君たちはどう生きるか(2023)

第96回アカデミー賞長編アニメーション賞を獲得

日本語字幕付き英語吹替版が公開されたので

今更ですが鑑賞してきました

受賞の結果を受け鈴木敏夫プロデューサー氏によると

旧約聖書のような物語ですのでもともと

 アメリカのお客様のほうが受け入れてくれるのではと思っていました

ということ

宮崎駿黙示録”を作ったという意識があった

「僕らの若い頃、60年代では聖書をもとにした映画がアメリカでたくさん作られました

 この作品も色濃く影響された部分があるんです」

確かに50年代から60年代にかけては

ベン・ハー」「十戒」「天地創造」などの名作が数多くあり

宮崎駿監督が影響を受けたというのも納得いきます

しかも子どもの頃見た映画って強烈で忘れられませんよね(笑)

しかし新約聖書の一番最後にある

ヨハネの黙示録」(預言書とも呼ばれている)

黙示文学の中でも難解で象徴的

信者ですら言及することは避

教会の礼拝でも引用されることがないという正典

当時は新興宗教として迫害されていたキリスト教徒が

歴史的あるいは政治的な理由で)深い知識と教養のある人にしかわからないよう

敢えて暗号的にしたという解釈もあるそうです

1944年、東京

11歳になる眞人(まひと)は、空襲の火災で入院中の母親を亡くすと

1年もたたないうちに父親の勝一が疎開先(母親の故郷)で再婚

夏子というその女性は母親の妹で、しかもすでに妊娠していました

お父さんも夏子さんも悪いわけじゃない、でも割り切れない

田舎の学校にも馴染めない

だから小さな復讐をしてみた

石で自分の頭を殴り、血だらけになって帰宅します

効果てきめん、父親は学校に苦情を言いに行き

夏子さんはショックで寝込んでしまったうえ

(内心死んだ姉に申し訳ないと思っている)

行方不明になってしまいます

アオサギの導きにより夏子さんを探しに行く眞人と

それに巻き込まれてしまうばあやのキリコ

が、キリコは下界(三途の川?のある生と死の狭間のような場所)では

若くパワフルな漁師(笑)

そこに住む人々(殺傷をできないらしい)や

「ワラワラ」(来生を待つ魂)のため、食料用の魚を釣って与えています

さらに眞人がピンチになるたび助けてくれる、炎を操る少女ヒミ

それもそのはず、ヒミは眞人の死んだ母親(下界では生きている)だったのです

ヒミの案内で夏子を見つけ出した眞人

だけど夏子は帰らないと言います

眞人に憎まれていると思っているから

眞人は夏子を元の世界に、父親の元に戻すため

夏子を「お母さん」と呼びます

「お母さん」「夏子お母さん!」「お母さん!!」

この作品で宮崎駿が訴えたかったテーマは

「赦し」

そして「反戦」だと思うんですね

どんな恨みがあっても、戦争は決してしてはいけないのだと

黙示録の初心者向けの解説を読んでみると

黙示、「この世が終わって、来るべき世が到来する」こと

この世の神であるサタン(に属する宗教預言者や悪霊が滅ぼされ

最後の審判で人が天国と地獄に分かれると

エスキリストが王となり1000年間地上を支配(千年王国

人が神の子として完成して、新しい天地(新天新地)出現すると

エス12弟子のひとり、使徒ヨハネによって予言されたもの

(書かれたもの)と言われているそうです

つまり、眞人が使徒ヨハネ

ヨハネがいたローマ帝国では、キリスト教は強い迫害にあっている

第二次世界大戦での空襲

捕らえられ、パトモス島という小島に流される

→田舎に疎開(そこでも虐められる)

その地でヨハネは、これから起こる未来を教えられるわけですが

様が直接啓示をするのとは違います

神様から→エス大叔父?)

エスから→御使い(天使)(キリコやおばあちゃん達?)

御使いから→ヨハネ

まるで伝言ゲームのようで、ややこやしい(笑)

天使ミカエルは、青サギ(サギ男)?

赤い竜(サタン)は、インコ大王?

妊娠している女は夏子(これはわかる 笑

赤い女が産もうとしている子どもを食べようとしていて

(将来その子は強大な権力を握り、すべての国の王になると約束されていた)

神は妊婦を天に引き上げ、お腹の子を攻撃から守ろうとします

竜は女を殺そうと、やがて天で戦争が始まり

ミカエルたち天使が、竜とその手下と戦い

竜たち戦いに敗れ地上に投げ落とされてしまいます

 

黙示録ではその後も竜は女を殺そうと追いかけますが

宮崎版では、かって宙から降ってきたという神殿が崩れていき

眞人、夏子、キリコは無事脱出

大王とその手下たちは、小鳥となって飛び立っていきます

戦いが終わってみれば悪魔(アメリカ人)の姿も

決して怖いものだけではなかったのです

それから2年後、平和になった日本で

眞人は両親と弟とともに東京に戻ることになるのでした

 

 

【解説】映画.COMより

宮崎駿監督が2013年公開の「風立ちぬ」以来10年ぶりに世に送り出した、スタジオジブリの長編アニメーション。「風立ちぬ」公開後に表明した長編作品からの引退を撤回して手がけ、宮崎監督の記憶に残るかつての日本を舞台に、自らの少年時代を重ねた自伝的要素を含むファンタジー
母親を火事で失った少年・眞人(まひと)は父の勝一とともに東京を離れ、「青鷺屋敷」と呼ばれる広大なお屋敷に引っ越してくる。亡き母の妹であり、新たな母親になった夏子に対して複雑な感情を抱き、転校先の学校でも孤立した日々を送る眞人。そんな彼の前にある日、鳥と人間の姿を行き来する不思議な青サギが現れる。その青サギに導かれ、眞人は生と死が渾然一体となった世界に迷い込んでいく。
宮崎監督が原作・脚本も務めたオリジナルストーリーで、タイトルは宮崎監督が少年時代に読んだという、吉野源三郎の著書「君たちはどう生きるか」から借りたもの。主人公の少年・眞人役の声は、映画「死刑にいたる病」などに出演する若手俳優の山時聡真。そのほかの声の出演に菅田将暉柴咲コウあいみょん木村佳乃木村拓哉大竹しのぶ、國村準、小林薫火野正平ら。作画監督は「新世紀エヴァンゲリオン」シリーズで知られる本田雄、音楽は宮崎作品を支えてきた久石譲、主題歌は米津玄師の書き下ろし新曲「地球儀」。
タイトルとポスター1枚が発表された以外、映画の内容やキャスト、スタッフの情報なども明らかにされず、一切のプロモーションが行われないまま劇場公開を迎えるという異例の展開で話題を集めた。アメリカでも高い評価を得て、第81回ゴールデングローブ賞では日本作品で初めてアニメーション映画賞を受賞し、第96回アカデミー賞でも宮崎監督作およびジブリ作品として「千と千尋の神隠し」以来となる2度目の長編アニメーション賞受賞という快挙を成し遂げた。

2023年製作/124分/G/日本
配給:東宝
劇場公開日:2023年7月14日