Imagine there's no countries 想像してごらん 国なんて無いんだと
It isn't hard to do そんなに難しくないでしょう
Nothing to kill or die for 殺す理由も死ぬ理由も無く
And no religion too 宗教も無い
Imagine all the people 想像してごらん みんなが
Living life in peace ただ平和に生きているって
リアルタイムで現地で撮影したかのような説得力
ウェットになりすぎないラストと
静かな感動を呼ぶジョン・レノンの「イマジン」
私も含めエンディング・ソングのベストに
この曲を選ぶ人は多いのではないでしょうか
原題も「The Killing Fields」
キリング・フィールドとは、
大量虐殺が行われた刑場跡(死体置き場)のこと
原作がピューリッツァー賞なので、あくまで報道者目線(笑)
1973年8月、ニューヨーク・タイムズの特派員として
プノンペンにやってきたシドニー(サム・ウォーターストン)
およそ100万人のカンボジア人が死傷したというスクープを嗅ぎつけます
アメリカ軍に取材を拒否されるなか
現地人ガイドのプラン(ハイン・S・ニョール)は
シドニーが取材できるようにします
やがてシドニーとプランの間には固い信頼と友情が生まれます
都市に住む富裕層や、外国語の話せる知識人たちは
資本主義やアメリカ人に味方したと
洗脳教育された10代にも満たない子ども兵士に殺されたり
捕虜として農村に移住させられてしまいます
国外退去せず、ぎりぎりまでシドニーと仕事を共にしたプランも
パスポートがないため捕らえられてしまいます
シドニーたちの努力の甲斐もなく
パスポートの写真が真っ黒に変色してしまったシーンはショック
アメリカに帰ったシドニーはプランを探しますが見つからないまま何年か過ぎ
彼の著書はピューリッツァー賞を受賞します
一方プランは生き延びていて脱走のチャンスを窺っていました
クメール・ルージュの穏健派の幹部から息子を助けてほしいと
出口までの通路の地図を受け取ります
幹部は殺され、その幼い息子も地雷で死んでしまいますが
プランはなんとか難民キャンプにたどり着くことができました
そしてシドニーのもとにプランが見つかったという報告が入ります
延々と続く朽ち果てた死体の山
腐った泥と水
今でこそCGでたやすいでしょうけど、本物のよううなリアルさでしたね
どうやって撮影したのでしょう
カメラはクリス・メンゲス(アカデミー撮影賞受賞)
当時は「無知な人間だけが感動する」とか
「ポル・ポトの残虐行為を描き切れていない」という批判もあったそうですが
私は十分にクメール・ルージュ政権下の悲惨さを
映像から感じることができましたし
映画を通じて若い人たちが、カンボジアやクメール・ルージュの背景や歴史を学ぶ
ひとつのきっかけになればいいなと思います
【解説】KINENOTEより
戦火にさらされた70年代カンボジアを舞台に、アメリカ人ジャーナリストと現地人助手との友情、そして流血と恐怖の戦場をリアルに描く。製作は「炎のランナー」のデイヴィッド・パトナム、監督は新人のローランド・ジョフェ、脚本はブルース・ロビンソン、撮影はクリス・メンジス、音楽はマイク・オールドフィールド、編集はジム・クラークが担当。なお85年度アカデミー賞撮影賞、編集賞を受賞。出演はサム・ウォーターストン、ハイン・S・ニョール(85年度アカデミー賞助演男優賞受賞)、ジョン・マルコヴィッチ、ジュリアン・サンズなど。