さらばバルデス(1973)

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原題は「Valdez, il mezzosangue」(バルデス、混血)

 

仕事を求めて西部をさすらう少年ジェイミーヴィンセント・ヴァン・パタン

一晩の宿を求めて、野生馬放牧して生活する

白人とシャイアン族との混血男性バルデスチャールズ・ブロンソンと出会い
男の強さ、やさしさ、自分らしい生き方を学んでいき
旅立までを描いたジョン・スタージェス最後期の小品

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プロットはいいんです

助けを求めに入った家の家主が白人でないと知ったジェイミーは

最初バルデスを畏れるわけですが

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ブロンソンが渋いのはいつも通りだけど

エスタンスタイルが堂に入っていて、とにかくかっこいい(笑)

寡黙だけど親切だし仕事もできる、自分が正しいと思う信念を貫く

(馬の交尾を見て、ジル・アイアランドを押し倒すのは笑うしかない)

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ジェイミーはバルデスの牧場で働くことにします

男ふたりのクリスマスのお祝いのシーンがなんともいい

ヴィンセント・ヴァン・パタンが爽やかで可愛い(笑)

馬を放牧する雰囲気もとてもいい

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しかし大牧場主のマラルは野生馬を放牧させている

バルデスのやり方が気に喰わない

牧場の境界に有刺鉄線を張り巡らせ

そのせいでバルデスの馬が負傷してしまいます

おまけにマラルの妹のキャサリン(ジル・アイアランド)が

バルデスに惚れてしまっている

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バルデスとキャサリンは結婚の約束をしますが

怒ったマラルは(先住民との結婚を許せない)

部下たちを使い、ジェイミーの可愛がっていた仔馬を殺し

バルデスは瀕死の重傷を負います

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60年代までの西部劇なら、そこから主人公が悪玉に復讐し

ヒロインと結ばれ、颯爽に去っていくところですが

そんな単純明快にはならず

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結局は女も、牧場も諦め、負け犬のまま

それが先住民の血をひく者の定めなのかも知れないけれど

何とも不完全燃焼な終わり方

絶望的にするならするで、もう少し作り込んでほしかった(笑)

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ただしチャールズ・ブロンソンをかっこよく撮るのには成功してるので

ブロンソン・ファンは絶対必見です

ジル・アイアランドが西部劇に合わないのはびっくりするけど(笑)

 

 

【解説】KINENOTEより

開拓期も終わりに近い1880年代のニュー・メキシコを舞台に、孤独な西部男と近代的な牧場主の戦いを描く。製作はディノ・デ・ラウレンティス、監督・脚本は「シノーラ」のジョン・スタージェス、原作はリー・ホフマン、撮影はアルマンド・ナヌッツィ、音楽はグイド&マウリツィオのアンジェリス兄弟が各々担当。出演はチャールズ・ブロンソン、ヴィンセント・ヴァン・パテン、マルセル・ボザッフィ、ジル・アイアランドなど。