洋画・恋愛/青春

つぐない(2007)

原題は「Atonement」(贖罪) 原作はイアン・マキューアンの同名小説(2001)で 年老いた女流作家の、少女期に犯した罪の追憶 評価の高い作品ですが (映画評論家はどうしてイギリスの上流社会を描いた作品が好きなのでしょう) 特筆すべきは当時13歳だったシ…

サンタ・ボックス(2020)

「クリスマスは自分のためじゃなくて相手のために過ごす日」 「リボンに包まれたものじゃなく、愛こそがクリスマスの贈り物」 原題は「THE SANTA BOX」 クリスマスが近くなると不幸なことばかり起こり クリスマスが大嫌いになってしまった女の子のもとに 何…

レディ・バード(2017)

原題は「Lady Bird」 これきっと、20代で見ていたら泣いていたな(笑) 年頃の娘のいる親御さんも、共感するものがあると思います わが子についつい嫌味ばかり言ってしまうのは心配してるから そのことが逆に本人のやる気を削いでしまう 円満で幸せそうに見…

セインツ -約束の果て-(2013)

原題は「Ain't Them Bodies Saints」(それらの人々は聖人である) 「A GHOST STORY/ア・ゴースト・ストーリー」(2017)と同じ デヴィッド・ロウリー × ケイシー・アフレック × ルーニー・マーラ なので見てみました(笑) 皆さん仰せの通り、テレンス・マ…

小さな恋のメロディ(1971)

原題は「Melody」(ヒロインの名前) と、もうひとつのタイトルが 「S.W.A.L.K=Sealed with A Loving Kiss」 (キスで封印して) ロマンチックですね ちょっと昔までは、切手や封筒の封などの糊を舌(唾)で濡らして くっ付けたり閉じたりしていたんです し…

ハケンアニメ!(2022)

原作は辻村深月の連載小説「ハケンアニメ!」(2012~2014) アニメーターの派遣社員の話かと思いましたが 「ハケン」とは「派遣」ではなく、「覇権」のこと(笑) プロットは、ビデオカセット規格の「VHS」開発を描いた 「陽はまた昇る」(2002)や 小惑星探…

ビューティフル・レターズ 綴られた言葉(2011)

原題は「THE LETTER WRITER」(手紙作家) 見知らぬ人からの一通の手紙に励まされことで 言葉の大切さに気付き 少しずつ気持ちが前向きになっていく女の子の物語 85分という小品のテレビ映画 監督はモルモン教(末日聖徒イエス・キリスト教会)ということで…

パリ、混沌と未来(2019)

原題は「PARIS EST A NOUS」(パリは私たちにあり) 簡単に言えば、飛行機事故を目撃したのをきっかけに 一組のカップルの関係が壊れていく話なんですが とにかくストーリー性がなく、最後は???の謎映画(笑) 唯一の救いは84分で終わること(笑) テー…

コーダ あいのうた(2019)

原題も「CODA」 2014年のフランス映画「エール!」のリメイクで Codaとは「 Child of Deaf(ろう者) Adult」のこと 第94回アカデミー賞では作品賞、脚色賞、助演男優賞の3部門で受賞 動画配信サービス(Apple TV+)映画の受賞は初めて ろう家族のなかでたっ…

男と女 人生最良の日々(2020)

「人生最良の日々を、(わたしたちは)まだ生きてはいない」 ヴィクトル・ユゴー 原題は「Les plus belles annees d'une vie」(人生で最も美しい年) 「男と女」(1966)の続編、想像したよりかなり好い出来で トランティニャンの遺作として本当にふさわし…

エール!(2014)

原題は「La famille Belier」(ベリエ家の人々)で 2022年アカデミー作品賞、助演男優賞受賞、脚本賞を受賞した 「コーダ あいのうた」(2021)のオリジナル版ということ 私も少しは手話を覚えておこうかと YouTubeで手話動画を見ることがあるのですが 聾唖者…

荒野にて(2017)

原題は「LEAN ON PETE 」(ピートにすがる) ピートとは主人公の少年が愛した競走馬の名前 頼るものもない、お金もない、未来も見えない だけど若くて瑞々しい 15歳のチャーリー(チャーリー・プラマー)は その日暮らしで住居も女性も転々としている父親と2…

雨の日は会えない、晴れた日は君を想う(2015)

「愛はありました おろそかにしてただけで」 原題は「DEMOLITION」(解体) 邦題は車のサンバイザーの内側に貼られていた 死んだ妻からの付箋に書かれていたメッセージ 雨の日は気づかない 晴れた日は(眩しくてサンバイザーを降ろすから) “愛してる”という…

ウォールフラワー(2012)

原題は「The Perks of Being a Wallflower」 (ウォールフラワー(壁の花)の思いがけない特典) もし君が壁の花(=パーティで誰からも誘われずぼっちで壁際に立ってる人)でも 自分の魅力や悩みに気付いてくれる仲間が出来たなら 忘れられない学生時代にな…

ハワーズ・エンド (1992)

「家が人を選ぶ」 原題も「HOWARDS END」(家の名前) ハワーズ・エンドは、原作者であるフォースター(1879~1970)の 母親がかって所有していたコテージ・ハウスで 今でもロンドンから数十キロ離れたハーフォードシャーに 存在しているそうです フォースター…

ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー(2017)

原題は「REBEL IN THE RYE 」(ライ麦の反乱軍) 原作はケネス・スラウェンスキーのベストセラー本 「サリンジャー 生涯91年の真実」(2013) 単行本未収録作品や未発表原稿や手紙 関係者の証言、政府の資料を突き合わせながら コロンビア大学でのバーネット教…

ラ・ブーム(1980)

原題も「LA BOUM」(パーティ) 言わずと知れたソフィー・マルソーのデビュー作 流行りましたね、懐かしいですね 今見ると角川映画みたいで、大したことないけど(笑) ティーンエイジャーの初恋と、両親の離婚騒動という 青春ラブストーリーだけでなく セッ…

アマンダと僕(2018)

原題は「Amanda」ですが 物語の主題である「Elvis has left the Building」(エルヴィスは建物を出た) のほうが、結果として良くも悪くもしっくりする 独身男が身寄りのなくなった幼い女の子を引き取って面倒を見る、という プロットは「うさぎドロップ」(2…

ローズの秘密の頁(2016)

原題は「The Secret Scripture」 (秘密の聖書) 原作はセバスチャン・バリーの同名小説(2008) 私的には予想外の結末で面白かったのですが(笑) 批評家からはかなりの酷評と低評価だったそうです 原作のほうがあまりに素晴らしいのか 南北アイルランド人の描…

しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス(2018)

原題は「Maudie」(モード=ヒロインの名前) モード・ルイス(1903年-1970年)はカナダの フォークアート(土地固有の文化を描いたアート) 画家 カナダの田舎の風景、動物や草花をモチーフ絵を描き カナダで最も愛されている画家のひとり 身体障害者に対…

希望の灯り(2018)

原題は「In den Gängen 」(通路にて) ざっくりとしたあらすじは巨大スーパーマーケットに入った新人従業員が 周りのスタッフと触れ合いながら、一人前になる話 アキ・カウリスマキやジム・ジャームッシュ作品のような 繰り返す日常を淡々と描いていて そん…

天使の入江(1963)

原題は「La baie des anges」(天使の湾) 天使の湾とはニースから、プロヴァンス=アルプ=コート・ダジュールの アンティーブ岬まで広がる地中海の湾のこと 日本では長らく未公開で、初めて公開されたのは 2007年3月のフランス映画祭での特別上映 モナコとカ…

ジャック・ドゥミの少年期(1991)

原題は「JACQUOT DE NANTES」(ナントのジャコット) ナントとはフランスのロワール河の河口にある都市で ジャック・ドゥミ(=ジャコット)の故郷のこと アニエス・ヴァルダが、病気を患い映画監督から離れたドゥミのために ドゥミの少年時代を描いた作品 …

イエスタデイ(2019)

原題も「Yesterday」(イエスタデイ) ポール・マッカートニーがガールフレンドの部屋で寝ているとき 夢の中で「Yesterday」のメロディが流れ 忘れないよう起床後すぐにコードを探し曲を完成 それがあまりにも完璧な曲だったので、既に誰かの曲かと疑い みん…

コーヒーをめぐる冒険(2012)

原題は「Oh Boy」 フランソワ・トリュフォーのような映像と ウディ・アレンのような鬱陶しさと ジム・ジャームッシュのような時間の使い方 コーヒー、煙草、ウォッカという小物使いがうまく 全編に流れるジプシー・ジャズもいい 早朝、ガールフレンドが寝て…

ナイロビの蜂(2005)

「君を守るよ」「私もあなたを守るわ」 原作と原題はジョン・ル・カレの「The Constant Gardener」(誠実な園芸家)ヒロインのモデルは、ル・カレが「本書を捧げる」と記した難民問題に取り組んだ人道主義者イヴェット・ビアパオリ(1938~1999) 原作はわかり…

ワンダー君は太陽(2017)

原題は「Wonder」ワンダーは「不思議」や「驚き」という意味がありますがここでは「奇跡の子」ということ トリーチャーコリンズ症候群とは、遺伝子の突然変異によって頬や顎の骨が未発達、または欠損した状態で生まれ耳の穴がなく聴力障害を伴うこともある5…

最初で最後のキス(2016)

「ブルーは好きだが、ロレンツォは好きになれないな」原題は「UN BACIO」(キスを一つ=じゃあ、またね) イタリア映画にしてはずいぶん保守的で差別的な映画だなと思ったのですがそれもそのはず2008年にアメリカ・カリフォルニア州でおこったゲイの少年が同…

アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング(2018)

原題も「I FEEL PRETTY」(可愛くなった気がする) ありきたりのサクセスコメディですが、私は好かった仕事や人間関係で辛さを感じているコンプレックスで生きることが苦しいそんな悩める女の子達が、少しでも元気になってほしいというメッセージを感じます …

ぼくを探しに(2013)

原題は「Atila Marcel」(アッティラ・マルセル)プロレスラーの父親のリングネーム 数々の傑作アニメを生み出し、日本でも評価の高いシルバン・ショメ初体験でございます(笑)ポップでキュートな映像、メルヘンと現実の中間のような世界観どの画面も切って…