原題は「DUNE: PART ONE」(砂丘)
1984年の公開当時は評判が悪かったというリンチ版は
ゲスいキャラ&描写&不釣り合いなTOTOの曲とともにクセになる
今となっては人気カルト映画のひとつ
もちろん同じ原作なのでストーリーの土台は一緒ですが
「リメイク」ではなく完全にドゥニ版
グロテスクなリンチと違い(褒めています)ドゥニの映画はどれも美しい
しかもレジェンダリー・ピクチャーズ制作とあって莫大な資金提供に
エンドクレジットでもわかるように膨大な数のスタッフ
ドゥニにとっても満足のいく映像が撮れたのではないでしょうか
ただしタルコフスキーもだけど、美しく
しかも長尺な映画は睡魔に襲われる
この作品でも特にストーリーが掴みにくい前半は
私も何度か気を失いそうになりました(笑)
まず知っておかなければいけないのが
「デューン」が設定されているのがどんな時代なのか
文明の発達により人工知能に頼り切っていた人類は
ある時人工知能によって奴隷化されてしまいます
反乱を起こした人類は人工知能やコンピューターを壊し
コンピューターを作ることも、思考を機械に任せることも禁止
精神と肉体を訓練で進化させ
武器や飛行機といった道具はすべて手動で人間が操縦します
そして舞台である「デューン」、惑星アラキスのこと
この砂漠の星では砂に混じった「スパイス」と呼ばれる
人類の意識を拡張させる「覚せい剤」のような物質が採れます
コンピューターの禁止されている世界では、人間の能力がすべて
その能力を最大限に活かすために必要なスパイスは
宇宙各地で高値で取引され、かってアラキスを統治していたハルコンネン家は
スパイスの採取で巨万の富を築き上げました
- もうひとつ、主人公の母親が所属していた女子修道会「べネ・ゲセリット」
- 人工知能との戦争後に創設された女性だけの訓練学校で
- メンバーは超人的な身体能力と知性
- 「声」という相手を操ることができる能力をもっています
- 公家や権力者との婚姻(または妾)を利用し
- 政治の世界でも強力な影響力をもっています
-
10190年
人類は銀河系に帝国を築き、各惑星を皇帝が治める公家が統治していました
皇帝シャッダム4世は、従兄弟であるレト・アトレイデス公爵に
「デューン」と呼ばれる砂の惑星アラキスを与えます
アラキスはスパイスを大量に産出する一方で
巨大で危険な砂虫(サンドワーム)が生息し
先住民族の「フレメン」と、今でもスパイスを独占しようとしている
ハルコンネン家の戦士が戦っている場所でもありました
- アトレイデス家
- ポール・アトレイデス(ティモシー・シャラメ)
-
- アトレイデス家の後継者で、不可解な夢に苦しんでいたが
- それが予知夢であることを知る
- 父親のレト侯爵が陰謀に巻き込まれ死に
- 母親とともに全宇宙から命を狙われる身となる
- レディ・ジェシカ(レベッカ・ファーガソン)
-
- レト公爵の愛妾で良きパートナー、ポールの母
- 秘密結社「ベネ・ゲゼリットのメンバー」
- ポールに「声」といわれる能力を習得させようとしている
- レト・アトレイデス公爵(オスカー・アイザック)
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- ポールの父、家族思い
- リーダーシップに優れ、常に公平で部下や民から信頼されている
- 皇帝より惑星アラキスの統治を任命され着任するが
- 前統治者のハルコンネン男爵一派に拉致され殺されてしまう
- ウェリントン・ユエ博士(チャン・チェン)
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- アトレイデス家のお抱えドクター
- アトレイデス家を裏切り、人々が寝静まったある夜
- ハルコンネン家の部隊に襲撃させ、レト公爵が誘拐される
- ガーニー・ハレック(ジョシュ・ブローリン)
-
- アトレイデス家の武術教官、ポールを鍛錬している
- ダンカン・アイダホ(ジェイソン・モモア)
-
- アトレイデス家の部隊の剣士で、ポールが実の兄のように慕っている
- アトレイデス家がアラキスに移住するあたって先発隊として出発
- 先住民族「フレメン」との関係を築く任務に就きますが
- ハルコンネン家の部隊からポールとジェシカを守るため戦い
- 命を落とす
ハルコンネン家
- ウラディミール・ハルコンネン男爵(テラン・スカルスガルド)
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- ハルコンネン家の当主
- 過度の肥満で薬湯に浸かり治療している
- グロッス・ラッバーン(デイヴ・バウティスタ)
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- ハルコンネン男爵の甥、残虐な性格
- パイター・ド・ヴリース(デヴィッド・ダストマルチャン)
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- ハルコンネン家のメンタート(人間コンピューター)
「フレメン」(惑星アラキス先住民)メンバー
砂漠で生きるため何千年もかけて知恵を蓄え地下を開拓
水を最も大切にし、水の信仰を持っていて
「リサン・アル・ガイブ」という救世主が現れることを信じています
- スティルガー(ハビエル・バルデム)
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- フレメンの部族長
- 理知的で信仰に厚く優れたリーダー
- チャニ(ゼンデイヤ)
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- ポールの夢の中に繰り返し現れる、フレメンの女性戦士
- リエト・カインズ博士(シャロン・ダンカン=ブルースター)
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- チャニの母で生態学者
- ハルコンネン家の部隊によって、レト公爵も部下も殺された
- ポールとジェシカを救いオーニソプター(飛行機の1種)を与え逃げるが
- 追跡してきたハルコンネン家の戦士に刺され
- ハルコンネン家の戦士たちもろとも砂中に沈んでいく
- ジャミス(バブス・オルサンモクン)
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- フレメンの戦士、ポールに決闘を申し込みポールに殺される
- (予知夢ではポールが死ぬが、ポールはその予知夢を使って勝ち方を学ぶ)
- その他
- ガイウス・ヘレン・モヒアム(シャーロット・ランプリング)
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- 秘密結社「ベネ・ゲセリット」の教母、最高権力者、ジェシカの師
- ポールの右手を苦痛を与える謎の箱に入れ、彼の能力を確かめる
- 世界を変えるための最強超能力者「クイサッツ・ハデラック」を
- 誕生させたいという目的がある
- まさか、パート1とは知らなくて(笑)
- チャニの正体も明かされないまま終わってしまうなんて
しかも相手はレジェンダリー
中国政府のメディアへの抑制が厳しくなっていく中
本当に続編が作られるかどうか心配でしたが
2023年10月に公開されることがやっと正式に決定したそうです
よかった(笑)
【解説】allcinema より
未完に終わったアレハンドロ・ホドロフスキー監督版や1984年のデヴィッド・リンチ監督版など、多くの一流アーティストが映像化に挑んできたフランク・ハーバートのSF巨編を「メッセージ」「ブレードランナー 2049」のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が映画化。その惑星を制する者が全宇宙を支配するといわれる過酷な“砂の惑星デューン”を舞台に、ここに移住した“未来が視える”能力を持つ青年が、父を殺した宿敵への復讐と全宇宙の平和のために立ち上がる壮大な宇宙戦争の行方を圧倒的スケールで描き出す。主演は「君の名前で僕を呼んで」のティモシー・シャラメ。共演にレベッカ・ファーガソン、オスカー・アイザック、ジョシュ・ブローリン、ステラン・スカルスガルド、デイヴ・バウティスタ、ゼンデイヤ。
遥か未来。宇宙帝国の皇帝によって“デューン”と呼ばれる砂の惑星アラキスの統治を命じられたアトレイデス家。アラキスは宇宙で最も価値がある物質の産地だったが、巨大生物サンドワームに支配された危険な惑星でもあった。当主のレト公爵は、この任務に裏があることを感じながらも家族を伴いアラキスへ移住する。やがて公爵は宿敵ハルコンネン家の陰謀に巻き込まれ命を落としてしまう。公爵の息子ポールも母ジェシカとともに命を狙われる身となり、逃亡を余儀なくされる。そんなポールの前に先住民族フレメンの女戦士チャニが現れる。彼女こそ、これまでに何度も夢で見た謎の女性だと気づくポールだったが…。