ウォールフラワー(2012)

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原題は「The Perks of Being a Wallflower

(ウォールフラワー(壁の花)の思いがけない特典)

 

もし君が壁の花(=パーティで誰からも誘われずぼっちで壁際に立ってる人)でも

自分の魅力や悩みに気付いてくれる仲間が出来たなら

忘れられない学生時代になるんだよ、というほろ苦い青春映画

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主人公のチャーリー(ローガン・ラーマン)は地元の高校に入学しますが

兄や姉の知り合いもチャーリーを見ても見ぬふり

最初の授業から隣の席の女子に馬鹿にされ

いくら知識が豊富でも、授業では目立たぬようにしていました

それなのに、相手を怒らせるようなことは一切していないのに

虐められてしまう

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そんな彼を理解してくれたのは国語のアンダーソン先生(ポール・ラッド)と

4年生の先輩(アメリカの高校は4年生がほとんど)の

     パトリック(エズラ・ミラー)とサム(エマ・ワトソン)兄妹でした

彼らもまた、ほかの生徒たちに馬鹿にされ、皮肉を言われていましたが

そんなことには負けず、強く、たくましく

何より楽しい高校生活を送っていたのです

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チャーリーはそんな明るく華やかなふたりを好きになり

美しいサムに甘酸っぱい思いを抱くようになります

だけどパトリックはゲイで

サムは浮気するようなダメ男とばかり付き合ってしまう

自分と同じように、やはり心に陰を持っていたのです

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この作品(学園ドラマ)を理解するためには

まずアメリカのスクールカースト制というものを理解しなくちゃいけない

 

アメリカのハイスクールでは、「ジョック」という体育会系のヒーロー

女子では「クィーン・ビー」(チア・リーダーやミス〇〇)と呼ばれる

グループが圧倒的勝組(1軍)

スクールカーストの頂点に立ちます

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が、そのぶん親や教師の期待も大きく、プレッシャーやストレスも多いのか

下層階級に位置する生徒たちを、バカにしたり虐めたりして喜んでいます

 

その下の中層階級(2軍)は「サイドキックス」「プリーザー」と呼ばれる

「ジョック」や「クィーン・ビー」を取り巻きで、見た目がイケてるタイプ

 

その下が「ワナビー」で「サイドキックス」「プリーザー」と同じく

1軍の取り巻きですが、見た目はイケていないタイプ

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中層階級の下っ端(3軍)にいるのは

上位軍団言うことは何でも聞く「メッセンジャー」、つまりパシリ

「スラッカー」と呼ばれる、面白い奴で上位軍団を盛り上げる担当

そして良家や金持ちのお坊ちゃま、お嬢様グループ「プレップス」

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1軍、2軍、3軍の虐めの対象となる下層階級が

「ナード」と呼ばれるヲタクや、ガリ勉、趣味人間と

おとなしくて、これといった取り柄のない「ターゲット」

 

ただ、自分の世界を持っていたり

将来の夢を追って勉強しているだけの人間が

いやがらせや暴行を受けてしまうのです

(「不良」と「フローター」(天然不思議ちゃん)はカースト対象外)

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これってアメリカの学校では(大人も含め)「虐め」が公認ってこと

バイデンさんは、まずここから改革しないと(笑)

アメリカに将来はないよ

優秀でモラルのある学生のほうが見殺しにされ

無意味なセックスやドラッグに溺れてしまう

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話は映画に戻って(笑)

 

好感のもてる佳作だけど

主人公が精神を病む原因がきっちり描かれていないうえ

事故死した叔母との関係も、「トモダチ」(イマジナリーフレンド)も

表現が中途半端でモヤモヤ、不完全燃焼

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そして、意地悪くチャーリーに当たったり

トイレに拉致してレポートを書かせた、隣の席の女の子は

実はチャーリーのことが気になっていた・・好きかも知れない

みたいなオチがあれば、もっとヨカッタかも(笑)

 

初恋の相手は生涯、男の子にとって重要

たとえ結ばれなくても

思い出は真実を越え、美しくなる

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ひとこと感想は「あの頃ペニー・レインと(2000)

なれなかった映画

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かな

 

 

【解説】allcinema より

スティーヴン・チョボスキーの同名ベストセラー・ヤングアダルト小説を原作者自らメガフォンを取り、主演に「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」のローガン・ラーマンを迎えて映画化した感動の青春ドラマ。周囲に馴染めず無為な日々を送る内気な高校生の惨めだった青春が、一組の兄妹との出会いをきっかけに輝き始めるさまとそのほろ苦い顛末を瑞々しく綴る。共演は「ハリー・ポッター」シリーズ卒業後、最初の大きな役として注目されたエマ・ワトソンと「少年は残酷な弓を射る」のエズラ・ミラー
 内気な少年チャーリーは、高校デビューにみごとに失敗し、友だちの出来ないまま、息をひそめるように灰色の学園生活を送るハメに。当然のようにパーティ会場でもたった一人で壁際に佇み“壁の花”状態だった。そんなある日、彼は勇気を振り絞り、フットボールの観客席で隣に座る陽気な上級生パトリックに声を掛けてみる。すると意外にもパトリックは気さくに接してくれ、奔放な恋愛を重ねる義理の妹サムも紹介する。こうして彼らの仲間に迎えられたチャーリーは、それまでとは見違えるように充実した高校生活を送るようになるのだったが…。