HOT SUMMER NIGHTS/ホット・サマー・ナイツ(2018)

「言わないで 夏が終わってもまだ言いたかったら 言って」

原題も「Hot Summer Nights」(熱帯夜)

 

ここ数年注目され続けているA24の制作

といっても、中身はびっくりするほどありません(笑)

甘酸っぱい夏の想い出ではなく

ハメをはずし過ぎ、取り返しがつかなくなってしまった夏休み

でも最後まで飽きずには見れました

まず、登場人物が魅力的ですし

衣装や音楽の90年代カルチャーも懐かしい

とにかく見せ方が巧いんですね

 

封切られたばかりの「ターミネーター2」とかも

年代的にドストライクでしたし(年がバレるよ)

ロリポップキャンディの使い方なんてもう最高 (笑)

父親を亡くし、喪失感を抱えたヲタクの青年ダニエル(ティモシー・シャラメ)は

大学に入学前の夏休みの避暑地のケープコッド

ひょんなことから地元のワル、ハンター(アレックス・ロー)と仲良くなり

ほんの軽い気持ちでマリファナの売人を始めてしまう

 

同時に好きな娘、マッケイラ(マイカ・モンロー)もできますが

マッケイラはハンターの妹で、ハンターに言い出せません

(遊び人だと思っていた娘が、実は真面目と言うギャップがいい)

やがて大金が転がり込むようになり、高級車を手に入れ

自信がついたダニエルは、マッケイラと付き合うようになります

しかし妹を何より大切にしているハンターにバレるのが怖い

 

にもかかわらず、もっと大金を稼ごうとしたダニエルは

ハンターに内緒でコカインにまで手を出そうとしていました

ストーリーは監督が学生時代に見た

ふたりの若者の実際の出来事が基になっていそうです

映画のように大々的に売買などはしていないでしょうが

日本でも某大学の寮からマリファナ等が見つかり

ニュースになっていますね

ダニエルも最初は暇つぶしのお遊びのつもりでした

でもおとなしくて真面目そう

誰も彼が麻薬の密売をしているなんて疑わなかったせいで

ブレーキがきかなくなってしまったのです

日本でも、何処どこの大学だから

伝統あるスポーツ部だからという理由で

怪しいところがあっても、調べることもせず

見逃がされていたのかも知れません

でも、調子に乗った代償は大きかったはず

コカインを求めポートランドに行くダニエルでしたが

その事が今までの仕入れ先のデックス(エモリー・コーエンにばれ

命を狙われるようになります

ハリケーンの嵐の中、ハンターに助けを求めに行くと

ダニエルがマッケイラと付き合っていることを知ったハンターは

ダニエルに銃を向けます

しかしダニエルを撃つことが出来ず彼を逃がします

その後ハンターはダニエルを探しに来たデックスに殺されてしまいます

母親が亡くなってから兄と口を利かなくなっていたマッケイラは

ハンターと一緒に写っている幼い頃の写真を見つけ

仲直りしようとハンターを尋ねると、彼の死体を見つけるのでした

一方ダニエルが最後に別れを告げるため

マッケイラの部屋に行くと、彼女はおらず

そこにあったのは、幼い頃のハンターとマッケイラの写真でした

ダニエルはケープコッドから去り

マッケイラもその日、ケープコッドを出たという噂が流れ

その後ふたりの姿を見た人はいなかったそうです

 

ダニエルが逃げ切れたのは「ハリケーン ボブ 」が

名にも残さず、すべて破壊してくれたからでしょうか

 

 

【解説】映画.COMより

君の名前で僕を呼んで」や「ビューティフル・ボーイ」で一躍世界から注目を集めるティモシー・シャラメが主演を務めた青春映画。1991年、最愛の父を亡くしたショックから立ち直ることができないダニエル・ミドルトンは、夏を叔母の家で過ごすため、美しい海辺の小さな町ケープコッドにやって来る。周囲の人たちとなじむことができないダニエルは、複雑な家庭の事情を抱え、地元ではワルで有名なハンター・ストロベリーとつるむようになる。町で1番の美女と称される妹のマッケイラを守ることには命をかけていたハンターからの「妹には近寄るな」との言葉に怯えながらも、ダニエルはマッケイラと秘密のデートを重ねていく。マッケイラと過ごすひとときはダニエルが自分を解放できるかけがえのない時間だった。シャラメのほか、「イット・フォローズ」のマイカ・モンロー、「ザ・リング リバース」アレックス・ロー若手俳優陣が顔をそろえる。監督は本作が長編デビュー作となるイライジャ・バイナム。

2017年製作/107分/PG12/アメリ
原題:Hot Summer Nights
配給:ハピネット