ハーフ・ア・チャンス(1998)

「俺たちまだやれるかな」

「当然だ」

 

このふたり、天国でもそんなこと言っていそうですね(笑)

原題はUne chance sur deux」(2人のチャンス)

撮影当時アラン・ドロン62歳ジャン=ポール・ベルモンド64歳

ボルサリーノでの共演から28年三度目の共演

私が唯一、ドロンとJ₌PBの主演作で劇場でリアルタイムで見たのはこれだけ

当時横浜で勤めていた会社の、ドロンファンの先輩に誘われて

シネスイッチ銀座」でした

ドロンかJ₌PBふたりのどちらかが父親だと

母親からの遺言の入ったカセットテープを受け取った

自動車窃盗の常習犯のヴァネッサ・パラディ

たまたまマフィアの車を盗んだ事から

3人ともトラブルに巻き込まれるというもの

26年ぶりに再見してみても、内容的には凡庸なのですが

(というか、かなり適当 笑)

ドロンとJ₌PBのダンディー感の凄いこと

後半になればなるほどオーラは増していき

なんとも楽しそうに演じています(笑)

J₌PBが「またか?」って縄はしごを渡るシーンとかも

何かのオマージュなんでしょうね

しかもスタントなしでやってのけたというんだから

トム・クルーズも真っ青(笑)

監督はパトリス・ルコント

こんなお茶目な映画も撮れるとは!

 

しかも「ボルサリーノ」撮影終了後に大喧嘩をしたというドロンとJ₌PB

尊敬の念をもった礼儀正さと、製作や演技に対する丁寧な説明で

ふたりの崩壊した関係を修復したというんだから凄い

(それからドロンとJ₌PBは仲良し 笑)

ドロン最後の主演作の製作が、再びルコントの監督で決まったものの

叶わなかったことはとても残念です

 

20歳になったアリス (ヴァネッサ パラディ) は

自動車窃盗で8か月の刑期を終えて出所すると

アリスにカセットテープを残し母親が亡くなっていました

そこには、20年前母親はジュリアン(ドロン)とレオ(J₌PB

ふたりの男性を同時に愛し、そのうちのどちらかひとりが

アリスの父親だと告白されていました

ふたりを探し会いに行くアリス

元大泥棒のジュリアンは高級レストランのオーナー

外人部隊の指揮官だったレオは高級車ディーラーになっていて

ふたりとも今や資産家(でも警察にマークされている)

娘がいたとは信じられないふたりは

どちらの子が「DNA鑑定をしよう」ということになりますが

ひとりクラブに踊りに行き男たちに襲わそうになったアリス

停めてあった車を盗んで逃げ出すと、そこには大金が隠されていました

なんと車はロシアン・マフィアのものだったのです

金を盗まれたと思い込んだマフィアに襲われるジュリアンとレオ

ふたりは訳がわからぬまま反撃し、大金の入った車を爆破

しかしマフィアの金はすでに警察が回収していて

実は警察本部長が、日頃から目障りなジュリアンとレオを消そうと

マフィアに情報を流していたのです

さらにアリスが拉致され、アリスを助ける為に奮闘するうち

(老体に鞭打ってのアクションの連続 笑)

だんだんと彼女に惚れ込んでしまう、ジュリアンとレオ

やがて自分こそ父親だと張り合うようになりますが

そこは小休戦

ジュリアンとレオ、アリスの3人はタッグを組むと

マフィアと警察両方と対立

マフィアのボスの誕生日パーティの会場に自宅にクルーザー

経営するカジノに弁護士の事務所まで

ド派手に爆破、破壊、爆破、破壊で仕返しします

しばらく海外で過ごすことにした3人

そこでアリスが「DNA鑑定」の結果を取りに行くと

「どちらが父親だ」と焦るジュリアンとレオ

アリスは「ふたりともパパでいい」と結果を破り捨てたのでした

 

 

【解説】映画.COMより

高級外車窃盗常習犯のアリスは、母親の遺品であるカセットテープで2人の父親候補がいることを知る。2人は共にアリスの父親だと言い張るが、そんな中、3人はマフィアの抗争に巻き込まれていくのだった。フランスを代表する2大俳優アラン・ドロンジャン=ポール・ベルモンドが競演したパトリス・ルコント監督のアクション・ドラマ。「白い婚礼」で映画デビューを果たしたフランス人歌手バネッサ・パラディがアリスを演じる。

1998年製作/109分/フランス
原題または英題:1 chance sur 2
配給:シネマパリジャン