去り行く男(1955)

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原題は「JUBAL」(ジュバル=主人公の名前)
名優たちの若い頃が見られる、実に豪華なキャストですが
韓流ドラマを西部劇にしたみたいな善人陥れ系ドロドロ恋愛劇(笑)
後味悪いけど、一応ハッピー・エンドになります

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ロッキーで崖から落ちて遭難した流れ者のジュバル(グレン・フォード)は
たまたま通りかかったシェップ(アーネスト・ボーグナイン)に助けられ
彼の牧場で働くことになります
すぐに実力が認められシェップから牧童主に任命されますが

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最初からジュバルが気に入らない、しかも牧童主を狙っていた
ピンキー(ロッド・スタイガー)はそのことを受け入れられない
そのうえまだ結婚1年目のシェップの若妻メイがジュバルに一目惚れ

真面目で一本気なシェップは誰からも信頼され愛されるキャラ
しかし男ばかり働く牧場の牧場主
デリカシーに欠けるところがあり、女性の扱いも下手
メイはシェップを嫌っていました
しかもピンキーともねんごろな間柄だったのです

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ある日「約束の地」を求め旅をしている宗教団体の幌馬車隊
ローハイダーズがシェップの牧場に野営を張ります
責任者のシェム・ホクターから病人がいることを聞いたジュバルは
快く滞在を許可し、一緒に旅していたレブ(チャールズ・ブロンソン)は
シェップの牧場で雇われることになりました

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シェムにはナオミという美しい娘がおり
ジュバルはナオミの質素な清楚さに心惹かれていきます

ナオミの(親が決めた)婚約者のジェイクはふたりが親密になることに嫉妬し
メイはジュバルを自分のものにするため色仕掛けを企むのです
ピンキーはメイとジュバルが密会しているとシェップに教え
ジュバルに振られたメイはジュバルに無理やり襲われたと嘘をつく

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可哀そうなシェップ、お人好しのやさしい男だったのに
愛する妻と、最も信頼していた牧童に裏切られたと
信じたまま死んでしまう

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仕方なくシェップを殺し、自らも傷ついたジュバルを
ローハイダーズは匿い、手厚く看護するナオミ
またまた面白くないナオミの婚約者は
ピンキーたちにジュバルの居場所を教えに行くのです

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一方ピンキーはメイに激しく復縁を迫りますが
さすがにシェップが死んだのはショックらしく
メイはそれを断り真実を告げようとします
そのせいでピンキーから激しく暴行を受け瀕死の重体になり
そのこともピンキーはジュバルのせいにするのです

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ここまで泥沼化したら、最後にジュバルとピンキーの
どんな対決が待っているのかと思うわけですが

メイを看取った医者が「犯人はピンキーだ」と告げて終わりかよ(笑)
ピンキーが仲間を躍動する部分が堂に入っていて良かった分
ここは優男にも、もっと本気で怒って欲しかった
婚約者は教団を追放され、ジュバルはナオミと共に旅立ちます

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とりわけ各カットの自然な光の具合や、構図はすばらしく
とくに風景の入れ方はうまくて、ワイオミングの美しい山並みは感動的
カメラはチャールズ・ロートン・Jr
(そのまんまチャールズ・ロートンの息子 笑)

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見どころはやはりロッド・スタイガーの悪役ぶりですが
まだ髭のないチャールズ・ブロンソンがかっこいい
一見の価値はあると思います

 


【解説】allcinemaより
緊密な心理描写で、流れ者の主人公がある牧場に現われたことで起こる嫉妬と憎しみと暴力の連鎖反応を物語る、D・デイヴィスの人物把握の活きた異色ウェスタン。G・フォード扮する放浪のカウボーイは崖から落下し怪我したところを、気だてのいい牧場主(A・ボーグナイン)に救われ、彼のもとで働くことになる。だが、その妻(V・フレンチ)に言い寄られ、それを快く思わない牧童頭(R・スタイガー)に何かとからまれ、結局、果たし合いとなる。不安げな表情が板についたフォードを、リアルな芝居が身上の一流の助演陣が取り囲んで、むしろ西部劇仕立ての人間劇と呼びたい濃密な世界を展開する。