原題も「Total Recall」(完全な記憶)
原作は1989年に発表されたフィリップ・K・ディックの短編集の中のひとつ
「We Can Remember It for You Wholesale」(追憶売ります)
1990年のポール・バーホーベン版は言わずと知れた信者の多い作品
こちらはリメイク版にしてはストーリーも崩壊しておらず
悪い出来ではないほうでしたが
「Total Recall」というより、記憶に残らない作品
見ていた途中で「前にも見た」ことを思い出す、あるある映画 (笑)
なるほど監督は「ダイ・ハード4.0」(2007)の
記憶に残らない系が得意なレン・ワイズマン(笑)
【ここからネタバレあらすじ】
21世紀末化学戦争の結果、地表の大部分が汚染され
居住可能区域は2つに分断されました
富裕層が暮らすイギリス周辺の「ブリテン連邦(UFB)」と
オーストラリアにある「コロニー」と呼ばれる労働者居住の区です
コロニーの労働者たちは、毎日「フォール」という巨大エレベーターに乗って
地球の裏側にあるUFBまで移動し、富裕層のために働いていました。
ライン作業員のダグラス・クエイド(コリン・ファレル)もその中のひとり
ダグラスは毎晩、見覚えのない美女と銃撃戦をかいくぐり逃亡するという
いつも同じ夢でうなされていました
救急隊員として働く妻のローリーケイト・ベッキンセイル)は
どんな夢か知りたがりますが、ダグラスは夢の中の女性のことが言えず
「人は出てこない」とごまかします
結婚生活のストレスで悪夢を見るのかと心配するローリー
出動要請を受けて出勤するローリーを見送ったダグラスはニュースで
UFBの列車爆破テロで、少なくとも144名が死亡したと知ります
UFBで起きている一連のテロは「フォール支配の象徴だ」と敵視する
”マサイアス”(ビル・ナイ)の右腕である元連邦警察の諜報員
“カール・ハウザー”も関与していると指名手配されていました
ほかにもUFBの人口過密問題があげられていました
UFB代表のコーヘイゲン(ブライアン・クランストン)は
テロ対策としてダグラスの勤務する工場に
「シンセティック」(ロボット警官)の増産を命じます
そこで新人社員に仕事を教えていると、朝フォールの移動中
同僚のハリーとリコール社の「記憶売ります、最高の思い出を」という
触れ込みが「危険だ」と話していたのを聞いていたと言い
「リコール社は安全、3回も経験している」「マックを訪ねろ」と教えてくれます
仕事帰りハリーと飲みに行った後、ダグラスはリコール社に行きマックを指名
「どんな記憶を」という質問に「(007のような)冒険の記憶」を希望します
「念のため脳の中を調べます」とマックが調べ始めたとたん
武装した警官が襲撃してきて、マックは殺され
なぜかダグラスは勝手に身体が動き、警官隊を一掃
家に帰ったダグラスは、リコール社での銃撃戦のニュース見て
「俺が殺した」とローリーに告白します
ローリーはやさしく慰めてくれる、と思ったら突然襲ってきた
対抗するダグラスに、コーヘイゲンに命じられ妻のふりをしていたこと
ダグラスの脳内は偽物の記憶で、何者かは自分も知らないことを告げます
混乱したダグラスはその場を逃れますが、その時自分の右手が光り(テレビ電話)
ハモンドと名乗る男から「その通信機で探知されるから破棄しろ」
「キーを入手しろ」と言われ一方的に切られます
ダグラスはガラス片で手のひらを切り、透明なシートを取り出し
「クール!」と叫ぶ若者にそのシートをプレゼントします
(通信機の信号で)ダグラスを追っていたローリーと警官隊は
居場所を突き止めたものの、取り囲んだのはイカれた若者
ローリーの追跡をかわしたダグラスは、車のルーフに乗って逃亡
ダグラスはシートに表示されていたUFBバンク(UFJじゃないよ)の
貸金庫で複数のパスポートや身分証、映像のデータを見つけます
データを再生してみると、自分の姿形をした男が写し出され
UFBの”ハイスペリオン”というアパートに行けと言われます
ローリーはコーヘイゲンから、記憶を戻しつつあるダグラスを殺害せよと命令され
”ハイスペリオン”に向かおうとするダグラスを
部下と共にホバーカーやヘリコプターを使い追跡
その時、と突然現れたメリーナ(ジェシカ・ビール)という女性に助けられ
追っ手をかわし”ハイスペリオン”に辿り着きました
すでに警察の手入れが入り「KEEP OUT」のテープが貼られていましたが
そこでで気絶したメリーナの手当てをするダグラス
ピアノを見つけたダグラスは、自分がピアノを弾けることに気づき演奏すると
ひとつの鍵盤だけ音が鳴らない、「キーを入手しろ」のキーは鍵盤のこと
鍵盤を操作すると映像ホログラムが現れ
ダグラスこそ“カール・ハウザー”本人で、マサイアスの命令で
コーヘイゲンを抹殺するために送り込まれたこと
メリーナと恋人同士だったこと
そして一連のテロ事件の首謀者はマサイアスではなく実はコーヘイゲンで
コーヘイゲンは人口過密に陥ったUFBの住民をコロニーに移住させるため
テロ撲滅を装ってコロニーに「シンセティック」を投入し
コロニーの住民を抹殺することが目的だと判明します
連日報道されている、マサイアス一派によるテロのニュースは
コーヘイゲンによって捏造されたニュースだったのです
ホログラムは「シンセティック」を解除するコードが自分の脳内にあり
それを取り出せるのはマサイアスだけと告げます
間もなく、ダグラスとメリーナは警官隊に取り囲まれ
その中には同僚のハリーと妻ローリーの姿もありました
ハリーはダグラスに、これはリコール社の記憶装置による妄想の世界で
目覚めるためにはメリーナを撃つしかないと言います
しかしメリーナの一筋の涙で、彼女が現実に存在すると判断したダグラスは
ハリーを射殺してメリーナとともに逃亡
マサイアスが潜伏する危険地帯“ノー・ゾーン”へ向かいます
ローリーはコーヘイゲンから、ダグラスの本当の正体を聞かされ怒っていました
シンセティックを引き連れダグラスを追いかけます
マサイアスと会ったダグラスは記憶を取り出す装置にかけられますが
それこそがマサイアスのアジトを探るためコーヘイゲンが仕組んだもので
メリーナはそれが罠であると見抜きますが、時すでに遅く
ローリーとコーヘイゲンらによってマサイアスは殺害されてしまいます
コーヘイゲンは最初から「シンセティック」を解除するコードなどないと言い
捕えたダグラスから“真の記憶”を取り出すため、再び装置にかけようとします
辛くも脱出したダグラスは、ハモンドに連絡して助けてもらいます
(記憶が戻った時、電話で知らせてくれた人)ところがハモンドも敵の銃弾に倒れ
ダグラスはコロニーを救うため
出撃した「シンセティック」部隊を食い止めようと
フォールに時限爆弾を仕掛けコロニーへ向かいます
重力反転のタイミングを狙い、捕らえられていたメリーナを救い出し
隣の車両へ避難、そこにはスリープ状態のシンセティックがたくさん並んでいました。
フォールがコロニー側に到着し、ローリーはシンセティック起動を開始
メリーナはヘリコプターを奪い、コーヘイゲンと戦うダグラスを援護
死闘の末コーヘイゲンを倒し、時限爆弾が爆発
UFBとコロニーを結ぶ唯一の移動手段フォールは消滅し
コロニーはUFBからの独立を果たします
爆発に巻き込まれたダグラスが目を覚ますと、そこにはメリーナの姿がありました
しかしダグラスは彼女の手のひらに傷痕がないことからローリーだと見破り殺害
救急車の外に出て本物のメリーナと再会し、抱き合いました
【ネタバレあらすじ終了】
決してつまらないわけではなく、見ている間はアクション部分も楽しめるのですが
オリジナル版のような、ほかの映画との決定的な違い
「インパクト」がないのでしょう(おっぱい3つはオマージュしてたけど)
だから時間が経つと忘れてしまう
結局記憶は戻っていないというオチでも
過去の恋人が美人ならヨリは戻せるものなのね(笑)
【解説】allcinemaより
ポール・ヴァーホーヴェン監督、アーノルド・シュワルツェネッガー主演で1990年に映画化され大ヒットしたフィリップ・K・ディックの短編小説『追憶売ります』を、「アンダーワールド」「ダイ・ハード4.0」のレン・ワイズマン監督、「マイアミ・バイス」のコリン・ファレル主演で再映画化したSFアクション。人工的な記憶を植え付けることが可能になった近未来を舞台に、記憶を塗り替えられ謎の陰謀に巻き込まれた男が、本来の記憶を取り戻すべく巨大な敵に立ち向かっていく姿を描く。共演はケイト・ベッキンセイル、ジェシカ・ビール。