原題も「Belle Épine」（美しい棘”とげ”）
「épine」にはフランス語のスラングで男性器の意味もある
ダブルミーニングということ
突然の母親の死で16歳の女子高生が不登校になり
万引きしたり、不良グループに入ったり、セックスしたり
それは、悲しみや喪失感を忘れるためなのか
ユダヤ教の戒律に反抗しているのか
結局何が言いたいのか、よくわからないし
レア・セドゥ目当てで見る以外、オススメしません（笑）
母親が死に、父親は遺産相続の手続きのためカナダへ
ショックの姉は家にいられず彼氏のところに転がり込んでしまう
ひとり残された16歳のプリューデント（レア・セドゥ当時25歳）は
スーパーで万引きしているところ見つかり
同じく万引きで捕まったマリリンと知り合います
プリューデントはマリリンを自宅に招き
彼女がつるんでる（路上で危険なレースをする）
バイク集団の仲間になりたいと思います
プリューデントはマリリンに初恋が国語の女教師で
ストーカーまがいの行為をしたことを打ち明けます
マリリンは男性とはどんな遊びもするけど
セックスは好きな男性としかしないと言うと
プリューデントは逆に男性とセックスはするけど
男性のことは何も知らないと告白します
プリューデントには「慎重」「聡明」という意味があり
作中にも「プリューデント」という70年代風のレコードが出てきますが
小道具が作った架空のレコードということ
この曲にちなんで両親が娘にプルーデンスと名付け
プリューデンスも素敵な歌だと思って育ったという
エピソードが登場しますが
マリリンに「こんな古くさいのは、ない」とからかわれ
プリューデンスはマリリンに気に入られようと
レコードジャケットを破いていまうんですね
そして「プリューデント」とは真逆の、危険な方向に向かおうとする
プリューデントは、ラジオ番組で有名なライダーのレイナルドに惹かれ
自宅でパーティを開きバイク集団を招きますが、レイナルドに相手にされず
マフラーを貸してくれた親切なフランクに乗り換えます
彼が勤めている魚工場に連れて行ってもらい欲情しますが
工場の床でのセックスにためらったフランクは
後日コンサートに行くことを約束
マリリンはプリューデントに「娼婦に見られる」と警告しますが
プリューデントはコンサートの後家に帰らず
（フランクが母親と同居しているうえ、仕事で朝早いのにもかかわらず）
フランクの部屋に行きます
セックスのあと、フランクは背を向けすぐに爆睡
目が覚めると、すでに彼は仕事に行きいませんでした
部屋を出ると（プチホテルを営んでいる）フランクの母親が
キッチンで料理していました
優しそうなお母さん
全ての過ちを「いいのよ」と、許してくれるように
17歳の誕生日を、プリューデントは姉かか「大人になったね」と言われ
フランクたちと映画を見に行くことにします
だけどプリューデントはなぜか不機嫌、突然帰ると言い出し
理由を聞いても答えないプリューデントに怒ったフランクは
「君が望んだから寝てやったのに」と
劇場からプリューデントを締め出してしまいます
雨の中、映画が終わるのを待つプリューデント
だけど劇場から出てきたフランクもマリリンも彼女を無視
フランクは腹いせに他の女の子をバイクに乗せて去ってしまいます
プリューデントはひとり、いつものたまり場に向かうと
フランクは事故を起こし女の子は死んでいました
やるせなく家に帰ったプリューデントは、母親の姿を見ます
「今まで何処に？」「なぜ私をひとりに？」
何事もなかったようにキッチンに立ち
「聴こえるほうの耳に話して」と答える母親
（演じているのはレア・セドゥの実母）
現実に戻ったプルーデンスはバルコニーに立ち
亡き母親の補聴器を耳に装着したのでした
たぶん誰もが、多かれ少なかれ経験する
若かりし日の黒歴史ってやつですね（笑）
ただこういう感性で見る作風には、もう少し人々が共感できる脚本
「台詞（言霊）」が必要だったと思います
【解説】映画.COMより
「美しいひと」「ルルドの泉で」の注目若手女優レア・セドゥが、居場所を求める孤独な少女を繊細に演じた青春ドラマ。母親を亡くした17歳の少女プリューデンス。父親は海外出張、姉はほとんど自宅に帰らないため、彼女は広いアパルトマンの一室で孤独を募らせていく。そんなある日、同年代の不良少女マリレーヌと知り合ったプリューデンスは、彼女を介して違法バイクレースのグループと親しくなるが……。監督・脚本はこれが長編デビューとなるレベッカ・ズロトブスキ。日本ではフランス映画祭2011で上映された。
2010年製作／80分／フランス
原題：Belle Epine
