禁断の惑星(1956)

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原題も「FORBIDDEN PLANET(禁じられた惑星)

 

2001年宇宙の旅」(1968)がこの世に誕生する前のスペースオペラの傑作

多くのSF的要素、デザイン、音楽、哲学的思考まで

今でも映画はもちろん、あらゆるカルチャーに

影響を与え続けているのがわかります

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円盤型の宇宙船、光線銃、見えない宇宙怪物
当時のSF映画としては十分な予算がかけられ

特撮にはディズニー映画の協力があったということ

オスカーを取れなかったのは「十戒」のせい (笑)

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キャラクターも魅力的で、まずはロボットのロビー

映画に最初に登場した、人格のあるロボットととして有名で

ユニークで愛らしくお人好し

しかもバーボンを1口飲ませただけで、1ガロンも再生産してくれるという(笑)

一緒に暮らすなら「ドラえもん」よりロビーを選ぶ(笑)

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ヒロインのアン・フランシスは、とにかくかわいい

マリリン・モンローに雰囲気が似ていて

男性目線でいうセックス・シンボル的なイメージなんだけど

顔も、スタイルも、衣装も、まるでバービー人形

オンナノコにも好かれる魅力を持っている

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調査隊を率いる隊長は若き日のレスリー・ニールセン

「裸の銃」の男が、実は2枚目出身だったとは()

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未知の惑星アルティア4号星に

消息を絶った調査隊を捜査するため、超光速宇宙船が着陸

乗組員の前に、生き残ったモービアス博士と

アルティア4号星で産まれた娘のアルティア

そして万能ロボットのロビーが現れます

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博士は、アルティア4号星の先住民クレール人の怒りにふれる前に

一刻も早く星から脱出するように忠告しますが

乗組員たちは、調査よりも美女を口説くことに専念(笑)

そして隊員のひとりが見えない怪物に殺されてしまいます

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「科学文明の頂点に達し、精神のみの高みに上ろうとした」

というクレール人の設定が秀逸で

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さらにクレール人の開発したマシンによって

具体化された「イド」の正体は

博士の潜在意識が作り上げた”怪物”だったのです

娘のペットたちまでもが獰猛になり、乗組員たちを襲う

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お堅い博士にとって純真な娘を口説く男たちが

(無意識に)邪悪な存在に感じてしまうのもあたりまえ

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だけど、娘は父親が思うより大人になっていたのです

親の元を去る日がやってきたのです

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本作を観ないでSF映画は語れない

どんなに科学が進歩しても、人間が神になる権利はないのです

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50年代の映画ポスターはお洒落だな

お部屋に飾りたい(笑)

 

 

【解説】allcinema より

西暦2200年、惑星アルテア4に到着した一行は、そこで以前の調査隊の生き残りであるモービアス博士に出会う。博士はアルテア4の絶滅した前文明を研究しており、ロボットのロビーと娘のアルティアと暮らしている。そして、この星には正体不明の透明な怪物も潜んでいた。原子砲の集中砲火を浴びて姿を現す怪物。だが、それは前文明の力によって博士の潜在意識が具現化した“イドの怪物”だった……。「2001年宇宙の旅」から遡る事十数年、放射能怪物が暴れ回る当時のSF映画界において、あまりにも斬新なアイディアと高尚なプロットを携えた、早すぎた秀作。だが難解な作品である訳もなく、シネマスコープ画面と優れたSFXに支えられた万人向けの娯楽作である事も間違いない。ロボットのロビーはそのユニークなデザインから人気を獲得、ロビーだけをフィーチャーした姉妹編「宇宙への冒険」も作られた。