洋画・サスペンス/犯罪/マネー

ボーン・コレクター(1999)

原作はジェフリー・ディーヴァーの同名小説 原題は「The Bone Collector」で”骨の収集家”という意味ですが ここでは劇中に登場するミステリー小説の書名のこと 事故により寝たきりになった敏腕の元科学捜査官が、女性巡査に現場捜査させ 連続猟奇殺人鬼の逮…

SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2023)

原題は「She Said」(彼女は言った) 2017年、「ミラマックス」社のCEO兼映画プロデューサー ハーヴェイ・ワインスタインの30年間にわたる性的加害を暴き #MeToo運動が広がるきっかけのひとつとなった ニューヨークタイムズの2人の女性記者の活躍を描いた伝…

アウトフィット(2022)

原題は「The Outfit」 アウトフィットとは(出かける際に必要な)「衣装ひとそろい」のことで アル・カポネがボディーガード達のことを 「アウトフィットのひとつ」とマスコミに話したことから シカゴ・マフィアをそう呼ぶようになったそうです 「衣装」とマ…

ザリガニの鳴くところ(2022)

原題は「Where the Crawdads Sing」(ザリガニが歌う場所) 原作はディーリア・オーウェンズのベストセラー殺人ミステリーで 北欧ミステリーを思わせる肌ざわり 作者はジョージア州の自然の中で育ち、生き物に興味を持つようになり 大学で生物学を学び、同じ…

靴ひものロンド(2020)

原題はイタリア語の「Lacci」(ひも)ですが 罠、たくらみ、 策略 、首吊りなわ、 きずな、という意味もあるそうです これが終盤の「ラベス」(la bestia=獣)という猫の名前にも繋がっていきます 巧みな伏線回収と時系列をシャッフルした展開が見事 家具や…

聖なる証(2022)

原題は「The Wonder」(驚き、不思議、素晴らしい) 現代の撮影スタジオにナレーション 「これから映画「聖なる証」が始まる、この物語を信じてほしい」 「1862年アイルランド人は英国が原因で大飢饉で苦労したと憎んでいた」 このオープニングには、ちょっ…

RUN/ラン(2020)

原題も「RUN」(走る) 何の前情報もなく鑑賞したのがよかった(笑) 短い尺の中に2度ほど大きな盛り上がりがあり オチも効いている 監督のアニーシュ・チャガンティはインド系アメリカ人で ハリウッド映画とはどこか一線を画しているのが面白い ヒロインを…

ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密(2019)

原題も「KNIVES OUT」(複数のナイフが出ている状態) この長くてダサい副題が駄作を思わせますが、面白い (原題のままか、単純に「刃(ナイフ)の館」でよかったのでは) 遺産相続殺人ものの古典ミステリーで、展開の予想はつきますが(笑) マグカップだっ…

アイ・ケイム・バイ(2022)

原題も「I Came By」(私は来た) Netflixのランキングはあてにならんな(笑) 面白くないことはないけど、BC級 逆にB級映画やツッコミ系好きマニアには たまらないものがあるかも知れません(笑) トビー(ジョージ・マッケイ)とジェシー(パーセル・アス…

残り火(2022)

デンマーク映画の完全犯罪もの 原題は「Kærlighed for voksne」(大人への愛) 浮気をした男に主導権は無いし、同情の余地もない 一風変わった不倫映画を見たい人におすすめ 森と湖に囲まれたハイセンスな別荘 クリスチャンは親友と共同で建設会社を経営し 妻…

永遠に僕のもの(2018)

原題は「EL ANGEL」(天使) 1971年アルゼンチン、ブエノスアイレスで 11件の殺人と40件以上の強盗、窃盗、誘拐 レイプ共犯などで有罪判決を受けた 当時19歳のカルロス・ロブレド・プッチ(1952生)がモデル 主人公がもう竹宮恵子の「風と木の詩」から 飛び…

ピエロがお前を嘲笑う(2014)

「ハッカーにとって、進入できないシステムはない」 原題は「Kein System ist sicher 」(安全なシステムはない) 伊坂幸太郎さんの小説のタイトル(笑)のような邦題は 主人公たちのハッカー・グループ名 「CLAY」 (Clowns Laugh At You= ピエロがお前を…

THE GUILTY/ギルティ(2018)

原題は「DEN SKYLDIGE」(デンマーク語で”犯人”) アイディア勝負の低予算サスペンス 電話の会話のみで進むストーリー展開は 密室劇というより、ラジオドラマに近い感覚 単純なシーンの連続にもかかわらず 88分と短くまとめているので飽きさせません 舞台は…

ゾディアック(2006)

原題も「ZODIAC」(黄道帯) ゾディアックとは1968年から1974年にかけて サンフランシスコ市内で若いカップルを中心に少なくとも5名を殺害し 新聞社や警察に多量の犯行声明文を送りつけ捜査をかく乱した連続殺人犯のこと 「ダーティハリー」(1971)に登場する…

ザ・レポート(2019)

原題も「The Report」 「The Torture Report」から 「Torture」の文字をマーカーで塗りつぶしたのが本作のタイトル「Torture」とは「拷問」のこと 派手さや面白さはないけれど、深く考えさせられる ポリティカルサスペンスであり、ドキュメンタリー ちょうど…

アウト・オブ・サイト(1998)

原題も「OUT OF SIGHT」(死角) スティーヴン・ソダーバーグ流シャープで、ユーモアがあって ジョージ・クルーニーとジェニファー・ロペスの スタイリッシュなストックホルム症候群もの この頃のジェニファー・ロペスとアンジェリーナ・ジョリーって メイク…

ゴーン・ガール(2014)

「妻のことを考えるとき、いつも思い出すのは彼女の後頭部だ かわいらしい頭蓋骨を砕き、脳を取り出して、答えを知りたいと考える 結婚における最も重要な疑問の答えだ 何を考えているのか?何を感じているのか?互いに対して何をしてきたか?」 原題は「GON…

本当の目的(2015)

「この国自体が売春婦みたいなもの」 原題は「Три дена во септември」 英題は「Three Days in September 」( 9月の3日間) マケドニア(正式国名「北マケドニア」独立は1991年)と コソボ(独立は2008年)合作のマケドニア語映画 マケドニア語は北マケドニ…

湿地(2006)

原題も「Mýrin」 (アイスランド語ミリン=ボグー酸性の泥炭が蓄積する湿原のこと ) 長ったらしい副題の付いたタイトルにはうんざりする こういうシンプルな邦題がいい 製作が2006年にもかかわらず、日本公開が2015年というのも 北欧ミステリーブームに乗っ…

特捜部Q カルテ番号64(2018)

原題は「Expediente 64」(ファイル64) 過去の未解決事件を専門に扱うコペンハーゲン警察の 「特捜部Q」シリーズ待望の4作目 1961年にスプロー島にあった女子収容所と 「特捜部Q」でアサドが異動になるまでの1週間 アパートの解体中に見つかった3体のミイラ…

ヘッドハンター(2011)

原題は「HODEJEGERNE」(ノルウェー語 ヘッドハンターズ) ヘッドハンターズには「首狩り」(人間狩り)という意味もあるそうです ノルウェーで歴代最高の興行収入を記録した クライムサスペンス&ブラック・コメディ 北欧映画の話題作にはハズレがないです…

夜の訪問者(1970)

原題は「De la part des copains」(友人から) 「激突!」(1971)「ヘルハウス」(1973)や 傑作恋愛映画「ある日どこかで」(1979)で知られる リチャード・マシスンの同名小説をフランス(イタリア合作)で映画化 フランス語が堪能なチャールズ・ブロンソンは吹…

女神の見えざる手(2016)

原題は「MISS SLOANE」(ミス・スローン)最近稀にみる素晴らしい邦題(笑)”勝利の女神”や”切り札”を感じさせるいいタイトルだと思います 批評家からの評価は低く、興行的にも失敗したそうですがこれはかなり面白く刺激的「ユージュアル・サスペクツ」(1995…

ボーダー(1982)

原題も「THE BORDER」(国境)「レッズ(1981)」と「愛と追憶の日々(1983)」の間のジャック・ニコルソン主演の作品有名でもおかしくないはずのに、知らない作品でした(笑) メキシコからの密入国の実態と、賄賂で私腹を肥やす国境警備隊の腐敗そこに難民で子…

マネーモンスター(2016)

「儲かっているときは黙っていただろ」ニューヨークの銀行に強盗に入ったものの、すでに金は持ち出された後ですぐさま警官隊とマスコミに囲まれてしまう人質をとって立て籠るものの唯一の望みはどうにか助かろうとするだけのマヌケなお人好しなのに民衆から…

ハウス・ジャック・ビルト(2018)

「ヒトラーのことが理解できるし、少し共感もしているユダヤ人には同情しているが、イスラエルはいらつく存在なので同情しすぎてはいない」2011年のカンヌ映画祭で「メランコリア」を出品したときのこの発言で映画界を干されそうになったラース・フォン・ト…

スーパー・チューズデー ~正義を売った日~(2011)

「政界に長くいるとひねくれるぞ、俺みたいに」原題は「THEIDES OF MARCH」"IDES"とはラテン語で”半分のところ”という意味で、月でいえば15日戯曲「ジュリアス・シーザー」で、カエサルが占い師に忠告される「Bewarethe Ides of March」(3月15日に用心しろ…

顔のないスパイ(2011)

原題は「THEDOUBLE」(二重の)タイトルでネタバレしてどうする(笑)ありきたりなB級映画、ただリチャード・ギアが出てるだけ(笑)だいたい国家を守るはずのスパイが仕事より何より人情家で安息の場所が愛する妻と子どもがいる“我が家”っておかしいだろ?…

ミルドレッド・ピアース(1945)

日本では未公開、戦後も公開されなかったそうですがアメリカでは高い評価を受け(ジョーン・クロフォードがオスカー受賞)マイケル・カーティス監督の最高傑作と言われているそうですアプローチはダグラス・サーク監督の「悲しみは空の彼方に」(1959)と似て…

マッキントッシュの男(1972)

ジョン・ヒューストン×ウォルター・ヒル×ポール・ニューマンモーリス・ジャールのスコア原作は「高い砦」のデズモンド・バグリイが1971年に発表した冒険小説映画のほうは、わかりにくい、つまらないとキネマ旬報でも酷評だったということです確かに、登場人…