あらすじとネタバレ

海外特派員(1940)

原題も「FOREIGN CORRESPONDENT」(外国人記者) ヒッチコックのハリウッド進出第二作目で、第二次世界大戦の直前に撮影された(ドイツ系ユダヤ人)ウォルター・ウェンジャー製作の反ナチのプロパガンダ映画とはいえ(ご都合主義な)シナリオは面白いし、カメ…

チョコレートドーナツ(2012)

「マルコが好きなのはハッピーエンドだった」 原題は「ANY DAY NOW」(いつの日か)でボブ・ディランの「I Shall Be Released」(1967)(私は解放(釈放)されるべきだ)のサビの部分の歌詞になります この映画を見て、ふと思い出したのが2016年7月に発生した…

パターソン(2017)

原題も「Paterson」 映画評論家風に言えば、ジム・ジャームッシュがアメリカのモダニズム詩人ウィリアム・カーロス・ウィリアムズ(1883~1963)の長篇詩「パターソン」に影響を受けて「アメリカ的なるもの」「労働者階級のアーティスト」を追い求めた作品・…

ワンダー君は太陽(2017)

原題は「Wonder」ワンダーは「不思議」や「驚き」という意味がありますがここでは「奇跡の子」ということ トリーチャーコリンズ症候群とは、遺伝子の突然変異によって頬や顎の骨が未発達、または欠損した状態で生まれ耳の穴がなく聴力障害を伴うこともある5…

キングコング(2005)

原題も「King Kong」これ一本でキングコング三部作(笑)ドラマ編、ジェラシック・パーク編中途半端に優しい振りをする女は、自覚なく相手を傷つける編 意外と評価が高いのには驚き確かに特撮は完成型と言っても過言でないくらいCGが羅列する迫力の映像ノ…

メン・イン・キャット(2016)

原題は「NINE LIVES」(9つの命)英語のことわざ「A cat has nine lives」から(猫は九つ命をもっている=なかなか死なない) 邦題は監督が「メン・イン・ブラック」(1997)のバリー・ソネンフェルドなので安易につけられたものだち思います(ばかだ) 仕事ば…

双頭の鷲(1947)

「僕はあなたを幸せにすることはできない」「しかし僕らは紋章にある双頭の鷲になれる」 原題も「L' AIGLE A DEUX TETES」(双頭の鷲)三島由紀夫が絶賛したというこの作品1898年に起きたエリザベート(オーストリア皇后)暗殺事件をヒントにジャン・コクトー…

オズの魔法使(1939)

かかとを三回鳴らして唱えるのよ「There’s no place like home!」(おうちほどいい場所はない!) 「いのちを守るSTAY HOME (ステイホーム)週間」にぴったりの名作ぜひ家族で楽しんでほしいと思います原題も「THE WIZARD OF OZ」 もうすぐ第二次…

すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ(2019)

「すみっコ」が世間で人気のキャラクターくらいしか知らずに観賞予備知識がなくて正解だったと思います感動や喜びで涙する、というよりは哀しいお話でした世の中から「必要でない」「嫌われている」と認識され隅っこで暮らすキャラクターたちが、本の中のス…

チワワは見ていた ポルノ女優と未亡人の秘密(2012)

原題は「STARLET」(スターレット =愛犬の名前)「STARLET」には「小さな星」や「スターの卵」という意味もあるそうですそれにしても毎度のことながら副題でネタバレする配給会社のやり方はなんだしかもチワワじゃなくてミックスだし(笑) 邦題のせいで損…

最初で最後のキス(2016)

「ブルーは好きだが、ロレンツォは好きになれないな」原題は「UN BACIO」(キスを一つ=じゃあ、またね) イタリア映画にしてはずいぶん保守的で差別的な映画だなと思ったのですがそれもそのはず2008年にアメリカ・カリフォルニア州でおこったゲイの少年が同…

 ラッキー(2017)

「どうして俺はリベラーチェの性的指向にこだわっていたんだろうな」 原題も「LUCKY」監督は無名だし、90歳の爺が主演、期待しないで鑑賞しましたが意外にも玄人向けの素晴らしい出来で(笑)2017年9月に91歳で亡くなった名脇役ハリー・ディーン・スタントン…

トータルリコール(2012)

原題も「Total Recall」(完全な記憶)原作は1989年に発表されたフィリップ・K・ディックの短編集の中のひとつ「We Can Remember It for You Wholesale」(追憶売ります) 1990年のポール・バーホーベン版は言わずと知れた信者の多い作品こちらはリメイク版…

仮面/ペルソナ(1967)

原題は「PERSONA」(人格)「魔術師」(1958)も「口の利けない(利かない)」主人公だったので気になって2度目の観賞(あらすじ、ネタバレあり) 映写機のカーボンライト、回るフィルム、子どもの手、どたばた喜劇蜘蛛、生贄の羊、鳥の内臓、眼、釘を打ちつけ…

魔術師(1958)

「見るものは 見た」「知るものは 知った」 原題は「Ansiktet」(顔)原作は英ミステリー作家のG・K・チェスタトン「魔術-ある幻想的な喜劇」旅芸人の魔術師の一座と、科学主義者たちの科学と魔法の対立を喜劇にして描いた必見の傑作ベルイマンのなかでは宗教…

地球の静止する日(1951)

原題は「THE DAY THE EARTH STOOD STILL」(地球が静かになった日)いわゆる”ファーストコンタクト”もので最初はB級どころか、C級かD級を思わせるあまりのチープさに失笑してしまいまいましたが(笑) ロバート・ワイズだけにドラマ部分がしっかりしていてSF…

モンキー・ビジネス(1952)

原題も「MONKEY BUSINESS」モンキー・ビジネスには「いんちき」「 ごまかし」「いたずら」という意味があるそうです 本作では「猿の仕業」という意味合い 【ここからネタバレあらすじ】 オクスリー社長(チャールズ・コバーン)の製薬会社で「若返り」の新薬を…

モダン・タイムス(1936)

原題も「MODERN TIMES」(現代)何度観ても安心のクオリティ最小限の音声と字幕、最大限の風刺と哀愁ここまで境地に達したら、チャーリーがトーキーに踏み切れなかったのもわかる それでも次作「独裁者」(1940)のラストの演説の言霊には心が震えるもし赤狩り…

グッバイ・ゴダール!(2017)

原題は「LE REDOUTABLE」(リダウタブル =フィルム) アンヌ・ヴィアゼムスキーは、ロシア貴族の血を引きノーベル賞作家フランソワ・モーリヤックを祖父に持つセレブおまけにソルボンヌ大学哲学科に通うインテリ16歳のとき、ロベール・ブレッソンの「バルタ…

溺れるナイフ(2016)

全く意味不明だったんですけど(笑)難解というよりは、何がいいたいのか全くわからないギャガ(配給会社)の重役がこれ見て面白ったのなら「アベノマスク」と同じくらい、感覚がずれている(笑) なんでも原作は全17巻にわたる人気漫画でヒロインの小学6年生…

若草物語 (1964)

4人姉妹の物語ですがオルコットの「若草物語」(映画は1949年版が有名)ではなく谷崎潤一郎の「細雪」に近いようで遠い(笑)姉妹のうち次女と三女がひとりの男性を慕いあう青春ストーリー 東京オリンピックの年のトレンドを見れるのは面白い学生運動、飛行…

蜘蛛巣城(1957)

原作のシェイクスピアの「マクベス」はよく知らず鑑賞 言えるのは、舞台が日本の時代劇になっても全く違和感ない 山田五十鈴が怪演すぎて、三船敏郎がかすんで見えるくらい(笑) 大殿に忠誠を誓った主人公が、森の中でもののけから“予言”されますもののけは…

わが谷は緑なりき (1941)

原題は「HOW GREEN WAS MY VALLEY」(私の谷は緑だった) 世界中のホラー映画マニアから敬愛されているロディ・マクドウォールのデビュー作が、まさかこれだったとは(笑) オープニングから名作の香りがプンプン(笑)滅びゆく炭鉱の村から去ろうとしている…

さらば、わが愛/覇王別姫(はおうべっき)(1993)

「覇王別姫」とは四面楚歌で有名な項羽(こうう)と項羽の愛人、虞美人(ぐびじん)の悲恋を描いた京劇作品のこと これはすごい、大傑作北伐、日中戦争、国共内戦、中華人民共和国成立、文化大革命という時代の変化に翻弄されながら、叶わぬ愛を抱えて生きて…

カンパニー・メン(2010)

「俺が破滅しても誰も気づかない」原題も「THE COMPANY MEN」(会社の男) ざっとしたあらすじは、世界金融危機(リーマンショック)後のサラリーマンの人間模様コロナショックの今、決してよその国や映画の話でなく現実味を帯びています アメリカの映画を見…

アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング(2018)

原題も「I FEEL PRETTY」(可愛くなった気がする) ありきたりのサクセスコメディですが、私は好かった仕事や人間関係で辛さを感じているコンプレックスで生きることが苦しいそんな悩める女の子達が、少しでも元気になってほしいというメッセージを感じます …

ロング・トレイル!(2015)

「この道は人生と同じ 先は見えなくともベストを尽くす」 原題は「A Walk in the Woods」(森の中の散歩)原作は1998 年に発表されたビル・ブライソンのノンフィクション紀行本 これを見たなら誰もが、ポール・ニューマンの生前にレッドフォードと共演してほ…

囚われの美女(1983)

タイトルはマグリットの「LA BELLE CAPTIVE」(囚われの美女 )からルネ・マグリット(1898~1967 68歳没)とはベルギー生まれのシュルレアリスム運動(無意識の探求・表出による人間の全体性の回復)の重要人物現実ではありえない夢の中の不合理性を突き詰め…

快楽の漸進的横滑り(1974)

「美しい死体を作りたいだけ」原題は「Glissements progressifs du」(快楽の斬新的な変化) 「フレンズ ポールとミッシェル」(1970)と「続フレンズ」(1973)私は小学生の頃テレビの吹替でみたきりで14歳の女の子が妊娠出産、ラストで引き裂かれ続編で再会という…

嘘をつく男(1968)

「僕の話をしよう 少なくともそう努めたい」 原題も「L'HOMME QUI MENT/THE MAN WHO LIES」(嘘をつく男)またもや現実と虚構とSMしかも"嘘"がテーマなので、少しややこしいロブ=グリエが戦争PTSDを描くとこうなります 【ここからネタバレあらすじ】 第二次…