原題は「Dune: Part Two」
フランク・ハーバートのSF小説「デューン」(Dune) を映画化した
「DUNE/デューン 砂の惑星」の続編で、スタッフは前作とほぼ同じ
IMAXで鑑賞して正解、これはもうケタが違う
未曾有の映像体験でした
キャストは全員主役級
壮大なロケ、高技術VFXによる迫力の映像
大地の唸り、サンドワームの気配、砂嵐、日食
サンドベージュ、オレンジ、黒のセンス良く統一されたカラートーン
クライマックスの決戦
そこにハンス・ジマーの荘厳な音楽
地響きのような音圧が身体を揺らす
公開が4か月遅れたため、今年のアカデミー賞のノミネートとはならず
クリストファー・ノーランはラッキーだったのではないでしょうか(笑)
物語はひとりの男が英雄になり、やがて予言者として大衆に崇められ
神格化していく・・というプロセスが描かれていくわけですが
part1でしっかり、アトレイデス公爵家、ハルコンネン家
皇帝(コリノ家)と秘密結社ベネ・ゲセリットによる利権
砂漠の惑星アラキス(デューン)の先住民フレメンとの関係を把握しておくと
よりわかりやすい、面白く鑑賞できると思います
なぜ人は強者を求めるのか
予言者を必要とするのか
神が出現したとしても、なぜ争いは絶えず終わらないのか
西暦10191年を舞台に描かれていくのです
つまり今から8000年以上経た未来の宇宙になっても
現在のガザや、ウクライナと変わらないということ
財閥や政治家は、土地や資源の利権を巡り
そこに昔から暮らしている人々の家やインフラを破壊する
攻撃されるのは、政治とも利権とも何のかかわりあいもない人々
家族を殺され、住む家も水も食料もなくなったとき
民衆は救世主の登場を待つようになります
悪の支配者を倒し、元通りの生活を取り戻してほしいと
救世主の言葉に従い、自分たちの土地を奪った支配者を倒しに行く
反乱は勝利を収めたように見えましたが
それを許さない領主たちが
さらに激しい戦いを仕掛けようとします
この永遠に終わらない戦争のループを
ドゥニはどう畳みかけるのか
今からpart3が楽しみでしかありません
ポール・アトレイデス(ティモシー・シャラメ)
ハルコンネン家に滅ぼされたアトレイデス家唯一の後継者
母親と、フレメン(砂漠の民)と共にハルコンネンの哨戒を撃破し
アラキスの南側、フレメン民の住む地で彼らの言語を学び
サンドワームに乗るなどフレメンの流儀を覚え、チャニと恋人になる
フレメンから「ムアディブ」という名前を与えられ
選ばれし救世主という業を背負いハルコンネン家と戦い勝利するが
その時ポールが求婚したのは、チャニではなく皇女イルーランだった
レディ・ジェシカ(レベッカ・ファーガソン)
ベネ・ゲセリットのメンバーでアトレイデス公爵の愛妾、ポールの母親
スティルガーにフレメンの教母になるよう
「命の水」(サンドワームの体液)を飲まされる
教母となる女性はこの毒素を飲んでも死なず
これまでの教母たち全ての記憶を引継ぎ、過去も未来も見えるようになる
そのことで実の父親がハルコネン男爵だとわかり
アリア(胎児の娘)とテレパシーで会話できるようになる
チャニ(ゼンデイヤ)
フレメンの女戦士、ポールの唯一の味方で彼を愛するようになるものの
ポールが繊細で誠実な青年から、フレメンの救世主と崇拝されるようになり
ポールが支配者(=民衆が奴隷になる)ことに納得していない
シシャクリ(スヘイラ・ヤコブ)
フレメンの女戦士でチャニの友人
最初はポールのことを馬鹿にしていたものの
ポールがフレメンの儀式をこなしていくうち受け入れるようになる
聖戦で捕らえられ、フェイド=ラウサの拷問を受けることを予想させる
スティルガー(ハビエル・バルデム)
フレメンの部族長、予言者や救世主の登場を信じていて
ポールとレディ・ジェシカこそその人物だとフレメンの儀式を与える
聖戦で殉死
ガーニイ・ハレック(ジョシュ・ブローリン)
元アトレイデス家の軍事教官で、ポールの武術指導者
アトレイデス家が滅ぼされた後、スパイスの密売人として生計を立てていたが
ポールと再会し、フレメンの戦いに協力するようになる
アトレイデス家が保有していた核爆弾のありかを知っている
ウラディミール・ハルコンネン男爵(ステラン・スカルスガルド)
ハルコンネン家の当主、過度の肥満と身体的障害でありながら
スパイス(資源)を収穫する特許(のようなもの)の持ち主
ジェシカの父、ポールの祖父であったことがわかる
聖戦でポールに殺される
グロッス・ラッバーン・ハルコンネン(デイヴ・バウティスタ)
ハルコンネン男爵の甥
スパイスの収穫をフレメンの襲撃で失い
アラキスの統治を弟に奪われてしまう
フェイド=ラウサ・ハルコンネン (オースティン・バトラー)
ハルコンネン男爵の甥でグロッス・ラッバーンの弟
精神病者で危険な殺し屋で女好き(の、わりには立場はわきまえてる)だが
ハルコンネン男爵は、彼をハルコンネン家の跡継ぎ
皇帝にもなれる逸材と据えている
皇帝の代理としてポールと決闘し、敗れて死ぬ
皇帝シャッダム4世(クリストファー・ウォーケン )
コリノ家の当主で宇宙の最高主権者、星間旅行を独占している
ハルコンネン男爵を利用し、アトレイデス公爵家を滅ぼした張本人
聖戦でポールに支配権を掌握(しょうあく)され、ポールの指輪にキスをする
皇女イルーラン(フローレンス・ピュー)
皇帝の娘で、ベネ・ゲセリットのメンバー
皇帝が最も信頼する予言者(ポールが生きていることも予言した)
ポールに娶(めと)ると宣言され、父親の生存を条件に同意する
レディ・マーゴット・フェンリング (レア・セドゥ)
皇帝の側近で、ベネ・ゲセリットのメンバー
教母の命令によりハルコンネン家の遺伝系統を確保するため
フェイド=ラウサを誘惑し彼の子を身ごもる
ガイウス・ヘレン・モヒアム(シャーロット・ランプリング)
ベネ・ゲセリットの教母、真実論者
(民衆側の味方となり権力に反抗的になった)アトレイデス公爵を殺すため
皇帝を操った真の黒幕
しかし、アラキス上空に集まったコリノ家の領主たちは
ポールの勝利を認めず、支配権を拒否
ポールは領主と領主の艦隊を攻撃することを宣言し
スティルガーにフレメンを導き
フレメンが捕虜となっている船を奪還するよう命じます
アリアはジェシカに、これが新たな聖戦の始まりだと語り
フレメンでただひとり、ポールが救世主であることを認めないチャニは
サンドワームに乗って姿を消したのでした
【解説】映画.COMより
「メッセージ」「ブレードランナー2049」のドゥニ・ビルヌーブ監督がフランク・ハーバートのSF小説を映画化し、第94回アカデミー賞で6部門に輝いたSFアドベンチャー大作「DUNE デューン 砂の惑星」の続編。
その惑星を制する者が全宇宙を制すると言われる砂の惑星デューンで繰り広げられたアトレイデス家とハルコンネン家の戦い。ハルコンネン家の陰謀により一族を滅ぼされたアトレイデス家の後継者ポールは、ついに反撃の狼煙を上げる。砂漠の民フレメンのチャニと心を通わせながら、救世主として民を率いていくポールだったが、宿敵ハルコンネン家の次期男爵フェイド=ラウサがデューンの新たな支配者として送り込まれてくる。
ティモシー・シャラメ、ゼンデイヤ、レベッカ・ファーガソンら前作のキャストに加え、「エルヴィス」のオースティン・バトラー、「ミッドサマー」のフローレンス・ピュー、「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」のレア・セドゥが新たに参加。
2024年製作/166分/G/アメリカ
原題:Dune: Part Two
配給:ワーナー・ブラザース映画