DOGMAN ドッグマン (2024)

「魂を救える神はいても 命を救える神はいない」

 

勝手に「夏ホラ」祭

でも想像していたのと違った(笑)

とんでもなくワンコちゃんたちが賢くて可愛い

小さい子から大きい子

クッションみたいにモフモフだったり、ほっそりだったり

こんなにも大勢の可愛い子を集めたことにも感激(まさかCG?)

犬が人間を食い殺すシーンはあるものの、グロさは控えめ

むしろ相手が極悪人なので、スッキリ(笑)

 

ラストは「フランダースの犬黒田昌郎監督のテレビアニメ版ね)ほど

号泣するとは行きませんでしたが(笑)

感動してしまいました

原題は「Dogman」

リュック・ベッソンは「父親が5歳の男の子を犬用ケージに4年間監禁した」

という記事を見て、このアイデアを生み出したそうです

 

警察の検問で停められた一台のトラック

荷台には数十匹の犬が積まれ

運転手はマリリン・モンローに扮したドラァグクィーン

(IKKOさんにしか見えないのはご愛敬)

彼女?彼?を男女どちらに収監するべきか

精神科医のエヴリンが呼ばれます

エヴリンはまず、自称ダグラスこと”ダグ”マンロウの生い立ちを聞き出します

彼は闘犬のブリーダーで、敬虔な?クリスチャン一家に生まれましたが

父親はダグを虐待し兄はそうなるよう父親をけしかけていました

ある日、お腹を空かした犬たち餌をあげるため

自らの食事をポケットに隠したダグ

そのことを知った父親は「そんなに犬が好きか」と

ダグを犬たちの檻に監禁します

妊婦だった母親は缶詰の食料を「土に埋めて隠しなさい」とダグに渡すと

家を出て行ってしまいます

それからダグは母親が隠していた雑誌で世間を学び

一匹の犬が産んだ子犬たちを可愛がるダグ

それを知った兄がまたまた父親にチクり

母親が家出したのはダグのせいだと思ってる父親は

ライフルでダグを撃ちます

当たったのは小指したが、ダグはその指を一匹の犬に持たせ

雑誌のパトカーの絵を見せると、そこに運ぶよう命じます

しかしダグは撃たれた衝撃で脊髄を損傷し、下半身不随となり

父親と兄は逮捕されますが

父親はすぐに自殺、釈放された兄は犬たちに襲われます

 

その後引き取られた養護施設で

演劇部の顧問でサルマという聡明な女性と知り合います

サルマと共にシェイクスピアの演劇をし、彼女に恋をしますが

ブロードウェイデビューを果たし、成功したサルマに会いに行くと

彼女はすでに結婚していて、おめでたでした

 

さらにダグは大学で学位を所得したものの、障がい者の雇用はなく

保護犬のシェルターの管理人として働いていましたが

シェルターが閉鎖されることになり、犬たちを連れて消えることにします

その資金はどこからという問いには、助け合いによるものと答えます

やっとのこと、タグはゲイキャバレーでシャンソンを歌う仕事を見つけます

なんと主演のケイレブ・ランドリー・ジョーンズは5ヶ月の間

車椅子で過ごし、歌い方も学んだそうです

さらに犬たちを使って、金持ちの家から金品を盗んで生計を立てていました

ダグ曰く(貧しく困ってる人々への)「富の再配分」

ある日、配線工事に来たことのある青年から

ダグが世話になっているクリーニング店(洗濯屋ではなく清掃業?)の女性が

ギャングから多額の「みかじめ料」を請求され困窮していることを知らされます

犬を使い女性に係わらないよう忠告するダグ

しかしギャングのボスは約束を破り、手下と青年を連れてやって来て

青年を殺してしまいます

するとワンちゃんたちが恐ろしいほどのチームワークで

ディズニー&ピクサーのアニメのようにギャングを退治していき(笑)

ダグは可愛い「子どもたち」たちをトラックに乗せ逃げたのです

(トラックはどこから調達した?笑)

「なぜ話をしてくれたの」と尋ねるエヴリンに

「あなたも痛みを知っている人だから」とダグ

帰宅したエヴリンが幼いわが子を抱きしめているとき

ダグは身支度を整えていました

(留置所に剃刀?スーツはどこから出てきた?笑)

留置所に忍び込んだ犬たちは、警察官から鍵を奪いダグを檻から救出します

(だいぶ無理があるがな 笑)

ダグは自力で歩くたび、脊髄液が漏れ死に至るという爆弾を抱えていました

ダグが日曜教会に歩いて向かうと、西日が教会を照らし

十字架の影がダグと重なると、そのまま倒れます

放たれた犬たちがあちこちから集まりダグに寄り添う

何かを感じたエヴリンが窓の外を眺めると

そこには常にダグを見守っていた門番のハウンドが

エヴリンを真っ直ぐ見つめていたのでした

ダグからエヴリンを守るよう使わされたように

たぶん作品全体に、キリスト教の教えが強く関わっていて

死ぬことは命の終わりではなく

神から罪を許され永遠の安息を与えられることを示しているようですが

 

私的には残されたワンコちゃんたちが

このあと幸せに暮らしてくれることを祈るばかりでした

 



【解説】映画.COMより

「レオン」のリュック・ベッソンが実際の事件に着想を得て監督・脚本を手がけたバイオレンスアクション。
ある夜、1台のトラックが警察に止められる。運転席には負傷した女装男性がおり、荷台には十数匹の犬が乗せられていた。「ドッグマン」と呼ばれるその男は、自らの半生について語り始める。犬小屋に入れられ、暴力を浴びて育った少年時代。犬たちの存在に救われながら成長していく中で恋を経験し、世間になじもうとするも、人に裏切られて深く傷ついていく。犬たちの愛に何度も助けられてきた彼は、生きていくために犬たちとともに犯罪に手を染めるが、「死刑執行人」と呼ばれるギャングに目をつけられてしまう。
アンチヴァイラル」「ゲット・アウト」のケイレブ・ランドリー・ジョーンズが主演を務め、圧倒的な存在感でドッグマンを演じきった。共演は「フレッシュ」のジョージョー・T・ギッブス、「ザ・ベイ」のクリストファー・デナム。2023年・第80回ベネチア国際映画祭コンペティション部門出品。

2023年製作/114分/PG12/フランス
原題:Dogman
配給:クロックワークス

 

 

エルム街の悪夢(1984)

勝手に「夏ホラ」祭

大スター、フレディ・クルーガー様の登場でございます(笑)

 

原題は「A Nightmare on Elm Street

フェドーラ帽に、ダサい縞模様のセーターと鉄の爪

特殊メイクは、UCLAメディカルセンターから入手した

本物の火傷の被害者の写真をもとにデザインされたそうです

眠っている夢の中に登場し、若者を血祭りにあげていくというものですが

だんだんと、どこまでが夢か現実かわからなくなってくる

しかも血の量が半端なく、これでもかと間欠泉のように噴出します(笑)

高校生のナンシーは夢に出てくるフレディに、親友のティナを殺され

(口からムカデが出てくるシーンがいちばん怖い)

ティナの彼氏で殺人容疑をかけられたロッドも殺されてしまいます

だけど警察署長の父親はナンシーの話を信じず

母親はアルコール依存症で頼りにならない

隣に住むボーイフレンド、グレンも

「夢でうなされたら起こして」って頼んでるのに

自分のほうがすぐ寝てしまうポンコツ

このボーイフレンドを演じているのが、若かりし日のジョニー・デップ

1ミリもカリスマ性はございません(笑)

当時は大物俳優になるとは誰も思わなかったでしょうね

どうやらフレディは連続児童殺人犯だったものの

手続きの不備で釈放されてしまい

母親を含む近所の自警団がフレディを捕まえ

生きたまま焼き殺したというのです

ナンシーは、ひとりでフレディと戦い

フレディを夢の中から現実に引き出そうとします

その姿はまるで「ランボー」か「ホームアローン

家中に罠を仕掛けるんですね

フレディが思ったよりめちゃくちゃ弱くて(笑)

呆気なく倒されてしまったのには拍子抜けでしたが

夢から覚めたナンシーが学校に行くのを迎えに来たグレンたちの

オープン・カーのルーフがまさかの縞々模様

ラストはギャグでしかなかったけど(笑)

悪夢はまだ続いていたのです

 

 

【解説】映画.COMより

エルム街に暮らすナンシーら高校生たちに異変が起こる。夢の中に鋭利な鉄の爪をつけた怪人が現れ、彼らを脅かすのだ。その後、友人のひとりティナが惨殺されるという事件が。一方、夢の恐怖は現実化し、ナンシーの体には傷まで残っていた。悪夢とともに殺人事件が続く中、ナンシーは怪人フレディにまつわる秘密を知り、彼と闘うことに……。夢の中のみならず、現実にも出現する殺人鬼の恐怖を描き、大ヒットしたホラーシリーズの第1弾。

1984年製作/91分/アメリ
原題:A Nightmare On Elm Street

 

 

 

ハロウィン(2007)

勝手に「夏ホラ」祭

といってもホラー映画って20本見て1本当たりがあればいいほう

ならば名作から責めていくのが効率がいい

なのに、ああ

なんか違うと思ったらリメイク版だった(笑)

原題は「Halloween

前半のブギーマンが誕生するまでのくだりはなかなかヨカッタ

いつもお面を被っているマイヤーズ一家の10歳の長男マイケル

継父はアル中で働かずマイケルのことをオカマ扱い

ポールダンサーの母親が一家を支えています

学校では同級生に虐められ、母親のことを馬鹿にされたことから

その日の帰り道、マイケルはその同級生を撲殺し

ハロウィンのお菓子を貰いに行く約束をデートのためすっぽかした

姉の彼氏と姉を撲殺

さらに酔っぱらって寝ている継父の喉を切り

警察に捕まると精神科ルーミス医師の診断を受けます

マスクを被り、一言も言葉を発しないマイケル

解離性障害という設定らしい)

母親は定期的に面会に来てくれましたが

マイケルが看護師を殺害したことで自殺してしまいます

やがてルーミスは担当を離れ15年

どうなったらそうなるのか、マイケルは筋肉モリモリ

まるでレスラーのような大男へと成長(笑)

移動中に刑務官を殺害

良き理解者だった掃除婦のイスマエルまでも殺害して逃亡

知らせを受けたルーミスは、マイケルは唯一の肉親で妹の

ローリーに会いに行くため脱走したと考えます

とにかくこのマイケル君

母親の500キロもある墓石を移動させたり

エチした後の全裸か半裸で無防備な男女を怪力で惨殺したり
マグナムで3発打ってもピンピンしていたり(笑)
「こいつは怪物だ人間ではない」と納得させることに成功

何を考えているかわからない、心が全くない

「生物学的には人間でも人間ではないのです

どす黒い血が流れる顔面や、殺人現場もリアルで

お笑いどころがなかったのは残念(笑)

ラストはローリーが銃を発射するとともに

マイケル君がローリーの手首を掴む

いかにも続編ありきでしたね

 

 

 


【解説】KINENOTEより

1978年に公開されたジョン・カーペンター監督による大ヒットホラー「ハロウィン」のリメイク。殺人鬼マイケル・マイヤーズの少年時代を丹念に描き、前作とは結末も異なる。監督は「マーダー・ライド・ショー」のロブ・ゾンビ。出演は、「時計じかけのオレンジ」のマルコム・マクダウェル、「X-メン」のタイラー・メイン。

アメリカ・イリノイ州の片田舎、ハドンフィールド。1人の少年マイケル・マイヤーズ(デーグ・フェア)は、ダンサーとして一家の生計を立てている母親デボラ(シェリ・ムーン・ゾンビ)や姉妹たちと暮らしていたが、友人もできず、家庭にも愛されず、孤独な日々を過ごしていた。10月31日のハロウィンの日、マイケルはある行動に出る。彼は不気味なマスクを被り、かわいがっていた赤ん坊の妹を残して、母親の粗暴な恋人、姉、姉のボーイフレンドを惨殺する。その夜、マイケルは精神病院に収容される。厳重な警備態勢が敷かれた病院の中で、著名な小児行動学者であるルーミス医師(マルコム・マクダウェル)の治療を受けることになったのだ。ルーミス医師だけが、マイケルの異常な魔性を理解できる人物だった。17年後、異様なまでの巨大な体躯に成長した青年マイケル(タイラー・メイン)は、精神病院を脱走する。彼は妹(スカウト・テイラー・コンプトン)を探して、ハドンフィールドに向かう。ハロウィンの夜、マイケルは再びあのマスクを被り、殺人鬼と化す。マイケルが脱走したことを知ったルーミス医師は彼の暴走を止めるために、ハドンフィールドのブラケット保安官(ブラッド・ドゥーリフ)に協力を求めるが……。

 

デモンズ2(1986)

勝手に「夏ホラ」

原題は「Dèmoni 2: L'incubo ritorna 」(悪魔の再来)

舞台は劇場から高級マンションに変わり

劇中映画「デモンズ」がTVで放送

やがてTV画面から電波に乗って現実世界に飛び出してくるデモンズ

完全に「ヴィデオドローム」のパクりでございます(笑)

ほかにも「チャッキー」あり「エイリアン」あり

グレムリン」に「遊星からの物体Ⅹ」あり(笑)

前作より更にツッコミどころもB級感もパワーアップ

高級マンションの10Fに住むサリーの

16歳の誕生パーティが行われていますが
嫌いな客が来るというので、別室へ閉じこもり「デモンズ」を見ていると

悪魔がブラウン管から出てきてサリーを襲います

ケーキのろうそくの火を消すためにサリーが部屋から出てくると

友人たちの目の前で悪魔の姿に変わり

彼女に攻撃された友人たちも悪魔となり

マンションに住む人々を襲っていくのです

さらに腐食性の血液が天井を溶かし

血を浴びた人々も悪魔になっていく

マッチョで半裸のジムのトレーナーと客たちは

(当時はパンツ一枚で筋トレしていたの? 笑)

デモンズとおバカな攻防戦を繰り返し

陣痛中の妊婦は走ったり飛んだりの無茶っぷり

これでも製作のダリオ・アルジェントと監督のランベルト・バーヴァは

前作が18禁に指定されたために、本作は14歳未満でも鑑賞できるよう

意図的に暴力的なシーンのトーンダウンをしたそうです

そういえば裸のお姉さんも、後姿しか出てこなかった(笑)

アルジェントの娘アーシア・アルジェント

映画デビュー作としても知られているそうですが

日本では未公開

にもかかわらず、このあとシリーズ「6」まで登場(笑)

ただし「3」以降は日本の配給会社が

勝手に「デモンズ」のタイトルを使っているだけで

全く関係のない作品だそうです

 

 

【解説】NINENOTEより

謎の招待状に導かれ映画館に集まる人々が、次々とゾンビ化していく、80年代にカルト的人気を博したオカルトホラーの傑作『デモンズ』の続編。イタリアンホラーを代表するホラー映画界の鬼才、ダリオ・アルジェントが製作・脚本を手掛ける。【スタッフ&キャスト】監督・脚本:ランベルト・バーヴァ 製作・脚本:ダリオ・アルジェント 脚本:フランコフェリーニ 音楽:クラウディオ・シモネッティ 出演:デヴィッド・ナイト/ヴァージニア・ブライアント/ボビー・ローデス/アーシア・アルジェント

 

デモンズ(1985)

原題は「Dèmoni」(イタリア語で悪魔)

ゴブリン」のシネマ・ライブにに行けなかったから

(なんで1日限りなのよ!)U-NEXTで見た

悔しいから勝手に夏のホラー祭、「夏ホラ」開催(笑)

ただし目玉グリグリ、お口グリグリが苦手な方は

観覧注意でお願いします

さすがスプラッター映画の金字塔のひとつ

なりゆき任せの展開で、意味不明

めちゃくちゃ楽しかった(笑)

無料のホラー映画が上映されている映画館で

奇妙な仮面をつけたせいで

頬から血を流した女性がデモンズ(ゾンビ)になり

彼女に襲われた人もデモンズになり

そのデモンズに襲われた人もデモンズになるという

デモンズのねずみ講(笑)

不良グループはなんのため?

ヘリどっから落ちてきた?

ロビーに飾っていたバイク動くんかい!

しかもいきなり仮面ライダーばりにバイクを乗り回し

日本刀振り回して戦うアンタは誰?

もはやツッコむところしかない(笑)

とはいえ、ホラー映画界の芸術家ダリオ・アルジェント

この世(自然界)にはありえない原色カラーの魔術師

特に液体を巧みに使った特殊メイクの完成度の高さはピカイチ

女優を選ぶ審美眼もさることながら

そんな美女がドロドロボロボロになっていく救いのなさ

そのギャップに萌える

爪や歯が生え変わるシーンとか、確かに気持ち悪くはあるけれど(笑)

手作り感いっぱいB級で頑張ってる感を、むしろ応援してしまいます

物語は、女子学生のシェリル(ナターシャ・ホーヴェイ)がベルリンの地下鉄で

謎の仮面の男に無料上映会のチケットをもらうシーンから始まります

シェリルは友人のキャシーを誘って映画館に行くと

プレッピー(名門学校に通う学生のファッションやスタイル)な

ジョージとケンと名乗る大学生にナンパされ同席することになります

上映会には、盲目の男性と彼を介護する女性

夫婦や、若いカップル、ポン引き男と2人の売春婦など

たくさんの人々が集まってきました

売春婦のひとりローズマリーは、ロビーに飾られていた仮面をふざけて被ると

誤ってを傷つけてしまいます

映画の内容は、4人の若者がノストラダムスの墓を掘り起こすというもの

そこに遺体はなくあったのは古い本とロビーにあったのと同じ)仮面だけ

登場人物のひとりがその仮面をかぶると

仮面に引っかかれ頬から血を流してしまいます

すると彼は悪魔に変貌して友人たちを虐殺していくのです

怖くなったローズマリートイレに行くと、傷は膨れ上がり

赤い目の悪魔に変身してしまいます

ローズマリーは彼女を心配してやって来たもうひとりの売春婦ジーナを

ジーもまた悪魔に変身他の観客たちを襲う

逃げようとする観客たちですが、出口はすべてレンガで塞がれていました

しかも警察に追われた4人の不良が裏口から建物に侵入しようとしたとき

悪魔と化したひとりが街に逃げ出してしまうのです

その不良たちも悪魔に感染し、残ったのはジョージとシェリだけ

ジョージはロビーにあったバイクと刀でほとんどの悪魔を切り倒すと

突然ヘリコプターが屋根を突き破って墜落してきます

ジョージとシェリルはヘリコプターに搭載されている

緊急用グラップリングフックとウインチを使って屋上に登り

劇場を脱出したのでした

しかし、すでに悪魔の感染ベルリン中に広がっており

ふたりが悪魔の大群に追われていると

偶然ジーに乗った武装グループに救助されます

彼らは悪魔と戦いながら、安全な土地を見つけるまで逃げると言います

その時、突然シェリ悪魔に変身

すぐさまジーに乗っていたひとりがショットガンでシェリルを撃ち

彼女の死体を道路に捨てると、新天地へと走り去るのでした

 

 

【解説】映画.COMより

映画館を舞台におこる奇怪な集団殺人を描くホラー。「フェノミナ」(85)のダリオ・アルジェントが製作に当り、60年代のイタリア恐怖映画の大立て者マリオ・バーヴァを父に持つランベルト・バーヴァが監督した。脚本はアルジェント、バーヴァ、ダルダーノ・サチェッティ、フランコフェリーニが執筆。撮影はジャンロレンツォ・バッタリア、音楽はクラウディオ・シモネッティが担当。出演はナターシャ・ホーヴェイ、ウルバノ・バルベリーニほか。英語サウンド・トラック

1985年製作/88分/イタリア
原題:Demons Demoni
配給:東宝東和

 

メイ・ディセンバー ゆれる真実(2023)

原題は「May December」(5月‐12月)で親子ほど年が離れたカップルの意

1996年年、当時34歳だった女性教師メアリー・ケイ・ルトーノーと

12歳だった教え子のヴィリ・ファラアウとの性行為が発覚

(映画では韓国系であるが、サモア系)

メアリーは児童レイプの罪で逮捕され、懲役7年の刑を受け獄中出産

その後この生徒と結婚した 「メイ・ディセンバー事件」がモデル

物語はそれから23年後

アメリカでは誰もが知っているこの事件の映画化が決定し

主演女優のエリザベス(ナタリー・ポートマン)が役作りの取材のため

ジョージア州のサバンナで平和に暮らす

グレイシージュリアン・ムーア)と

ジョー(チャールズ・メルトン)のもとを訪ねるところから始まります

ふたりは、映画の制作は「真実を伝える」ためだと

エリザベスを暖かく迎え入れ、心を通わせようと協力的です

(今でも自宅に汚物を送られるなど、嫌がらせを受けることがある)

しかしエリザベスはグレイシーを知ろうとするあまり

当時のグレイシーの家族や関係者にも取材していき

事件の後、周囲の人間にどのような影響があったか

ふたりがどうやって肉体関係に陥ったのかに、焦点を当てていきます

カメラは相当イングマール・ベルイマンを意識したのでしょうか(笑)

脈絡のない複数のイメージや、鏡を使うシーンは「仮面/ペルソナ」を思わせます

エリザベスはジョーとふたりきりになれる場所を選び

彼が喜ぶようなしぐさをしたり、言葉をかける

ついには(持病である喘息の)呼吸器の使い方がわからないと言い

ジョーをホテルの部屋に誘い込みます

どんな男だって、美人に優しくされたら有頂天になってしまう

ジョーがグレイシーが投獄されたとき、彼女から受け取った手紙を

「役作り」のためになると思いエリザベスに渡します

感激した?エリザベスがジョーに何度もキスをすると

ジョーは耐え切れず彼女とセックスしてしまいます

エリザベスが自分のことを好きだと思ったから

なのにエリザベスは彼と寝たことを

「大人のたしなみ」だと答えるのです

そのときジョーの頭の中に疑問が浮かび上がります

グレイシーが13歳だった自分を「愛してる」と誘惑したのは

本当に愛していたからなのだろうか

それともエリザベスの言うように、大人のたしなみだったのだろうか

さらに、エリザベスに渡した手紙の内容

「愛してるわ、あなたが私を愛してる様に」

「私はあなたに誘われただけなのに、何故か捕まったの」

「あなたが私を抱いたから投獄されたの」

「でも私たちは何の罪もないわ」

「だって私たち愛し合っているんだもの、そうでしょう?」

ジョーはグレイシーが投獄されたのも、妊娠したのも

ずっと自分の責任だという十字架を背負っていたのです

狭い田舎町で、どんな白い目で見られようと彼女を守るため頑張ってきた

でも本当は、グレイシーに操られていただけなのかも

(見ようによっては、第1子はジョーの父とグレイシーの子の可能性もある)

ジョーが蝶(オオカバマダラ)を育てているのは

蝶こそ彼のメタファーなのでしょうね

昆虫は言葉を発しない、ジョーも本心を話せるのもチャットの中だけ

でも蝶は大人になったら自由に羽ばたける

虫籠に閉じ込めない限り

それでも夫婦の歴史はあって、子育ての苦しみも喜びもあった

双子の兄妹の卒業式で涙ぐむジョー

卒業式が終わり、エリザベスは撮影準備のため帰ると言うと

グレイシーは元夫との間の息子、ジョージの話は

(彼女が12歳の頃から、2人の兄と近親相姦していたことを匂わせる)

デタラメだと告げるのでした

無邪気なグレイシーは、無意識のうちに周囲の人間を傷つけていく

そのことは彼女を模倣するエリザベスにも乗り移り

エリザベスもまた無意識にグレイシーの家族を傷つけていく

目の前の役柄に専心し、残された者たちのことなど歯牙にもかけない

ラスト、ペットショップの背景で蛇を手に少年を惑わそうとする

エリザベスの撮影シーンで幕を閉じます

「怖い?」

「怖くない」

「噛まないわ、噛まない品種だから」

それにしても、これって

モデルになった家族了解を得た内容なのでしょうかね(笑)

メアリーは結婚14年目の2018年に夫のヴィリと離婚しており

2020年に大腸がんで死去(享年58)

本作の結婚23年後は全くのフィクションにはなるわけですが

The Hollywood Reporter」から取材を受けたヴィリは

製作陣から一度も連絡を受けたことはなく 「気分を害した」

彼の人生と苦痛を「ハリウッドとメディアが搾取していると感じた」と

コメントしたそうです

 

恋愛における嘘という洗脳を解くことはできないし

夫婦の間に起ったことは、夫婦にしかわからないのだから

 

 

【解説】映画.COMより

「キャロル」「エデンより彼方に」のトッド・ヘインズ監督がメガホンをとり、アメリカで実際にあったスキャンダルを題材に、ナタリー・ポートマンジュリアン・ムーアという実力派俳優が豪華共演を果たしたサスペンスドラマ。
20年前、当時36歳の女性グレイシーは、23歳年下の13歳の少年ジョーと運命的な恋に落ちるが、2人の関係は大きなスキャンダルとなり、連日タブロイド紙を賑わせる。グレイシーは未成年と関係をもったことで罪に問われて服役し、獄中でジョーとの間にできた子どもを出産。出所後に晴れて2人は結婚する。それから20年以上の月日が流れ、いまだ嫌がらせを受けることがあっても、なにごともなかったかのように幸せに過ごすグレイシーとジョー。そんな2人を題材にした映画が製作されることになり、グレイシー役を演じるハリウッド女優のエリザベスが、役作りのリサーチのために彼らの近くにやってくる。エリザベスの執拗な観察と質問により、夫婦は自らの過去とあらためて向き合うことになり、同時に役になり切ろうとするエリザベスも夫婦の深い沼へと落ちていく。ナタリー・ポートマンがエリザベス、ジュリアン・ムーアグレイシーをそれぞれ演じ、ジョー役は「バッドボーイズ フォー・ライフ」やテレビシリーズ「リバーデイル」で活躍するチャールズ・メルトンが務めた。2023年・第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。第81回ゴールデングローブ賞では作品賞、主演女優賞、助演女優賞助演男優賞に、第96回アカデミー賞では脚本賞にノミネートされた。

2023年製作/117分/R15+/アメリ
原題:May December
配給:ハピネットファントム・スタジオ

 

 

エレファント・マン(1980)

原題は「The Elephant Man

19世紀末、ヴィクトリア朝時代のイギリスに実在した

エレファント・マン」と呼ばれた青年ジョゼフ・メリック(1862~1890

彼を診察した医師フレデリックトレヴェス回想録

バーナード・ポメランスが戯曲

それを異形愛の変態(クローネンバーグもだがな 笑)

デヴィッド・リンチが愛を込めて脚色・監督

映画化されると世界的に注目を浴びることになります

私が小中学生の頃は、夏休み冬休みの前に

映画の割引券が配られていたんですよね

遠足や運動会のように、授業の一環として映画鑑賞会もありました

この映画も当時は凄く話題になりましたね

人間の醜さとは、真の美しさとは何かと問いかける物語で

当時はその造形にびっくりした人も多いと思うのですが

今見ると可愛いくらいで

こういう純粋な人間を笑いものにする奴らこそ憎たらしい

そういう私も残酷なので(笑)

こいつらに(貧しさという背景があるのかも知れないが)

どうかバチが当たってくれと願ってしまうのです

物語は、見世物小屋の中でも特に見物客に恐れられている異形の男

通称「エレファント・マン」(ジョン・ハート)を偶然知った

外科医のフレデリック・トリーヴス(アンソニー・ホプキンス)は

彼を動物扱いし痛めつける興行師のバイツ(フレディ・ジョーンズ)から

怪我と研究を理由に引き取り、病院の屋根裏部屋に匿います

エレファント・マン」を学会で発表し

奇形で言葉も発せず、知能遅れだという診断を下すフレデリック

(今日ではプロテウス症候群と推測されている)

しかし数日が過ぎ、病院が安全な場所だと悟った「エレファント・マン」は

声を発し、自らをジョゼフ・メリックだと名乗ります

フレデリックは彼をカー・ゴム院長(ジョン・ギールグッド)に紹介し

病院に住まわせるため自己紹介と聖書の詩編を暗記させることにします

そんなことはすぐにお見通しの院長

ところがメリックは詩編の全てを暗記してました

 

ただ暴力による恐怖で怯えていただけ

実は教養のある、知的な紳士だったのです

フレデリックが自宅にメリックを招くと

奥方に「女性に優しくされたのは初めて」と感謝するメリック

棚に飾られた家族写真を「素敵です」と称え

彼が唯一自分のものとして持っている宝物

母親の写真を見せるのです

「母は今の僕になら会ってくれるだろうか」

涙ぐむ奥方

さらにメリックの新聞記事を読んだ

大女優のケンドール夫人(アン・バンクロフト)が面会にやって来て

メリックはその美貌に感激、夢見心地になりますが

病院の夜警員のジムが、メリックの醜姿を見せてひと儲けしようと企みます

娼婦やそれに群がる男たち連れメリックの部屋に乗り込み

メリックに酒を浴びせ、女たちと性交させようとして笑いをとる

 

抵抗できないメリックに、自身の姿を鏡で見せます

やがて飽きたジムたちは去って行ったものの

今度は見世物小屋のバイツが、メリックを取り戻すためやって来ます

再び見世物小屋で働かさせるメリック

しかしバイツの暴力により、立つことさえ出来なくなり

弱ってしまったメリックは猿小屋に閉じ込められます

見世物小屋の仲間たち(彼らも奇形)はメリックを逃がそうと猿の檻から出し

コートと頭巾を身につけさせロンドン行きの船に乗せます

ロンドンに到着すると、メリックの奇妙な体系に少年たちが注目

メリックは逃げますが、誤って少女を踏み倒してしまい

そのせいで大人たちからも追われ、追い詰められてしまいます

「僕は象じゃない!」

「動物でもない!」

「人間なんだ!」

 

警官がやって来たおかげで、メリックは無事保護されフレデリックと再会

ケンドール夫人に舞台に招かれると、暖かい拍手で人々から迎えられます

その夜、メリックは完成した大聖堂の模型にサインすると

「全部終わった」と呟き、壁に飾られている絵画を見つめます

それはベッドで安らかに眠る子どもの姿

 

メリックはいくつも重ねられた背もたれ用の枕をどけると

ベッドに仰向けになって横たわるのでした

それは頭蓋骨の変形したメリックが死に至るということ

やがて深い眠りにつこうとするメリックの目の前に

母親の顔が現われるのでした

 

 

【解説】映画.COMより

19世紀末のロンドンを舞台に実在した奇形の青年ジョン・メリックの悲劇の人生を、「イレーザーヘッド」のデビッド・リンチ監督が描き、鬼才リンチの名を世界にとどろかせた名作。見世物小屋で「エレファント・マン」として暮らしていた青年メリックの前に、ある日、外科医のトリーヴスという男が現れる。メリックの特異な容姿に興味を持ったトリーヴスは、メリックを研究材料にするため、自分が勤める病院に連れ帰ることに。何も話さず怯え続けるメリックを、周囲は知能が低いと思っていた。しかしある時、メリックが知性にあふれた優しい性格であることが判明するが……。日本では1981年に初公開。作品誕生25周年を記念した2004年にはニュープリント版、本国公開から40年を迎えた2020年には4K修復版でそれぞれリバイバル公開される。

1980年製作/124分/G/アメリカ・イギリス合作
原題:The Elephant Man
配給:アンプラグド