小さな恋のメロディ(1971)

原題は「Melody」(ヒロインの名前)

と、もうひとつのタイトルが

S.W.A.L.KSealed with A Loving Kiss (キスで封印して)

ロマンチックですね

ちょっと昔までは、切手や封筒の封などの糊を舌(唾)で濡らして

くっ付けたり閉じたりしていたんです

しかも、それだけで剥がれないという優れもの(笑)

この映画の特徴はなんといっても

ビージーズのミュージックビデオと言ってもいい、楽曲の良さ

(好敵手は「卒業」のサイモン&ガーファンクル

映画のハイライトは11歳の男の子と女の子が

「僕たち愛し合ってるから結婚したいんです」と

友人たちと結婚式を挙げ、トロッコに乗って駆け落ちしていくもの

映画の名シーンのひとつですね

舞台はロンドンの共学公立中学校

(「ユダヤ教の子は自習」とか宗教的差別が見られる)

主人公のダニエルは両親と暮らし、父親は会計士をしており

上流階級ではないけど、どちらかといえば富裕層

ダニエルの親友のトムは、古いアパートでおじいちゃんの面倒をみている

今でいうヤングケアラー

両親が何をしているかは不明

メロディは両親とお婆ちゃんの4人家族

父親は保釈中の身で、仕事もせずパブで酒を飲み時間を潰す日々

前半は男の子らの悪童ぶり

学校をサボったり、お手製の爆弾を爆発させようと実験をしたり

そんな中、内気なダニエルと親分的存在のトムが友情を育んでいく

悪ガキだけど心優しいトム

運動会で落ち込んでいるダニエルを

「おまえは絵がうまい」と何気なく褒めたり

(そこで流れる「To Love Somebody」!)

先生から罰を受ける時は

痛くないようお尻にクッションを入れることを教える

(ダニエルは失敗 笑)

ダニエルがメロディを好きになると

最初は寂しくて冷やかしていたけど

最後には誰より応援してくれる

本当にいい奴なんですね

それでいままで両親の言いなりだったダニエルにも

(やり方がちょっと違う気もするけど)

大人や社会体制に対する反抗期がやってきます

父親の新聞にマッチで火を付け

ポルノ雑誌が母親に見つかっても気にしない

メロディには周囲の目も気にせず積極的にアプローチ

一度のデートでいきなり結婚を申し込み

「結婚は早い」と教師に言われると「失礼だ!謝れ!」と怒る

とはいえ、あくまで子どもたち目線で

子役たちがとにかく可愛い

爆弾、バレエ、リコーダー、チェロ

金魚、墓場、ミック・ジャガー・・といった小ネタも活きていて

瑞々しい仕上がりになっています

今となって見れは、トロッコの行き先の向こうには希望ではなく

親や教師が待っていることはわかってる

やがて恋も友情も引き裂かれるかもしれない

それでも11歳の頃にこんな経験ができたら

一生の美しい想い出になることは間違いないのです

誰かを愛することは素晴らしいことなのだから



【解説】映画.COMより

11歳の少年少女の初恋の行方を描き、日本では「ビー・ジーズ」によるテーマ曲「メロディ・フェア」と併せて大ヒットを記録した青春ラブストーリー。ロンドンのパブリックスクールに通う引っ込み思案な少年ダニエルは、やんちゃな同級生トムと大の仲良しで、いつも一緒に遊んでいた。ある日の放課後、女子生徒のバレエの練習をのぞき見したダニエルは、メロディという少女に心を奪われる。2人はひかれ合い、やがて結婚の約束をするが……。後に「ミッドナイト・エクスプレス」「ミシシッピー・バーニング」などの監督を手がけるアラン・パーカーが脚本を担当。2019年6月、デジタルリマスター版でリバイバル上映。

1971年製作/106分/PG12/イギリス
原題:Melody
配給:KADOKAWA
日本初公開:1971年6月26日