ダンディー少佐(1965)

お待たせしました(笑)

ダンディー・ギドラさんからDVDプレゼント

その名も「Major Dundee

136分修復版でございます

 

公開時は酷評、アメリカでは大コケしたそうですが

(日本ではヘストン人気でそれなりにヒット)

2005年、いくつかの復元シーンを加えた

拡張バージョンのDVDが発売され再評価

なんと音声解説が映画と同じくらい長い(笑)

なぜ本作が失敗したか

脚本の未完成、ロケ地選びの失敗、とってつけたようなラブシーン

プロデューサーのジェリー・ブレスラーと対立

(あげくの果て編集権まで取り上げられてしまう)

一方でキャラクターの際立つ個性、戦場のリアリティ

美しい視覚的質感、主演者から衣装選びに至るまでが

丁寧に語られています

いまやほとんどの映画が配信されるようになりましたが

DVDの凄いところは、映画に関わっている人間にしかわからない

映像特典を見れるところ

これも4丁目シスターズ&ブラザーズにとって

ギドラさんのおかげ、本当にありがとうございます

南北戦争末期

ある村がチャリバ酋長率いるアパッチ族に襲われ惨殺

牧場の子どもたちが誘拐されます

他の西部劇でも描かれていますが、ネイティブ・アメリカンの人々は

子どもは神からの授かりもの、という教えがあるんですね

なので敵の子であっても、自分たちの子と同じように育てるわけなんです

そこでチャリバを撃退し、子どもたちを救うため雇われたのが

北軍の捕虜収容所隊長、ダンディー少佐でした

しかし騎兵隊はほぼ全滅、ダンディー少佐は囚人や

タイリーン大尉率いる南軍の捕虜から志願兵をつのることにします

序盤はかなりいいセンいっています(笑)

北軍と南軍の兵が協働してアパッチを討伐(とうばつ)することが目的なのに

お互い反目しあい、脱走兵まで出てしまう

それをいちいち収めるのがダンディー少佐ではなくタイリーン大尉

(結局最後までカッコいいシーンはタイリーン大尉がもっていく 笑)

 

だけど救出が目的だったはずの子どもたちがあっさり保護

それでもチャリバをやっつけようと意気込んだのはいいものの

ダンディーフランス軍を襲い、未亡人テレサと湖でイチャ

がアパッチに見つかり太ももに矢を打ち込まれてしまいます

しかも村で手当てを受けると、看護してくれた女を口説き

そこに本命のテレサがやって来て女と鉢合わせ

そこからダンディー、騎兵隊には戻らずアルコールに溺れる日々

ダンディーと再会したタイリーンは殴り合い

ダンディーはやっと目が醒めるのでした

 

 

ンディー少佐(チャールトン・ヘストン

ヘストンさまの軍服、キタ━(゚∀゚)━!

予算超過を理由にペキンパーが解雇寸前になったとき

撮影存続のためにはギャラ(20万ドル)はいらん

制作費に回すよう依頼したそうな

全米ライフル協会NRA)の会長に就任したことで批判もありましたが

銃が悪いわけではない、使う人間の問題

 

サミュエル・ポッツ(ジェームズ・コバーン

片腕の斥候(せっこう)

障害者の美学を描くのもペキンパーはうまい

 

グラハム中尉(ジム・ハットン)

大砲に情熱を持つ男、不器用だけどチャーミング

 

ゴメス軍曹(マリオ・アドルフ)

ダンディーの右腕

 

テレサ(センタ・バーガー)

オーストリア人医師の未亡人

夫が亡くなった後も現地の人々の医療に尽くしている

当時センタ・バーガーはヨーロッパで絶大な人気で、ヘストンとのラブシーンを

(西欧での興行のため)ペキンパー強要される

 

ベンジャミン・プリアム(ダブ・テイラー)

留置所から採用された馬泥棒

意外とこういう奴が(仕事はともかく)真面目だったりする

 

イソップ(ブロック・ピーターズ)

黒人兵士グループのリーダー

 

ダールストロム牧師(RG・アームストロング)

格闘系の爺さん牧師

こういうギャップのあるキャラってみんな好きよね(笑)

 

ティム・ライアン(マイケル・アンダーソン・ジュニア)

生き残りのラッパ兵、本作の語りて

フランス兵に従属された村でリンダと知り合い

チェリーボーイを捧げ結婚を誓う

 

リンダ(ベゴナ・パラシオス

ラッパ兵に恋する若い女

現実ではペキンパーと結婚し、ひとり娘を授かったものの

その後20年にわたり腐れ縁で別れと復縁を繰り返したことで有名

 

 

タイリーン大尉(リチャード・ハリス

王族とか司祭のイメージが強いリチャード・ハリスだけど

タイリーン大尉いちばんカッコいいぜ(笑)

 

チルム軍曹(ベン・ジョンソン

タイリーン大尉の部下

 

OW・ハドリー(ウォーレン・オーツ

タイリーン大尉の部下のひとり、脱走しタイリーンに処刑される

 

アーサー・ハドリー( L.Q.ジョーンズ アーサー)

タイリーン大尉の部下のひとり、OWの兄

 

 

アパッチとの戦いで、あっけなくチャリバを倒したのは

なんとラッパ兵(笑)

クライマックスはフランス軍との河を挟んだ戦闘

ストーリー的には単純に北軍と南軍の確執と

アパッチとの戦い絞ったほうがヨカッタのでしょうが

いらないと思えるシーンでも、それだけ見れば凄すぎる

(大量の馬をどうやって激しく倒しているの)

カットできなかった理由がわかるというもの

 

そしてこの未完の傑作が、滅びの美学

ワイルドバンチ」(1969)に繋がることになります

 

 

 

【解説】KINENOTEより

ハリー・ジュリアン・フィンクの原作を、彼と「昼下りの決闘」のサム・ペキンパー、オスカー・ソウルが共同で脚色、サム・ペキンパーが監督した西部劇。撮影は「野望の系列」のサム・リーヴィット、音楽はダニエル・アンフィシアトロフ、主題曲“ダンディー少佐のマーチ”をミッチ・ミラー合唱団が担当している。出演は「北京の55日」のチャールトン・ヘストン、「戦艦バウンティ」のリチャード・ハリスのほかにジム・ハットン、ジェームズ・コバーンマイケル・アンダーソン・ジュニアなど。製作はジェリー・ブレスラー。

1864年、第五騎兵隊B中隊は伝令に出たライアンを残して、狂暴なアパッチの酋長チャリバの奇襲を受けて全滅した。本部ベンリン砦では、ダンディー少佐(チャールトン・ヘストン)が腹心の部下グレアム中尉と、チャリバ討伐の志願兵を募っていた。その中には南軍の捕虜や脱走兵もまじっていた。捕虜の中のタイリーン大尉(リチャード・ハリス)とダンディー士官学校の同期生であり、親友だったが、その友情も今は憎しみに変わっていた。しかし大尉は、チャリバを討伐するまでという約束で隊に加わった。チャリバがメキシコの奥地に入ったという報告を受けたダンディーは出発した。しかし、戦闘で3分の1の隊員を失い、その上チャリバを逃してしまった。その当時メキシコでは、フランス軍とファレス派の自由メキシコ軍が戦っていた。ダンディはフランス軍を襲い、武器や馬を奪った。だがその日から騎兵隊は、フランス軍の大部隊の追撃を受けることになった。ダンディーは足を負傷し、酒びたりの毎日だったが、彼を救ったのはタイリーンだった。タイリーンは約束を果たしたら、この手でダンディーを殺すと言った。リオ・ブラボー近くの谷で、ついにチャリバを倒した。ダンディーとタイリーンが対決した時、フランス軍が追ってきた。ダンディーは、リオ・グランデへの退却を命じた。河をわたればテキサスだが、そこにも敵が待ちうけていた。ダンディーとタイリーンは再び手を結び、フランス軍と戦った。河は血に染まり、星条旗フランス軍に奪われた。タイリーンは旗を奪い返した。しかし彼が高々と星条旗をかかげた時、敵弾が彼の胸を射た。そして背後に迫った敵の只中に単身躍りこみ、壮烈な戦死をとげた。生き残った11名の男たちは、星条旗と南軍の旗をかかげテキサスへと向かった。