沈黙の艦隊 北極海大海戦(2025)

 

「戦争のない世界」の実現という壮大な希望を実現させるため

日米開発の最新型原子力潜水艦を乗っ取り、独立国「やまと」を宣言

日本と軍事同盟を締結した艦長の海江田四郎(大沢たかお)は

乗組員たちとともに国連総会へ出席するためニューヨークへ針路をとった

沈黙の艦隊 シーズン1 東京湾大海戦」の続編

海戦シーンの緊迫感、政治討論も見応えあり

ゴジラ -1.0」の白組が参加しただけあって

海中シーンVFXのクオリティも格段にアップ

潜水艦マニアにとってはたまらないものがあるでしょう(笑)

ただ内容的には北極海大海戦」のあとの

「ニューヨーク沖海戦」まで描かれていて

ダイジェスト版といった感じ

しかも核弾頭を積んでいるはずの「やまと」に

50隻の艦隊が立ち向かい、対潜ヘリ攻撃隊が集中爆撃したり(笑)

(原作では海江田によって核弾頭を搭載していないことがはっきり示されている)

フリーアナウンサーの市谷(上戸彩に罪はないが)

こんな時間を割く必要が必要があったのかしら

出番の全くなかったロシア大統領のポジション的には大事だろ

ミンスク(ロシアの空母)さえ出てこない

それはオマエがロシアの海軍も見たかっただけ 笑)

これは劇場版はこれで終わり、残りはシーズン2を作るので

アマプラでどうぞということかも知れません

劇場公開で製作費の元を取るのはそれだけ厳しいのでしょうね

通常、太平洋から大西洋へ抜けるにはパナマ運河を通過するわけですが

パナマ運河アメリカを含む多くの国々の監視下に置かれているため

「やまと」が航行すれば捕捉されてしまう

北極海ルートを経由するしかないわけです

ベネットアメリカ合衆国大統領

「やまと」が核を保有するテロリストだという意志にかわりはなく

「やまと」を撃沈するための「オーロラ作戦」が決行されます

各国首脳に連絡し、北極海から船舶を退去させると

名門ベイツ家の養子ジョン・ベイツ艦長率いる

最新鋭原子力潜水艦アレキサンダー」を向わせます

想像を超える「アレキサンダー」の移動スピードに苦戦する「やまと」

北極海には実はもう1隻アレキサンダー」と同型原子力潜水艦

ジョンの兄ノーマン・ベイツ艦長の「キング」が潜んでいて

アレキサンダー」と連携プレイしていたのです

しかしアレキサンダー」のまるで「キング」をかばうような攻撃体制に

撃つべきは「キング」1隻と悟る海江田

そこにはジョンが兄を慕うもうひとつのドラマがあって

政界の名門(すなわちWASP)の家系で、そうでないジョンを

ノーマンは本当の弟のように、もしかしたらそれ以上に可愛がっていたんですね

ジョンはその恩をノーマンに返さずにいられなかったのです

その兄が「やまと」に撃沈されてしまった

ジョンに停戦を促す海江田、しかし投降と戦士にとって死ぬより不名誉なこと

兄の復讐のために戦闘を続けようとするジョンに

兄が遺した最後の言葉は生きることでした

そこに民自党の一派閥「鏡水会」の幹事、大滝津田健次郎)が

「やまと保険」を実現させるため、ノルウェーからヘリでやって来て

(他国が「やまと」を攻撃しなければ配当金を支払う平和を金で買う)

感動に水を差す(笑)

日本国内では竹上首相(笹野高史)が

幹事長の海渡(風吹ジュン)と対立しながら

「やまと」の是非を国民に問うため衆院を解散

新党(新民事党)を立ち上げ総選挙に臨みます

選挙に勝ち再び総裁となった竹上は

海原渉(江口洋介)を外務大臣

同じく離党して新党を立ち上げた曽根崎(夏川結衣)と連立し
彼女を官房長官に任命します

そこからグリーンランド沖を通過しあっと言う間にニューヨーク沖(笑)
ベネット大統領は次なる「ローリング・サンダー作戦」を命令
JFケネディ」艦長ナガブチ海軍大佐が率いる第2艦隊が
「やまと」のニューヨーク入りを阻むため立ちはだかります

2艦隊は艦隊の数だけで「やまと」の保有する魚雷以上
それでも海江田は「全艦魚雷命中」を言い渡します
それは(演習時におけるソナー音のみの攻撃
目的はあくまで国連でのベネット大統領との「平和のための会談」
戦争の意思がないことを世界に知らしめてみせるのです

つまりアメリカが一方的に「やまと」を攻撃しているだけ
「戦争を望んでいるのは私なのか」とベネット大統領
原作者のかわぐちかいじ氏が最も好きなキャラは
アメリカにおける伝統や正義と、平和とは何かの狭間で悩む
このベネット大統領だそうです

対潜ヘリのブルーシャーク
さらにレッドオルカ隊が魚雷集中攻撃を仕掛け
浸水被害を受けながらも急速浮上して攻撃をかわす「やまと」
海上に跳ね上がった「やまと」の姿は巨大な鯨そのものでした
IC員(海自におけるInformation Center)の入江(松岡広大)は
兄(中村倫也)の「まるで鯨の腹の中のようだ」という言葉を思い出す

アメリカ人はただの野蛮人ではない
「やまと」の入国を許可するベネット大統領に
「グッドモーニング、ニューヨーク」と呟く海江田

しかし市谷や米国人記者のボブ・マッケイ取材陣は
機材や映像データを全て没収されたうえ
「ニューヨーク沖海戦」で見たことを一切口外しないよう
署名させられたのでした
軍隊とは国を守るものであり、国民を守るもの
政治(戦争)に利用されないため、政府と軍を分離させる
海江田の願いは世界に届くのでしょうか

【解説】映画.COMより

かわぐちかいじの名作コミックを、大沢たかおが主演およびプロデュースを務めて実写化した「沈黙の艦隊」シリーズの映画第2作。2023年の映画第1作および24年に配信されたドラマ「沈黙の艦隊 シーズン1 東京湾大海戦」の続編で、原作随一のバトルシーンである「北極海大海戦」と、連載時に大きな話題を呼んだ「やまと選挙」を描く。
日本政府が極秘に建造した高性能原子力潜水艦を奪い、独立国「やまと」建国を世界に宣言した海江田四郎は、その卓越した操舵で数々の海戦を潜り抜け、東京湾での大海戦で米第7艦隊を圧倒した後、国連総会へ出席するためニューヨークへ針路をとった。そんな中、アメリカとロシアの国境線であるベーリング海峡にさしかかったやまとの背後に、ベネット大統領が送り込んだアメリカの最新鋭原潜が迫り、流氷が浮かぶ極寒の海で潜水艦同士の激しいバトルが幕を開ける。一方、日本ではやまと支持を表明する竹上首相を中心に、衆議院解散総選挙が実施される。
海江田役の大沢をはじめ、上戸彩中村蒼笹野高史江口洋介らシリーズでおなじみのキャストが続投するほか、津田健次郎風吹ジュン渡邊圭祐が新たに参加。前作に引き続き「ハケンアニメ!」の吉野耕平が監督を務めた。

2025年製作/132分/G/日本
配給:東宝