勝手にしやがれ(1959)

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ゴダール28歳、ベルモンド26歳、ジーン・セバーグ20歳

若い才能が生みだした傑作

映画史上最高の邦題

原題は「A BOUT DE SOUFFLE」(息切れ)

 

ゴダールロベルト・ロッセリーニのふたりを

映画を破壊した映画監督の代表だと淀川長治は批判したそうですが(笑)

淀川長治の映画愛がヌーヴェルヴァーグやネオレアリズモに

納得できなかったのは、なんとなく理解できます

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ゴダールの悪党の戯言、音楽がセリフになった「三文オペラ

主人公ミシェルは元エール・フランスの乗客係

今は泥棒で、高級自動車を盗んで逃走中、追ってきた警官を射殺してしまいます

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イタリアに逃亡するための資金作りのためパリに戻ったミシェルは

知り合いの女から金を借り

三週間前ニースで知り合い数日過ごした

小説家志望のアメリカ娘パトリシアと偶然再会

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パトリシアのアパートに勝手に転がり込み

ひたすらパトリシアを求愛し続ける

そこから男と女の、フランス人とアメリカ人の

決して噛み合わない恋愛論が延々と約25分(笑)

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この会話劇が素敵でシャレてると思うか、ウザくてクドイと感じるか

そこがこの映画を好きか嫌いになるかの分かれ道(笑)

 

パトリシアが妊娠したかも知れないと告げると

ミシェルは妊娠するのは女が「まぬけ」だからだと、つれない返事

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こんな最低のクズ男にパトリシアは誘われるまま付き合い

仕事で自立してひとりで生きたいという夢と

クズ男に惹かれていく気持ちがぶつかり合う

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ヒロインが空港でインタビューする文化人はジャン=ピエール・メルヴィル

主人公を追う刑事は脚本家のダニエル・ブーランジェ

主人公を通報する通行人をゴダール自身が演じているのは

作品を「作家のための映画」にしたかったのでしょうか

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パトリシアはミシェルのことを刑事に「知らない」といいながら

カフェで警察に通報し、ミシェルにもそのことを教えます

 

カメラがぐるりと回転するカットは

ゴダールが崇拝する溝口健二の「雨月物語」(1953)の影響

(かも知れない 笑)

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ミシェルは仲間が投げてよこした拳銃を思わず拾ってしまい

そのせいで警官に撃たれてしまう

 

ラストの名台詞「最低って何のこと?」

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散々女を馬鹿にして否定していたくせに

結局、すべては女にコントロールされていたということか

 

ゴダール

 

 

【解説】allcinema より

フランス、ヌーヴェル・ヴァーグの決定打と言わしめたジャン=リュック・ゴダール監督の最高傑作。警官を殺してパリに逃げて来た自転車泥棒のミシェルは、アメリカ人の恋人パトリシアとお互い自由で束縛のない関係を楽しんでいた。そんなある日、彼の元に警察の手が及んでくる。パトリシアはミシェルの愛を確かめる為、彼の居場所を警察に密告、そして彼にも同様に警察が追ってきた事を伝えるが……。まさに商業ヌーヴェルヴァーグをひっ繰り返し、これまでの映画文法や常識といったものまでもことごとくブチ壊した、映画史の分岐点とも言える記念碑的作品。映画公開時には、驚きと困惑を持って日本でもセンセーショナルを呼び、それはアメリカのニュー・シネマにまで様々な影響を及ぼした。本作品でゴダール監督はヌーヴェル・ヴァーグの旗手として、不動の地位を築くに至る。またこの作品でのジャン=ポール・ベルモンドの演技は、ヌーヴェル・ヴァーグ作品の持つ頽廃的な雰囲気と非常にマッチし、それは同じくゴダールの傑作「気狂いピエロ」へと引き継がれる事となる。

そして友よ、静かに死ね(2011)

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原題は「LES LYONNAIS(ザ・リヨン)

ひさびさに痺れる映画に出会えました

重厚で緊迫感あふれる演出

しかも超かっこいい

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通称モモン(ジェラール・ランヴァン)の孫の洗礼式に集まった

モモンの家族と友人たち

そのとき、かって「リヨンの男たち」と呼ばれた強盗団の

元仲間のセルジュ(チェッキー・カリョ)が

娘のリルと孫に会いに行き警察に捕ったという連絡がはいります

モモンと友人たち、リルの夫とその仲間はセルジュを救い出そうとし

見事成功ますが

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セルジュを追うスペインの麻薬組織ゼルビブ一味からセルジュだけでなく

モモンを含め「リヨンの男たち」元メンバーや家族までが

命を狙われることになります

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フランスのギャングは仁義と義理(友情ともいえる)を

それこそ命懸けで大事にするのですね

そのかわり裏切り者は容赦しない、しかもただでは殺さない

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それは警察も同じで、犯罪を犯したギャングは死ぬ寸前まで拷問されます

そのかわり密告者にはかなりの恩赦を与える

 

モモンは警察と、麻薬組織両方からセルジュの居場所を尋ねられます

しかし決してモモンは口を割らない、かっての親友を裏切らない

 

モモンはロマ族でジプシーのキャンプで育ち

幼い頃から差別され、同年代の子たちからは虐められてきたんですね

それを助けてくれたのがセルジュだったのです

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ふたりが17歳になったとき、ふざけての一握りのサクランボを盗んでしまい

それが思わぬ重罪となり刑務所に入れられてしまう

それからふたりは窃盗などで生計を立てるようになり

大物ギャングに見込まれ強盗団に入り働くようになります

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しかしモモンに恋人ができ、彼女が妊娠したことで

モモンは足を洗い、独立しようと考えます

そのためには大物ギャングとその部下を消すしかない

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主人公たちと殺す、殺される側の的確なアングル

アジトのトレーラーハウスになだれ込む圧倒的な数の警官隊

首を吊られる愛犬

ベッドに放り込まれる生首

リアルな描写にぞくぞくする

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伏線の使い方も非常に良く出来ていて

クレジットカードの流れから

武士の情けを思わせる、辛いラストシーンまで

一気に見せてくれます

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その、枯れた爺さまたちの渋くて素敵なこと

まるで私のためにあるような映画(笑)

 

唯一の難点は現在の主人公たちと

若い頃を演じた俳優の顔が似ていないということ

しかし100分で見事にまとめ上げたコンパクトさ

思わず続けて2回見てしまいました(笑)

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久々のお気に入り献上です




【解説】allcinema より

あるいは裏切りという名の犬」のオリヴィエ・マルシャル監督が、フランスに実在した伝説のギャング、エドモン・ヴィダルの自叙伝を基に、彼の激動の半生とギャング同士の熱き友情を、フィクションを織り交ぜ骨太に描き出した犯罪ドラマ。主演は「この愛のために撃て」のジェラール・ランヴァン、共演に「ニキータ」「ドーベルマン」のチェッキー・カリョ
 フランス犯罪史にその名を刻むギャング、エドモン・ヴィダル(通称モモン)。しかしとうの昔に足を洗った彼は、還暦を迎えた今、犯罪とは無縁の穏やかな日々を送っていた。そんなある日、かつて数々の犯罪を一緒に行ってきた幼なじみの親友セルジュが、13年の逃亡の末に捕まったことを知る。最初は愛する家族のために傍観を決め込むモモンだったが、セルジュとの友情を断ち切ることが出来ず、彼を奪還するための計画に手を貸してしまう。

インターンシップ(2013)

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原題も「THE INTERNSHIP

 

くだらなくてベタな内容だけ見て元気が出る

アメリカのコメディ映画お得意のお下品すぎる下ネタや

障害者ネタも一大企業がバックとあって控えめ(笑)

2013はまだこういう夢のある映画作っていたんだな

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スマホの登場で時計が売れなくなり、勤めていた時計会社が倒産

失業した元営業マンのおっさんふたりがGoogleインターンに応募

大学生たちとチームを組み内定目指し課題に挑戦していくというもの

 

米国Google本社ってまるでテーマパーク(笑)

巨大な滑り台、無料のカフェ、お昼寝テント、カラフルなレンタサイクル

クィディッチ(ハリーポッターに登場するハンドボールに似たスポーツ)

こんな会社に勤めたら楽しそうだと思ってしまいますが(笑)

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IT企業のトップがそんなに甘いわけがない

採用される前も、採用されてからも

激しい競争に勝ち続けていかなければならないのです

優秀な学生たちは、そこのところをよくわかっている

 

が、おっさんふたりは学生たちにバカにされコケにされても

人の好さと「飲みニケーション」でチームを一致団結させ

若者たちのコンプレックスは自信に変え

長年養った「営業」力でチームを優勝に導きます

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しかも学生たちの中に混じっていつもひとり

ヘッドフォンをつけている男が実はグーグルの幹部だったのです

彼は、おっさんふたりの発想こそ

会社に必要な「グーグリネス」だと言います

 

グーグリネスをググったら(笑)

「人と協力することを楽しむ性格、上下関係を意識しない態度、親しみやすさ」

という意味だということ

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そこに社内恋愛の成就や

イヤミなインテリの鼻を明かすという

カタルシスも用意されています

若い世代にはあまり馴染みのない映画ネタも満載(笑)

 

いくら頭が良くても、学歴が高くても

一番大事なのは努力やチームワーク

Googleのプロモーションビデオのような映画ですが

実は昔ながらの価値観が主題だったという(笑)

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疲れることなくサクッと楽しめる

学生も、中高年も、どちらにもオススメでしょう


【解説】allcinema より

倒産した会社のセールスマンが巨大企業のインターンシップに挑む姿をユーモラスに描くコメディ作品。監督はショーン・レヴィ、脚本・主演はヴィンス・ヴォーンが務めた。
 時計販売会社のセールスマン・コンビのビリーとニックは、スマートフォンの普及で時計が売れなくなってしまったため、突然会社倒産の憂き目に遭ってしまう。デジタル化の波に巻き込まれ失業者となった2人だが、ある日ビリーがとんでもないことを言い出した。なんと一流巨大企業“Googleインターンシップ募集に応募しようというのだ。知識不足の自分たちには無理と反対するニックだが、ビリーに説得されインターンシップへ参加することに。しかし他の参加者は秀才のエリートばかりで、とても二人が太刀打ちできるような相手ではなかった。

椿三十郎(2007)

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日本の商業映画の代表、角川春樹と森田房光が作った

黒澤明の「椿三十郎(1962)の完全リメイク


黒澤明菊島隆三小国英雄オリジナル脚本を

織田裕二豊川悦司主演で(ラストを除き)忠実に映画化

ロングより主演者のアップ画面が多くいかにも現代的というかTV

20ほど長くなっています

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オリジナル脚本なのて、ストーリーはそこそこ面白いですけど

(敵役と、若侍たちは相変わらずバカすぎるけどな)

一体何を考えて制作したのでしょう

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三船敏郎(や高倉健や、石原裕次郎)のようなスターの

映画をリメイクなんて無理なことくらい常識なうえ

それよりなにより、伊藤雄之助の代わりになる俳優はいない

(お笑い芸人「アインシュタイン」の稲田ならいけるかも 笑)

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角川春樹も森田房光ももしかしたら

キャプテン・ハーロック」の気分だったんでしょうか

「男には負けると分かっていても戦わないといけない時もある」 (笑)

黒澤「椿三十郎」にガチンコ勝負を挑んだ勇気だけは

称えるべきというか、なんというか・・

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唯一良かったのは、椿の花の色がカラーになって

わかりやすかったことでした(笑)



【解説】allcinema より

黒澤映画不朽の名作を、オリジナルの脚本をそのままに織田裕二主演、監督・森田芳光でリメイクした痛快時代劇。名も無き一人の浪人が、上役の汚職告発と人質救出に決起した若侍たちに助太刀し、素早く大胆な機転と居合で悪漢に立ち向かうさまを描く。共演に豊川悦司
 とある社殿の中で密議をこらす9人の若侍。彼らは、上役である次席家老・黒藤と国許用人・竹林の汚職を暴こうとしていた。その粛清を求める意見書は城代家老の睦田には撥ねつけられたが、大目付の菊井に受け入れられ、この社殿に集められたのだった。するとそこへ、よれよれの紋付袴姿の浪人が現われる。そして彼は、正しいのは睦田で、菊井が黒幕だと言い放つ。その通り社殿は菊井の手下に包囲されてしまっていた。だが浪人が独りその窮場を凌ぎ、敵方の用心棒・室戸半兵衛は浪人が只者でないことを知る。やがて浪人は、意気上がるも不安げな若侍たちに一肌脱ぐこととなるのだが…

笑の大学(2004)

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モデルは”喜劇王エノケン”こと榎本健一率いる劇団

「笑の王国」の座付き作家だった菊谷栄(きくやさかえ)

検閲の圧力に負けず、数々のヒット作を生みだし

高い評価を受けていましたが

1937年に召集された中国で戦死、34歳没


そんな史実を知って見ると

ラストシーンも感慨深いものになるかも知れません

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ほぼふたり芝居というのも、役者の力量が試される

セリフだけの攻撃で面白く見せるというのは

簡単そうに見えて難易度が高い

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ただ、長い(笑)

特に前半のテンポが悪い

この内容なら7080分で十分

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無駄に豪華なエンディングも

余計に長くして商業的に成功させようという

ビジネスとしてのいやらしさがミエミエ


どうせやるなら最後までくだらない「笑い」にこだわって

菊谷栄に敬意を払って欲しかった

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戦時下の警視庁保安課検閲係

笑った事のない検閲官向坂(役所広司から

舞台劇「ジュリオとロミエット」の上映許可を得るために

劇団「笑の大学」の脚本家椿(稲垣吾郎

台本の修正にやってくることになります

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せっかく書き上げた喜劇に、検閲官が次から次へと注文を付けてくる

「設定を日本に」「接吻はダメ」「”お国のため”というセリフを入れる」


「ジュリオとロミエット」は「貫一とお宮」になり

接吻は警察官が邪魔に入ることによって可笑しさを増し

「お国」は「おくにちゃんのため」になり「お肉のため」になる


最後には原型をとどめないほど変えられるのですが

そのおかげでむしろ面白い台本になってしまうのです

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プロットはウディ・アレンの「ブロードウェイと銃弾」(1994)

よく似ていますね(笑)

(しかも本作のラジオドラマの放送初演も1994年という偶然)

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しまいには喜劇のとりこになってしまった堅物検閲官

やっと上演許可を下した7日目、脚本家は自分にも召集令状が届き

舞台は上演できなくなったと報告するのです

検閲官は台本を預かると言い「生きて帰ってこい!」と脚本家を見送る

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こんな警察署内にNGワードもってくるよりは

「おにくちゃんのために頑張ってこい、グッ!」が、よかった

ふたりで愛肉精神を誓うみたいな(笑)

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同じような屁理屈ばかりのクドい台詞劇のコメディでも

ほとんどの脚本を100分以内できっちり収める

ウディ・アレンとはやはり格の違いを感じてしまう

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いまさら私に言われなくても

三谷幸喜も十分承知でやっていることだろうけど(笑)

三谷もいつか(女性問題は別として 笑)

アレンになれる日がくるのだろうか

 

たぶん、こないな




【解説】allcinema より

人気脚本家・三谷幸喜の傑作舞台劇を三谷幸喜自らの脚本で映画化したコメディ・ドラマ。太平洋戦争突入目前、言論・思想統制が厳しさを増す時代を背景に、一人の喜劇作家とカタブツな検閲官が台本の中の“笑い”を巡って熾烈な攻防を繰り広げる中で、次第に奇妙な連帯感を築いていく姿を緊迫感とユーモアを織り交ぜ描く。主演は「Shall We ダンス?」「うなぎ」の役所広司SMAP稲垣吾郎
 日本が戦争へと突き進んでいた昭和15年。国民の戦意高揚の妨げになると様々な娯楽が取締りの対象となっていたこの時代、演劇もまた台本の段階で厳しい検閲を受けていた。警視庁の取調室では2人の男が新作喜劇を巡って熱い火花を散らしていた。一人は、一度も笑ったことがない厳格な検閲官・向坂睦夫。相対するは、笑いに命をかける劇団“笑の大学”の座付作家・椿一。向坂は台本から“笑い”を排除しようと椿に無理難題を突きつける。上演の許可をもらうためその要求を聞き入れながらも、なんとか“笑い”を残そうと苦悩する椿だったが…

南極物語(1983)

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あまりよく出来た脚本とは思えませんでしたが

そのわりには何度も泣きそうになりました(笑)

 

南極に置き去りにされた15匹のカラフト犬

その後の話はほとんど想像によるものですが

あまりにも見るのが辛い

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8頭が脱出し野生化

7頭が鎖に繋がれたまま餓死か凍死のいずれか

氷の間から魚を獲ったり、群れでアザラシを狩るシーンはリアル

動物愛護も今ほど厳しくなかったでしょうし

CGの無い実際のロケですから、本当の映像でしょうか

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すでに絶滅危惧種だった樺太犬のかわりに

撮影にはエスキモー犬が使われたということ

この俳優犬たちが、可愛くて、風格があって

けなげな演技がまた素晴らしい

 

犬ぞりで人間に鞭打たれ、怪我をしても重い荷物を運び

吹雪の中、身体を丸めて寒さをしのいでいる姿に

犬小屋ぐらい作れや!という熱い思いになり

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北大講師の地質学者で犬係の潮田(健さん)が

犬を可愛がるあまり自分の部屋に入れてしまう気持ちがよくわかる

京大の研究者で犬の訓練士の越智(渡瀬恒彦)は

潮田が犬を甘やかすのがいけないと愚痴る

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2次越冬隊と引継ぎ交代するための撤退で

潮田と越智は犬たちが逃げないよう

首輪をいつもよりきつく締め、基地を後にしますが

悪天候のため第2次越冬隊の南極への上陸は中止になり

犬たちは昭和基地に置き去りにされるのです

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そのとき日本は「犬たちを連れ帰って、かわりに人間を残してこい」と

世界中から攻撃されたそうです

 

そんな非難に耐える男の役をやらせたら

高倉健の上をいく俳優はいない

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貴重な樺太犬を寄付してくれた家庭一軒一軒回り謝罪し

南極で産まれたシロの子を預けます

リキの飼い主だった姉妹の、幼い妹の怒りはわかるけれど

子犬に罪はないんだから、犬に対してあの態度はないよな

 

やがて第3次越冬隊の計画が持ち上がり

潮田と越智は再び南極大陸に上陸し昭和基地に向かうと

南極で育ったタロとジロだけが生き延びていたのです

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音楽は当時「炎のランナー」(1982)や「ブレードランナー」(1982)

注目を浴びていたヴァンゲリスが引き受けたという奇跡

タロとジロとの再会を感動的に盛り上げ、泣ける(笑)

 

タロジロ役の2頭は撮影後

渡瀬恒彦さんの愛犬になったそうです

 

 

【解説】KINENOTEより

南極観測隊悪天候に阻まれ、やむなく南極の地に置き去りにしてきた十五匹のカラフト犬の生への闘いと、観測隊員たちの姿を描く。脚本は「人生劇場(1983)」の野上龍雄、「色ざんげ(1983)」の佐治乾、「暗室」の石堂淑朗、「キタキツネ物語 THE FOX IN THE QUEST OF THE NORTHERN SUN」の蔵原惟繕の共同執筆。監督は「青春の門 自立篇(1982)」の蔵原惟繕、撮影は「キタキツネ物語 THE FOX IN THE QUEST OF THE NORTHERN SUN」の椎塚彰がそれぞれ担当。

昭和三十三年二月、南極の昭和基地から第一次越冬隊員が第二次隊員と交替すべく観測船“宗谷”へと“昭和号”で空輸された。だが、例年にない悪天候のため第二次隊員は昭和基地へは飛ばず、第二次越冬は中止と決定した。犬係の潮田と越智は、基地に残された十五匹の犬を救うべく“昭和号”を飛ばしてくれるよう小沢隊長に食いさがったが、満身創庚の“宗谷”には、これ以上南極の海にとどまる力はなかった。初夏、潮田は北海道大学講師の職を辞し、樺太犬を供出してくれた人々を訪ね歩く謝罪の旅に出た。なかには「どうして連れて帰って来なかったの!」と激しく怒りをぶつけてくる少女・麻子もいた。潮田の謝罪の旅を知った越智は稚内に向かう。稚内では学術探険に貢献したとして十五匹の犬の銅像が建てられ、その除幕式が行なわれていた。集った人々の中に潮田の姿を見つけ、外国人記者がぶしつけな質問を浴びせた。「この手で殺してやればよかった」と悲痛な表情で語る潮田を見守る越智。その頃、南極では犬たちの生きるためのすさまじい戦いが展開されていた。戦いは首輪を抜け出すことからはじまり悪戦苦闘の末に自由を得たのは十五頭のうち八頭だった。基地に食物のないことを知った犬たちは、餌を求めてさすらいの旅に出る。集団でアザラシを襲い、凍りついた氷塊の中に見える小魚を掘り出して喰べる犬たち。そのうち、獲物を探しながら足をすべらせ氷海に呑まれてしまう犬、狂ったように走り氷原に姿を消して帰らないもの、仲間の数は次第に減っていく。先導犬のシロも潮田、越智と共に犬ぞり探険行で見つけた思い出の鯨の死骸の中に入り込んだまま、息たえた。またリーダー格のリキもシャチに襲われ悲運の死を遂げる。一方、第三次越冬隊が組織されることをニュースで知った潮田と越智は進んでその隊員に加えて貰うよう頼み込んだ。宗谷からヘリで昭和基地に着いた二人は、鎖につながれたまま死んでいる犬たちを見つけ慟哭する。涙にくもった潮田と越智の眼が、不意に丘の上の二頭の犬をとらえた。二頭はタロとジロだった。二人は大声をあげて駆けだした。

男はつらいよ お帰り 寅さん(2019)

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「思ってるだけで何もしないんじゃな、愛してないのと同じなんだよ」

 

山田洋次の「ニュー・シネマ・パラダイス」(1988)

トトが満男で、エレナが泉、アルフレードが寅さん(笑)

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主人公は妻と死別し、中学3年のひとり娘と暮らす小説家になった満男(吉岡秀隆

出版社が企画したサイン会で初恋の人、泉(後藤久美子)と再会します

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ふたりは神保町でスナックしているリリー(浅丘ルリ子)のところに行き

その後さくら(倍賞千恵子)と博(前田吟)に会いに行き

その夜、泉は「とらや」に泊まることにしました

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彼らがいつでも、どこに行っても思い出すのは「寅さん」のことばかり

怒りっぽくって、惚れっぽくって、頭も悪いし、お金もない、そんなダメ男

だけど人生の節目には、別れ道には、いつも寅さんのアドバイスがある

寅さんがいてくれたから今の自分たちがいる

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フランスを拠点に国連難民高等弁務官事務所で働いている泉が

絶縁状態の父親(橋爪功)が病気で倒れ、入居している介護施設を訪ねるため

日本に帰ってきたことを満男は「とらや」で知ります

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そしてさくらの勧めもあり

翌日、満男は神奈川の介護施設まで車で送っていくことになりました

ここでも橋爪功の糞爺ぶりが最低で最高(笑)

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走馬灯のように頭の中を駆け巡る、泉との辛くて甘い「あの頃」の出来事

そして別れの成田空港

 

別れのキスは、頬とか額のほうが良かったですね

(注:ここからベベちゃんの妄想)

ちょっと戸惑う満男に「これがヨーロッパ式挨拶、感謝の証なのよ」と

「本当は“あの時”みたいに唇を奪いたかったけど」と笑い

後ろ姿でバイバイしながら急ぎ足で飛行機に乗る泉

なぜなら満男の変わらないやさしさに、我慢しきれない涙が溢れて止まらなかったから

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ラストは、歴代マドンナたちひとりひとりが「寅さん!」「寅ちゃん!」とだけ

シンプルに呼びかける

そして「よお!」「おう!」「来たのか~」という寅さんの笑顔(妄想終了)

 

それにしても、吉岡秀隆が役に入り込みたせいかどうかは知らんが

目つきがホラーすぎて、気持ち悪いと思ったのは私だけ?

 

でも、泣きそうになる(笑)

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タイトルも「お帰り」より、「ありがとう 寅さん」が正解

ジェンダーも、年齢も、差別も関係ない

自分にとって大切なものを好きになる、信じる

人間の道理を、誰よりわかりやすい言葉で教えてくれた寅さん

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「あぁ生まれてきて良かったな、って思うことが何べんかあるじゃない?

そのために人間生きてんじゃねえのか

そのうちお前にもそういう時が来るよ、な?  まぁ、がんばれ」

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ありがとう、寅さん

 

【解説】allcinema より

故・渥美清扮するフーテンの寅さんが毎回マドンナに恋しては、家族を巻き込み大騒動を繰り広げる巨匠・山田洋次監督による国民的人情喜劇「男はつらいよ」シリーズ。過去49作つくられた同シリーズが、第1作から50周年となる2019年、22年ぶりにスクリーンに復活して贈る記念すべきシリーズ第50作。小説家となった寅次郎の甥・満男と初恋の女性・イズミとの再会の物語を軸に、懐かしの面々が織りなす笑いと涙の人情模様が綴られる。寅さん自身も4Kデジタル修復された過去シリーズからの映像でふんだんに登場。キャストには倍賞千恵子吉岡秀隆前田吟夏木マリ、美保純、佐藤蛾次郎、そして歴代最多マドンナの浅丘ルリ子らお馴染みの面々が再集結し、後藤久美子も本作で久々に女優復帰を果たした。
 サラリーマンを辞めて念願の小説家になった満男。今は妻に先立たれ、中学3年生の娘ユリと2人暮らし。最新刊の評判は上々ながら、どうしても次回作への意欲が湧いてこない。そんな中、妻の七回忌の法要で久々に葛飾の実家を訪れた満男。両親や近所の人たちと昔話に花を咲かせるが、思い出の中心にはいつも騒々しい伯父・寅次郎がいた。ある日、書店でサイン会を行った満男は、初恋の人・イズミと思わぬ