女は女である(1961)

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原題も「UNE FEMME EST UNE FEMME」(女性は女性です)
ミシェル・ルグランによる、歌わないミュージカル(笑)

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ゴダールアンナ・カリーナまだ新婚で一番ハッピーだったとき
アンナ・カリーナは着せ替え人形の如く衣装を変え、最高に可愛い
わがままも、喧嘩も、浮気も最後には許してしまうというオチなのだけど

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挿入歌に使われているシャルル・アズナヴール
「Tu t'laisses aller」(邦題”のらくらもの”1960年発売)が
なによりもゴダールの女性に対する自己投影に近い気がします

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やがてカリーナとの関係に悩み、それは作風にも現れ
2年後には「軽蔑」(1963)になり
そして「気狂いピエロ」(1965)の年にカリーナと離婚
でもこの頃がゴダールにとってもカリーナにとっても黄金期

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作風は当時としては前衛的な
音声のぶつ切りにショート・カットの連続という手法を使い
高く評価されたそうです
いかにも映画ヲタク的なセリフも楽しく
知ってる映画ネタが出ると思わずニヤりとしてしまう

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今でいえば東村アキコさんの漫画のようなネタの使い方
面白いのは東村アキコさんのほうなんですけど(笑)

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物語は今すぐ子どもが欲しい女(アンナ・カリーナ)と
結婚する気も、父親になる自信もない彼氏(ジャン・クロード・ブリアリ)
彼氏は同じアパートに住む知り合いの男(ジャン・ポール・ベルモンド)に
子作りを頼み、他の女の子と呑みに行く

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女は悔しさのあまり彼氏の提案を受け入れ
好きでもない男とベッドを共にしてしまうのです
(セックスしたかどうかはわからない)

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やっかいな女だと、お払い箱にしようとしても
いざほかの男に盗られると思うと、居ても立ってもいられない
嫉妬心で気が狂いそうになり、今度は彼女が帰るのをひたすら祈るのです

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なんて遠回りで、面倒で、時間の無駄なんだ(笑)
いくら才能があっても、付き合う女がキレてしまい
ヒステリーになってしまうのもわからなくもない(笑)

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とはいえ、ゴダールの代表作のひとつですし
ゴダールを知る入門編として良いのではないでしょうか

 


【解説とあらすじ】KINENOTEより
勝手にしやがれ」で一躍名をあげた若いヌーベル・バーグの監督ジャン・リュック・ゴダールが自ら脚本を書き演出したコメディ。撮影はラウール・クタール、美術はべルナール・エヴァンと新進の技術者が担当。音楽はべテランのミシェル・ルグラン。出演者は新人アンナ・カリーナと、ジャン・クロード・ブリアリ、ジャン・ポール・べルモンドなど。イーストマンカラー・フランスコープ。
パリの下町の小さな本屋の店に働くエミール(ジャン・クロード・ブリアリ)はストリップ・ガールのアンジェラ(アンナ・カリーナ)と同棲している。そのアンジェラが、どうしたはずみか急に赤ん坊が欲しいと言い出す。そのことで、二人はどうも意見が合わず、喧嘩がたえない。男のエミールにしてみれば、子供はいらないし、正式な結婚なんかしない方が都合がいいからだ。どうしても子供を生むと意地になったアンジェラは他の男に頼んでつくってもらうと、おだやかならぬ宣告をする。本当のところアンジェラを愛しているエミールはこの言葉に動揺するが、いまさらあとへは引けない。勝手にしろ、というしかないのだ。彼女はついに、同じアパートの下の部屋に住むパーキング・メーター係りのアルフレッド(ジャン・ポール・ベルモンド)に頼むと言い出す。アルフレッドはかねてからアンジェラに色目をつかっていたのだ。そして、ある日、アンジェラはとうとう心を決めてアルフレッドと寝てしまったのである。夜おそくエミールの許に帰って来たアンジェラ。二人は黙々として枕をならべる。やがてエミールが口を切る。「ほんとにあいつの子供ができたかどうか分らないよ。だからためしにぼくの子供をつくってみようよ」エミールはアンジェラを抱く。愛している女に子供を生ませるのは当然なんだと思いながら。

女神の見えざる手(2016)

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原題は「MISS SLOANE」(ミス・スローン)
最近稀にみる素晴らしい邦題(笑)
勝利の女神”や”切り札”を感じさせるいいタイトルだと思います

批評家からの評価は低く、興行的にも失敗したそうですが
これはかなり面白く刺激的
ユージュアル・サスペクツ」(1995)のような
「どんでんがえし系」ミステリーが好きな方には絶対オススメ

なので決してネタバレは知らないまま
このレビューも読まないで(笑)
ご覧になっていただきたい

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ロビイストとは、圧力団体の利益を政治に反映させるために
政党・議員・官僚などに働きかけることを専門とする人々のこと
米国議会のロビーなどで議員と話し合う慣行=ロビー活動 ともいいます

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エリザベス・スローン(ジェシカ・チャステイン)は
コール=クラヴィッツウォーターマンで働く敏腕ロビイスト
そんな彼女に銃擁護派団体(全米ライフル協会)の
代表者サンドフォード氏から、銃規制法案に賛同する女性(母親)たちに
”銃は子どもを守る最も安全な道具”と説得して銃器保全賛成に転向させ
銃擁護派議員に投票させたいという依頼がきました

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エリザベスはこの女性蔑視で、ワスプで、老害のクソ爺に
自分は銃規制法案の賛成派だと高笑いしますが
大手の取引先をコケにしたと上司はカンカン
従わなければクビだと思わせる警告をします

アメリカには米国憲法修正第2条というものがあり
(国民が自己の武器を保有し携帯する権利は侵害されてはならない)
何百年も前にできたその憲法が今でもまかり通っているのです

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そんな時エリザベスを引き抜きにかかったのが
銃規制法案賛成派のピーターソン=ワイアット社CEOのシュミットでした
銃規制法案を可決させるために働いてほしいと言います

エリザベスは優秀な部下たちを引き連れ移籍を決意
しかし最も信頼を寄せていたジェーンにだけは拒否されてしまいます
彼女は実力も実績のあるエリザベスと違い
自分は資金力最大手の今の会社に残ったほうが賢明だと考えたのです

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でも、ここからすでにゲームは始まっていたのですね(笑)

将棋やチェスの名人は、何十手、何百手先まで読むといいます
その中でもプロ棋士で数々の称号をもつ羽生善治さんは
30分から1時間あれば1000手先まで読むことができるそうです

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ロビイストの仕事はまさに人間将棋
そしてエリザベスは天才棋士、決して自分の手の内を見せることはありません
守る駒、囮になる駒、攻撃する駒、捕虜になる駒を操り

仲間を裏切り、軽蔑されても
法を犯し実刑を受けても構わない
何十手先までも読み、必ず勝つためのシナリオを作り上げる

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銃規制法案とは、例えれば車を運転するに自動車免許が必要なように
銃にも購入したり、発砲する免許や資格を授けたり
登録制を義務付けようという、ある意味当たり前のこと

しかし銃擁護派の資金力によって
銃規制法案賛成の議員までも圧力をかけられ
銃規制法案を可決させることは100%不可能に近い状態

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それをエリザベスは同僚の全ての過去を調べ上げ
優秀な部下でさえ裏切りマスコミに売る
プロの盗聴・盗撮チームを雇いスパイを探す

薬物依存に、エスコート・サービス(娼夫)の常習
汚れ役さえ武器に銃擁護派立ち向かう

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敗者が勝者になる瞬間の、最高の気分の良さ
素晴らしい脚本と伏線回収

そして残る本当の黒幕は、資金元は誰だったかの謎
最後にエリザベスが微笑みを向けた相手とは?

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ちょっとテレビのシリーズもの的な展開ではありますが(笑)
ここ最近でひさびさの傑作、オススメです

 

【解説】allcinemaより
 「ゼロ・ダーク・サーティ」のジェシカ・チャステインが、目的実現のためならどんな手段も厭わない剛腕ロビイストを演じるポリティカル・サスペンス。政治を影で動かすロビイストに焦点を当て、銃規制法案を巡って対立する両陣営の熾烈な駆け引きの行方をスリリングに描き出す。共演はマーク・ストロングジョン・リスゴーサム・ウォーターストン。監督は「恋におちたシェイクスピア」「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」のジョン・マッデン
 大手ロビー会社“コール=クラヴィッツ&W”で働くエリザベス・スローンは、手段を選ばない巧妙な戦略と妥協のない仕事ぶりで高く評価される花形ロビイスト。ある日、銃擁護派団体から新たな銃規制法案の成立を阻止してほしいと依頼を受けるが、これをきっぱりと断るエリザベス。その情報を聞きつけた小さな新興ロビー会社のCEO、シュミットから誘いを受けると、彼女は部下を引き連れ電撃的に移籍し、規制法成立へ向けた大胆かつ巧妙なロビー活動を開始するのだったが…。

92歳のパリジェンヌ(2015)

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原題は「LA DERNIERE LECON」(最後のレッスン)
原作はフランス元首相(1988~1991任期)のリオネル・ジョスパンの妹で
作家のノエル・シャトレが、自殺した(2002年92歳)母ミレイユの
最期を綴った同名小説

テーマは「尊厳死

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日本でも厚生労働省が、人生の最終段階で本人がどのようなケアや医療
死に方を望むのか家族と話しあう合ことを「人生会議」と名付け
活動を広めようとお笑いタレントの小籔千豊さんを起用しポスターを制作

しかしそのポスターに「患者や家族を傷つける」
「死にゆく人が家族に不満をぶちまける内容」という批判が殺到
発送が中止になる騒動がありました(2019年11月)

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ポスターのセンスの良し悪しは別として

「人生会議」に抗議する人こそ、この映画を見てほしいと思います
尊厳死」を認めることは「自殺幇助(ほうじょ=手助けする)」なのか
(自分では介護せず)施設や病院に入れるのが、親への愛なのか
リアルに考えさせられる内容が詰まっていました

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マドレーヌ(マルト・ヴィラロンガ)は92歳の誕生パーティで
「2か月後に逝きます」と家族に宣言します
誰にも迷惑をかけず、気力のあるうちに死にたいと
何十年も前から決意し長男のピエール(アントワーヌ・デュレリ)と
娘のディアーヌ(サンドリーヌ・ポネル)にもずっと話していたことでした

ついにその時がきたのです

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当然、息子も娘も猛反発
いくら高齢でも母親の”自殺”を受け入れるなど当然不可能
しかし頑固な母親が決して意思を曲げることはありません
「スイスまで連れて行けって言うんじゃないわよ」
「自分にとっての終焉がきたら静かに死なせてほしいだけ」

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私は「世界一キライなあなたに」(2016)という
全身不随の青年と、その介護に雇われた女性とのラブ・ストーリー
スイスに「ディグニタス(Dignitas)」という
自殺幇助機関があることを知りました
裁判所が認めれば、重度の障碍者や難病患者が
医師と看護師の付き添いのもと安楽死させてくれる場所です

寝たきりでいい、彼とずっと一緒にいたい女の子
だけど青年は好きな女性に触れることさえできない
その辛さに、ますます耐えられなくなっていたのです

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私たちは死を選びたいのに、生かされている人の苦しみを
本当に理解しているのか

若かりし日のマドレーヌは元助産婦として働き
明るく良き母親ではありましたが、一方では過激な活動家
そして自由恋愛主義者でした
しかも初恋の相手とは、92歳になる今でも文通し愛を語り合っていたのです

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娘のディアーヌは、理解ある夫と息子マックスのフォローのおがげで
少しづつ母親に寄り添っていくようになりますが

息子のピエールは母親の自殺は絶対許せない、何が何でも防ごうと
行き過ぎた言動で必要以上に相手の欠点を責めて追い詰める
生かしておくことが、正義だと信じているから

孫のマックスは客観的で、最初はマドレーヌの主張を認めていましたが
大好きなおばあちゃんが死ぬかも知れないと思った瞬間、急に怖くなります
男は本当に弱い

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そんなとき支えになるのが、意外にも家族より他人
アフリカ系の家政婦のヴィクトリアは、息子との不仲に悩むマドレーヌに
アフリカでは死んでも家族と一緒、風になり光になり木になり
ソファーやベッドになるかも知れないと励まします
千の風になって」と同じ

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限られた時間の中、娘は母の望みを叶えていこうとするけれど
息子は最後まで母親を受け止められない
マドレーヌの死ぬ日、息子家族だけ来ない「最後の晩餐」

ちなみに私の「尊厳死」のラインは、自分で食事ができなくなったとき
マドレーヌや彼女と同じ病室の男性と同じ
寝たきりで管を付けられて生かされるなんてまっぴら

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日本でこのような映画が作られたなら「人生会議」のポスター同様
「当事者の心情を理解していない」と公開中止になるかも知れません
この映画も「自殺を推進している」と批判されているかも知れません
しかしフランス映画祭では最高賞の観客賞を受賞
日本で「尊厳死」が認められるのは、まだまだ先になりそうです

 

 

【解説】allcinemaより
尊厳死を決断したジョスパン仏元首相の母とその娘との最期の日々を綴った実話『最期の教え』を基に描く感動作。92歳の誕生日に突然2ヵ月後に尊厳死すると宣言した母の信念と、その決断を受け止めきれずに激しく動揺する家族の葛藤の行方を見つめる。出演はマルト・ヴィラロンガとサンドリーヌ・ボネール。監督は、これが長編4作目の女性監督パスカル・プザドゥー。
 若い頃は社会運動に積極的に関わり、奔放な恋愛も重ねてきた元助産師のマドレーヌ。年老いた今も、子どもたちの世話にはならないとひとり暮らしを続けているものの、寄る年波には勝てず、日々“ひとりでできないこと”が増えていく。そんな中で迎えた92歳の誕生日。彼女は祝福する家族を前に“2ヵ月後に私は逝きます”と宣言する。息子のピエールは感情的になり、母の身勝手な決断は断じて受け入れられないと、何が何でも計画を阻止する構え。一方、娘のディアーヌも到底納得できないと思いつつも、自分らしく人生を全うしたいという母の信念を尊重したい気持ちも芽生え、激しく揺れ動くのだったが…。

アラン・ドロンのゾロ(1975)

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アラン・ドロン主演50本記念作品
原題も「EL ZORRO」(ゾロ=狐)

「黒いチューリップ」(1963)の頃より
オジサマ(40歳)にはなってはいますが(笑)
日本でいえば「桃太郎侍」「遠山の金さん」「暴れん坊将軍」を
ドロンさまが演じるわけですから、そりゃあかっこいい
単純明快で、チャンバラとコメディと美女のバランスが程良い西洋時代劇

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剣の達人ドン・ディエゴ(ドロンさま)は故郷スペインに帰る途中
南米カルタヘナに赴任している親友ミゲルに会いに行きます
ミゲルは、スペイン領ニュー・アラゴンの新総督に任じられていましたが
何者かに暗殺されてしまいます
ディエゴはミゲルの志を継ぎ、総督としてニュー・アラゴンに赴任しますが
そこでは護衛兵隊長ウエルタ大佐(スタンリー・ベイカー)が
軍隊を率いて横暴の限りをつくしていました

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ディエゴはウエルタ大佐を油断させるため
普段はなよなよした、おかまちゃんみたいな振りをして
口がきけない忠実な従僕ベルナルドとの関係はちょっと同性愛的(笑)

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ある日ベルナルドと城を抜け出したディエゴは
貧困街で少年チコから、黒いキツネの精霊で不死身の戦士
「Z」マークのゾロの存在を教えられます

そして悪徳判事によるインチキ裁判により
農民たちは虐げられ
平和と正義を説くフランシスコ神父や
(ミゲルのいとこで美女)オルテンシアの一族が
疎外されている事実を知ります

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ヒロイン役ののオッタヴィア・ピッコロと
「マスク・オブ・ゾロ」(1998)のキャサリン・ゼタ=ジョーンズ
顔が似ていますね、この作品を意識した配役だったのでしょうか

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ディエゴは黒馬、黒装束、黒覆面の騎士となり
突然現れて悪行を懲らしめますが亡きミゲルとの約束を守り
誰ひとり敵を殺すことはありません
ただ「Z」のマークだけ残して去っていく

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黒騎士ゾロはたちまち人々の英雄にまつり上げられ
ウエルタ大佐はニュー・アラゴン全土に戒厳体制をしきます

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ドロンさまが、まるでジャッキー・チェン(笑)
数々なギミック(仕掛け)を使ったアクションが楽しいし
黒いバカ犬(実は賢い)の使い方も面白い

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ジャッキーさまと違うところは
ドロンさまが演じると少女漫画に登場するような王子様になる
輝く白い歯の笑顔を見せるたび、背景に薔薇の花びらが舞います(まぼろし~)
ジャッキーさまは少年ジャンプ(笑)

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ウエルタ大佐は、権力を利用してオルテンシアと結婚式を挙げようとします
その教会にもゾロは現れ、ついに宿命の対決が始まるのです(15分は長い 笑)
最後の瞬間ゾロは黒覆面をはずし、ウエルタ大佐は倒れ
ゾロは愛馬を駆り彼方に消えていきました

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ドロン様が当時9歳だった息子(アントニー・ドロン)のために
主演したというのは有名なエピソード
70年代の子どもたちのアクションヒーローものとして
それなりにまとまっていたと思います

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ただ4歳で両親が離婚して、後継人に育てられたアントニー
そのことを知って喜んだかどうかはわかりません

 


【解説】allcinemaより 
何度も映画化されている英雄譚に、珍しやA・ドロンが挑んだ大活劇ロマン。ヒーロー然とした役所が案外少なかったドロンもサマになっており、S・ベイカーの悪役、O・ピッコロのヒロインも申し分無し。クライマックス、延々と続くチャンバラ決闘シーンを始め、D・テッサリのアクション演出も快調で、肩の凝らない娯楽作に仕上がっている。グイド&マウリツィオ・デ・アンジェリスの軽快なテーマ曲もカッコいいぞ!

ぼくを探しに(2013)

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原題は「Atila Marcel」(アッティラ・マルセル)
プロレスラーの父親のリングネーム


数々の傑作アニメを生み出し、日本でも評価の高いシルバン・ショメ
初体験でございます(笑)
ポップでキュートな映像、メルヘンと現実の中間のような世界観
どの画面も切って飾りたいくらいお洒落だけど
ところどころにブラックと皮肉が込められているのはフランス流(笑)

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2歳の時に両親の事故死を目撃したショックで失語症になってしまったポールは
ピアノの才能があると、ふたりの叔母(アニーとアンナ)から
いっぱいの愛情と期待を受け育てられました
叔母が経営するダンス教室でピアノ伴奏をしながら
33歳最後のチャンスのピアノコンクールで優勝を目指しています

この叔母さん息もぴったりで、いつもべったりでまるで
女芸人の「阿佐ヶ谷姉妹」に毒を仕込んで強烈にした感じ(笑)
散々中国人の悪口を言ったり「ヒロシマ」ネタを突っ込んできたり
見ているほうがヒヤリとしますが、これが本音でしょう

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ある日大好物のお菓子、シューケストを買いに出たポールは
落し物のレコードを見つけ、持ち主に返そうとプルースト家を訪れます

この部屋の中一面緑が生い茂るマダム・プルーストのお家が素敵
こうすれば庭がなくてもガーデニングができるじゃない
(でもセンスがよくないと、こうはならないわね)

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マダム・プルーストはポールを招き入れ
自家製のハーブティとマドレーヌをご馳走してくれました
すると眠りについたポールに過去の記憶が蘇ってきたのです

そこには美人で優しい母と、プロレスラーの父の姿がありました
母はポールの記憶に残っている、父からDVを受けていた姿ではなく
実は母もプロレスラーで技の稽古をしていただけだったのです
両親の死の真相は、2階から落下したピアノの下敷きになったからでした

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現実に戻ると、ポールはピアノコンクールで優勝し祝賀会が開かれていました
出席者に演奏をせがまれ、鍵盤に指を乗せた瞬間に蓋が閉まってしまい
ポールの指は圧迫されピアニストとしての人生を失ってしまいます

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マダム・プルースト訪ねたポールは彼女が癌で亡くなったことを知り
マダム・プルーストの愛用していたウクレレを持ち帰ります
公園の老木伐採に反対していたマダム・プルースト
死ぬまで役に立つことはあるんだと
彼女は老木に自分の姿を重ねていたのかもしれません

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数年後、ポールはウクレレ教室を開き、中国系のミッシェルと結婚して
赤ちゃんも誕生していました
そして何か言おうとしている赤ちゃんに
ポールは「パパ」と声をかけることができたのです

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奇妙で風変わりだけど、たぶんこの作品のメッセージは
人生には不幸なことや、傷つくことがたくさんあるけれど
それでもまた幸せになれる
自分の黒歴史のなかにも、いい思い出があるということ

だから、他人と考え方が違うことで変人と思われていたり
学校や社会でグループの中に入れず孤立していたり
いまの生活に「生きにくさ」を感じている人には特に見てほしい1本

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もしかしたらハーブティとマドレーヌが
人生を変えてくれるかも知れません

 

【解説】映画.comより
アカデミー長編アニメーション賞を受賞した「ベルヴィル・ランデブー」や、ジャック・タチの遺稿をもとに映画化した「イリュージョニスト」などで知られるフランスのアニメーション作家シルバン・ショメが、初めて手がけた実写長編作。「ベルヴィル・ランデブー」のサントラで使われた楽曲「アッティラ・マルセル」に着想を得て、仏文豪マルセル・プルーストの小説「失われた時を求めて」のエッセンスも織り交ぜながら、孤独な主人公が不思議な女性との出会いから失われた過去の記憶が呼び覚まされ、少しずつ変化していく人生を描いたファンタジックな物語。幼い頃に両親を亡くし、そのショックで言葉を話すことができなくなったポールは、伯母のもとで世界一のピアニストになるよう育てられる。友だちもいない孤独な人生を歩み、大人になったポールは、ある日、同じアパルトマンに住む謎めいた女性マダム・プルーストと出会う。彼女のいれたハーブティーを飲むと、固く閉ざされた心の奥底の記憶が呼び覚まされていき、ポールの人生に変化が訪れる。

ハンター(1980)

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原題も「The Hunter」
30年の間に5000人以上の仮釈放中の逃亡者を牢に送り込んだと言われる
実在のバウンティハンター、ラルフ・ソーソンを演じた
スティーヴ・マックィーンの遺作アクション

確かに「ブリット」(1968)や「ゲッタウェイ」(1972)とは
比ぶべくもないB級映画だけど、これはこれで良かったと思います

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凄腕の賞金稼ぎのわりには、縦列駐車もできないくらい運転が下手で
(「裸の銃を持つ男」(1988)はこれのパロディかな)
「古いものばかりが好き」で老眼鏡が必要な50男

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美人でしっかり者の恋人の尻に敷かれラマーズ法教室に付き合わされる
この頃からラマーズ法や、立ち合い分娩のブームだったのでしょう
(出産シーンを旦那に見せたい妻の気持ちはわからんがな)

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そんな二枚目半なオジサンだけど、MA1ジャケットにLeeライダース
ロレックスサブマリーナーがここまで似合うのはマック様だから(笑)
「サムライ」(1967)のドロン様もだけど、マック様(左利き)も時計は右手
だから私も時計は右手にするようにしています(笑)

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すでに肺がんを患い、走るシーンなど相当つらかったらしいですが
スタントもCGもなしでこれだけやれたらたいしたもの
この映画を酷評する人に、オマエはどれだけ早く走れるんだと
逆に言ってやりたい(笑)

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現代の賞金稼ぎラルフ・ソーソン(スティーヴ・マックィーン)は
シェアハウスで同棲しているドティ(キャスリン・ハロルド)が
身籠っているため、仲間たちから“パパ”と呼ばれています
保釈金保証人のリッチー(イーライ・ウォラック)から依頼があれば
どこまでもおたずね者を追いかけ、ロスに連れ帰り警察に引き渡すのが仕事

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ある日、ソーソンをストーカーするロッコと名乗る男から電話が入ります
刑期を終えた彼は、かって自分を捕えたソーソンを逆恨みしていました
ソーソンが次のターゲット、ブランチ兄弟をネブラスカで追う間も
ドディの勤める小学校に現れ彼女を脅します

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なのに、ソーソンは爆弾魔ブランチ兄弟との逃走劇と逮捕でクタクタ
おまけに親友の警察官が自殺してしまったショックで
恐怖に陥っているドディを労わるどころか、父親になることさえ受け入れらません
ついに「中絶すりゃよかった」とまで吐き捨ててしまうのです

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これは一生許せない一言(笑)
働く女性にとって、妊娠は簡単なようで意外に難しいもの
大人になり切れない男を好きになったと納得はしていても
ドディが怒って出ていくのは当然です

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なのである意味ロッコがふたりの仲を修復したキューピット(笑)
ドディを連れ去り、教室の椅子に縛り付けソーソンを待ち受けます

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ソーソンは理科室に逃げ込みガスの元栓を開き
ソーソンを追い詰めたロッコが発砲するとガスに引火し大爆発
間一髪脱出したソーソンは、産気づいてしまったドディを車に乗せ
大急ぎで病院に向かいます

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彼女が車中で出産してしまい、思いもよらぬ立ち合い分娩(笑)
周囲に集まった人々から祝福の拍手を受け
MA1に包まれてくしゃみする赤ちゃんに「お大事に」にと呟き
満面の笑顔のストップモーション

素敵なシーンのはずなのに、思わず哀しくなって泣ける
さよなら、マック

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そして出番は少ないけれど、相棒役の黒人少年が可愛い
「ルーツ 」(1977)のクンタ・キンテ役でブレイクした子なんですね
今では監督やプロデュース業でも成功しているそうです

 

【解説】allcinemaより
ラルフ・ソーソン、通称“パパ”は賞金稼ぎ。指名手配者を追っては西へ東への毎日だが、家に帰れば8年前から同棲していて、しかも今妊娠中の女教師ドティが待っていた。だが、ある日、彼に恨みを持つ何者かから脅迫電話が掛かってくる……。過去30年間に1万人もの犯罪者を牢に送り込んだという実在の賞金稼ぎ、ラルフ・ソーソンの実話を基にしたアクション映画。主演のマックィーンは、疾走するシカゴの地下鉄高架線のパンタグラフにぶら下がったり、トラクターとトランザムチェイスを披露したり等のアクション・シーンはキチンと押さえながらも、仕事では厳しいが一旦家に帰ると人間臭い、いわゆるスーパーマン的ではないヒーロー像を人間味溢れる魅力で好演している。惜しくも彼の遺作となってしまった。