ヨーロッパ横断特急(1966)

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原題は「Trans-Europ-Express」
アラン・ロブ=グリエ自身が映画監督役で
プロデューサーとアシスタントとともに
パリからベルギーのアントワープ行きの列車(TEE)に乗りながら
この列車を舞台に映画を作ろうと構想を練る
メタフィクション(フィクションについてのフィクション)

 

【ここからネタバレあらすじ】

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主役はジャン・ルイ=トランティニャンで麻薬の運び屋
売店でSM雑誌を買い込み(笑)
怪しい男とスーツケースを交換してTEEへ乗り込む
滞在先のアントワープで警察と麻薬組織両方から追われる、という
監督のアイディアを反復

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あまりに監督の筋書が適当なので(笑)
アシスタントがツッコミを入れるたびに
途中から、または最初からやり直しの繰り返し
次から次へと別バージョンの物語が出来上がっていく

しかもロブ=グリエにツッコミを入れるアシスタント役の女優が
ロブ=グリエ本当の奥さんというのが笑える(笑)

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どこまでが現実かどこからが虚構かわからないまま
トランティニャンはブツを運ぶ合間に娼婦をベッドに拘束
実は娼婦は麻薬組織のスパイとわかり首絞めプレイで絞殺
どんな危険な立場になってもSM優先(笑)

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警察はトランティニャンをおびき寄せるため
彼の好きなSMモデルのショーの新聞広告を出します
まんまと引っかかってショーにやってきたトランティニャン
観客に扮した婦人警官が「楽屋に案内するわ」といえば
とことこと付いていき(笑)やってきた警察官に撃たれて終わり

 

【ネタバレあらすじ終了】

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一応サスペンスだけど、緊張感はゼロ
ロブ=グリエが自分趣味を映像にしたかったとしか思えない
それをトランティニャンが大真面目に演じるんだから(笑)

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それでもトランティニャンだし、女の子はどの子も可愛いし
部屋に「ロシアより愛をこめて」(1963)や「いつか見た青い空」(1965)の
シネフィルが喜ぶようなポスターが貼ってあったり
B級とは呼ばせない何かはあります

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評価もわるくないようで「最も成功した、理解しやすい実験映画」と
言われているそうです

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【解説】映画.comより
20世紀の文学界に革命を起こしたムーブメント「ヌーヴォー・ロマン」を代表する作家アラン・ロブ=グリエの映画監督第2作。パリからアントワープへ麻薬を運ぶ男が繰り広げる波乱万丈な道中を、幾重にも重なったメタフィクションで構築。スリラーの枠組みを借りてシリアスとコミカル、嘘と真実、合理と非合理の境界を軽やかに行き来する。公開時は「ヨーロピアン・アバンギャルドの最重要作品」と評され、ヒットを記録した。出演は「男と女」のジャン=ルイ・トランティニャン、「アントワーヌとコレット 二十歳の恋」のマリー=フランス・ピジェ。映画監督役でロブ=グリエ自身も出演。日本では、特集上映「アラン・ロブ=グリエ レトロスペクティブ」(18年11月23日~、東京・シアター・イメージフォーラム)で劇場初公開。