原作は顎木あくみの2019年~連載されている和風ファンタジー小説
原作も漫画もアニメ版もみておりませんが
タイトルからして100%女性向けだということがわかります
ヒロインの相手役も目黒連クンですしね
長髪に軍服姿もアルフィーの高見沢俊彦に負けないくらい?(笑)
似合っていたのではないでしょうか
冒頭、「古来、この国では恐怖心が生み出す鬼や妖(あやかし)を異形と呼び
異形は人々に災いをもたらしていた
その災禍の中、未来を予知する天啓の異能を持つ帝が国を治めた
帝は様々な異能を持つ血族を導いて、異形の討伐に奮戦
臣下となった異能の家系は、代々帝(みかど)に仕え異形から国を守り続けている
しかしその定めの中で不遇な最後を迎えてしまった異能者達は
災いを起こさぬようその魂を「蟲の鞠」として封じられ
奥都城(オクツキ)に納められた」という解説があり
つまり、異形を持つ者は災いをもたらす悪で
異能を持つ者は異形から国を守る正義、ということなのでしょう
そのオクツキから何者かが「蟲の鞠」を解放するシーンからはじまりますが
物語は大きく二つにわかれていて
異能の家に産まれながら異能を持たない娘、美世が
継母と異母妹の虐待を受けながら成長し
異能の名家の気難しい坊ちゃんで対異特殊部隊長の清霞の家に
花嫁候補として住み込むことになり、お互い好意を抱いていくという
シンデレラストーリーと
徐々に美世の出生の秘密が明かされいくのと
蟲の解放が帝の陰謀だったことがわかります
対異特殊部隊は蟲に憑りつかれた人々をバリアを張って閉じ込めるものの
同時に自分たちの異能も使えなくなり苦戦しているのを
異能に目覚めた美世が救うというファンタジー×アクション
2時間弱という尺の中に、かなり詰め込んだ内容なので
正直消化しきれませんでしたね
(あらすじ書くだけでも大変だったわ 笑)
ラストも謎を残したまま終わりますし
2部作、3部作として構成すべきだったと思います
「風を操る異能」の齊森(さいもり)家の長女美世(みよ)(今田美桜)は
2歳の時母親の澄美(すみ)(土屋太鳳)を亡くし
「異能者」の家系でありながら「異能」を持たないため
継母の香乃子(かのこ)(山口紗弥加)と
幼少の頃から「見鬼の才」を発揮していた
異母妹の香耶(かや)(髙石あかり)から
使用人として扱われ酷い虐めを受けていました
父親の真一(高橋努 )は異能の血を強くするため政略結婚させられた
澄美(薄刃家)に支払った莫大な結納金を回収するため
美世を「火を操る異能」の久堂家の清霞(きよか)(目黒蓮)に
嫁がせることを目論みます
久堂家の清霞は異形の討伐を担う陸軍対異特殊部隊の隊長で
「気に入らない者があれば切り捨てる」と噂されるほど
冷酷無慈悲な軍人として有名
いままでいくつもの縁談があったものの
婚約者候補の女性たちは3日と持たずに逃げ出したといいます
美世の幼なじみで香耶の婚約者である「念動力の異能」 辰石家の次男
幸次(小越勇輝 )は(本当は美世に思いを寄せている)
「ごめん、何もできなかった」と謝るのでした
清霞に挨拶にいった美世は、早速
「出て行けと言ったら出ていけ、死ねと言ったら死ね」と命令されます
「かしこまりました」と返事をする
翌朝早く台所で朝食の準備をしていると
美世の姿に驚くお手伝いのゆり江(山本未來)
しかしその朝、式(異能者がそれぞれ扱う偵察機のようなもの)を見つけた清霞は
美世が作った朝食に「毒でも盛ったか、何が入っているか分からない物は食えん」と
因縁をつけ部屋から出ていきます
落ち込む美世
が、(清霞が唯一口答えできない)ゆり江からお灸をすえられ
部下の五道佳斗(ごどう よしと)(前田旺志郎)からは
「婚約者にまた逃げられたのですか」とからかわれてしまいます
そこに部下のひとりが巡回中に見つけたという石の様な物を持ってくると
石から触手が伸び「火の異能」の望月(佐藤新) がそれを焼き、五道が封じます
賀茂村は「これは蟲だ、帝は帝都にも蟲が現れると天啓を得られていた」と
オクツキの封印が破られ、宮内省の特殊部隊が蟲の回収に当たっているが
混乱を避けるため内密に事態を治めたいと
連絡係として貿易商の鶴木新(つるき あらた)(渡邊圭祐) を
(民間人なので自由に情報集ができるだろうと)清霞に紹介します
清霞が帰宅すると、朝食の件を詫びる美世に
夕食の前に風呂に入ると言い、風呂の水の中に指を入れて湯を沸します
(「火を操る異能」が発揮されるのがまさかの風呂 笑)
さらに「今朝の件は警戒したに過ぎない、明日も(朝食を)作ってくれ」
(美世のあかぎれた手を治すため)「薬草が入った袋を毎日風呂に入れるよう」
翌朝には美世が作った朝食を「旨い」「悪くない」と誉める
優しくなった清霞に「ありがとうございます」と泣き出してしまう美世
清霞はゆり江に、美世の行動を報告するように頼み
五道には美世の生い立ちを調べさせます
斎森家に式を飛ばす五道
そこには辰石家の主がいて、真一に「美世は長男の嫁にと了承したはずだ」と
美世と久堂家との縁談を責めていました
美世の母は強力な異能の持ち主で、たとえ美世に異能がなくても
美世の子は異能を発現するかも知れないと
「美世が久堂に捨てられたら、結納金をはずんでくれ」と頼む真一
五道は美世が斎森家で虐待されていたと、美世の母親の旧姓が薄刃だったこと
しかし薄刃家の情報がなにもないことを清霞に報告します
そこに鶴木がやって来て、薄刃家とは「人の心に干渉する異能を持つそうだ」
「幻聴を聞かせたり、千里眼だったり
意識や記憶をいじるとか人の精神に作用する力らしい」と答えます
「久堂でも、婚約者に興味があるのですね」
ゆり江から美世が(悪夢にうなされ)よく眠れないようだと聞かされた清霞は
美世を街に出かけようと誘い、美世にうんとおめかししてあげるゆり江
美しく変身した美世に清霞は驚き
呉服屋で(母の形見に似ていいる)桜色の着物に見つめる美世にみとれる
甘味処ではじめて食べたあんみつの美味しさに驚く可愛い顔ったら
これに惚れない男はいないわな(笑)
同じ頃、帝(石橋蓮司 )は病に伏せていて
専属医師の枢木(くるるき)(尾上右近)により治療を受けていました
後継者で次期帝である堯人(たかいひと)(大西流星)は
幼いころから遊び相手だった清霞に
「朧気(おぼろげ)ながら天啓を得る、父の死期が近い」と教えられます
その天啓(天から教えや啓示のこと)とは
「オクツキが荒らされ、帝都は戦火を被り
久堂は対異特殊部隊と楯となり、人民を守る」というものでした
清霞に「死ぬな」と堯人
ゆり江と買い物に行った美世(清霞にプレゼントするための糸を買う)は
ゆり江がいない間、ばったり香耶と幸次に会ってしまい
香耶から「まだ生きていたんだ」「久堂に捨てられた?」と馬鹿にされます
幸次が香耶を連れ去ってくれたものの、美世は過呼吸で倒れてしまいます
そこに突然鶴木が現れ、美世に「もう大丈夫、悪夢はじき去る」と励まし
ゆり江が戻ったとき鶴木の姿はありませんでした
美世の体調不良を知り怒った清霞は、斎森家を尋ねると
真一に「美世に心から謝罪するなら、結納金を多めに用意するくらいはしよう」と
「無理にとは言わない、これきり縁を切るまでだ」と断言
帰ろうとする清霞とすれ違った香那は、清霞の美貌に一目惚れ
自分こそ清霞の妻に相応しいと確信します
さらに清霞は、美世が幼いころ唯一の味方で
香乃子からクビにされた使用人の花(小林涼子)を探し呼び寄せます
今は子供が2人いて、夫と畑仕事をしていて
美世が辛いとき一緒にいてあげられなかったと謝る花に
美世は「異能を持っていない、旦那様の妻に相応しくない」と泣いてしまいます
「久堂様は良い方」だと励ます花
やっと美世は清霞に自分には異能がないことを伝えます
学校も小学校どまり、実家では使用人として働き
名家の娘らしい事は何一つできない
「死ねと言えば死にます、出て行けと言えば出て行きます」と
清霞は「私とこのままここで暮らすのは嫌か?」と
美世の作った髪紐で、髪を結ってくれと頼み
しばらく仕事で帰れない日が続くことを伝えます
対異特殊部隊では、蟲に憑りつかれた人々を地下室に隔離したものの
蟲を殺す方法がわからないままでいました
(清霞が)「ちゃんとお食事を取られたか心配になって」と
隊員たちに弁当を差し入れにやってくる美世
美世への感謝の気持ちか、呉服屋から着物やバッグが届けられ
美世が気に入った桜色の着物を、店員は「お坊ちゃまがお気に召された品です」
さらに清霞から櫛が贈られ
「女性に櫛を贈るのは、求婚の意味がある」と説明されます
そのとき玄関をノックする音が聞こえ、美世が向かうと
美世はそのまま車に乗せられ誘拐されてしまいます
目を覚ますと、そこは斎森家の蔵でした
香乃子と香耶は美世に「久堂様との婚約を破棄するよう」迫ります
清霞のところに向かった幸次は
真一と辰石家が共謀して美世を誘拐したことを知らせます
火の異能で門を焼き斎森家に侵入する清霞
風の異能で対抗しようとする真一(火と風じゃ余計炎に包まれるわな)
清霞が水攻めにあっている美世を助け、抱いて帰ろうとすると
「お姉さまはの無能、私には見鬼の才がある、私の方がお役に立てます」と香耶
「お前を選ぶことはない」と清霞
その後斎森家は没落し、田舎の別邸に引っ越し
辰石家は久堂家の管理下に置かれることになります
(報告書を渡すため)鶴木が久堂家にやって来て
清霞と鶴木が知り合いだったことに驚く美世
美世の怪我を見た鶴木は清霞に「あなたが原因だ」「悪夢も放置したままだ」
「美世を助けたいなら(鶴木家に)連れて来て下さい」と言い
五道の調べで美世の母、澄美の旧姓が「鶴木」だったことがわかります
美世を連れて鶴木家に向かう清霞
そこに薄刃家の長老たちが現れ、美世を「澄美に似ている」と
澄美の父である鶴木義浪(火野正平)
鶴木は「薄刃」が本当の名前で、自分は美世の従兄妹であり
美世に悪夢を見せているのは、薄刃の血がそうさせていて
「ここにいれば対処できる、このままでは自分の力に殺される」と説明します
美世を悪夢から救うため、美世を薄刃家に残し去っていく清霞
そのとき五道から式で「町で蟲が暴れている」と知らせが来ます
鶴木は美世に「結婚しませんか」とプロポーズし(突然すぎだろ 笑)
美世の母親は、経営難に陥った鶴木貿易を救うため
(資金援助をしてもらうため)斎森家に嫁いだことを教えます
「美世はあるべき場所に帰って来た」のだと
対異特殊部隊では(具合の悪い人を助けようとして)
ハリーポッター望月に憑りついた蟲によって
他の軍人たちも蟲に感染し暴れていました
帝に呼ばれた堯人は、部下に宮内省特殊部隊を対異特殊部隊に送るよう命じ
帝の手を握り帝の意識(歴史)を取り込みます
しかし送り込まれた宮内省特殊部隊は全員蟲に憑りつかれ
清霞は、蟲を部隊から外部に出さないため五道に結界を張らせます
しかし結界内では異能が使えないうえ、蟲を殺す手段がわからない
苦戦する清霞
義浪は新に「オクツキの霊はすべて屯所に降りた、壊滅は免れない」と話し
それを聞き取り乱す美世に、新が「説明させてください」と近づくと
衝撃が走り新は目から血を流します
義浪は「夢見の才が発現した」と
美世の異能は薄刃家の中でも別格の強さを持ち
いざと言う時には異能者を倒すためにあることを教えます
清霞に会わせてと頼む美世に「帝に止められている」のだと
新は「薄刃の掟は、夢見の力が再現したら一族の命を懸けて守る」こと
異能をまだ制御できない美世は呑み込まれて死ぬと警告します
「旦那様の役に立つなら、喜んで死にます」と清霞のところに向かう美世
帝が亡くなり、賀茂村は堯人に
帝は「天啓」が「夢見の才」に劣れば、帝室を追われると恐れていて
清霞の存在も、美世と結び付け脅威となり
オクツキを利用して、清霞に盾となれと命じたことを話します
オクツキの霊を解放したのは枢木でした
「あなた達は、最初から清霞を殺すつもりで!」
「あなたを守るためです」と枢木
異能が使えない清霞は、激しい戦闘の中やむを得ず
(子供の写真をロケットペンダントに入れている) 岡部(西垣匠)を刺します
さらに蟲に憑りつかれた五道が、蟲に抵抗するため
飛び降り自殺しようとしていました
建物の窓に清霞と五道の姿を見た美世
義浪の「他人の精神世界に入り、異形を討つ事ができる能力」の言葉を思い出し
「夢見の力」を発現させます
そのとき清霞に刺された五道の蟲だけが死に
清霞に殺された岡部も蘇り、蟲だけが死んでいました
蟲に憑かれた隊員たちをどんどん切り付けていく清霞
蟲たちが消えると、新は苦しむ美世の頭に手を添え「夢見の才」を消します
美世の前に母、澄美の姿が現れ「まだそちらには行けません」と伝える美世
「また会いましょう」と微笑む澄美
母の姿が消え美世が目覚めると、清霞が抱きしめます
堯人は清霞に「本当に済まなかった」と謝り
清霞から、美世の母親が美世に夢見の才があることを知り力を封じていたと聞き
「私の父と夢見の力を利用する者から、我が子の命を守るために」と答えます
そして「帝が犯した過ちを正せるのは、一人しかいない」のだと
そうして堯人は帝に即位し
桜色の着物を着た美世が、傘を持ち清霞を迎えに行きます
かって呉服屋から渡された櫛を出し「この櫛に深い意味があるとか?」と尋ねると
清霞はあらたまって「これから先、苦労を掛ける事があるだろう」
「結婚してもらえるか」と正式に結婚を申し込みます
美世は「不束者ですが、宜しくお願いします」と返事をしたのでした
ラスト、大勢の人が集まる部屋で帝の専属医師だった枢木(くるるき)が
「つつがなく終わりました」と報告すると
「今迎えに行くよ、美世」と謎の仮面の男が呟くのでした
ここまで来て誤字脱字をチェックする気力もなく
しかも、なにも解決していなかったのかよという(笑)
【解説】映画.COMより
顎木あくみによる大ヒット和風ファンタジー小説を、映画単独初主演となる「Snow Man」の目黒蓮と映画版「東京リベンジャーズ」の今田美桜共演で映画化。
明治・大正期を思わせる架空の時代。ある宿命を持つ家系に生まれた斎森美世は実母を早くに亡くし、継母と義妹に虐げられながら暮らしていた。そんなある日、彼女は名家の当主である久堂清霞のもとへ嫁入りを命じられる。類まれな美貌を持つ清霞は冷酷で無慈悲な性格で知られ、これまでにも多くの婚約者候補が逃げ出したと噂されていた。美世も初対面ではつらく当たられるが、辛抱強く接するうちに彼が評判通りの人物ではないことに気づき、2人は次第に心を通わせていく。
「コーヒーが冷めないうちに」の塚原あゆ子が監督を務め、「陽だまりの彼女」の菅野友恵が脚本を担当。
2023年製作/115分/G/日本
配給:東宝