2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

これが私の人生設計(2014)

原題は「Scusate se esisto! 」(申し訳ありませんが私は存在します!) イタリア映画がジェンダー差別を描くとこうなる 実在するイタリアの女性建築家、グエンダリーナ・サリメイの ローマにあるコルビエール(長さ1キロの住宅団地)の 再開発のためのプロ…

しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス(2018)

原題は「Maudie」(モード=ヒロインの名前) モード・ルイス(1903年-1970年)はカナダの フォークアート(土地固有の文化を描いたアート) 画家 カナダの田舎の風景、動物や草花をモチーフ絵を描き カナダで最も愛されている画家のひとり 身体障害者に対…

希望の灯り(2018)

原題は「In den Gängen 」(通路にて) ざっくりとしたあらすじは巨大スーパーマーケットに入った新人従業員が 周りのスタッフと触れ合いながら、一人前になる話 アキ・カウリスマキやジム・ジャームッシュ作品のような 繰り返す日常を淡々と描いていて そん…

希望のかなた(2017)

原題は「TOIVON TUOLLA PUOLEN」(希望の向こう側) カウリスマキが欧州の社会問題を描くとこうなる(笑) シリアからの難民を取り上げたデッドパン(無表情)でシュールなコメディ そして人々の善意こそが希望であるというメッセージ 洋品店にシャツを卸売り…

特捜部Q カルテ番号64(2018)

原題は「Expediente 64」(ファイル64) 過去の未解決事件を専門に扱うコペンハーゲン警察の 「特捜部Q」シリーズ待望の4作目 1961年にスプロー島にあった女子収容所と 「特捜部Q」でアサドが異動になるまでの1週間 アパートの解体中に見つかった3体のミイラ…

花のあと(2009)

テレビドラマの延長といった感じで 映画としての出来はそれほどではないのですが(笑) まずヒロインを演じた北川景子の顔が時代劇に合わない (でも袴姿の女剣士はほれぼれするくらい美麗) ヒロインが思いを寄せる宮尾俊太郎のあまりの棒読み台詞 (なぜ俳…

0.5ミリ(2014)

「極限に追い込まれたヒトの輝きは 極限状態を凌駕し自己の実存として覚醒され、それは山をも動かすこととなるその山とは一人ひとりの心、0.5ミリ程度のことかもしれないが その数ミリが集結し同じ方角に動いた時こそが、革命の始まりである今日的日本人にそ…

キューポラのある街(1962)

「貧しいから弱くなるのか、弱いから貧しくなるのか」 舞台は鋳物の工場が立ち並ぶ埼玉県川口市 キューポラ(cupola furnace)とは、鋳物を作る溶解炉のことで 独特の形をした煙突が特徴 かっては戦争で需要があった鋳物工場は経営困難に陥り 大企業に買収さ…

家族ゲーム(1983)

公開された年の映画賞を総なめ 今でも名作だとか、森田芳光監督の最高傑作と称えられている怪作 ストーリーそのものは成績の振るわない中学三年生の息子のため 両親が大学生の家庭教師を雇い、見事進学校に合格するという単純なもの ですが、サクセス感は全…

ホワイトラブ(1979)

百恵&友和第10作目の記念映画のオリジナル・ストーリーを一般公募し 受賞作を藤田敏八と小林竜雄が脚色 今までの文芸的な作風とはうってかわって 外国語教室、品川ナンバーのオープンカー 業界でスタイリスト、商社勤務、シングルマザー インスタント食品、…

風立ちぬ(1976)

堀辰雄の同名小説の映画化 作中にある「風立ちぬ、いざ生きめやも」(風が渡っていく、さあ生きていこう) という詩句、はポール・ヴァレリーの詩『海辺の墓地』の一節 「Le vent se lève, il faut tenter de vivre.」を堀本人が訳したもの 「私」の婚約者、…

若い人(1962)

「ああいう苦しみを持った子に弱いんです」 原作は石坂洋次郎の同名小説 原作では高校教師の主人公は偽善性や卑怯さを持った 典型的な日本人男性の心情が描かれているそうですが 裕次郎にドロドロ感はなく、あくまで爽やか(笑) 女子生徒からの愛情を受け止…

「アラン・ドロン生誕85年記念祭 シネマ・ライブVOL.8」(2020)

去る11月8日(日) チェイサーさん主催、銀座タクトで行われた 「アラン・ドロン生誕85年記念祭 シネマ・ライブVOL.8」に行ってきました コロナ渦中での開催ではありましたが チェイサーさんの「ドロンさんに対して何らかの方法で 日本のファンの方々からの…

太陽の季節(1956)

原作は石原慎太郎原作の同名小説 文壇的には反対派が多かったものの芥川賞受賞、翌年には映画化され その後「処刑の部屋」「狂った果実」も映画化され大ヒット 「太陽族」という流行語が生まれ、活字メディアより 映像メディアによって作家が有名なった最初…

西鶴一代女(1952)

溝口健二は今では小津安二郎や黒沢明と並ぶ 巨匠という評価が定着しているものの この「西鶴一代女」でヴェネツィアで国際賞を獲得する以前は 好不調の波が激しく失敗作も多く、特にこの作品を発表するまでは 長いスランプに喘いでいたそうです しかし時代が…

エアポート'80(1979)

原題は「THE CONCORDE-AIRPORT '79」(コンコルド/エアポート'79) 「コンコルド」はイギリスとフランスで共同開発された マッハ2.04毎時という戦闘機並みの音速旅客機 ロンドンとニューヨークをわずか3.5時間で飛行でき ブリティッシュ・エアウェイズの前身…