洋画・ドラマ

彼方に(2023)

原題は「The After」 最愛の妻と幼い娘が、連続通り魔事件の犯人と遭遇したことによって 亡くしてしまった男の物語 いわゆる「感動ポルノ」ものになるのでしょうが (英語の「ポルノ(porn)」には、視聴者の感情を誘引させるため ”意図的に作られたコンテン…

ショーイング・アップ (2023)

「もう、飛べたんだ」 原題は「Showing Up」(現れる) 個展を間近に控えた人形陶芸家のフラストレーション 評価の高い作品ですね 登場する彫刻は映画の舞台でもあるポートランド在住のアーティストで ケリー・ライカートが長年フォローしている シンシア・…

忘れられし愛(2013)

原題は「Znachor」(インチキ) 原作はポーランドでは有名な タデウシュ・ドウェンガ=モストヴィッチによる小説で 3度目の映画化ということ ポーランド人にとってとても馴染みのある物語なんですね 大雑把にいえば「レ・ミゼラブル」のジャン・バルジャン…

彼女が目覚めるその日まで(2016)

原題は「Brain on Fire」 (燃え上がる脳) 原作はスザンナ・キャハランのベストセラー自伝 「Brain on Fire: My Month of Madness」(日本語題「脳に棲む魔物」)で 自己免疫疾患「抗NMDA受容体脳炎」という 原因不明の難病に侵された女性の 病名がわかり回…

秘密の花園(1993)

原題は「The Secret Garden」(秘密の庭園) 原作はバーネットの児童文学 日本では91年からNHKでアニメ(全39話)として制作放映され 名作アニメシリーズの「アルプスの少女ハイジ」や 「少女ポリアンナ」と重なる部分も多いですが 女の子大好系なやつ(笑)…

ディープエンド・オブ・オーシャン(1999)

原題も「THE DEEP END OF THE OCEAN」(深い海の果て) 3歳になる息子が、母親が目を離した隙に行方不明になってしまう・・ 映画の出来がイマイチなのが残念ですが(笑) テーマがテーマだけに、胸に突き刺さるものはありました 子どもがいれば、こういう状…

生きる LIVING(2022)

「生きることなく人生を終えたくない」 原題も「Living」(生きる) 黒澤明の「生きる」(1952)のリメイク 監督は南アフリカ出身のオリヴァー・ハーマナスで本作が初のイギリス映画 脚本はノーベル賞作家カズオ・イシグロ プロットはほぼ同じですが セリフ…

涙するまで、生きる(2014)

「与えれば、与えられる 求めよ、さればもたらされる」 原題は「Loin des hommes」(男から遠く離れて) 原作はアルベール・カミュの短編集「L'exil et le royaume」(追放と王国)の 中の一編「L'Hôte」(客) カミュはアルジェリアで生まれ育ったんですね …

ぶあいそうな手紙(2019)

原題は「AOS OLHOS DE ERNESTO」(エルネストの目に) 気難しくて孤独な老人が、隣人との交流によって心を開いていく・・ よくある話なんですが (不愛想なのは手紙ではなくお爺ちゃん 笑) ちょっと捻ったラストが微笑ましく、優しい気持ちになれる あまり…

真実(2019)

2011年に是枝裕和がジュリエット・ビノシュから 「何か一緒に映画を撮りませんか?」と誘われたのがきっかけ そりゃあ断れませんよね(笑) 8年の構想をかけカトリーヌ・ドヌーヴを迎えて製作した 日仏合作映画 が、大女優カトリーヌ・ドヌーヴは 是枝監督が…

ペイ・フォワード 可能の王国(2000)

原題は「Pay It Forward」(次に渡そう) タイトルの通り(助けてもらった)恩を返すのではなく 次へ渡していくお話 車を壊された新聞記者が、見ず知らずの他人から 突然高級車のジャガーを使ってくれとプレゼントされます 一体なぜ? 物語はその4ヶ月前か…

ムクドリ(2021)

原題も「The Starling」(ムクドリ) つがいで仲睦まじく子育てする(その一方で攻撃的)ムクドリと ひとり娘を失った、かっては円満だった夫婦の喪失と再生と描いたドラマ 私、職場で休憩中に「中田敦彦のYoutube大学」とか見ていて いわゆる教養本の解説が…

Mank/マンク(2020)

原題も「Mank」 マンクとは「市民ケーン」(1941)の不遇の脚本家 ハーマン・マンキウィッツ(ジョゼフ・マンキーウィッツの実兄) のあだ名 デヴィッド・フィンチャーの父親、ジャック・フィンチャーの脚本に 映画会社による政治活動や、社会革命運動の弾圧と…

ファーザー(2020)

原題も「The Father」(父) 認知症の親、またはパートナーの介護の苦労を描いた作品は多くありますが 認知症になった人間側から見える世界を描いているのは珍しい しかも自分も認知症を患ったかのように疑似体験できる 顔が判断できなくなる 記憶の時系列が…

消えない罪(2021)

原題は「THE UNFORGIVABLE 」(許されざる者) サンドラ・ブロック制作主演(57歳と思えば若い) しかも女らしさを全てかなぐり捨てて熱演 元受刑者が社会復帰する難しさ 世間からの偏見、厳しい風当たり 被害者家族の復讐心 それぞれの人々の立場は違うけど…

家へ帰ろう(2017)

「 神様はひとりだけよ 呼び方は違っても、みんな同じように守ってくれるわ」 原題は「EL ULTIMO TRAJE」(最後のスーツ) ユダヤ人のお爺さんのロード・ムービーといえば 「手紙は憶えている」 (2015)がありますが (年月を超えた)復讐ではなく、和解 し…

ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像(2018)

原題は「Tumma Kristus」(未詳の巨匠) 邦題の「ラスト・ディール」は最後の取引という意味 フィンランド映画って子どもが可愛いくて インテリアがお洒落なイメージがあるのですが(笑) 本作も古びた画廊や街並み、イマドキな少年がヨカッタですね ヘルシ…

あしたは最高のはじまり(2016)

原題は「DEMAIN TOUT COMMENCE」(明日は新しい一日」) 2013年のメキシコ映画「Instructions Not Included」 (受け入れられません 日本未公開)のリメイク 黒人と白人のカップル、未婚の親、LGBT 生物学的な親と育ての親、親権争い この映画がヨーロッパで…

コッホ先生と僕らの革命(2011)

原題は「DER GANZ GROßE TRAUM」(大きな夢のため) 1874年ドイツの学校で初めてサッカーゲームを導入した 「サッカーの父」と呼ばれるコンラート・コッホ(1846~1911)がモデル ですが、史実とはかけ離れているそうです プロットは「今を生きる」(1989)に…

もうひとりの息子(2012)

原題は「Le fils de l'Autre 」(他の子) 名前も作品も知らない監督でしたが(笑) (フランス国籍のユダヤ人)女性で、年齢も近く 主人公と同じ年頃の息子がいるせいか、その感性にはとても共感しました 大まかなストーリーは、よくある赤ちゃん取り違えも…

ローマの奇跡(2006)

原題は「Per non dimenticarti 」(英題forget you not=忘れないで) 戦後間もない1947年のローマの産科病棟で 出産を待つ9人の女たちの数日間の物語 雰囲気は成瀬巳喜男に似てるといいますか 夫は仕事のことでも、家庭のことでも、優柔不断で女性の気持ち…

0.5ミリ(2014)

「極限に追い込まれたヒトの輝きは 極限状態を凌駕し自己の実存として覚醒され、それは山をも動かすこととなるその山とは一人ひとりの心、0.5ミリ程度のことかもしれないが その数ミリが集結し同じ方角に動いた時こそが、革命の始まりである今日的日本人にそ…

愛しのシバよ帰れ(1952)

原題は「COME BACK, LITTLE SHEBA」 (戻ってきて、リトルシバ) 「シバ」とはかつて飼っていた小犬のこと ある朝、部屋を探している女子大生マリーがローラを訪ねてきます ローラから話を聞いた夫のドクは渋りますが 再訪してきたマリーを一目見たとたん ド…

チョコレートドーナツ(2012)

「マルコが好きなのはハッピーエンドだった」 原題は「ANY DAY NOW」(いつの日か)でボブ・ディランの「I Shall Be Released」(1967)(私は解放(釈放)されるべきだ)のサビの部分の歌詞になります この映画を見て、ふと思い出したのが2016年7月に発生した…

ワンダー君は太陽(2017)

原題は「Wonder」ワンダーは「不思議」や「驚き」という意味がありますがここでは「奇跡の子」ということ トリーチャーコリンズ症候群とは、遺伝子の突然変異によって頬や顎の骨が未発達、または欠損した状態で生まれ耳の穴がなく聴力障害を伴うこともある5…

チワワは見ていた ポルノ女優と未亡人の秘密(2012)

原題は「STARLET」(スターレット =愛犬の名前)「STARLET」には「小さな星」や「スターの卵」という意味もあるそうですそれにしても毎度のことながら副題でネタバレする配給会社のやり方はなんだしかもチワワじゃなくてミックスだし(笑) 邦題のせいで損…

カンパニー・メン(2010)

「俺が破滅しても誰も気づかない」原題も「THE COMPANY MEN」(会社の男) ざっとしたあらすじは、世界金融危機(リーマンショック)後のサラリーマンの人間模様コロナショックの今、決してよその国や映画の話でなく現実味を帯びています アメリカの映画を見…

ベロニカとの記憶(2017)

原作はジュリアン・バーンズの同名小説「THE SENSE OF AN ENDING」(終わりの感覚) アプローチは「さざなみ」(2016)に似ていてシャーロット・ランプリングがさすがの凄み終盤はミステリー調の展開になっていきます 趣味のライカの中古専門店を営むトニーに…

ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ(2016)

原題も「THE FOUNDER」(創始者)ムカつくこと極まりない内容でしたが(笑)わかりやすく、テンポがよく、最後まで引き込まれました マイケル・キートンの代表作になると思いますしマクドナルド兄弟を演じたニック・オファーマンとジョン・キャロル・リンチも…

サーミの血(2016)

原題も「Sami Blood/Sameblod」スゥエーデン出身のアマンダ・ケンネル監督は自分がサーミ人の血を引いていることからサーミ文化の映画制作を考え出演者もサーミ人を起用したそうです(姉妹は本当の姉妹) 「ラップランド」といえば子どもも大人も憧れる”サン…