プリズナーズ(2013)

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原題も「Prisoners 」(囚人や捕虜のこと)

 

林で鹿を撃つオープニングの映像美

屋外の景観はもちろん、室内の撮影にも手抜きをすることはありません

暗くよどんだサウンド雰囲気があり

本作でもヴィルヌーヴのセンスが光ります

カメラはロジャー・ディーキンス

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ペンシルベニア州の田舎町

工務店を営むケラー・ドーヴァージャックマン家族と共に

隣家のフランクリン・バーチテレンス・ハワード

感謝祭のお祝いのため訪れていました

 

そこでケラーの6歳の娘アンナと

フランクリンの7歳の娘ジョイが行方不明になってしまう

ケラーの長男ラルフと、フランクリンの長女イライザは

散歩に出かけた時、アンナとジョイが怪しいRV車で遊び

車の中に人がいたといいます

現場に向かうとそのRV車はすでに去っていました

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そしてダイナーで食事する怪しく見える男(ギレンホール )

幼女誘拐犯はこの男だ!と思ったのですが(笑)

事件を捜査することになるデビッド・ロキ刑事でした

 

幼い娘を誘拐された父親の心情を

ジャックマンが迫真の演技で見事に表現しています

子どもが行方不明になったら正気でいられるはずがない

しかも昨日まで平和で幸せだった家庭に、不和が生じる

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すぐにRVは見つかり

アレックス・ジョーンズという男が容疑者として拘束されますが

アレックスは知的障害で会話もほとんどできない

車からもなんの痕跡も見つからず、釈放されることになります

 

ケラーはアレックスに詰め寄り娘の居場所を聞き出そうとすると

彼は「僕がいたときは泣かなかった」と言い

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しかもアンナとジョイが作った替え歌まで知っている

ケラーはアレックスが何かを知っていると確信し

拉致監禁しフランクリンを誘ってアレックスにリンチするのです


いくら娘を救うためでも、フランクリン(黒人)はためらいがある

もしアレックスが無罪で逮捕されたら、家族を守れない

アメリカでは人種によって酌量や刑期が違うのでしょう

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ロキ刑事性犯罪の前科のある人物にあたっていたとき

神父の家の前で、窓から神父が倒れているのを見つけ

慌てて部屋の中に入ると、単に泥酔していただけなのですが(笑)

偶然、地下に(”迷路のペンダントをしている死体を発見します


さらに少女の拉致事件の解決祈るキャンドルを灯す集会で

不審な男を見かけ追いかけますが逃げられ似顔絵を公開します

子ども服売り場の店員からの情報で、テイラーという男が見つかり

テイラーも幼い頃拉致されていたことがわかります

しかし苛立つロキ刑事のミスのせいで自殺してしまう

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しかもテイラーの家で見つかった子供服についていたのは豚の血で

幼児誘拐犯を空想する模造犯だと結論付けされます

 

だけどテイラーの書いていた「迷路」と

神父の地下で死んでいた男の「迷路」の形のペンダントが一致する


神父は男が懺悔で「神との戦い」のため

16人の子どもを殺害したと告白したあと

男を殺したことを認めています

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そしてケラーに拷問を受けるアレックスもまた

「迷路」という不可解な言葉を発します

ケラーは謎を解くためアレックスの叔母のホリーを訪ね

アレックスが釈放されたときの自分の行動を謝罪し

ホリーから話を聞くことができました


ホリーと(行方不明の)夫は、息子が癌で死んだあと信仰を失い

アレックスを養子にしますが

夫が飼っていたペットの(アレックスが嫌いな)蛇と

事故のせいで言語障害になったと言います

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神父に殺された男、アレックス、幼い頃拉致されたテイラー

知的障害、幼児誘拐、蛇、迷路

3人の男の共通点を結び付けるものは何なのか

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そんな時フランクリンの娘、ジョイが保護されたという知らせが入ります

ジョイはアンナと監禁されていた家から逃げますが

ジョイより年下のアンナは走るのが遅いのでしょう

捕まってしまいます

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ケラーがジョイにアンナのことを詰め寄ると

ジョイはその家に「あなたもいた」と悲鳴をあげます

やっぱり犯人はアレックスで、娘はホリーの家にいたんだ


ケラーが何食わぬ顔で、お詫びに家を修理したいとホリーを訪ね

家に入れてもらいますが、ホリーに脚を撃たれ

(コーラのようなペットボトルの)薬を飲まされます

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ホリーは息子の死を復讐するため、夫と「神との戦い」を誓ったと

それはあなたのような悪魔を作り出すため

幼い子どもを誘拐し、子を失った両親に

自分たちと同じ苦しみを与えるというものでした


そしてアレックスは最初拉致した子で、テイラーは2番目

ホリーの夫のせいで迷路と蛇がトラウマになり

知的障害は薬によるものでしょう

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ケラーは古いセダンの下に掘った穴に閉じ込められてしまい

そこでアンナの大事にしていた赤いホイッスルを見つけます

感謝祭の夜、アンナは失くした赤いホイッスルを探すために

ジョイと自宅に行き、アレックスにさらわれたのです

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ケラーの父親の住まいだった廃墟からアレックスを発見したロキ刑事は

ホリーに知らせるため家に入ると

「迷路」のネックレスと同じネックレスを付けた男の写真を見つけます

幼児を16人殺害と告白した男は、ホリーの行方不明の夫だったのです

ロキ刑事がホリーを探すと、薬物を注射されたアンナが倒れていました


ホリーを撃ち合いになり、ロキ刑事は頭から血を流しながら

アンナを車に乗せ猛スピードで病院に運ぶ(サイレン鳴らせよ)

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アンナは助かり、怪我の治療を受けたロキ刑事の病室に

母親と助けてくれたお礼をしにきました

アンナの首に下がっているのは、失くした赤いホイッスルではなく

新しく買ったものだと母親が説明します


ホリーの家の家宅捜査がはじまり

誘拐された幼児たちの遺体を探すため、家の回が掘り起こされる

その日の作業が終わり、帰ろうとした時

ロキ刑事は、かすかに聞こえるホイッスルの音に気付きます

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「最悪の事態に備えて準備しろ」

たぶんホイッスルは防犯用にケラーが与えたもの

伏線の回収もオチも良く出来ている


幼児拉致誘拐犯が、ペドフィリア(幼児性愛者 )ではなく

自分の息子が死んだ苦しみと、神への憎しみを

同じ幼い子を持つ親に判らせるためという動機


アンナも、ジョイも、アレックスも死ななくて良かった

やっぱりヴィルヌーヴは深い





【解説】allcinema より

前作「灼熱の魂」が高い評価を受けたカナダ人監督ドゥニ・ヴィルヌーヴが、ヒュー・ジャックマンジェイク・ギレンホールを主演に迎えて贈る緊迫のクライム・サスペンス。アメリカの田舎町を舞台に、何者かに掠われた6歳の少女の捜索を巡って繰り広げられる、冷静沈着に捜査を進めていく刑事(ジェイク・ギレンホール)と、自らの手で一刻も早く我が子を見つけ出そうと暴走していく父親(ヒュー・ジャックマン)の対照的な姿をスリリングに描き出していく。共演はヴィオラ・デイヴィスマリア・ベロテレンス・ハワードメリッサ・レオポール・ダノ
 ペンシルヴェニア州ののどかな田舎町。感謝祭の日、工務店を営むケラーの6歳になる愛娘が、隣人の娘と一緒に忽然と姿を消してしまう。警察は現場近くで目撃された怪しげなRV車を手がかりに、乗っていた青年アレックスを逮捕する。しかしアレックスは10歳程度の知能しかなく、まともな証言も得られないまま釈放の期限を迎えてしまう。一向に進展を見せない捜査に、ケラーは指揮を執るロキ刑事への不満を募らせる。そして自ら娘の居場所を聞き出すべく、ついにアレックスの監禁という暴挙に出てしまうケラーだったが…。