今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は(2025)

「私がいないところで、私のことを思い出してほしかっただけ」

 

原作はコント芸人ジャルジャル」の福徳秀介2020年に発表した恋愛小説

舞台は福徳の出身校でもある関西大学

序盤は普通の恋愛映画

大学に馴染めない小西徹(萩原利久)は

ある授業でドアの押す引くを間違えてひとりで笑ったり

学食ではひとりでざる蕎麦を食べている

お団子頭の桜田さん(河合優実)に一目惚れ

彼女にの隣の席に座り出席票を提出してもらうことで知り合いになり

同じ価値観をもつ桜田さんのことをどんどん好きになっていきます

でも変な名前ばかりのメニューの喫茶店に

「オムライス」だけが普通な謎を解きに行こうと約束した放課後

桜田さんは現れず、その日以来授業にも来なくなってしまいます

もしかしたら桜田さんは自分のことになど全く興味はなく

何度も偶然会ったのは、ストーカーに付け回されていると思っていたのだろうか

たったひとりの親友で、いつも風変わりな服を着ている

お人好しの山根(黒崎煌代)に八つ当たりしてしまいます

(そしてプチ反戦)

でも見せ場はここじゃなかった

この映画が今までの恋愛映画と全く違うのは

小西の銭湯のバイト仲間のさっちゃん(伊東蒼)が

小西に好きな女性がいることに気付き、小西に遅すぎた告白をする

超超超長回しのシーン

こんなに長いセリフだと

見ているほうも集中力が切れそうになると思うんですけど

そうはならないんですね

アレ、”このき”、どうしても好きと言う言葉が出てこない

好きと言ってしまったら、この関係が壊れてしまうかも知れないから

だからスピッツの「初恋クレイジー」に気持ちを託してみた

でも伝わらなかった

片思いの気持ちが全部詰まってる

小西がバイトを欠勤したときには、いつもさっちゃんが仕事を肩代わり

小西はさっちゃんにごはんをおごることを約束し

「そういえば俺たち、外で会ったことないよね?なんか照れるね」

なんて小西の何気ない言葉に、さっちゃんはキュンとなってしまいます

でもすぐにただの口約束だとわかる

今までもずっとそうだった

 

♪忘れられたアイスのように溶けた♪

小西に伝える「私のようにならないで」

”このき”の人だから、幸せになってほしいというメッセージ

このさっちゃんの独白が、ラストでまた泣かせます

 

桜田さんが消え、さっちゃんがバイト先に来なくなってから1カ月半

小西はひとり喫茶店にオムライスを食べに行けるようになったり

山根にも謝り(大人の対応をする山根)少しづつ回復

そんなときバイト先の銭湯の主人の佐々木(古田新太)から

さっちゃんが交通事故で死んでいたことを知らされます

しかも小西が佐々木とさっちゃんの家に線香をあげにいくと

玄関で出迎えたのは桜田さんでした

桜田さんはさっちゃんのお姉さんだったのです

でもさっちゃんが死んだのは、小西にフラれたからでも

小西の好きだった女性が姉だったことでもありませんでした

さっちゃんは常に前向きで、強い心の持ち主(本当は強くない)

小西にフラれた次の朝も、ベランダでハンモックで寝て朝日で目覚めます

今日も大学にサークルにバンド活動にバイトと忙しい

だけど横断歩道を歩行中、トラックの後輪に巻き込まれてしまう

あんなにも宝のようないい子が・・

恋の喪失以上の喪失

さっちゃんの名前は咲だった

小西が、お父さんが咲が結婚したとき読むよう託した手紙を読む

お父さんっ子で、音楽マニアもお父さん譲り

明るくて誰からも好かれ、花はちょっと妬いていた

だけど死んでしまうなんて

咲だけがお父さんに可愛がられていると、嫉妬した自分が悪かった?

小西も思っていた、さっちゃんの気持ちに答えなかった自分が悪かった?

泣いて泣いて、嗚咽して泣きまくるふたり

そして小西は思いだす、桜田さんと行った喫茶店と

さっちゃんのあの夜の言葉

幸せは”さちせ”で、好きは”このき”

すべてはお父さんが娘に残した言葉だったことを

桜田さんに「初恋クレイジー」を最大ボリュームで聞くことを提案する小西

 

♪言葉に出来ない気持ち

♪ひたすら伝える力

♪表の意味を超えてやる

大音量のなか、桜田さんに本当の声が届いているかどうかはわからない

しかも亡くなったさっちゃんの仏壇の前で不謹慎なこともわかってる

だけどこれが自分にとって、さっちゃんの遺言だから

たとえ軽蔑されても、侮辱されてもいい

桜田さんのことを”このき”で

”さちせ”にしたいと伝えたのでした

たとえこのふたりが結ばれたとしても、うまくいくかどうかははからない

この悲しみから永遠に抜け出せるとも思えない

それでも小西が、桜田さんに告白した理由は

さっちゃんが”このき”な人と”さちせ”になってほしいと願っていたはずだから

 

でも本当は

2番目じゃダメだったんだよね・・

 

 

【解説】映画.COMより

お笑いコンビ「ジャルジャル」の福徳秀介が2020年に発表した恋愛小説「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」を、「勝手にふるえてろ」「私をくいとめて」の大九明子監督が映画化。
大学生の小西徹は、思い描いていたキャンパスライフとはほど遠い、冴えない毎日を送っていた。そんなある日、お団子頭の女子大生・桜田花の凛々しい姿に目を奪われた小西は、思い切って彼女に声をかける。いろいろな偶然も重なり、またたく間に意気投合する2人。会話が尽きないなか、「毎日楽しいって思いたい。今日の空が一番好きって思いたい」と桜田が何気なく口にした言葉が、小西の胸を刺す。その言葉は、小西が大好きだった、いまは亡き祖母の言葉と同じだった。桜田と出会えたことに喜ぶ小西だったが、そんな矢先にある出来事が2人を襲う。
主人公の小西徹を演じるのは、映画化もされたドラマ「美しい彼」シリーズなどで人気を集める萩原利久。ドラマ「不適切にもほどがある!」や映画「ナミビアの砂漠」などで若手実力派としてブレイクした河合優実が、ヒロインの桜田花に扮した。2024年・第37回東京国際映画祭コンペティション部門出品。

2024年製作/127分/G/日本
配給:日活

 

ロボット・ドリームズ(2023)

原題は「Robot Dreams」(ロボットの夢)

とてもノスタルジックな気持ちにさせてくれる映画でした

挿入歌はEW&F(アース・ウインド&ファイアー)の名曲「セプテンバー」

私は中途失聴者で、見終えたあとに他のレビューで知ったのですが

ストーリーにぴったりな選曲だと思いました

ちなみにアルバム「黙示録」も持っています(笑)

視点はスピルバーグの「A.I.」(エー・アイ)に似ています

「A.I.」は難病の息子を冷凍保存した夫婦のもとに

起動させた人間(ここでは母親)を永遠に愛するようプログラムされた

ヒューマノイド(少年型AIロボット)のデイビッド がやってきますが

その後、本物の息子が奇跡的に回復

母親はAIのメモリを消去しないまま、デイビッドを森に棄ててしまいます

「ピノキオ」ようにいつか人間の子どもになれることを信じていたデイビッド

母親から再び愛されることを信じて待ち続ける・・という

AI目線からの切ないストーリー

こちらは錆びて動けなくなったロボットが主人と離れ離れになり

主人の家に帰ることをだけを夢見て待ち続けますが

やっと助けられ、動けるようになったとき

主人はすでに新しいパートナーを見つけて幸せに暮らしており

再会を諦めるというもの

ChatGPTの出現で、今では(法的にではないものの)

AIと結婚している人もいるそうで(笑)

実際近い将来、人間よりロボットをパートナーに選ぶ人のほうが

多くなるかも知れませんね

なぜならAIのほうが優しくて頼りになるし、気持ちに寄り添ってくれるから

ただそれも自分の使い方次第ということを忘れてはいけません

舞台は80年代のニューヨーク

Dogは毎日ひとりで映画観賞して、ひとりでゲームをして

冷凍食品の食事をひとりで食べる

何の不満や不自由もないけれど

時々幸せそうなカップルを見ると孤独な気分に陥ってしまい

通販で見た友だちRobotを購入します

これが正解だった

Robotがやって来てくれたおかげで、Dogは毎日楽しく過ごせるようになり

お互いかけがえのない存在になります

しかし夏の終わりに海水浴場(コニーアイランドがモデル)に行って遊んだあと

Robotが(海水のせいで)動かなくなってしまいます

Robotを修理するための道具を買いに行き、翌日ビーチを訪れると

9月1日から閉鎖の看板

門の鎖を開け侵入しようとしたDogは警備員に取り押さえられ

(Dogはコミュ障?で警備員や管理会社にちゃんと理由を話せない)

逮捕されてしまいます

すぐに釈放されたものの、Robotを迎えに行くことは諦め

海開きの日を忘れないよう冷蔵庫にメモを貼ると

新しい友だちを作る決意をします

ハロウィンにはドラキュラの仮装をしてお菓子を用意

だけど子どもを驚かせるどころか泣かせてしまったり

冬になりスキー場に行くとアリクイの兄弟に意地悪されてしまうし

春が来て、凧あげで知り合った親切な美女Duckとデートまでこぎつけたものの

連絡が取れなくなり、彼女がバルセロナに移住したことを知ります

 

ロボットショップ(RobotShack)に行き

新しい友だちロボットのTin を購入するDog

砂浜に残されたRobotはDogのところに帰る夢だけを見続けていました

(海洋学校の教官と生徒に見える)3羽のウサギたちが漕ぐボートに穴が空き

避難したビーチには、錆びついて動けなくなったRobotの姿

教官がRobot口にオイルをそそぐと、Robotは動けるようになり

Dogのアパートに帰れたと思ったらそれも夢

ウサギたちはRobotの足を切断し、穴の開いたボートを修理して

再び海へボートをこぎ出したのでした

冬になり雪が積もると、Robotは氷を破って大脱出

Dogのもとに向かいますが、Dogは別のロボットと一緒で

別のロボットから用無しの視線を向けられる夢を見ます

 

「A.I.」の願いが「ピノキオ」のフェアリーに人間にしてもらうことだったのに対し

Robotの願いは「オズの魔法使い」のエメラルドシティを目指すこと

ドロシーと同じ、「オズ」なら切実な願いを叶えてくれるかも知れない

花たちも黄色のレンガも虹もRobotうを迎えますが、それも夢

春になると1羽の渡り鳥(クロウタドリの一種)がやって来て

Robot右腕の中に巣を作り、3羽の雛が生まれます

1羽だけオレンジの子は特にRobotに懐き

Robotも口笛を吹いて寝かせつけたり、飛び方を教えたり

本物の家族のような絆が芽生えますが

鳥たちの旅立ちの時がやって来てくる

夏が近づき、サルが金属探知機で売れそうな廃品を探しています

Robotを見つけたサルは廃品回収業者のワニ父子に売り

Robotはスクラップにされてしまいます

そこに修理屋?をしているアライグマのRascal がやってきて

Robotのスクラップに興味を持ち、買い取ると

足りないパーツを古いラジカセなどで補いRobotを甦えらせることに成功

Rascal とRobotの平和で穏やかな生活が始まりますが

RobotはDogのところに帰ることを忘れていませんでした

冷蔵庫に貼ってあった海開きの日を見つけたDogも

ビーチにRobotを探しに行きますが、見つかったのは片足だけ

Tinとの暮らしに戻ります

そんなある日、DogがTin といるところを偶然見かけたRobotは

Dogのもとに駆け寄ろうとしますが、そこにRascalの顔が浮かびます

たぶんRobotも最初に起動してくれた誰かを

愛するようプログラムされていたと思うんですね

だけど今は、Robotにも自分を救ってくれたRascalとの生活がある

Dogのことを愛しているからこそ

Dogが新しいパートナーと幸せに暮らすことを願い、姿を隠す決心をします

Robotのラジカセから「セプテンバー」が流れると

どこからか聞こえてきた「セプテンバー」にDogも踊ります

別れても、離れてしまっても、あの日楽しかった思い出は一緒

 

昔の友達に、思わず会いたくなってしまう

(私もかってはピュアだった 笑)

ちょっと切ないけど、素敵な映画でした

 

Earth, Wind & Fire September

 

Do you remember
the 21st night of September?
Love was changing the minds of pretenders
While chasing the clouds away

覚えているかい?
921日の夜のことを
愛に無縁の僕をきみが変えたのさ
空の雲を全て追い払って

Our hearts were ringing
In the key that our souls were singing.
As we danced in the night,
Remember how the stars stole the night away

僕らのハートはドキドキ
夜通し踊りながら
心の底から歌いたい気分だった
星がとても綺麗だったね

Ba de ya - say do you remember
Ba de ya - dancing in September
Ba de ya - never was a cloudy day

バーディヤ 覚えているかい
バーディア 9月に踊りあかしたことを
バーディア 雲ひとつない日だったことを

 

My thoughts are with you
Holding hands with your heart to see you
Only blue talk and love,
Remember how we knew love was here to stay

きみと同じことを考えていた
きみの気持ちを知りたくて手を握った
あの夜、エッチな話をして体を重ねたけど
僕たちはこの愛がこの先も続くと知ったんだ

Now December found the love
that we shared in September.
Only blue talk and love,
Remember the true love we share today


12月になって、9月に愛し合った意味に気づいた

(あの時は)一夜限りの情熱(blue talk)だったけど

今日、僕たちが本物の愛(true love)を確信したことを忘れないで

Ba de ya - say do you remember
Ba de ya - dancing in September
Ba de ya - golden dreams were shiny days

バーディヤ 覚えているかい
バーディア 9月に踊ったことを
バーディア 輝いてた日々、輝いてた夢を

Now our bell was ringing, aha
Our souls were singing
Do you remember every cloudy day - yau !

 

僕たちの鐘が鳴り響き
僕たちの魂が歌っていた

曇の日もすべて覚えているかい(どんな暗い日も吹き飛んだよね)
ヤゥ! (歓喜の叫び声)

 

【解説】映画.COMより

「ブランカニエベス」で知られるスペインのパブロ・ベルヘル監督が初めて手がけた長編アニメーション映画。アメリカの作家サラ・バロンによる同名グラフィックノベルを原作に、擬人化された動物たちが暮らす1980年代ニューヨークで犬とロボットが織りなす友情を、セリフやナレーションなしで描く。
ニューヨーク、マンハッタン。深い孤独を抱えるドッグは自分の友人にするためにロボットを作り、友情を深めていく。夏になるとドッグとロボットは海水浴へ出かけるが、ロボットが錆びついて動けなくなってしまう。どうにかロボットを修理しようとするドッグだったが、海水浴場はロボットを置いたままシーズンオフで閉鎖され、2人は離ればなれになってしまう。
2024年・第96回アカデミー賞で長編アニメーション賞にノミネート。

2023年製作/102分/G/スペイン・フランス合作
原題または英題:Robot Dreams
配給:クロックワークス





 

ペリリュー 楽園のゲルニカ(2025)

「戦争は終わってた方がいいのか終わってない方がいいのか」

 

「ゲルニカ」とはパブロ・ピカソが描いた有名な反戦絵画のことで

東京駅での待ち合わせに便利な丸の内オアゾの「〇〇広場」(おおひろば)に

原寸大の陶板複製壁画が展示されています

原作は武田一義の「ヤングアニマルに連載された20162021

ペリリューの戦い」の史実を参考に構成したフィクション漫画

武田氏はできるだけPG指定の描写はなくし、より多くの若者が観れるよう

可愛らしい3頭身キャラクターにしたということ

 

その通り残虐なシーンは少ないです

そのぶん人は、いとも簡単に「あっけなく死ぬ」ことが伝わる

命が助かったとしても、薬も食料もない

味方によって重傷患者は殺されます

日本がすでに無条件降伏していたのにも係わらず

ペリリュー島でアメリカ軍に戦いを挑んでいた日本兵たち

終戦を確信し投降しようとした吉敷(よしき)が

敗戦を認めない島田少尉に「脱走犯」「国への裏切り」だと

撃たれ死んだところでは泣いてしまいました

これがアメリカ映画なら、ヒーローは死なずに帰還するでしょう

敗戦国がどういうものであるかといことを突きつけられる

 

しかも総員約10,500人のうち生き残った兵士はわずか34人

米軍も48,740名 1,600人以上が死亡した激戦だったにもかかわらず

戦後ほとんど語られることのない「忘れられた戦争」となり

今もおよそ2,400柱の日本人戦没者の遺骨が収容されず残され

そのほとんどが20代の若者ということ

これが「国旗損壊罪法」を無理やり成立させた政府の仕事なのか

国会議員とはいったい何がしたいのか

昭和19年、ペリリュー島

主人公の田丸(たまる)は銃の引き金も引けないほどの臆病者でしたが

田丸が漫画家志望であることを知った隊長の島田少尉は彼を「功績係」に任命します

「功績係」とは戦死した兵士の最期を、どのように「立派に死んだか」

遺族への手紙を書くという特別な任務ですが

ぬかるみで足を滑らせ頭を石に打って死んでしまった小山隊員の遺族に

「味方を守るため勇敢に戦い犠牲になった」 と手紙を書いた時

この戦争が「嘘」で塗り固められていることに気づきます

部隊イチのスナイパーである吉敷くんは

田丸と同じ21歳の同期で、同じ茨城県出身

戦闘中たまたま同じ塹壕(ざんごう)に飛び込んだことで

共に行動するようになり

全く正反対のふたりでしたが、田丸は吉敷くんを頼れる上等兵として崇め

吉敷くんは田丸の人柄を尊敬していました

ペリリュー島の戦いはいわゆるゲリラ戦法で

(兵士は死んでもいいから)敵を足止めし時間を稼ぐことが目的

しかし海上には米軍の多数の艦艇、B24が飛来し爆弾が投下され

米兵が浜辺に上陸すると日本兵との銃撃戦が始まります

「ママ・・」と呟きながら死んでいく米兵を見て、同じ人間だと動揺する田丸

無数の死体が転がるなか、星空だけは美しい

田丸と吉敷らは竹野内中尉率いる第3大隊の生き残りと合流

島田少尉の指示で米軍基地から食料を奪取

(竹野内は隊員たちから島田が英雄視されることが気に入らない)

日の丸を掲げた塹壕(ざんごう) に隠れて過ごします

田丸が集まった隊員たちの姿や出身地を手帳にスケッチしていると

吉敷はボロボロになった家族写真を取り出し

替わりになる絵を描いて欲しい頼みます

田丸の優しいタッチの家族画がまた涙を誘う

月日が経ち、米軍服を着て米軍基地で「キングコング」の映画を観る田丸と吉敷

さらに月日が経ち原住民(島民)が避難していた疎開先から戻って来ます

島田少尉はパラオ司令部が陥落したかも知れないと考えますが

「我々が今ここですべきことは変わらない」ことを命令

戦況から「陥落したのはパラオだけなのか?」と疑問を持つ吉敷

田丸と吉敷が米軍基地で物資を探していたとき、ゴミ捨て場から雑誌を見つけ

そこには銀座で米軍人と日本人が握手している写真

塹壕に持ち帰り英語のわかる入来(いりき)上等兵に翻訳してもらうと

記事の内容は「アトミックボムで広島・長崎は消滅」

「戦争は終わった、日本は降伏した」というもの

しかも日付は1年前のものでした

50年くらい前、横井さんと小野田さんという

戦争が終わったことを知らないままジャングルに身を隠し

横井さんはグアム島で28年間

小野田さんはフィリピンのルバング島で30年間生き延び

発見されたニュースがありましたが

横井さんと小野田さんのほかにも、多くの兵士が敗戦を知らないまま

どこかの島で生涯を閉じていたかも知れません

すでにペリリューは米軍の管理下になっていたにもかかわらず

米軍の飛行機が撒いた「投降すれば食事を支給し傷病者は治療する」 と書かれたビラも

日本が敗戦したことを伝える写真や新聞も

全て米軍の情報操作(心理戦や欺瞞(ぎまん)工作)による罠だと

「戦争は続いている」と島田は断言

「生きて虜囚の辱めを受けず」(降伏を禁じる)ことを命令します

田丸と吉敷が超マイペースで無責任男(軍命より自分)の小杉に相談すると

「気にしても、飛んで帰れるわけじゃない」と相変わらず飄々とした態度

 

吉敷は米軍に投降戦争が終わったかどうか確かめる決意をします

嘘だったら自決する上手くいけばみんな日本に帰れるかもしれない」

すると田丸「僕も投降する

一緒に日本に帰ろうと約束したじゃないか」と吉敷の手を取

2人が白旗を持って歩いていると

片倉分隊長が2人を捕らえ、島田が銃で2人を狙います

優秀な吉敷は島田に自分は絶対外さないことを伝えますが

手榴弾が転がって来て爆発

そのとき吉敷は島田に右目を撃たれますが、吉敷はあえて島田を撃ちませんでした

 

手榴弾は小杉が田丸と吉敷を逃がすために転がしたものでした

片倉が銃剣で小杉に襲いかかると、小杉は片倉を銃で撃ち2人とも絶命

島田は爆発により倒れ行方不明となります

吉敷を抱え米軍基地に向かう田丸

しかし撃たれた目玉が飛び出し死んでしまう吉敷

吉敷の死体を背負って投降した田丸に

元日本軍パラオ地区集団参謀長鬼塚少将

すでに戦争は終わっていて

1日も早く全員が投降する事を望んでいる」こと

「国際的な取り決めで、罪にならない」ことを教えます

そこで田丸は「故郷の家族に、投降するよう手紙を書いてもらう」ことを提案

「功績係」として、兵士たちひとりひとりの特徴や住所を

手帳に書き留めていたことが役にたったのです

ペリリュー島から日本に無線が打たれ、家族の元に生存の知らせが届く

家族からの生きている喜びを伝える手紙に兵士たちは泣き

鬼塚少将は日本兵34名を武装解除

それでも田丸が米軍に投降したことを責める兵士はいました

帰国の日、吉敷の遺骨を抱えた田丸はペリリュー島長(代表)のレモケットに

島田少尉の行方を探してほしいと頼みます

視力を失い怪我をした島田は村で治療を受けていて

吉敷を撃ったことを後悔し、日本には帰らない決意をしていました

そんな島田にレモケットは

田丸は「島田少尉がいたから、こんなに生き残れた」と言っていたことを伝えます

見えない目で日本に向かう船に敬礼する島田

故郷の水戸の「たまる食堂」に帰った田丸は

両親に「ただいま」言うと、涙が零れ落ちたのでした

「ただいま」と言えることがこんなに素晴らしいなんて

「おかえり」と言えることがこんなに嬉しいなんて

 

戦争経験者や語り部が高齢だったり、少なくなった今

私的にはこのような反戦漫画や映画の存在はとても大きいと思います

戦争で失われるのは、多くの若者の命なのだから

 


【解説】映画.COMより

太平洋戦争末期の昭和19年、21歳の日本兵・田丸均は、南国の美しい島・ペリリュー島にいた。漫画家志望の田丸はその才を買われ、亡くなった仲間の最期の雄姿を遺族に向けて書き記す「功績係」という任務に就いていた。やがて米軍の猛攻が始まり、日本軍は追い詰められていく。いつ死ぬかわからない恐怖、飢えや渇き、伝染病にも襲われ、極限状態に追い込まれていく中で、田丸は正しいことが何なのかも分からないまま、仲間の死を時に嘘を交えて美談に仕立て上げていく。そんな田丸の支えとなったのは、同期でありながら頼れる上等兵・吉敷佳助の存在だった。2人は互いに励まし合い、苦悩を分かち合いながら絆を深めていくが……。主人公・田丸役を俳優の板垣李光人、吉敷役を中村倫也が担当。監督は「魔都精兵のスレイブ」の久慈悟郎。脚本は西村ジュンジ(西村純二)と原作者・武田一義の共同執筆。アニメーション制作は「ドラえもん」のシンエイ動画と「ドッグシグナル」の冨嶽が共同で担う。

2025年製作/106分/PG12/日本
配給:東映

 

ドールハウス(2025)

思った以上に怖かったです(笑)

同じ人形ものでも「M3GAN ミーガン」や

「プーあくまくまさん」より、よっぽど怖い

日本人形のビジュアル恐るべし(笑)

5歳の娘芽衣が亡くなってしまい

立ち直れずにいた母親の佳恵(長澤まさみ)は

骨董市で見つけた日本人形に一目惚れ

我が子のように可愛がることで元気を取り戻しますが

妹の真衣が生まれると、やがて人形の存在さえ忘れてしまいます

5歳になった真衣がクローゼットからその人形を見つると

真衣は人形を「アヤちゃん」と呼び一緒に過ごすようなります

やがて真衣だと思っていたのがアヤで

アヤだと思っていたのが真衣だったり

佳恵はどちらがとちらなのかわからなくなっていきます

不気味になった佳恵は、袋にアヤと

幼稚園の先生からもらった真衣の描いた不気味な絵を一緒に

ゴミ置き場に棄てますが、管理人によって玄関先に戻される

直接作業員に直接手渡し、ゴミ収集車に入れてもらうと

作業員が収集車に巻き込まれてアヤが車から落ちる

それを拾ってくる真衣

どうやってもアヤは真衣のところに戻ってくるのです

まず、ここまでの展開がテンポがいい

人形と目が合うとコントのように驚いてずっこけるとか

矢口史靖らしいお笑いっぽいシーンもあって

イッキに見れますね

精神的に不安定になり、真衣を虐待していると疑われた佳恵が

夫で看護師をしている忠彦(瀬戸康史)に入院させられると

佳恵は忠彦にアヤを人形供養のお焚き上げに出すよう頼みます

忠彦が箱に書かれていた安本という人形作家を調べると

安本の娘の名前が礼(あや) で娘そっくりに作った人形あったこと

娘もアヤも行方不明になっているということがわかります

人形供養を頼んだ寺の住職の慌てぶりや

夜中に部屋を抜け出し橋の欄干に座っていた真衣を

助けようとした姑の敏子風吹ジュン)が幼い女の子に襲われたり

忠彦はただ事でないことを知ります

翌朝寺の僧侶(今野浩喜)がアヤを引き取りに来て

お焚き上げの様子を見る佳恵と忠彦

ところがこの僧侶、アヤを違う人形と交換し古物商に持ち込みます

しかし値段が気に入らず持ち帰えろうとしているとき

エスカレーターから落下

アヤの入っていた呪文の書かれた箱は壊れ

重傷を負った僧侶はアヤと共に忠彦の勤める病院に運ばれます

寺の住職は僧侶のやったことを謝罪すると

人形専門の呪禁師(じゅごんし)の神田(田中哲司)を紹介します

アヤの口から本物の歯が落ちたのを見た忠彦は

レントゲン技師にアヤのCTの撮影を依頼

アヤの体内に本物の子どもの骨が隠されていたことがわかり警察に連絡

そこに到着した神田は刑事の山本(安田顕)は

アヤを死体遺棄事件の証拠品としてアヤを押収

そこにやって来た神田は山本を心配し、忠彦の車で後をつけると

山本はトンネル内で少女を轢いてしまった幻覚を見て泣いていました

神田は山本の呪縛を解くと、アヤを厳重な箱に入れ封印

安本を知り、彼の人形を収集している池谷(品川徹)のもとへ行きます

元警官の池谷は、安本の妻妙子が娘と心中しようとしたが

妙子は心中に失敗、アヤだけが死んでしまったこと

安本は妻を守るためアヤを釜茹でにして

アヤの骨と髪の毛と爪を使い、アヤそっくりの人形を作ったこと

死んだらアヤと一緒に埋葬してほしいという妙子の遺言で一緒に墓に埋めたが

人形だけなくなってしまったことを教えられます

安本の人形は高価なので誰かに盗まれたのだろうと

アヤがは母親のもとへ帰りたいのではないかと察した佳恵は

アヤを妙子の墓に戻すため

墓のある新潟県の「神無島」 (かんなじま)に向かいます

そこは引き潮の時に2時間だけ砂浜の道が現れるという島で

その間に墓を探しアヤを戻さなければなりません

前日の夜、旅館にあった「神無島」の地図で墓の場所を探ろうと

アヤを封印していた箱の扉を開けると

アヤの顔の気持ち悪いったら!(笑)

ここは下手にCGを使わず正解

アナログだからこそのリアルさ

箱から飛び出し激しく暴れるアヤをどうにか捕まえたものの

ポルターガイスト現象で、足に釘を刺してしまい歩けなくなってしまう

意外とポンコツな神田

しかも病院にいくため帰ってしまうんかい(笑)

翌日アヤを連れ「神無島」に向かった佳恵と忠彦

金属探知機(GPR)で墓の場所を探していきます

タイムリミットぎりぎり、妙子の墓を見つけアヤの人形を収めたとき

佳恵がポケットに入れていた芽衣の遺影を棺の中に落としてしまいます

芽衣の遺影を取り戻そうと棺に入る佳恵

そのとき炊き上げていた線香の火が、アヤを封印している袋の上に落ち

袋が焼け飛び出してきたアヤが佳恵を襲い

なんとか棺を出た佳恵ですが

忠彦が棺の蓋をしすると佳恵の髪の毛が巻き込まれてしまう

芽衣の遺影の額を壊し、ガラスで髪の毛を切り逃れますが

ここから先はちょっとわかりにくい(笑)

佳恵と忠彦は家に戻り、真衣が佳恵に抱き付きついてきます

しかしあまりに強く首を絞めて離さないので、顔を見るとアヤでした

忠彦はドラム式洗濯機の中に真衣が閉じ込められているのを見ます

洗濯機のガラスをスコップで叩き割る忠彦

同時に神無島の棺の蓋をスコップで叩き割ろうとする忠彦の姿

真衣を洗濯機から助け出すと、それは死んだはずの芽衣でした

芽衣は佳恵に抱きついていたアヤを連れ去って行き

神無島で柩の蓋を開け佳恵を助け出した忠彦は

砂浜の道を佳恵と芽衣と一緒に手を繋ぎながら渡り

忠彦と佳恵と真衣仏壇の遺影に「芽衣ありがとう」と言うと

佳恵の手作りクッキーを楽しそうに食べます

神田と姑の敏子が「1週間以上連絡が取れない」と

マンションの管理人とともにエレベーターに乗り込むと

もう1基のエレベーターからベビーカーを押す忠彦佳恵が出てきて

管理人に鍵を開けてもらうと仏壇の花は枯れており

食卓には腐ってハエの浮いた牛乳

神田敏子が持って来たベビーカメラの録画を見せてもらうと

真衣がアヤに「お母さんを取り替えよう」と

アヤが母親の妙子から虐待されていたことがわかります

「私は間違っていた、アヤは母を憎んでいた

人形を島に連れて行ってはいけなかった」と

時前にリサーチなしという、再びポンコツな神田(笑)

忠彦と佳恵が自宅の車の脇を通り過ぎると

車内には閉じ込められ助けを求める真衣の姿

ベビーカーに乗っていたのはアヤだったのです

 

もしかして(1週間以上連絡が取れなかったということは)

すでに忠彦も佳恵も真衣も死んでいて

真衣はアヤ(あるいはアヤが憑りついた芽衣)に

この世ではない場所で

お母さんを奪われてしまったのかもしれません

 

 

【解説】映画.COMより

「ウォーターボーイズ」「スウィングガールズ」の矢口史靖監督が長澤まさみを主演に迎え、亡き娘に似た人形に翻弄される家族の恐怖をオリジナル脚本で描いたミステリー映画
5歳の娘・芽衣を事故で亡くした鈴木佳恵と看護師の夫・忠彦。悲しみに暮れる日々を過ごしていた佳恵は、骨董市で芽衣に似たかわいらしい人形を見つけて購入し、我が子のように愛情を注ぐことで元気を取り戻していく。しかし佳恵と忠彦の間に新たな娘・真衣が生まれると、2人は人形に見向きもしなくなる。やがて、5歳に成長した真衣が人形と遊びはじめると、一家に奇妙な出来事が次々と起こるように。人形を手放そうとしたものの、捨てても供養に出してもなぜか戻ってきてしまう。佳恵と忠彦は専門家の助けを借りながら、人形に隠された秘密を解き明かしていくが……。
佳恵とともに人形の謎に迫る夫・忠彦を瀬戸康史、佳恵と忠彦の前に現れる呪禁師・神田を田中哲司、私服警官・山本を安田顕、忠彦の母・敏子を風吹ジュンが演じる。

2025年製作/110分/G/日本
配給:東宝

 

 

かくかくしかじか(2025)

原作は2015年マンガ大賞および文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞した

東村アキコの自伝エッセイ漫画

 

東村アキコの漫画は面白いですよね

こんな人「いるいる」こんな経験「あるある」

昭和生まれの共感さが詰まりまくっている(笑)

そして誰にでもある、もし過去に戻ってやり直せるならやり直したい後悔

物語は東村アキコの「マンガ大賞」授賞式からはじまり

記者から「これまでにご自身の人生に影響を与えた

”恩師”のような方はいらっしゃいますか?」

という質問を投げかけられたのをきっかけに

高校時代故郷宮崎で通っていた絵画教室日高先生のことを思いだします

アキコは幼いころ、近所のゴミ捨て場に棄てられていた

大量のマンガ本(ぶ~け)を偶然見つけ読んでドはまりし

絵を描く上手さもあって、将来は漫画家になることを決意

(両親の褒め上手もあり)そのまま夢みる高校生になり

「箔(はく)がつくから」 という理由だけで美大を目指します

同じく美大を目指すシビアなクスラスメイトの北見(きたみ)から

美大を目指すなら、ちゃんと絵の塾に行くべきだと

(週何回通っても)月謝5千円という激安絵画教室を紹介されます

が、先生の日高(実名は日岡兼三)はとんでもない毒舌にスパルタ

令和の今ならモラハラ、パワハラ、コンプライアンス違反の塊

(だけどチンパン子に全員で笑ってしまうおおらかさよ)

早速、腹痛を装って逃げ出そうとするアキコを心配した日高先生は

なんとアキコをおぶってバス停まで送るのです

アキコは「嘘をついた」罪悪感に苛まれるものの

その後も先生にテキトーな嘘をつきまくります

受験勉強でも「ダウジング」で答えを選ぶというありさま

それがまさかの奇跡を呼び センター試験を突破

第一志望の東京学芸大学は実技で不合格になってしまいますが

金沢美術工芸大学油画専攻にほぼ運の良さだけで合格

日高先生と「二人展」を開く約束し金沢の大学に進学するものの

絵を描く意欲は全く失せ、デートにカラオケに鍋パーティ

美大に行った意味のないキャンパスライフを満喫

日高先生がアキコの講師に挨拶しようと大学を訪ねも

アキコの友人達と酒を飲もうとアパートに泊りに来ても

アキコは先生に誰一人会わせず邪険に扱ってしまう

先生の図々しい態度が、先生の優しさだとまだその時は気付かなかったのです

そんな遊んでばかりで、4年生になっても就職が決まらないアキコに

先生は高校の美術講師に推薦するから宮崎に帰ってこいと言います

しかし講師の話は(強力なコネをもった人物に横取りされ)なくなり

結局先生の絵画教室でバイトをすることになります

アキコは教え方がうまかったし

(先生は生徒に「描けー」「描けー」しか言わない 笑)

先生とのオーガニックでスローライフな生活も楽しかった

しかし父親から大学まで出したのにプー太郎は許さん!と

自分の会社のコールセンターで働くように命じられてしまい

クレームの電話の対応と厳しい先輩の指導でストレスはマックス

仕事が終われば絵画教室に通い体力も限界

 

そんなとき大学時代の彼氏から電話で優しく慰められ

漫画家になる才能もあると褒められ

その気になったアキコは、仕事を辞めたいこともあり

「ぶ~け」のコミック新人賞に原稿を送ると、初の投稿で「3席」に入賞

編集者から水性ボールペンで描いていたため掲載は無理だと言われたものの

読切作品を描いて送ってくれといいます

両親の協力もあり、次回作の掲載が決まり原稿料ももらえることに

先生に漫画家でデビューしたことを知らせに行くと

先生は大喜びくれたものの、「漫画で儲けた金で絵画を続けろ」と

今でもアキコと「二人展」を開く約束を信じていたのです

(本当は教え子の成功が嬉しいのに、絵画目線での褒め方しかできない人なのね)

先生の精一杯の賛辞も、アキコにはただの拘束としか思えない

先生と、宮崎と離れ東京で仕事をする決意をします

月日が経ち、人気漫画家となったアキコのもとに

突然先生から電話があり「肺がんで余命4か月」だと告げられます

「ウソであってほしい」と帰郷したアキコは

病床で宮崎の海を描く先生の姿を見つめるのでした

先生の葬儀で、高校時代共に先生の絵画教室に通った

北見や、佐藤や、後輩の今ちゃんと、かっての先生の思い出を語っていると

なんと先生は亡くなる直前、今ちゃんと友人との共同個展に現れ

パフォーマンスで筆の動かなかった今ちゃんに

(ろくに声も出せないなか)「描け」「描け」と伝えたというのです

ラスト、アキコが宮崎の海を見つめて泣いていると

先生が現れ「林、描けーーーっ!」と叫び

そして消えて行ったのでした

先生は最後まで先生のままだった

プロも素人も、上手いも下手も関係ない

描くことが好きならば、それがたとえティッシュの箱でも描きまくるだけ

見た目の美しさや醜さに捕らわれるな

描き続けたその先でやっと、心の目が開き真実が見えるのです

(たぶん 笑)

 

 

【解説】映画.COMより

「海月姫」「東京タラレバ娘」など数々のヒット作を生み出してきた人気漫画家・東村アキコが自伝的作品として描き、第8回マンガ大賞および第19回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞した漫画「かくかくしかじか」を実写映画化。漫画家を目指す少女と恩師である絵画教師との9年間にわたる軌跡を描く。
宮崎県に暮らす、お調子者でぐうたらな女子高生の林明子は、幼い頃から漫画が大好きで、将来は漫画家になりたいという夢を抱いている。その夢をかなえるべく美大進学を志す明子は、受験に備えて地元の絵画教室に通うことになった。そこで出会ったのが、竹刀片手に怒号を飛ばすスパルタ絵画教師の日高先生だった。何があっても、どんな状況でも、生徒たちに描くことをやめさせない日高。一方の明子は、次第に地元の宮崎では漫画家になる夢をかなえることはできないと思うようになっていき、日高とすれ違っていくが……。
原作者の東村アキコが自ら脚本を手がけ、製作にも名を連ねた。主人公の明子を永野芽郁が演じて主演を務め、日高先生役を大泉洋が務めた。そのほか、見上愛、畑芽育、鈴木仁、神尾楓珠、津田健次郎、有田哲平、MEGUMI、大森南朋ら豪華キャストが共演。監督は、「地獄の花園」でも永野芽郁とタッグを組んだ関和亮。

2025年製作/126分/G/日本
配給:ワーナー・ブラザース映画

 

ひつじ探偵団(2026)

原題は「The Sheep Detectives

原作はドイツの女性推理作家 レオニー・スヴァンが2005年に発表した

ベストセラー小説「Glennkill」(アイルランドの架空の村の名前)で

「アニマル・コージー・ミステリー」 (動物たちの目線から人間社会を描く)の

旗手として知られているそうです

なんとも無理やりな展開のユルいミステリー映画ですが(笑)

ひつじちゃんたちが可愛い、可愛い

CGとわかっていても、この愛くるしい表情と仕草に

キュンキュン間違いなしです(笑)

イギリスのデンブルック村

羊飼いのジョージ・ハーディの1日の締めくくりは

アメリカにいるレベッカにラブレターを書くことと

羊たちにミステリー小説を読み聞かせること

ところがある朝、ジョージの死体が発見され

片方の手のひらは青く、もう片方は緑に染まっていました

町で唯一の警察官のティム巡査は心臓発作で片づけようとしますが

カーニバルの取材にやって来ていた新米記者のエリオットは

殺人事件と確信、特ダネを狙おうとします

羊たちにとって死はミステリーのようなフィクションで

死んだら雲になるになると信じていました

群れで一番賢いリリー(マンクスロフタン種 )は、あまりに辛すぎると

ジョージの死を3つ数えて忘れようとしますが

群れから離れ孤独に暮らしていたセバスチャン(ヘブリディアン種)は

「ジョージの死をなかったことにしてはならない」

死の真相をうやむやにしてはいけないことを訴えます

 

リリーは羊の中で唯一記憶を忘れないモップル(メリノ種)と共に

捜査をしようとしますが、まず牧場から出る勇気がない(笑)

それでもどうにか勇気を振り絞って町に向かい、人間の謎に挑もうとします

実際の羊も臆病で警戒心が強いらしく

(鋭い牙や爪などの武器がない、早く走れないため)

群れから離れるとパニックになったり

ストレス(犬に追い回され大きな音に驚かされるたりすること)で

ショック死することもあるそうです

容疑者は、ジョージが嫌っていたヒルコート牧師

肉屋のハム

隣人のイケメン羊飼いのケイレブ

ジョージに思いを寄せていた宿屋の女将ベス

娘のレベッカ(ラブレターだと思っていたのは娘への手紙だった)

そこにジョージの弁護士リディアがやって来て彼の遺言を発表

(私は最初、このエマ・トンプソンがイチバン怪しいと思った 笑)

ジョージは妻を早くに亡くし、養子に出した双子がいましたが

遺産はすべて娘のレベッカに与えるというものでした

しかも羊の薬の特許で得た莫大な財産を残していたのです

遺産目当てにレベッカが、ジョージを殺したのではないかと疑われ

(息子のピーターは南アフリカに住んでいるのでアリバイがある)

さらに事件の夜、自分が群れの中で一番美しく魅力的だと信じている

羊のクラウド(チェリオット種)がレベッカが落とした腕輪を隠していたこと

(ジョージが殺害された夜、レベッカは彼に会いに行っていた)

レベッカの靴底に毒のある木の実が付着していたことがわかり

レベッカはティム巡査に逮捕されます

リリーとモップルは、次の飼い主になるであろうケイレブの羊たちに挨拶するため

ケイレブの牧場に向かうと、出迎えた羊たちは一言「逃げろ」

迷い込んだ先には羊の肉が詰まった山積みの段ボールと

ケイレブと肉屋のハムが仲良く並んだツーショット写真

彼らは食肉業者だったのです

リリーとモップルがケイレブの番犬に見つかり追いかけられると

ふたりを助けようとしたセバスチャンが首を噛まれて死んでしまう

死とは雲になるのではなく、現実のものだと知ったリリーは

仲間たちにケイレブとハムの正体を明かし、逃げようといいますが

羊たちはあまりの恐怖のため、3つ数えて記憶を消してしまいます

リリーは仲間外れの「冬生まれ」が

ジョージの幽霊と見たという話を思いだします

いつもジョージが使っている薬剤は青色

なのにジョージの手のひらに残されたいたのは草色(緑)の塗料

つまり・・

リリーとモップルは「冬生まれ」の片手に青、片手に黄色の塗料を塗り

レベッカが拘留されている留置場に忍びこませます

青+黄色=緑

なのにティム巡査それに気付かず

レベッカを起訴するための書類にサインしてしまう

その時リリーとモップルが大きな叫び声をあげると、突然雨が降り出し

ティムは記者のエリオットの顔に黄色の塗料が流れるのを見ます

そして「冬生まれ」が残した塗料を触った自分の手を見たとき

真犯人が誰なのか気付きます

エリオットの正体はレベッカの双子の兄のピーターで

黄色の塗料を塗って金髪にしていたんですね

(普通にブリーチしろよ 笑)

遺産がすべてレベッカに渡ることを知ったエリオットは

ジョージに会いに行き毒の実のエキスを飲み物に入れたものの

ジョージがなかなか死なないため格闘になってしまい

(冬生まれが見たジョージの幽霊はエリオットのことだった)

ジョージの青色の薬剤と、エリオットの金髪の塗料が

混ざってジョージの手のひらについたのです

実の兄妹なのにねえ・・

でも、実際血の繋がった親子のほうが

人間関係がこじれたときはややこしくなるものですよね

 

逃げようとしたエリオットは

双子の羊のロニーとレジー(ノーフォークホーン種)の頭突きにより倒れると

警察に取り押さえられ

牧場の跡を継いだレベッカは、父親のレガシー(遺志) を受け継ぎ

(彼の残した遺産の一部で)ケイレブの羊たちを買い取ると

「冬生まれ」には、父親と同じ「ジョージ」という名前を与え

1日の終わりには羊たちに推理小説を読み聞かせたのでした

 

 

【解説】映画.COMより

ヒュー・ジャックマンが主演を務め、大好きな飼い主を殺された羊たちがその犯人を見つけ出すべく奮闘する姿を描いた異色のミステリー映画。
イギリスののどかな田舎町。羊飼いのジョージは、愛する羊たちに囲まれながらひとりで暮らしている。彼は毎晩羊たちに探偵小説を読み聞かせているが、実は羊たちは物語を理解しており、その時間を楽しみにしていた。そんなある日、ジョージが死体となって発見される。羊たちはこれが事故だと信じようとせず、最も賢いリーダーのリリーを先頭に調査に乗り出す。手がかりを追ううちに、ジョージには巨額の遺産があったことが判明。愛するジョージの無念を晴らすべく、犯人捜しに奔走する羊たちだったが……。
事件の被害者となる羊飼いジョージをヒュー・ジャックマンが演じ、オスカー俳優エマ・トンプソン、「アイデア・オブ・ユー 大人の愛が叶うまで」のニコラス・ガリツィン、テレビシリーズ「メディア王 華麗なる一族」のニコラス・ブラウンが共演。ジュリア・ルイス=ドレイファス、パトリック・スチュワート、ブライアン・クランストンらが羊の声を担当した。ドイツの小説家レオニー・スバンが2005年に発表した同名ベストセラー小説を原作に、「ミニオンズ」シリーズのカイル・バルダ監督がメガホンをとった。

2026年製作/109分/G/アメリカ・イギリス合作
原題または英題:The Sheep Detectives
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

 

 

さよなら、僕の英雄(2025)

原題は「The Last Viking」(最後のバイキング)

FIFAワールドカップのスタジアムでスウェーデンのサポーターが

角付きのヘルメットと黄色と青のユニフォームで応援するシーンは圧巻でした

それくらいスウェーデン人にとってのバイキングは

愛国心や団結力を象徴するシンボルでなのでしょう

本作でもバイキングが主人公のアイデンティティーとして描かれていますが

鑑賞ご注意な残酷なシーンもちらほら(笑)

冒頭に挿入される寓話(監督の創作らしい)の影絵アニメーションでは

平等至上主義の村長が、ひとりが腕を失えば全員の腕を切断

誰かが足を失えば全員の足を切断

皆がかたわ(禁止用語)なら皆が平等で平和で幸せだと思ったからです

ついに誤ってひとりの首が刎ねられると、村長は全員の首を刎ねてしまいます

つまり多様性の否定とは、本当の平和や幸福を生み出さないということ

そして平等と公平は違うということ

強盗事件で手に入れた大金の入った鞄をコインローカーに隠した

アンカー(ニコライ・リー・コス)は

その鍵を兄のマンフレル(マッツ・ミケルセン)に預け

鞄をかって住んでいた家の庭に埋めて隠すように頼みます

15年後、出所したアンカーが鞄を取り戻すためマンフレルに会いに行くと

マンフレルは解離性同一性障害を患い

自分をジョン・レノンだと思い込んでいて

しかもジョンではなく「マンフレル」という本名を読んだだけで

突然どこからでもダイブ、そして犬を見ると盗んでくる(笑)

そこにかっての強盗仲間のフレミングがやってきてアンカーをボコボコにし

俺の金は使い果たして借金まみれだからオマエの金をよこせと

理不尽な要求をしてきます

だけど金のありかがわからない

車からロケット身投げして入院した病院で知り合った

何かとIKEAに例える精神科医のローターととことん酒を吞み、記憶を失い

翌朝目覚めると、ローターからビートルズの再結成に賛成なこと

マンフレルと同じ解離性同一性障害で入院している自称リンゴと

ポール・ジョージ2役(ときどきABBA のビョルソン)がいること

病院からマンフレルを連れ戻したことを伝えられます

ローターを殴り倒しマンフレルともにかって住んでいた家に向かうアンカー

今はペンションとしてヴェアナとフレイヤ夫婦が暮らしていました

(どちらも成功しなかった元デザイナーと元モデル)

翌日から釣りに行くためのミミズを見つけるためだと

近くの森にマンフレルを連れて行き鞄のありそうな場所を穴を掘り始めるアンカー

しかしマンフレルは森を怖がるばかりで埒がありません

その理由が徐々に明らかになります

そこにローターが自称リンゴとポール・ジョージを連れてやって来る

金を探すためにはローターもリンゴもポール・ジョージも邪魔

しかしローターが末期がんで余命わずか

研究で成果を出したいと告白され渋々承諾したものの

ポール・ジョージがまた曲者で(笑)

何かといえばホロコーストだし(ホロコーストをギャグのネタにするセンス)

ポール・ジョージよりほぼビョルソンだし

歌うのも「チキチーター」ばかりだし(笑)

(スウェーデン人にとって、やっぱビートルズよりABBAなのね)

さらに姉のマグレーデがフレミングからのリンチから逃げてきて

そこでアンカーが4人の患者を精神病院から誘拐したことが

ニュースになっていることを教えられます

ローターの正体は精神科医ではなく

彼もまた同じ病棟に入院していた患者だったのです

周りとの話が噛み合わず怒ったポール・ジョージはペンションを出て行き

ローターはアンカーに追い出されます(その後ふたりは合流)

さらにさらにアンカーの穴掘りを怪しいと思ったフレイヤがネットで調べ

アンカーがかっての強盗犯であることを知ります

夫とはもう愛がないから一緒に逃げようと色仕掛けで迫る

早く金を見つけようと焦るアンカーにマンフレルは目印を教えます

マンフレルは幼いころから何かを伝えたいときには

古代バイキングたちが使用していた「ルーン文字」を使っていました

森でルーン文字の書かれた板を見つけたアンカー

しかし現れたのは現金でなく、犬の白骨でした

マンフレルはアンカーに「大切な事は忘れる」と言います

幼いころの記憶が甦るアンカー

兄に知的障害があることで、父親から虐待を受けていたこと

兄の面倒を見れない罰として、愛犬を殺さねばならなかったこと

さらに父の遺品が埋められた場所が示され

父親が家族を棄て出て行ったのではなく

兄が階段から突き落とし、弟がとどめを刺す

兄弟で父親を殺し遺品を隠したことがわかります

その時テレビで放送されていたのが

ジョン・レノンが殺されたニュースでした

アンカーは記憶を消すことで

マンフレルはジョンになることで、自分を救っていたのです

マンフレルはバカじゃない

それどころかとても頭がいいことにやっと気付いたアンカー

そこに凶悪凶暴なフレミングがやって来て

彼を宿泊客と間違えたフレイヤを殴り倒しハンマーで頭を一撃

アンカーに金のありかを吐けと

マンフレルを監禁し彼の人差し指を切り落とします

声もあげないマンフレルに驚くフレミング

(父親からの虐待で痛みへの感覚がマヒしている)

しかしマンフレルは弟を助けるため金のある場所に案内すると言います

マンフレルに銃を突きつけ車を運転させるフレミング

最初は車の運転に怯えるマンフレルですが、やがて車は超猛スピードに

さすがのフレミングもスピードを落とすよう命令

そこでマンフレルが得意?(笑)のロケット身投げ

暴走した車は道路を大きく外れ木に衝突すると大破し炎上

戻ったマンフレルは切り取られた指を見つけると大事そうに抱え

(ちゃんと病院に行ってくっつけてもらえたのかな)

本当の金の隠し場所をアンカーに教えます

しかもフレイヤは生きていた(笑)

ラスト

自称ジョン、ポール・ジョージ、リンゴ、なぜかローターの4人の

ビートルズ発表会で「Twist & Shout」が披露され

その姿をアンカーと姉、ヨリを戻したヴェアナとフレイヤ夫婦が

温かく見守っていたのでした

ついでにヴェアナがバイキングの衣装デザイナーとして成功する予感(笑)


【解説】映画.COMより

「ライダーズ・オブ・ジャスティス」や「愛を耕す人」「アフター・ウェディング」の脚本などでも知られるデンマークのアナス・トマス・イェンセン監督が、これまでにも数々の作品でタッグを組んだマッツ・ミケルセンを主演に迎えて描いたヒューマンドラマ。

強盗事件で服役していたアンカーは、出所後、事件の際に大金を隠した兄マンフレルと15年ぶりに再会する。しかしマンフレルは隠し場所を忘れているばかりか、自身をジョン・レノンだと思い込むようになっていた。2人は隠した大金の入ったバッグを探す旅に出るが、その道行きはやがて、それぞれが自分自身の在り方を見つめ直す旅へと変わっていく。
記憶を失い自分をジョン・レノンと思い込んでいるマンフレルをミケルセンが演じ、風変わりで独特なキャラクター像を体現する。弟アンカー役には、同じくイェンセン監督と何度もタッグを組んできたニコライ・リー・コスが扮する。2025年のベネチア国際映画祭アウト・オブ・コンペティション部門でワールドプレミア上映され、本国デンマークでは同国の実写映画の歴代興行収入記録を更新する大ヒットを記録した。

2025年製作/116分/PG12/デンマーク・スウェーデン合作
原題または英題:Den sidste viking
配給:スターキャットアルバトロス・フィルム