ヘッドハンター(2011)

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原題は「HODEJEGERNE」(ノルウェー語 ヘッドハンターズ)

ヘッドハンターズには「首狩り」(人間狩り)という意味もあるそうです

ノルウェーで歴代最高の興行収入を記録した

クライムサスペンス&ブラック・コメディ

北欧映画の話題作にはハズレがないですし

レビューの評価もかなり高いので観賞してみました

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話の進め方はタランティーノ的で、雰囲気はダニー・ボイル

だけどタランティーノよりグロくて、笑えるし

先の見えない展開や、伏線の回収のうまさは

ダニー・ボイルよりノレる(笑)

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主人公のロジャーは、やり手のヘッドハンター

転職を考える優秀な人材や、大企業からの信頼は厚く

画廊を営む美しい妻ダイアナと

ロッテという体の関係だけの愛人までいる

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そんなロジャーのコンプレックスは背が低いこと

男性で168センチは、それほど低身長とは思いませんが

ロジャーは長身の女性が好みなんですね(笑)

なので妻のダイアナも180センチ以上ある

 

妻に嫌われないよう、せっせと高価なプレゼントを贈ります

そのために有名絵画を贋作とすり替えて盗むという

裏の顔をもっていました

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そんな美人妻の前に、財産を相続した金持ちで超イケメン

大手企業で電子機器の開発に成功したという、元軍隊のエリート

クラスという男が現れます

しかもかってナチスドイツが所有していた貴重な絵画を持っているという

ロジャーは絵画泥棒の相棒、オーヴェに連絡

 

だけどオーヴェはロシア人美女と全裸でサバイバルゲーム

北欧にはこういうお楽しみもあるのか(笑)

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ロジャーはクラスの持つ絵画を盗み出すことに成功

そのとき窓から見えた子どもたちの姿に思わず

(子どもを作る作らないで)喧嘩したダイアナに電話してしまいます

するとすぐそばで着信音が聞こえ、ベッドルームから携帯が見つかりました

ダイアナはクラスと浮気していたのです

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怒ったロジャーは、クラスの企業への推薦をやめてしまいました

すると翌朝ガレージにはオーヴェの死体

と思って湖に捨てると、息を吹き返すオーヴェ(笑)

オーヴェは薬物が打たれていて、隠れ家に運ぶものの

そこで救急車を呼ぶ、呼ばないで口論となり

ロジャーははずみでオーヴェを撃ち殺してしまいます

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オーヴェの車で逃走し、ある農場の納屋に隠れます

しかし確実にクラスは追いかけてくる

クラスこそが、本物のヘッドハンターズ

首狩り男だったのです

 

そこからは想像以上のグロさ(笑)

まさかのトイレットペーパーを咥えた肥溜め隠れ

まさかの猛犬のトラクター串刺し

まさかのデブ警官×2のエアバック

まさかのスキンヘッド(&スナックの袋)

まさかのスケベカメラ

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ロジャーは匿ってもらうため、別れた愛人ロッテの家に行き

そこですべての真相を聞かされます

 

クラスに追われたのは絵画盗難の件ではなく(笑)

企業乗っ取りのためロジャーに近づいたものの

ロジャーの(嫉妬心の)せいで目的の企業に就職することができなくなり

ロジャーが邪魔になったのです

 

ロジャーははずみでロッテも撃ち殺し

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ノルウェーでは浮気も夫婦間で公認ならOKなのか(笑)

家に帰りダイアナに全てを打ち明け、お互いの愛を確認し合います

 

証拠隠滅のため、パトカーで転落死した警官を検死している

施設に侵入し証拠品を盗み出すと

オーヴェの死体の残された隠れ家に行き、清掃をはじめます

そしてヘッドハンターズは必ずやってくる

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監視カメラにナターシャのエロな映像を流しておき

(オーヴェはそれで警備会社の社員から金を貰っていた 笑)

カメラに写らない位置にマシンガンを隠しスタンバイ

そして銃を構えるクラスの姿と、撃ち殺される姿が

監視カメラに映し出され警備会社の社員に目撃されます

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ロジャーはクラスを撃った銃をオーヴェの遺体に持たせ

ダイアナの待つ車で隠れ家を後にしました

クラスの銃の弾を抜いたのも、ロッテ殺害をクラスの犯行に見せかけたのも

ダイアナが計画したものだったのです

 

ひとりのベテラン刑事がロジャーを怪しみ

オーヴェの死亡推定時刻に疑問を抱いていたものの

出世やメディアを煩わす、面倒な事は大嫌い(笑)

結局オーヴェの単独犯という解決を迎えます

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あれだけの死人が出ながら、DNA検査もない

科学捜査を完全に無視したラストも、ツッコむしかないのですが(笑)

 

なぜか後味は悪くない

映画だからできる、ありえないこと

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ハリウッド的なアクションや

お約束な結末に飽きてしまった人に超おススメ

ポップコーンムービーに反旗をひるがえしたという意味で

傑作だと思います

 

 

【解説】allcinema より

ノルウェーの作家ジョー・ネスボのベストセラー・ミステリーの映画化で、予測不能の展開が評判を呼びハリウッドがリメイク権を獲得したことでも話題となったノルウェー産クライム・サスペンス。背が低いことだけがコンプレックスのロジャーはノルウェーでも有数のヘッドハンター。しかし彼には、画廊を営む美しい妻の気持ちを繋ぎ止めるために行っている、もう一つの裏の顔があった。それは、ヘッドハンターの立場を巧みに利用して、契約相手が所有する高級絵画を盗み出すというもの。そんなロジャーの新たなターゲットは、妻がとっておきの情報を仕入れた精密機器メーカーの元重役、クラスだった。これを最後に裏稼業から足を洗おうと考えていたロジャーだったが…。