カンパニー・メン(2010)

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「俺が破滅しても誰も気づかない」
原題も「THE COMPANY MEN」(会社の男)

ざっとしたあらすじは、世界金融危機リーマンショック)後の
サラリーマンの人間模様
コロナショックの今、決してよその国や映画の話でなく
現実味を帯びています

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アメリカの映画を見ると、ある朝いつも通りに出勤すると
突然解雇を言い渡され、デスクを片付け出ていくシーンが
よくありますが事実なのでしょうか
そして、今まで高給取りでセレブのような生活をしていた家族が
お金に困りだし家を手放してしまう

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もし突然解雇される場合があると契約上にあるとして
よほどの事情があるならともかく、なぜ貯金しておくという感覚がないのか
私の感覚からしたら全く不思議です

 

【ここからネタバレあらすじ】

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主人公のボビー・ウォーカー(ベン・アフレック)は
MBA取得者で大企業に勤めるエリート
ポルシェを乗り回し、高級住宅街に住んでいます
その彼が会社の業績悪化で突然のリストラ

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仕事なんてすぐ見つかるさと、就職支援センターに通うものの
就職どころか面接にこぎ着けることさえできません
にもかかわらず現実を認めようとせず、ゴルフを続け、人前で体裁を繕う

当然すぐに家賃を支払えなくなり
妻(ローズマリー・デウィット)の提案で妻の両親と同居することになります
息子は私立の有名校から公立に転校
妻と子どもたちのほうがよっぽど現実的、しかも思いやりがある

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そんな時妻の兄ジャック(ケヴィン・コスナー)が人手不足なので
仕事を手伝ってくれないかと言います
ジャックは日本でいう工務店を営んでおり
大工や左官工のような職人を何人も雇っています

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肉体労働なんてボビーのプライドが許さない
だけど息子だって新しい学校で虐めに耐え頑張っているのです
娘だって父親のために毎日お祈りしているのです

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しぶしぶジャックの仕事を手伝いに行きますが
案の定トロくて失敗ばかり、おまけに全身筋肉痛でボロボロ
それでも数日もすると、仲間たちが温かく迎えてくれ
ジャックの経営者としての部下に対する責任感を知ります

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一方ボビーの去った会社では、三千人のつぎに
五千人という規模のリストラが行われようとしていました
なのに会社は新社屋を建築していることに抗議する
創業時から社長(クレイグ・T・ネルソン)の腹心である
社内の幹部女性と不倫中の爺(笑)ジーン(トミー・リー・ジョーンズ

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ついには溶接工から叩き上げの重役
フィル(クリス・クーパー)までもがクビになり
やがてジーンにも解雇の書類が渡されることになります

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高給取りで派手な生活をしていたものの、家族さえ養えなくなったボビー
奥さんに失業したと打ち明けれず、毎日会社に行くふりをするフィルと
一方、たとえ給料は高くなくても、長年地味に真面目に働いた信用で
仕事を得ているジャック

という対比

【ネタバレあらすじ終了】

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ひさびさにかっこいいケヴィン・コスナーを見た
(でも、ブルース・ウィリス寄りになっていた 笑)
本当に人生の窮地に陥った時、頼りになるのは学歴でも職歴でもない
メンタルの強さ

運のいいことに、ボビーの家族は失業中でも
金がなくて実家の狭い部屋に居候でも
みんなメンタルが強かった(笑)

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映画なので最終的にはハッピー・エンドですが
現実にはリーマン・ショックの頃の失業者の苦しみは相当なもので
フィルのような自殺者も多くいたのでしょう

今、コロナショックでこれ以上の苦境が私たちを襲おうとしています
倒産する会社、店を畳む飲食店、仕事はあっても大幅な収入減
それでも立ち向かうしかない

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「I will win. Why? Because I have Faith, Courage, and Enthusiasm」
仕事がうまくいかなければ、解雇されるだけ
それよりも、前を向いて生き続けること
何とかなる、と確信を持って思うことが大事
「私は勝つ なぜなら私には 信念と 勇気と 熱意があるからだ」

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そして、どんなときも支えあうのが家族
ローズマリー・デウィットの聡明さと
何度でも言う(笑)ひさびさにかっこいいケヴィン・コスナー
人として大切なものを考えさせられました

 

【解説】allcinemaより
金融危機に端を発した長引く不況で高い失業率が深刻にして身近な社会問題となっている現代のアメリカを舞台に、リストラに直面した男たちが辿る厳しい再生への道のりをリアルかつ真摯に見つめる中で、過度な金融偏重の経済活動がもたらした社会の歪みを静かに訴えかけるヒューマン・ドラマ。主演は「ザ・タウン」のベン・アフレック、共演にトミー・リー・ジョーンズクリス・クーパーケヴィン・コスナー。監督は大ヒットTVシリーズ「ER 緊急救命室」や「ザ・ホワイトハウス」を手がけてきた俊英、ジョン・ウェルズ。これが記念すべき長編監督デビューとなる。
 ボストンの大企業GTXに勤めるエリート・ビジネスマン、ボビー・ウォーカーは、愛する妻マギーと2人の子どもたちに囲まれながら何不自由ない幸せな毎日を送っていた。ところが、その順風満帆な人生は、リーマン・ショックによって一夜にして暗転してしまう。会社側の突然のリストラ通知に為す術もないボビー。しかも解雇手当はたったの12週間分。それでも最初はすぐに再就職できると高を括っていたものの、不採用の連続に自信もプライドも打ち砕かれていく。そんな厳しい現実に負けそうになる彼を、マギーは献身的に支える。やがてボビーは、工務店を営む義兄ジャックに頭を下げ、かつては見下していた肉体労働に汗を流すのだった。一方その頃、GTX社ではさらなるリストラによって2人の重役ジーンとフィルにも非情な解雇が告げられ、それぞれ苦境に立たされることとなるが…。