シリーズ19作目
マドンナは真野響子さん。
騒動は鯉のぼりと犬の名前。
寅さんの魅力というか、すがすがしさは
相手がどんな金持ちだろうがエリートだろうが貧乏人だろうが
分け隔てなく接するところでしょう。
ステイタスにこだわらず、ありのままでいる姿に好感がもてるのです。
なんとおじいちゃんは伊予大洲藩の十八代目当主でした。
どんな名家のおじいちゃんでも寅さんは態度を変えることはありません。
なけなしのお金でラムネとあんぱんを奢ってあげます。
逆に寅さんを怪しい男だと思い、コロコロと態度を変える
殿さまの執事(三木のり平)が面白い。
殿さまは東京で死んだ息子の嫁「まりこ」を探して欲しいと寅さんに頼みます。
もちろん人の良い寅さんは快諾します。
そしてすぐそのことを忘れます。笑
まりこは見つかったかととらやにやってくる殿さま。
偶然にも見つかったまりこさん。
寅さんとまりこに大洲のお屋敷で一緒に暮らしてほしいと願う殿さま。
しかしマドンナにはほかに好きな男性がいたというあっけない幕切れ。
この作品は、マドンナに寅さんが惚れたフラれたと大騒ぎな
そんないつもの展開とは違いました。
マドンナの存在もシリーズの中ではずいぶん控えめでしたね。
世間知らずでちょっととぼけたアラカンの殿さまに
可笑しな掛け合いをラストまで楽しむ・・
そんな「男はつらいよ」だったのでしょう。
【あらすじ】ウィキペディアより
端午の節句を迎えた柴又に寅次郎が帰ってくるが、満男のために買ったこいのぼりを巡って早速一悶着を起こしてしまい、挙句とらやで飼い始めた犬に「トラ」と名付けたのが気に入らず、すぐさま旅に出てしまう。そして寅次郎は仕事で伊予大洲市に立ち寄った晩、旅館で一人の女性(真野響子)と出会い、何やら寂しげな様子を察した寅は彼女に鮎料理をご馳走する。女性が東京の青砥に住み、柴又の団子屋を知っていると聴いて驚く寅次郎。翌日、寅次郎は大洲城の近くで、偶然に知り合った老人(嵐寛寿郎)の家に招待される。二人連れ立って歩いていると町の人々が老人に丁寧に挨拶するのを不思議に思うが、実は老人の正体は大洲の殿様の子孫・藤堂久宗だった。彼の執事(三木のり平)は寅次郎を怪訝そうに思うも、殿様はすっかり寅のことを気に入ってしまい、寅を体よく追い出そうとする執事に対し刀を抜いて怒り出す。どこか世間ズレした殿様にまたも驚く寅次郎。そして寅次郎が東京人だと知った殿様は、東京で亡くなったという次男の話をする。次男には嫁の「まりこ」がいたが、その結婚を「身分違い」として認めず勘当同然の扱いをしたと言う。今はすっかり反省した殿様は、せめて息子の嫁に会って謝りたいと、寅次郎に探してくれるように依頼する。例によって酒の勢いで安請け合いした寅次郎だが、殿様は完全に信用しきっており、寅を追いかけて上京してしまった。困り果てた寅次郎はとらやの面々も巻き込み「東京にいるまりこ」という情報だけで、自分の足で「まりこ」を探そうとするが当然上手くいかない。そんなとらやにかつて寅が伊予大洲で出会った例の女性が現れた。彼女の名前は「まりこ」で、かつて愛媛出身の夫と死に別れたというのだ……