉が開かなかったため
ふたりは雪の中、屋外で愛し合います

普通だったら寒くて、セックスどころではありませんけど(笑)
ふたりは変態なので、異常な事態のほうがより燃えるのです

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フランス側の国境を通り、ドイツ側の国境を通る
フランスの税関の男は、女性に甘いけれど何気にセクハラ
ドイツ側の税関は、女嫌いなのかと思うくらい険しい顔

店に入り桜桃酒(キルシュ=さくらんぼのお酒)を頼むレベッカ
来客の男たちの前で、突然裸になりたい衝動に襲われる

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ダニエルにバイクの乗り方を習うレベッカ
シフトチェンジ(ハーレーは右足なんですね)にコーナリング
バイクに対する愛だけはダニエルにとって純真なものでした
ダニエルはレベッカの結婚祝いにハーレーを贈ります

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現実に戻り、ハイデンベルクまでもう少し
レベッカの心は踊り、ダニエルに抱かれることだけを考える
レーシングスーツを脱がされ、薔薇の花束で激しく叩かれる

今なら暴走族でもここまで無謀な運転はしないでしょう(笑)
ノーヘルで頭をフリフリ、お尻を上下してシートに叩きつけ
猛スピードにもかかわらず、目をつぶり夢想に耽る
しかも今までの田舎の道路とは違い、だんだんと車は渋滞
道路では工事も行われています

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バイクは車線変更したトラックに衝突し、放り投げられたレベッカ
他の車のフロントガラスに突っ込み、その車も衝突し大炎上

マゾヒスト(被虐性欲者)がご主人様のため命を失うのは
本望なのかも知れないけれど

死ぬならひとりで死ねよ

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とはいえ、アイメイク以外ほぼすっぴんと思われる
マリアンヌ・フェイスフルのコケティッシュな魅力に
虜になった男性は多いはず
ビーフェイスなのに巨乳、みたいな女性
イマドキの男の子も好きですしね(笑)

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ドロンさまファンにとっては、ドロンさまの出番は少ないし
ゲシュタルト崩壊 女の映像を延々と見させられるのは

よほどその筋が好きならともかく

ちょっと違和感があるかも知れません(笑)

 

 

【解説】allcinemaより
耽美派マンディアルグの小説『オートバイ』を撮影監督出身のカーディフが斬新なタッチを見せ演出した恋愛メロドラマ。ハイデルベルグの大学教授ダニエル(A・ドロン)と恋仲になったレベッカはレイモン(R・マットン)と結婚してからも、その関係を続けた。彼女は夫の寝ている間に起きだし、オートバイを駆ってダニエルの元へ馳せ参じるのだ。ハーレー1200で疾走する彼女の脳裏にはダニエルとの情事の光景が浮かぶ。その時、...

黒いチューリップ(1963)

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原題も「La Tulipe Noire」(ブラックチューリップ)
監督は、二代目フランスいちの美男子、ジェラール・フィリップ主演の
花咲ける騎士道」(1952)のクリスチャン=ジャック
(初代はジャン・マレー、ドロンさまは3代目だそうです)

ドロンさま、まるで昭和の少女漫画に出てくるプリンス(笑)
登場するたびに、背景にたくさんの薔薇の花とキラキラが見えてしまいます
お目目もキラリン☆歯もキラリン☆
しかもドロンさまがひとつの画面にふたりという贅沢さ(笑)

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CGのない時代なので合成には苦労したでしょう
しかし違和感は感じませんでした
しかもお城に、豪華な調度品に、衣装
12,000人のエキストラと4,000の騎兵に、多数のスタントマン
制作費は膨れ上がりフランス映画としては破格の10億フラン
(1フラン20円として200億円)を超えたそうです
(そんな大作に見えないのが何より残念 笑)

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フランス革命勃発前、「黒いチューリップ」と名乗る義賊と使いの男が
亡命を企てる貴族を襲い、金品を奪っていました
憲兵隊長のラ・ムッシュ(アドルフォ・マルシラック)は
「黒いチューリップ」の正体はギヨーム伯爵(ドロンさま)に
間違いないといいます

ギヨームの愛人であるコルデーヌ侯爵夫人(ドーン・アダムス)は
早速そのことをギヨームに伝えに行きます

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どうやらギヨームはあっちの美女、こっちの美女とお盛んなようで(笑)
決め台詞は「私の膝に座った女性を後悔させたことはない」

誰も否定しないよ(笑)

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いつもの通り亡命貴族の馬車を待ち伏せし、襲い掛かると
それは憲兵隊の乗り込んだラ・ムッシュの罠でした
ギヨームはラ・ムッシュによって左の頬に傷を付けられてしまいます
しかし週末にはコルデーヌ侯爵夫人の屋敷で晩餐会がある

そしてギヨームの使いに行った男の馬車が検問にあいます
憲兵隊は左の頬に傷のある男を探していました
馬車の奥にはギヨームの姿がありました、しかし顔の傷はない
なぜ

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男はギヨームと瓜ふたつの弟、ジュリアンだったのです
ジュリアンは兄になりすまし晩餐会に向かおうとしますが
教会の鐘の音で驚いた馬から落馬してしまい
教会で結婚式をあげようとしていた花嫁
カロ(ヴィルナ・リージ)に手当してもらいます

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私はキューピットっていると思います(笑)
ハートを愛の矢が貫く瞬間
ジュリアンは預かった花嫁のブーケを持って帰ります

頭が良く、ワイルドでなんでもできる兄と違って
弟は真面目だけどおっちょこちょい
これはそんな弟が、ある意味兄を超えて成長する物語

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晩餐会で殿下が率いる軍がやってきて
村に野営するという情報を得たジュリアンは
コルデーヌ侯爵夫人に「赤の部屋」に行こうと誘われても気が気でない
ギヨームの元に行きどうしたらいいかと尋ねると
「橋を爆破して村に入れなくするんだな」と教えてたものの
彼は村人のために働く気は全くありませんでした

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ひとりフェンシングのトレーニングをするジュリアンに
ブーケが原因で結婚をやめたというカロが会いに来て
フェンシングの手ほどきをします
ジュリアンはカロが勝ったら好きなものをあげると言います
カロはジュリアンのキスを奪い、ジュリアンもカロにキスをする
そこにカロの父親が乗り込んできて大騒ぎ

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しかしカロの父親は革命軍の大物でした
軍の侵攻を止めようと憲兵隊から爆薬を盗み
ジュリアンとカロは橋を爆破します

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殿下を誘拐してアジトに連れて行き
ジュリアンが「黒いチューリップ」だと告白すると
黒いチューリップに殺されるなら光栄と
カロの父親と飲んで、酔っ払って、乾杯、乾杯(笑)

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酔った殿下にパリに戻る命令書にサインさせ村は侵攻を逃れますが
ラ・ムッシュがジュリアンの仕業だと気付きます
そしてカロたちのアジトに一斉攻撃を仕掛けるのです

このラ・ムッシュが本作では絶対的な悪役なんですけど
お間抜けなコメディリリーフで憎めない(笑)

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ジュリアンは憲兵隊によって捕らえられ、拷問されます
そこでやっと本物の「黒いチューリップ」ギヨームが動きます(笑)
ジュリアンが幽閉されている城に行き、ロープで登りノコギリで牢を切断する
しかし看守に発砲され着地に失敗、怪我してしまいます

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弟のジュリアンを逃がし、自分は「黒いチューリップ」だと
ジュリアンの代わりに首絞台に上がるのです

捕まったギヨームから、さっさとラ・ムッシュに乗り換える
コルデーヌ侯爵夫人がある意味、潔い(笑)

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それにしてもこの時代はどこの国でも、死刑が見世物というか
人々にとっての娯楽だったのでしょうか
ギヨームの死体を見て楽しむコルデーヌ侯爵夫人とラ・ムッシュ

そこに現れたのが、死んだはずの「黒いチューリップ」
首絞台にぶら下がっていたのはコルデーヌ侯爵夫人の夫でした

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ここでギヨームが生き返ったか?と思うのですが
そうではなく(笑)
民衆蜂起によって、ラ・ムッシュと貴族たちは囲まれてしまいます

コルデーヌ侯爵夫人はラ・ムッシュを捨て、殿下の馬車に乗り込み
お慕い申しておりましたとばかりお色気攻撃(笑)
うまいこと暴動から逃げ出します

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民衆たちは無用の戦いより、囚人たちを救うため牢獄に向かう
そしてジュリアンとカロの長いダンスとキスで映画は幕を閉じます
(ジュリアンの名前はギヨームにされてしまったがな)

1789年7月14日、バスチーユ牢獄への襲撃
8月26日、国民議会の人間および市民の権利宣言(人権宣言)の発表
そして、ナポレオンのクーデター(ブリュメールの18日)により
フランス大革命は終焉したそうです

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でも本作はフランス革命を学ぶものではなく(笑)
あくまで、ふたりのドロンさまを見て楽しむもの

でもイチバンの名演技は、ギヨームの愛馬ヴォルテール
たとえ乗り手がいなくても、見事な躍動感に感動します、すばらしい
カメラはアンリ・ドカエ、やっぱ天才だよ

 

【解説】KINENOTEより
デューマの原作をアンリ・ジャンソン、ポール・アンドレオータ、クリスチャン・ジャックが脚色、クリスチャン・ジャックが演出したアクションドラマ。撮影は「シベールの日曜日」のアンリ・ドカエ、音楽はジェラール・カルヴィが担当した。出演は「地下室のメロディー」のアラン・ドロン、「エヴァの匂い」のヴィルナ・リージ、ほかエイキム・タミロフ、フランシス・ブランシュ、ロベール・マニュエル、アドルフォ・マルシリャチ、ジョルジュ・リガーなど。イーストマンカラー・70ミリ。

 

おまけの「黒いチューリップ」

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