「魂を救える神はいても 命を救える神はいない」
勝手に「夏ホラ」祭
でも想像していたのと違った(笑)
とんでもなくワンコちゃんたちが賢くて可愛い
小さい子から大きい子
クッションみたいにモフモフだったり、ほっそりだったり
こんなにも大勢の可愛い子を集めたことにも感激(まさかCG?)
犬が人間を食い殺すシーンはあるものの、グロさは控えめ
むしろ相手が極悪人なので、スッキリ(笑)
ラストは「フランダースの犬」(黒田昌郎監督のテレビアニメ版ね)ほど
号泣するとは行きませんでしたが(笑)
感動してしまいました
原題は「Dogman」
リュック・ベッソンは「父親が5歳の男の子を犬用ケージに4年間監禁した」
という記事を見て、このアイデアを生み出したそうです
警察の検問で停められた一台のトラック
荷台には数十匹の犬が積まれ
(IKKOさんにしか見えないのはご愛敬)
彼女?彼?を男女どちらに収監するべきか
精神科医のエヴリンが呼ばれます
エヴリンはまず、自称ダグラスこと”ダグ”マンロウの生い立ちを聞き出します
彼は闘犬のブリーダーで、敬虔な?クリスチャン一家に生まれましたが
父親はダグを虐待し兄はそうなるよう父親をけしかけていました
ある日、お腹を空かした犬たち餌をあげるため
自らの食事をポケットに隠したダグ
そのことを知った父親は「そんなに犬が好きか」と
ダグを犬たちの檻に監禁します
妊婦だった母親は缶詰の食料を「土に埋めて隠しなさい」とダグに渡すと
家を出て行ってしまいます
それからダグは母親が隠していた雑誌で世間を学び
一匹の犬が産んだ子犬たちを可愛がるダグ
それを知った兄がまたまた父親にチクり
母親が家出したのはダグのせいだと思ってる父親は
ライフルでダグを撃ちます
当たったのは小指したが、ダグはその指を一匹の犬に持たせ
雑誌のパトカーの絵を見せると、そこに運ぶよう命じます
しかしダグは撃たれた衝撃で脊髄を損傷し、下半身不随となり
父親と兄は逮捕されますが
父親はすぐに自殺、釈放された兄は犬たちに襲われます
その後引き取られた養護施設で
演劇部の顧問でサルマという聡明な女性と知り合います
サルマと共にシェイクスピアの演劇をし、彼女に恋をしますが
ブロードウェイデビューを果たし、成功したサルマに会いに行くと
彼女はすでに結婚していて、おめでたでした
さらにダグは大学で学位を所得したものの、障がい者の雇用はなく
保護犬のシェルターの管理人として働いていましたが
シェルターが閉鎖されることになり、犬たちを連れて消えることにします
その資金はどこからという問いには、助け合いによるものと答えます
やっとのこと、タグはゲイキャバレーでシャンソンを歌う仕事を見つけます
なんと主演のケイレブ・ランドリー・ジョーンズは5ヶ月の間
車椅子で過ごし、歌い方も学んだそうです
さらに犬たちを使って、金持ちの家から金品を盗んで生計を立てていました
ダグ曰く(貧しく困ってる人々への)「富の再配分」
ある日、配線工事に来たことのある青年から
ダグが世話になっているクリーニング店(洗濯屋ではなく清掃業?)の女性が
ギャングから多額の「みかじめ料」を請求され困窮していることを知らされます
犬を使い女性に係わらないよう忠告するダグ
しかしギャングのボスは約束を破り、手下と青年を連れてやって来て
青年を殺してしまいます
するとワンちゃんたちが恐ろしいほどのチームワークで
ディズニー&ピクサーのアニメのようにギャングを退治していき(笑)
ダグは可愛い「子どもたち」たちをトラックに乗せ逃げたのです
(トラックはどこから調達した?笑)
「なぜ話をしてくれたの」と尋ねるエヴリンに
「あなたも痛みを知っている人だから」とダグ
帰宅したエヴリンが幼いわが子を抱きしめているとき
ダグは身支度を整えていました
(留置所に剃刀?スーツはどこから出てきた?笑)
留置所に忍び込んだ犬たちは、警察官から鍵を奪いダグを檻から救出します
(だいぶ無理があるがな 笑)
ダグは自力で歩くたび、脊髄液が漏れ死に至るという爆弾を抱えていました
ダグが日曜教会に歩いて向かうと、西日が教会を照らし
十字架の影がダグと重なると、そのまま倒れます
放たれた犬たちがあちこちから集まりダグに寄り添う
何かを感じたエヴリンが窓の外を眺めると
そこには常にダグを見守っていた門番のハウンドが
エヴリンを真っ直ぐ見つめていたのでした
ダグからエヴリンを守るよう使わされたように
たぶん作品全体に、キリスト教の教えが強く関わっていて
死ぬことは命の終わりではなく
神から罪を許され永遠の安息を与えられることを示しているようですが
私的には残されたワンコちゃんたちが
このあと幸せに暮らしてくれることを祈るばかりでした
【解説】映画.COMより
「レオン」のリュック・ベッソンが実際の事件に着想を得て監督・脚本を手がけたバイオレンスアクション。
ある夜、1台のトラックが警察に止められる。運転席には負傷した女装男性がおり、荷台には十数匹の犬が乗せられていた。「ドッグマン」と呼ばれるその男は、自らの半生について語り始める。犬小屋に入れられ、暴力を浴びて育った少年時代。犬たちの存在に救われながら成長していく中で恋を経験し、世間になじもうとするも、人に裏切られて深く傷ついていく。犬たちの愛に何度も助けられてきた彼は、生きていくために犬たちとともに犯罪に手を染めるが、「死刑執行人」と呼ばれるギャングに目をつけられてしまう。
「アンチヴァイラル」「ゲット・アウト」のケイレブ・ランドリー・ジョーンズが主演を務め、圧倒的な存在感でドッグマンを演じきった。共演は「フレッシュ」のジョージョー・T・ギッブス、「ザ・ベイ」のクリストファー・デナム。2023年・第80回ベネチア国際映画祭コンペティション部門出品。
2023年製作/114分/PG12/フランス
原題:Dogman
配給:クロックワークス