男はつらいよ 葛飾立志篇(1975)


 
シリーズ16作目
マドンナは樫山文枝さん。
 
ここまで見てきた中でこの「葛飾立志篇」の寅さんは口の悪さや失言が少なくて
あまりヒヤヒヤすることなく一番安心して見れたような気がします。
 
毎年欠かさず手紙と500円を送ってくれる寅さんを
もしかしたらお父さんじゃないかしら?と
「とらや」に訪ねてきた女子高生。
 
でもそれは昔寅さんが困っているときに
自分も苦労しているにもかかわらず食事を出してくれた女性に対して
恩を忘れずに寅さんがしていたことでした。
寅さんの語る女子高生の母親、おゆきさんの話は
寅さんの人情味が溢れていて本当によかったです。
お巡りさんがクッククック~♪と歌いながら通り過ぎる小ネタもいい。
 
今作品では「とらや」に下宿をし始めた
考古学の研究者の礼子さんに恋した寅さん。
そして礼子さんにお近づきになりたい寅さんは
自分も勉強をし始めようと思います。
 
学ランを着て眼鏡をかける寅さん。
なぜか源公さんまで学ラン姿。笑
 
そしてもう一人礼子さんに恋する大学教授が「とらや」にやってきます。
また出たぞ!今回も髭づらのオッサンだ。笑
この教授の煙草の吸い方は凄かったです。
煙を吸いながらお茶を飲み食事をする・・
私ならこんなヘビースモーカーと食事をするのは絶対無理だなあ。笑
 
結局、寅さんも教授も高嶺の花に振られて
ふたりでトボトボ寂しく歩く姿も、印象的で良かったですね。
思わず「元気をだせよっ!」って声をかけたくなります。
 
教授には「煙草もやめたほうがいいよ」と言いたくもなりますよね~
あれじゃあ寄ってくる女性は少ないですよ。
いまは路上でさえ禁煙場所も多い時代ですから
こんなスゴイ喫煙者はめったにいないでしょうけど。
 

 
【あらすじ】ウィキペディアより
ある日とらやに、最上順子(桜田淳子)と名乗る女子高生が山形からやってきた。彼女は、かつて寅次郎が無一文で行き倒れかけていたときに、ただで食事をごちそうしてくれた食堂で働いていた女性であるお雪の娘であった。毎年欠かさず手紙や少しばかりのお金を贈ってくれるので、順子は会ったことのない実の父は寅次郎ではないのかと思い、葛飾柴又へやって来たのである。そこへ運悪く寅次郎が帰ってきて誤解した車家一同と一騒動起こるが、寅次郎が初めてお雪と会った時には既に赤子だった頃の順子がいたため、潔白は証明される。しかし、次の瞬間に順子の口から、お雪が昨年病気で亡くなった事を知らされる。
墓参りに行くべく山形へ向った寅次郎は、お雪の墓のある寺の住職(大滝秀治)から、お雪には学がなかったために悲惨な人生を送った経緯を聞かされる。寅次郎と同じく東京から商売をしに来た、ちょっと外見のいい事を鼻にかけたろくでなし男に言いくるめられ、関係を持った末に子供を産んでしまったのである。その男との間に生まれたのが、順子であり男はお雪が自分の子供を身篭ったと知るや否や、そそくさと逃げ出してしまったのだという。これを機にお雪同様に学のない寅次郎は、学問を学ぶために勉強をしなくてはならないと感じながら、葛飾へと帰っていく。
ちょうどその頃、とらやに御前様の姪に当たる筧礼子(樫山文枝)が下宿することになった。ただでさえ、容姿端麗な礼子に好意を抱く寅次郎は、礼子が大学で考古学の助手をしていることを知ると、さらに強く憧れた。礼子に気に入られるため、というより何とか接近するためには、これはもう学問しかない。そう考えた寅次郎は柄にも無く一念発起して、礼子を家庭教師役に学問を修めるために猛勉強を始めるのであった。ところが、何がなんだかサッパリ判らない。日ごろは威勢のいい寅次郎も机を前にすると妙におとなしくなり、しまいにはヤケクソでテキヤの口上を口にする始末であった。礼子にすれば「寅さんはおもしろい人」に過ぎなかったのだが、寅次郎の心は例によってときめいていたのであった。数日後、とらやに田所(小林桂樹)が現れ、寅次郎と意気投合するのだった。