原題も「The Starling」(ムクドリ)
つがいで仲睦まじく子育てする(その一方で攻撃的)ムクドリと
ひとり娘を失った、かっては円満だった夫婦の喪失と再生と描いたドラマ
私、職場で休憩中に「中田敦彦のYoutube大学」とか見ていて
いわゆる教養本の解説が多く
ベストセラー本を読まなくても読んだ気になれる優れモノ(笑)
そのなかでも「話しかた」のテーマが結構あって
「話し方」ひとつで、対人関係や仕事、子育てまでに影響することを
解りやすく(かなり大げさに)解説してくれます
本作を見てもなるほどな、と思ったのが
悩みを抱えている人にポジティブな言葉をかけても意味がないということ
自分がよかれと思っている「大丈夫」「やればできる」といった
励ましの言葉は「自分をわかってくれていない」という気分にさせ
より相手を陰鬱な気分にさせてしまう
共感することのほうが大切だというのです
ひとり娘を亡くし夫のジャック(クリス・オダウド)が鬱になり自殺未遂
精神科の施設に入院します
スーパーで働く妻のリリ(メリッサ・マッカーシー) ーは
週1回夫の面会に行き夫婦でカウンセリングを受けています
手土産はいつも「スノーボール」(アーモンドプードルのクッキー)
なんとか元の生活に戻りたいリリーは
娘の持ち物をガレージセールに出し、庭の手入れに励もうとする
施設の心理療法士、レジーナの紹介でかっては優秀だった精神科医で
今は獣医になったラリー医師にも会いに行く
でも前向きに、頑張れば頑張るほど
ジャックの心は離れていくのです
辛いのはあなただけじゃない、私だっても同じなのに
あなただけが現実から逃げようとしている
まあ、男なんてこんなものよね
悲しいことがあると、いつまでたっても立ち直れない
(オマエもマイメロちゃんのように性的偏見を助長していると叩かれるわ)
このやさしいけどグダグダの夫にさすがのリリーもイライラ
その矛先はラリー医師や
庭で襲いかかってくるムクドリに向けられることになります
親切でリリーの話を聞いたラリー医師や
雛を守りたいだけのムクドリは大迷惑
庭に毒餌を仕掛けたせいで小鳥を死なせてしまったり
ムクドリに石を投げて瀕死の重症を負わせる
たぶんここらへんの展開コメディなのでしょうが
全然笑えない悲劇(笑)
でもリリーがムクドリに夢中になっている間
ジャックと距離を置いたせいで
ジャックにも変化が現われてきます
自分が鬱なのは娘が死んだからじゃない
20代の頃からだったんだ
楽しい日々があったのは、支えてくれたリリーのおかげ
タンスの奥にしまい込んでいた大量の「スノーボール」さえ
今は愛しく感じる
正直、どのエピソードもストライクゾーンに入ってこないんですけど
ああ、なるほどなと(笑)
いくら大切な人でも、距離をおくことの必要さを思い知らされる
退院したジャックはまず
リリーと家庭菜園に励むことにします
ムクドリに攻撃されながら
【解説】ウィキペディアより
監督はセオドア・メルフィ、主演はメリッサ・マッカーシーが務めた。
本作は批評家から酷評されている。映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには84件のレビューがあり、批評家支持率は20%、平均点は10点満点で4.3点となっている。サイト側による批評家の見解の要約は「メロドラマをこれでもかと言わんばかりに押し付けてくる作品であり、才能豊かなキャスト陣と価値あるテーマに対する虐めとすら思える。『ムクドリ』はそのタイトルに反して七面鳥を思わせる失敗作である。」となっている。また、Metacriticには23件のレビューがあり、加重平均値は31/100となっている
せっかく授かった赤ん坊を亡くして以来、メイナード夫妻(リリーとジャック)は悲しみの底に沈む日々を送っていた。ジャックの精神状態は悪化する一方で、ついには精神病院への入院を余儀なくされた。一人家に残されたリリーは深い孤独に苛まれるようになったが、どうにかして生活を立て直さねばという思いも強かった。ほどなくして。リリーは近所の食料品店で働き始めた。そんな折、一羽のムクドリがメイナード家の裏庭に巣を作るという一件が発生した。リリーは鬱陶しいムクドリを追い出そうと必死になったが、戦いを繰り広げているうちに、彼女のムクドリに対する感情は嫌悪から愛へと転じていくのだった。そして、そのことがリリーに人生の転機をもたらすことになる。