原題も「FORBIDDEN PLANET」(禁じられた惑星)
「2001年宇宙の旅」(1968)がこの世に誕生する前のスペースオペラの傑作
多くのSF的要素、デザイン、音楽、哲学的思考まで
今でも映画はもちろん、あらゆるカルチャーに
影響を与え続けているのがわかります
円盤型の宇宙船、光線銃、見えない宇宙怪物
当時のSF映画としては十分な予算がかけられ
特撮にはディズニー映画の協力があったということ
オスカーを取れなかったのは「十戒」のせい (笑)
キャラクターも魅力的で、まずはロボットのロビー
映画に最初に登場した、人格のあるロボットととして有名で
ユニークで愛らしくお人好し
しかもバーボンを1口飲ませただけで、1ガロンも再生産してくれるという(笑)
一緒に暮らすなら「ドラえもん」よりロビーを選ぶ(笑)
ヒロインのアン・フランシスは、とにかくかわいい
マリリン・モンローに雰囲気が似ていて
男性目線でいうセックス・シンボル的なイメージなんだけど
顔も、スタイルも、衣装も、まるでバービー人形
オンナノコにも好かれる魅力を持っている
調査隊を率いる隊長は若き日のレスリー・ニールセン
「裸の銃」の男が、実は2枚目出身だったとは(笑)
未知の惑星アルティア4号星に
消息を絶った調査隊を捜査するため、超光速宇宙船が着陸
乗組員の前に、生き残ったモービアス博士と
アルティア4号星で産まれた娘のアルティア
そして万能ロボットのロビーが現れます
博士は、アルティア4号星の先住民クレール人の怒りにふれる前に
一刻も早く星から脱出するように忠告しますが
乗組員たちは、調査よりも美女を口説くことに専念(笑)
そして隊員のひとりが見えない怪物に殺されてしまいます
「科学文明の頂点に達し、精神のみの高みに上ろうとした」
というクレール人の設定が秀逸で
さらにクレール人の開発したマシンによって
具体化された「イド」の正体は
博士の潜在意識が作り上げた”怪物”だったのです
娘のペットたちまでもが獰猛になり、乗組員たちを襲う
お堅い博士にとって純真な娘を口説く男たちが
(無意識に)邪悪な存在に感じてしまうのもあたりまえ
だけど、娘は父親が思うより大人になっていたのです
親の元を去る日がやってきたのです
本作を観ないでSF映画は語れない
どんなに科学が進歩しても、人間が神になる権利はないのです
50年代の映画ポスターはお洒落だな
お部屋に飾りたい(笑)
【解説】allcinema より
西暦2200年、惑星アルテア4に到着した一行は、そこで以前の調査隊の生き残りであるモービアス博士に出会う。博士はアルテア4の絶滅した前文明を研究しており、ロボットのロビーと娘のアルティアと暮らしている。そして、この星には正体不明の透明な怪物も潜んでいた。原子砲の集中砲火を浴びて姿を現す怪物。だが、それは前文明の力によって博士の潜在意識が具現化した“イドの怪物”だった……。「2001年宇宙の旅」から遡る事十数年、放射能怪物が暴れ回る当時のSF映画界において、あまりにも斬新なアイディアと高尚なプロットを携えた、早すぎた秀作。だが難解な作品である訳もなく、シネマスコープ画面と優れたSFXに支えられた万人向けの娯楽作である事も間違いない。ロボットのロビーはそのユニークなデザインから人気を獲得、ロビーだけをフィーチャーした姉妹編「宇宙への冒険」も作られた。