それでも恋するバルセロナ(2008)

 
「普通と違う人と言われたいけれど、本当は全くもって普通の人
 アーティストと付き合うことで、その欲求は満たされるけれど
 本当に普通じゃない世界の人になりそうになると
 やっぱりそれを求めていないことを知る」
 
 
ペネロペ・クルスが見事、助演女優賞でオスカーを受賞しました
(でもこのときばかりは「レスラー」のマリサ・トメイに受賞させたかった 涙)
 
 
アレンは恋愛の酸いも甘いも知り尽くしているからこそ
冷静にこういう恋物語が撮れるのかも知れません
 
スペインの雰囲気や観光名所を観るだけでも贅沢な気分になれますが
そこに流れるギターの音色がまたGOOD
スペイン語を巧く利用した演出、効果的なナレーション
恋とセックスの危うさと軽さという、軽快で気の利いた作風
そしてアメリカ人の(日本人も)ヨーロッパに対するコンプレックス
 
情熱的で、激情型で、芸術的で、不安定で、アブノーマル
それでも甘いオーラと、美しさ、そして愛を感じるのです  
 
 

クリスティーナ(スカヨハ)は21世紀のセックスシンボル
と、思っていたら魔性のマリア・エレーナ(ペネロペ)が登場
上には上がいるものです
ペネロペの前では、さすがのスカヨハも可愛い小娘
 
余談だけど、アレンがアンジーを迎えないのはどうしてかしら?
イーストウッドは使えたのに)
 
 
でも、日本人が一番共感しそうなのは
堅物女子なヴィッキー(レベッカ・ホール
 
 
そんなクセ者3美女を食べちゃう、フアン・アントニオ(ハビエル)
普通に描くとドロドロのはずなのに、何故かあっさり
 
 
 
経済的に余裕のある画家で
飛行機を操縦し、スポーツカーまで持っている
そして呼吸をするかのよう女性を口説きます
 
面白いのは、フアン・アントニオとマリアの関係に
クリスティーナが介在することでバランスが保たれるということ
フアン・アントニオもマリアも才能ある人間だけど、それゆえにぶつかり合う
クリスティーナは、無垢で可愛い癒し系、いわゆるペット
 
だけど、クリスティーナがいつかそのペットな自分に疑問を抱く
再び人間の道に戻ろうとする日が来るのです
 
 
 

クリスティーナは言う
「望まないものは分かるのに望むものは分からない」
 
マリア・エレーナは言う
「成就しない愛だけがロマンチック」
 
 
愛する美女から去られたフアン・アントニオは
再びビッキーをランチに誘います
着てゆく服をとっかえひっかえするビッキーは、乙女心ですね
そこに現れる浮気男を撃退しようとする銃女も、また乙女心
 
 
 
個性の全く違う女性が、同じ男に惹かれ
しかもソツない魅力が返って邪魔してしまう
それでも飽きずに最後まで観れるのは、アレンの才能ゆえでしょう
 
とかくこの映画、女優陣3人がすこぶるイイ
男優は蚊帳の外(笑)
 
物語はひと夏のアバンチュールという感じですが
美しい風景に美味しそうな食事とワイン
これでは確かにバルセロナに行きたい気持ちにはなります
 
それはたぶん、誰でもアバンチュールしたい願望があって
それが叶えられる都市のような気がするのだからかも知れません
 

 
【解説】allcinemaより
ホームタウン、ニューヨークを飛び出し、イギリスで3本の作品を手掛けたウディ・アレン監督が、今度は初めてバルセロナを舞台に撮り上げたロマンティック・コメディ。バカンスでスペインを訪れた対照的な2人のアメリカ人女性と、地元のセクシーな画家、そしてエキセントリックなその元妻、4人が織り成す複雑な恋模様が情熱的かつコミカルに綴られる。出演はハビエル・バルデムペネロペ・クルススカーレット・ヨハンソンレベッカ・ホールペネロペ・クルスは本作の演技でアカデミー賞助演女優賞をはじめ数々の映画賞を受賞。
 親友同士のヴィッキーとクリスティーナだったが、互いの恋愛観はまるで正反対。堅実派のヴィッキーはすでにまじめな青年と婚約中。一方のクリスティーナは、自由奔放に愛を求める情熱家。そんな2人はアメリカを離れ、バルセロナでひと夏のバカンスを楽しむことに。そこに現われたのが色男の画家フアン・アントニオ。たちまち恋に落ちるクリスティーナに対し、最初は警戒心のかたまりだったヴィッキーも次第にフアンの色気によろめきだす。そんな中、彼女たちの前に突然現われたフアンの元妻マリア・エレーナ。フアンを刺したことさえある天才肌の激情家マリア・エレーナの登場で、4人の運命はさらに激しく動き出し…。