2023-08-01から1ヶ月間の記事一覧

シャドー(1982)

原題は「TENEBRE SOTTO GLI OCCHI DELL'ASSASSINO」 (影‐殺人者の目の前で) ひとめでダリオ・アルジェントとわかる 人間の隠れた悪性の焦点を当てた エロティックな殺人スリラーですが なんと、アルジェント自身がアメリカで遭った ストーカー行為や殺人予…

殺しのドレス(1981)

原題の「Dressed to Kill」(殺すための服装)とは (パーティなどで)異性の気を惹くためセクシーに着飾ることで 女性が男性を悩殺する、というニュアンスがあるそうです シャワーで襲われる夢に始まり 美術館からエレベーターに至る序盤がとにかく最高 い…

コールガール(1971)

原題は「Klute」(クルート=主人公である警官の名前) ジャンルとしてはサスペンスものですが 犯人探しのプロセスが単純で、種明かしもすぐにわかります 後半は悩める娼婦と孤独な警官の恋物語ですが、中途半端(笑) だけど、クールと可愛いらしさが入り混…

帰らざる夜明け(1971)

原題は「La Veuve Couderc」(未亡人クーデルク) カミュの「異邦人」の主人公 ムルソーの後日譚を思わせるようなストーリーでしたね ムルソーは母親の葬儀で涙を流さなかったせいで 人間味のかけらもない冷酷な人間だと非難され さらに友人のトラブルでアラ…

離愁(1973)

原題は「Le Train」(列車) ロミー・シュナイダー主演作の中でも特に人気で 評価が高いですね 1940年フランス北西部、ドイツ軍の攻撃から逃れるための 疎開列車での出会い それから3年後 男は警察(フランス警察であるが、ナチスの秘密警察下)に呼び出され …

ピアニスト(2001)

原題は「La Pianiste」 原作は「ポルノ作家」などとして非難されたオーストリアの エルフリーデ・イェリネク(2004年ノーベル文学賞受賞)の 「Die Klavierspielerin」(ピアニスト 1983) 賛否両論も当然の作品とは思いますが いままでにないマゾヒズムの解…

アメリカの影(1959)

影=黒人=人種差別 影(私)、に居場所はあるのか 尊厳はどう守るのか 原題は「Shadows」(影達) ジャズの即興演奏にインスパイアされ、即興的演出で作られたという インデペンデンス(独立)映画の父、ジョン・カサヴェテスのデビュー作 ニューヨークでの…

夕なぎ(1972)

原題は「Cesar et Rosalie」(セザールとロザリー) ひとりの魅力的な女性をふたりの男が取り合ううちに やがて男同士の友情が芽生えていく・・・というもの クロード・ソーテは男女の三角関係よりむしろ ホモソーシャル(対女性やゲイでない、男性間の親密…

すぎ去りし日の……(1970)

原題は「Les Choses de La Vie」(人生の選択) 働き盛りの中年男が、長年つれ添った妻と若い愛人の間を フラフラする話なのですが ロミー・シュナイダーは自身の主演作のなかで 本作が「もっとも好きな映画」と言っていたそうです オールバックにまとめた栗…

HOT SUMMER NIGHTS/ホット・サマー・ナイツ(2018)

「言わないで 夏が終わってもまだ言いたかったら 言って」 原題も「Hot Summer Nights」(熱帯夜) ここ数年注目され続けているA24の制作 といっても、中身はびっくりするほどありません(笑) 甘酸っぱい夏の想い出ではなく ハメをはずし過ぎ、取り返しがつ…

エム・バタフライ(1993)

「蝶々夫人を美しいと感じるのは 西洋人が東洋人を無意識に見下しているから」 原題も「M.Butterfly」(マダム・バタフライ=蝶々夫人) といってもオペラ「蝶々夫人」の現代版アレンジではなく(笑) 文化大革命時、京劇女優に本気で恋してしまった フラン…

ガタカ(1997)

「ぼくに何ができるか決めつけるな」 原題も「Gattaca」 "Gattaca" のGとAとTとCは、DNAの基本塩基であるguanine(グアニン) adenine(アデニン)thymine(チミン)cytosine(シトシン)の頭文字で ここでは航空宇宙局の名称 近未来、 出生直後の遺伝子検査…