スイートリトルライズ(2010)


 
 
「恋をしているの。本当は夫だけを愛していたいのに」
 
「リンネル」や「はんど&はあと」を愛読し
千趣会のカタログでアンティーク風の雑貨を購入する
そんなナチュラル系な女子が憧れる結婚生活を
描いた作品なのかと思いましたが
まさかの不倫ものでした。
 
誰もが羨むような素敵な生活をしている夫婦。
良く言えばお互いの時間を大切にしているけれど
冷め切っていて、スキンシップも喧嘩もすることはありません。
そしてお互いが情熱的な相手と出会い
肉体関係を持つことになります。
 
「人は守りたいものに対して嘘をつく」
 
女性から人気の高い江國香織さん
私は1作も読んだことはないのですが
こういう夫婦生活が理想の女性も
もしかしたら多いのかもしれませんね。
 
お互いの時間や仕事を尊重しあい
夫に生活感やセックスは求めない。
したいときだけ外で情熱的に。
それがお互いにとって都合がいいかも知れない
だけれど結局心の溝は埋まらないままなのです。
 
カップルの心中死体。
死んだ犬と寝るヒロイン。
彼女の心もまた死んでいるのでしょう。
 
雰囲気で見せている作品ではありますが
空虚な生活に、空虚なセックスだけ見せられてもどうなのでしょう。
もっとエロチックな映像にしたほうが退屈にならなかった気がします。
 
でも中谷美紀さんと大森南朋さんが暮らすおうちは素敵。
テディベア作りの仕事場に
リビングやキッチンも女性が憧れるようなインテリアばかりで
ナチュラル系女子のお部屋づくりの参考になるでしょう。
 

 
【解説】allcinemaより
江國香織の同名小説を「嫌われ松子の一生」「ゼロの焦点」の中谷美紀と「ハゲタカ」「ゴールデンスランバー」の大森南朋の共演で映画化した、夫婦のすれ違いをめぐる大人のラブストーリー。共演に池脇千鶴小林十市。監督は「ストロベリーショートケイクス」の矢崎仁司
 テディベア作家の瑠璃子とIT企業に勤める聡は、結婚して3年の夫婦。子どもはいないものの、恋人同士のような2人の間には穏やかな時間が流れ、幸せな結婚生活が続いているかに思われた。しかし、互いの心は少しずつすれ違いを重ね、いつしか深い溝ができていた。決して不幸ではないと自覚しながらも、満たされない心を持て余していた瑠璃子。そんな時、非売品のベアを譲ってほしいと懇願する青年・春夫が現われ、彼の実直さに瑠璃子は心惹かれていく。一方聡も、大学の後輩しほと思いがけず再会し、彼女の積極的なアプローチを前に心揺れてしまうのだが…。