原題は「Valdez, il mezzosangue」(バルデス、混血)
仕事を求めて西部をさすらう少年ジェイミー(ヴィンセント・ヴァン・パタン)が
一晩の宿を求めて、野生馬を放牧して生活する
白人とシャイアン族との混血男性バルデス(チャールズ・ブロンソン)と出会い
男の強さ、やさしさ、自分らしい生き方を学んでいき
旅立つまでを描いたジョン・スタージェス最後期の小品
プロットはいいんです
助けを求めに入った家の家主が白人でないと知ったジェイミーは
最初バルデスを畏れるわけですが
ブロンソンが渋いのはいつも通りだけど
ウエスタンスタイルが堂に入っていて、とにかくかっこいい(笑)
寡黙だけど親切だし仕事もできる、自分が正しいと思う信念を貫く
(馬の交尾を見て、ジル・アイアランドを押し倒すのは笑うしかない)
ジェイミーはバルデスの牧場で働くことにします
男ふたりのクリスマスのお祝いのシーンがなんともいい
ヴィンセント・ヴァン・パタンが爽やかで可愛い(笑)
馬を放牧する雰囲気もとてもいい
しかし大牧場主のマラルは野生馬を放牧させている
バルデスのやり方が気に喰わない
牧場の境界に有刺鉄線を張り巡らせ
そのせいでバルデスの馬が負傷してしまいます
おまけにマラルの妹のキャサリン(ジル・アイアランド)が
バルデスに惚れてしまっている
怒ったマラルは(先住民との結婚を許せない)
部下たちを使い、ジェイミーの可愛がっていた仔馬を殺し
バルデスは瀕死の重傷を負います
60年代までの西部劇なら、そこから主人公が悪玉に復讐し
ヒロインと結ばれ、颯爽に去っていくところですが
そんな単純明快にはならず
結局は女も、牧場も諦め、負け犬のまま
それが先住民の血をひく者の定めなのかも知れないけれど
何とも不完全燃焼な終わり方
絶望的にするならするで、もう少し作り込んでほしかった(笑)
ただしチャールズ・ブロンソンをかっこよく撮るのには成功してるので
ブロンソン・ファンは絶対必見です
ジル・アイアランドが西部劇に合わないのはびっくりするけど(笑)
【解説】KINENOTEより
開拓期も終わりに近い1880年代のニュー・メキシコを舞台に、孤独な西部男と近代的な牧場主の戦いを描く。製作はディノ・デ・ラウレンティス、監督・脚本は「シノーラ」のジョン・スタージェス、原作はリー・ホフマン、撮影はアルマンド・ナヌッツィ、音楽はグイド&マウリツィオのアンジェリス兄弟が各々担当。出演はチャールズ・ブロンソン、ヴィンセント・ヴァン・パテン、マルセル・ボザッフィ、ジル・アイアランドなど。