男はつらいよ 翔んでる寅次郎(1979)



シリーズ23作目
マドンナは桃井かおりさん
夢は便秘の研究をする車寅次郎博士

シリーズのなかで、最もしんみり感のない
男はつらいよ」ではないでしょうか。
最後までカルく明るく見れますね。

マドンナは、今も、昔も、どの作品でも
「かおり節」の桃井かおりさん。


桃井さんって、私が思う
料理でいえばカレーのような女性。

味も濃いし、辛いし、匂いもきつい。
だけど、みんなが大好き。
どんな具材を入れても美味しいし
ご飯にも、パンにも、麺類にもあう。

桃井さんもとびきり個性が強いけれど
どんな作品でも役柄でもぴったりマッチしてきます。
ここでも渥美さんと息ピッタリ
軽快なトークが心地いいです。

北海道で寅さんと知り合った田園調布のお嬢様、ひとみちゃん。
彼女は自分の結婚式の途中で結婚するのがイヤになり
披露宴から逃げ出してしまいます。
そして柴又のとらやにやってきます。

そりゃあよかった!
俺がいるから誰が来たって指一本触れさせやしねえと
寅さんは大喜び。

だけど、おいちゃんもおばちゃんもさくらちゃんも
よそ様の娘を、嫁を、家においていいものかと悩みます。
(それはそうだ。笑)

ひとみちゃんに逃げられた花婿の邦夫は
ひとみちゃんが忘れられずに逢いに来ます。
英会話を教えて仕事をするというひとみちゃんを応援してくれます。
自分も親の会社を辞めて仕事をし自立するといいます。

ひとみちゃんは邦夫の人柄に、やさしさに気が付きます。
自分の我儘ばかりで、彼のことを何も理解していなかったのです。

再び邦夫と結婚する決意をしたひとみちゃん。
振られてしまった寅さんはなんと仲人を頼まれます。
この寅さんの仲人のスピーチ・・・
なんともお下品でございます。笑

でもこんな笑いがいっぱいで
和気あいあいとした結婚式いいですね。
盛大だから、立派だから、幸せになれるとは限らない
いちど失敗したふたりだからわかるのです。

ラストの支笏湖では再び旅館のエロ若旦那登場。
最後まで楽しく見れました。



【解説】allcinemaより
いつものスタッフ・キャストによる人気シリーズの第二十三弾。マドンナは山田監督作品「幸福の黄色いハンカチ」に出演した桃井かおり
 北海道で一人旅をしているひとみと知り合った車寅次郎。支笏湖の旅館のどら息子に襲われそうになっているひとみを、寅次郎は助け出すことに成功。彼女は会社社長との結婚話が進んでいたが、マリッジブルーで悩み逃げ出してきたのだという。そんな贅沢な話はないと寅次郎にたしなめられるひとみだったが、邦夫との結婚披露宴の最中に会場を飛び出し、ウェディングドレスのまま柴又のとらやに行ってしまう。新婦側の親族は、ひとみが寅次郎を好きだから逃げたのだと誤解していた。ひとみは一笑に付すが、寅次郎はその話を聞き舞い上がってしまう。