ペイ・フォワード 可能の王国(2000)

原題は「Pay It Forward」(次に渡そう)

タイトルの通り(助けてもらった)恩を返すのではなく

次へ渡していくお話

 

車を壊された新聞記者が、見ず知らずの他人から

突然高級車のジャガーを使ってくれとプレゼントされます

一体なぜ?

物語はその4ヶ月前から本題に入ります

アメリカでは)7年生の社会科の授業、新任のシモネット先生は

「今住んでいる世界をより良くするにはどうしたらいいか」

という課題を出します

そこでトレバ―は「ペイ・フォワード」という案を思いつきます

自分が受けた善意や思いやりを、その相手に返すのではなく

別の3人に渡すというもの

受け取った3人は次の3人へ

次の3人も次の3人に渡していけば

世界は善意で変えられると考えたのです

そして自ら実行するために、まずは母親に内緒で

ひとりのホームレス家に住まわせるのでした

 

H・J・オスメント君が本当に可愛くて、演技もうまくて

これは素敵な物語になるのではないかと

ワクワクするんですが(笑)

現実は理想通りにいかない

しかもアルコール依存症に、ホームレスに、家庭内暴力、虐め

11歳の少年が立ち向かうには問題が重すぎる

 

もうだめだ、結局自分にはなにもできない

ロウソクの灯は消えてしまった

でも彼の知らないところで善意の輪は広がっていたのです

トレバーが善意の行為を繋げようと思った3人は

仕事に就かない薬物中毒のホームレスに住む場所と食事を与えること

火傷を負ったせいで自信をなくしたシモネット先生とママを

一緒にさせて幸せになってもらうこと

天然パーマのせいでいじめられている同級生を救うこと

ホームレスのジェリーは楽物中毒に戻りますが立ち直り
自殺しようとしていた女性を救いました

ジム・カヴィーゼルのホームレスとか
ジョン・ボン・ジョヴィの酒癖の悪いオヤジとか

何気に豪華すぎ(笑)

記者のクリスはジャガーをくれた男に会いに行きます
(一流弁護士の)男は娘が喘息の発作で危険な時
怪我をした黒人男性が銃をぶっ放してまで
順番をゆずってくれたおかげで娘の命が助かった
車を譲ったのはその恩渡しだと教えてくれます

そのことで刑務所に入れられてしまった黒人男性に
クリスが面会に行き理由を聞くと

犯罪を犯した自分を助け逃がしてくれた車上暮らしの老婆から

「ペイ・フォワード」を教えられたといいます

 

次に黒人男性から聞いた老婆に会いに行くクリス

老婆は「ペイ・フォワード」は孫の考えたアイディアだと答えました

ママはシモネット先生といったんは付き合いますが

突然帰ってきた父親とヨリを戻してしまう

だけどやっぱり殴られ夫を選んだことを後悔し別れてしまいます

トレバ―はママとやり直すようシモネット先生に懇願しますが

大人の事情はそう上手くはいかないと説明されます

そこでママはトレバ―の善意をバトンするために

アルコール依存症で疎遠になっていた母(トレバ―の祖母)を訪ねます

今なら気持ちがわかるし理解できると母を許したのです

祖母が黒人男性を助けた老婆だったのです

 

ただ物語と物語の繋ぎ方が悪いんですね(笑)

時系列がわかりにくすぎる難点

最後にクリスはトレバ―を取材するため訪ねます

その日はトレバ―の12歳の誕生日でした

テレビのインタビューでトレバ―は

自分は何もできなかった

「ペイ・フォワード」を繋げたのはママなんだと答えます

 

そして再びシモネット先生はママに告白し

ハッピーエンドで終わるかと思いきや

天パの友だちを虐めから助けようとしたトレバ―が

不良に刺され、あっけなく死んでしまいます

悲しみに暮れるママとシモネット先生

だけど外の異変に気づきドアを開けると

そこにはロウソクと花束持つ多くの人々の姿がありました

 

これはもう悲しんだらいいのか

それとも感動させたいのか

わからない(笑)

もう少しシンプルでよかったと思います

アイディアがいいだけに惜しい

 

でも自分も「ペイ・フォワード」していこうという

気持ちにはなりましたね

さすがにジャガーはあげられないけど(笑)

(その前に買えないがな)

 

【解説】allcinema より

ディープ・インパクト」のミミ・レダー監督、「アメリカン・ビューティー」のK・スペイシー、「恋愛小説家」のH・ハント、「シックス・センス」のH・J・オスメント共演で描くハート・ウォーミング・ストーリー。中学1年生になった最初の日、社会科のシモネット先生が出した課題は“この世の中を良くするためには何をしたらいい?”というも