「ロミオ様、どうしてあなたはロミオなの」
バルコニーで愛を交わすこの名セリフ、知らない人はいないはず(笑)
そしてニーノ・ロータの甘い主題曲、名画には必ず名曲があります
今年(2019)6月、96歳で亡くなったフランコ・ゼフィレッリは
ダ・ヴィンチの子孫のひとりであると発表されました
元老院(イタリアの上院議員)も2期務め
イタリアでは、映画監督よりオペラ演出家として有名ということで
確かにカメラもセリフも舞台的手法(笑)
しかも同じオペラ出身のヴィスコンティの助手からスタート
とはいえヴィスコンティのような貴族文化の
高踏(こうとう=お高いこと)を描くことより
若者の瑞々しさや苦悩、悲しみという心の起伏
庶民に受け入れられるわかりやすさを追及している気がします
だから感情移入しやすい
ジュリエットを演じたオリヴィア・ハッセーは15歳
初登場するシーンの初々しさと妖艶さには女性でもときめく
純真無垢な少女がロミオと恋に落ち
お互い好きになりすぎて居てもたってもいられない(笑)
すぐさま教会で結婚の誓いをするのです
だけどキャピュレット家とモンタギュー家の盛りのついた若者たちは
何かと因縁をつけて無駄な喧嘩をしようばかりしていました
ついにロミオの親友マキューシオとジュリエットの従妹ティボルトが
挑発しあった末に決闘となりマキューシオが死んでしまいます
その復讐でティボルトを殺してしまうロミオ
裁判所はロミオを国外追放にすることにします
ロミオとジュリエットの愛を知る神父は
夫婦の契りを秘かに交わせ(年齢に似合わない肉体美に驚く 笑)
ジュリエットにある提案をします
ジュリエットを薬草によって仮死し、埋葬された後
ロミオが目覚めたジュリエットを連れ出し
両家の争いのない土地で幸せに暮らすというものでした
しかしモンタギュー家の若者のひとりが、神父の手紙が届く前に
ジュリエットが死んだとロミオに伝えてしまうのです
ジュリエットが眠る納骨堂で後追い自殺をしてしまうロミオ
そして目覚めたジュリエットも、短剣を胸に刺すのです
「All are punished」 (すべて罰せられる)
何度となく繰り返し映画化され、ドラマ化され、バレエやミュージカル
日本では漫画やアニメにもなった「ロミオとジュリエット」
そのなかで、最も有名であり金字塔、王道がゼフィレッリ版ではないか思います
(他は「ウエストサイド物語」(1961)しか見ていないんだけど 笑)
【解説】KINENOTEより
ウィリアム・シェークスピアの高名な戯曲の映画化で、監督は「じゃじゃ馬ならし」のフランコ・ゼフィレッリ。脚本はフランコ・ブルザーティとフランコ・ゼフィレッリが書き、台詞はマーガレット・アンダーソンが担当した。撮影はパスカリーノ・デ・サンティス、音楽はニーノ・ロータ、美術監督はルチアーノ・プッチーニ、衣裳はダニロ・ドナーテイ、装置はクリスティン・エザードが担当した。出演はロミオにレナード・ホワイティング(16歳)、ジュリエットにオリヴィア・ハッセー(15歳)の二新人が抜てきされ傍役はイギリスの舞台俳優でかためている。製作はアンソニー・ハヴェロック・アランとジョン・ブラボーン。