悪魔と夜ふかし(2023)

原題はLate Night with the Devil」(悪魔との深夜)

月曜から夜ふかし」じゃないわよ(笑)

1977年、ハロウィンの夜

トークバラエティ番組の低視聴率を打開するため

司会者とプロデューサーがスピリチュアル現象を検証する特集を組む

モキュメンタリースタイルのホラー

(ドキュメンタリーの手法を用いて真実のように見せるフィクション)

ちょっと昔までは、日本のテレビ番組でも

超常現象の存在をめぐり対立させる

自称UFO超常現象研究家の韮澤潤一郎さんと

物理学者の大槻義彦さんの対談とかありましたよね

そういう番組が好きだった人にはおススメです

プロローグとして、ジャック・デルロイが司会する「ナイト・オウルズ」が

ジョニー・カーソン司会の「トゥナイト・ショー」に視聴率が敵わないこと

ジャックが裕福で権力のある男性のためのエリートキャンプ

「ザ・グローブ」を訪れているという噂があること

最愛の妻のマデリンがガンで亡くなり、失踪したことが説明されます

1か月後ジャックは復帰し、番組の視聴率を上げるため

生放送でオカルトライブショーが行われることになります

最初のゲストは、自称超能力者で霊媒師のクリストゥ

なんとか観客の母娘に係わる死者について言い当てたあと

突然強い霊障を感じて「ミニー」という名を口にします

そこでCM(CM中は白黒映像)

次のゲストは、懐疑論者でオカルトを分析検証する元マジシャンのカーマイケル

(モデルになった人物はジェームズ・ランディ)

クリストゥが死者について言い当てたのは霊聴ではなく

収録前の観客へのアンケートによるものだと言います

しかしジャックが「ミニー」が妻マデリンのニックネームだったことを明かし

クリストゥは黒い液体を吹き出し倒れてしまいます

そこでCM

クリストゥは救急車で運ばれますが

ジャックも、プロデューサーも、カメラマンも

お互いがお互いに「君が仕込んだんだろ?」と、全て演出だと思ってる

アシスタントのガスだけが霊障を信じ怖がっています

そしてついにメインのゲスト

超心理学者で「悪魔との対話」の著者ジューン博士と

本のモデルとなった、悪魔教会とその指導者ザンドール・ダボによる

集団自殺の唯一の生存者である、悪魔憑きの少女リリーが紹介されます

そこでCM

ジャックはクリストゥが出血性ショック死したことを知らされます

次のコーナーで悪魔の対話生披露されると、悪魔に取り憑かれたリリーは

ジャックに「背の高い木の下で」会ったことがある

ジャックとジューン恋愛関係にあ

妻が死んだのは、ジャックが妻の魂を悪魔に売ったからだと暴露すると

宙に浮きます

カーマイケルは同じことを催眠で出来ると

ガスと出演者、視聴者にも催眠術をかけてみせます

そこでスタジオの全員がガスの身体からミミズが溢れ出るのを見ますが

映像を巻き戻してみるとミミズは写ってなく(それも悪魔の仕業)

催眠による幻覚だったことがわかります

 

一方リリーの映像は録画で見ても同じで

さらにジャックの背後にはマデリンの幽霊が立っていました

カーマイケルが番組が仕組んだものだと非難しはじめると

リリーの頭が割れて輝き(「ゴースト・バスターズ」かよ! 笑)

ガスの首が回転(「エクソシスト」かよ!)

ジューンは首を裂かれ(「サスペリアかよ」!)

カーマイケルの頭から火が吹き(「スキャナーズ」かよ!)

ジャックは夢の中のような場所に転送されます

ジャックは「ザ・グローブ」の儀式で

妻の魂と引き換えに「ナイト・オウルズ」で成功するという契約を

悪魔と交わしていたのです

次に妻の病室に転送されると

妻はガン痛みから解放してほしいとジャックに懇願します

 

ジャックが(リリーが持っていた悪魔崇拝の儀式用の)短剣アタメを使って

彼女を刺し殺すと、ジャックの身体はスタジオに戻っていました

気が付くとジャックは、生放送中にリリーを刺していたのです

ジャックは呟きます「目を覚ませ、夢見る人よ」

それにしても、妻を生贄にしても視聴率は回復せず

自分の番組を、スタッフを、ゲストを犠牲にして

やっとその夜限りの最高視聴率って

どんだけ力のない悪魔なの(笑)

 

それとも、どんだけ「トゥナイト・ショー」の

ジョニー・カーソンがすごいの(笑)

私の出した答えは、全部が「やらせ」、エンターテインメントだということ

人類が初めて入った洞窟のはずなのに、先にカメラマンが入っている

川口探検隊と同じよ(笑)

 

 

【解説】映画.COMより

テレビ番組の生放送中に起きた怪異を、ファウンドフッテージ形式で描いたオーストラリア製ホラー。
1977年、ハロウィンの夜。放送局UBCの深夜のトークバラエティ番組「ナイト・オウルズ」の司会者ジャックは、生放送のオカルトライブショーで人気低迷を打開しようとしていた。霊聴やポルターガイストなど怪しげな超常現象が次々と披露されるなか、この日のメインゲストとして、ルポルタージュ「悪魔との対話」の著者の著者ジューン博士と本のモデルとなった悪魔憑きの少女リリーが登場。視聴率獲得のためには手段を選ばないジャックは、テレビ史上初となる“悪魔の生出演”を実現させようともくろむが、番組がクライマックスを迎えたとき思わぬ惨劇が起こる。
「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結」のデビッド・ダストマルチャンが司会者ジャックを怪演。「モーガン・ブラザーズ」のコリン&キャメロン・ケアンズ兄弟監督が、1970〜80年代の名作ホラーへのオマージュを盛り込みながら、クールでレトロな映像とリアルな演出で描き出す。

2023年製作/93分/PG12/オーストラリア
原題または英題:Late Night with the Devil
配給:ギャガ