狼の挽歌(1970)





男の滅びの美学系映画。
(いつものごとく勝手にジャンル作ったよ)

タイトルから香港映画かなと思って鑑賞したら
マンダムな男、ブロンソン様主演でした。

そうだ・・
あれは「男たちの挽歌」だった。笑

この作品、出来としてはB級なサスペンスアクションでしたが
冒頭のカーチェイスとラストのエレベータでの狙撃は最高ですね。

寡黙な殺し屋ジェフと
男を虜にする謎の美女バネッサ。
ふたりはリゾート地バハマで愛し合います。
しかしジェフは命を狙われ
バネッサはレーサーの男と行方をくらましてしまいます。

一命を取り戻したジェフはレーサーを殺します。
しかし探し出したバネッサは組織のボス
ウェーバーの妻となっていました。

残念なのはバネッサ役のジル・アイランドに
魔性臭さが足りなかったことでしょう。
ブロンソンがやってきたらすぐにヨリを戻しちゃうし。
いくら本命でも(笑)ここは愛より金の女を演じてほしかった。

非情な男には非情な女が似合う。
感情的な部分は抑えたほうが
私的には痺れる作品になったような気がします。

でもラストはなかなかの逸品に間違いなし。
ガラス張りのエレベーターでの命乞い
でも声は聞こえない、撃ち抜かれる頭部。

迫ってきた警察官に弾のない銃を向けるジェフ・・
死ぬつもりなのでしょう。
ジェフは新米警察官の震えた手で撃たれてしまいます。
それは何の後悔もない死。

そう、カッコよく死ぬ。
それが私の思う男の美学系映画です。



【解説】allcinemaより
 「さらば友よ」と並ぶブロンソンの代表作で、公開当時世界的なヒットを記録した。一匹狼の殺し屋が、愛した女を自ら狙撃するまでの物語。暗黒街のボスと裏で通じるこの女を、殺し屋が何度も危機を乗り越えつつ追いつめていく。照準器付きのライフルを武器に、暗黒街で淡々と生きてきた孤独な殺し屋をブロンソンが見事に演じており、緊迫した展開とあいまって最後まで飽きさせない。ラスト、屋外エレベーターに乗った女を殺し屋が狙撃するシーンは、そのスタイリッシュな演出と共にブロンソンのベスト・ワークだろう