危険な戯れ(1975)

原題は「LA JEU AVEC LE FEU(火遊び)

アラン・ロブ=グリエ 不思議の国のアリス系ですが

出てくるのは、白うさぎや、チェシャ猫や、トランプではなく

裸の美女たちと、変態おじさんと、股間ぺろぺろワンコ (笑)

ミステリーのようで、実はコメディ

一応ちゃんとしたプロットがあるので

ロブ=グリエの中ではわかりやすい作品かなと思います

ただエロさを求めると肩透かしなのでご注意を(笑)

公園で読書中の胸ホクロが3つある女性が誘拐され

銀行家のジョルジュ・ド・サックスのもとに

娘のカロリナを誘拐した、身代金の100万ドルを用意しなければ

快楽の館に軟禁して虐められるという電話があります

カロリナは学校からいつも通り帰っていました

娘が心配な父親が警察に相談すると

美女の強奪が密かにあちこちで進行しているといいます

父親は娘を安全な場所に保護しようと、警察に娘を預けると

警察が娘が連れて行った安全な場所こそ

誘拐秘密組織が運営するクラブ、快楽の館だったのです

ここに出てくる男たちはみんなグルで

さらに見る側(男性限定)にまで、共感を求めてくるという大胆さ(笑)

捕えられた女性たちは薬を打たれ

陶器のように美しいけれど、無表情で生命感はなく

裸体で過ごし男たちの戯れの対象としてだけ扱われます

(いろいろな性癖が見れます 笑)

しかもお遊びが終われば刺されたり

焼かれたりして処分されてしまいます

(ブレイク前のシルビア・クリステルがちょい役で登場)

カロリナは(やる気のなさ全開 笑)

父親そっくりな男に鞭で打たれたり

犬に追いかけられたりするものの、館の中での行動は自由

組織の人間のひとりフランツと組んで

父親の用意した身代金100万フランを強奪し逃亡を図ることにします

しかし逃走中車が横転し火を噴いてしまいます

娘が焼死したと思い込んだ父親はピストル自殺

隠れていたカロリナとフランツは、嬉々として走り去っていくのでした

が、実は誘拐も、快楽の館も、自殺もなかった

すべては父親の妄想だったというオチ(たぶん)

父親にしてみたら娘の恋人は誘拐犯のようなものですね

カロリナは成長し、男に恋をしただけ

(娘が大好きすぎる)父親の束縛から解放されたかっただけ

そうして少女は女になったのです

 

【解説】U-NEXTより

人の心の奥底に隠れた狂気や妄想、倒錯した世界を赤裸々に描いた官能サスペンス

小説家として名高いアラン・ロブ=グリエ監督の作品。女優陣の美しさと、妙な面白さも魅力的。美女たちが裸体をさらす、退廃的で不思議な雰囲気に酔わされる。

美女を狙った誘拐事件が多発しているパリ。ある日、富豪のもとに「娘を誘拐した」という脅迫電話がかかってくる。娘は無事に部屋にいて安堵するも、身を案じた父親は、ある館に娘をあずけようとする。だがその建物は秘密組織が運営する危険な館だった。アニセー・アルヴィナ、フィリップ・ノワレクリスティーヌ・ボワッソンジャン=ルイ・トランティニャンほか出演。1975年フランス 112