原題は「NINE LIVES」(9つの命)
英語のことわざ「A cat has nine lives」から
(猫は九つ命をもっている=なかなか死なない)
邦題は監督が「メン・イン・ブラック」(1997)のバリー・ソネンフェルドなので
安易につけられたものだち思います(ばかだ)
仕事ばかりで家族をかえりみない猫嫌いの父親の魂が
娘の誕生日プレゼントにねだられた猫と入れ替わってしまい
その間会社乗っ取りの陰謀に巻き込まれ、家族の深い愛情に気づくというもの
娘役を演じたマリーナ・ワイスマンが
子役時代のクロエ・グレース・モレッツに似ていて超超超可愛い!
猫の動きはいかにもCGですが、モフモフの毛長の靴下猫で可愛い
ケヴィン・スペイシーはトップクレジットだけど、ほとんど声の出演(笑)
最近のクリストファー・ウォーケンはこういう怪しい
魔法使いみたいな役がぴったり(笑)
あとはとにかく87分という短めの尺なので見やすいし
アメリカのコメディ映画によくある下ネタギャグ連発がないのもいい
(それもそのはず、フランスと中国資本でした)
ただシビアなところもあるので、すっきり感は抑えめ
せめて喧嘩した友達と最後に仲直りしてくれたらハッピーになれたのに
(でも実際女同志の絆は、いくら幼くても一度切れたら終わりよね)
でも娘がいるパパが見たら、間違いなくヒロインにメロメロ
そして、こんな娘がいたら猫になっていいと思うはず(笑)
【ここからネタバレあらすじ】
飛行機からスカイダイビングしようとする男が
次は戦闘機を用意しろと無理難題を若い男に命令し宙に舞います
男はニューヨークにあるファイヤー・ブランド社のワンマン社長
トム・ブランド(ケヴィン・スペイシー)で若い男は前妻との間の長男で
建設中の新ビルの設計部に所属するデヴィッド(ロビー・アメル)でした
トムが会社に戻ると相談役のイアン・コックス(マーク・コンスエロス)が
重役を集め株式公開しようと提案しています
トムは新ビルを北半球で一番の高さにすることに躍起になっていて
長年の収益をタワーに費やしたため、一部の重役たちから反感を買っていたのです
ところがある日、パラゴン・タワーという新ビルが
ファイヤー・ブランド・タワーよりも18m高く建設されることがわかります
デヴィッドは父親のために、完成まじかのファイヤー・ブランド・タワーを
北半球で一番の高さにしようと試行錯誤していました
しかしイアンにとっては、新ビルの高さなんてどうでもいいこと
会社の実権を握り株式公開して役員報酬を増やすことが目的です
そんなときトムの娘、レベッカの11歳の誕生日が近付いていました
レベッカは仕事で忙しく、めったに会えない父親のことが大好き
父親の登場するテレビのニュース画面をネットで何度も繰り返して見るほどです
レベッカの誕生日をすっかり忘れていたトムは
妻のララ(ジェニファー・ガーナー)からパーティに出るよう釘を刺されます
トムがレベッカにプレゼントの希望を聞くと、「猫」と答えました
レベッカは去年も猫が欲しいと言いましたが
猫嫌いのトムはごまかして違うプレゼントを選びました
今年はどうごまかそうと、「田代島」旅行にすればいいとか
デヴィッドに相談すると「猫をプレゼントするべきです」と断言され
しぶしぶ帰宅途中パーキンス・ペットショップに向かいました
店に到着すると1匹の毛足の長い猫が立ちはだかり
店主のパーキンス(クリストファー・ウォーケン)は
「人が猫を選ぶのではない、猫が人を選ぶのだ」と、トムに引き渡します
トムが選んだ猫皿には「ミスター・ファジーパンツ(もこもこパンツ)」と
いう名が書かれ、猫用トイレと一緒に購入しました
その時トムのスマホが鳴りパーキンスは「電話には出るなパーティーに行け」と
忠告されますがトムは電話に出、 イアンに新ビルの屋上へ呼び出されます
ファイヤー・ブランド・タワーより高いビルができると知ったトムは
イアンに激怒しクビを告げますが
その時、新ビルのアンテナに雷が落ちトムと猫は飛ばされ
ビルから落ちそうになると、イアンはトムを猫を見捨てます
落下したトムと猫は、棒にぶつかったおかげでガラスを破りビル内に落ち
命は助かりますが、気が付くとトムは意識は猫に入り
トムの身体は意識不明の重態で病院のベッドに横たわっていました
妻のララとレベッカは猫を家に連れて帰り
レベッカは猫が子猫でないことに戸惑いますが
「もこもこパンツ」が家にやってきたことを喜びます
トムは猫が自分であることを知らせるために、あの手この手を考えます
文字を書こうとしてもペンが持てない、iPadは肉球に反応しない
アルファベットのマグネットで作った「I am TOM」に気づいてくれない
IDカードを見せても「遊んでほしいのね」のひとこと
やけになったトムは高級スコッチを灰皿についでやけ酒します
翌朝、二日酔いの猫と空いたスコッチの瓶を見て、ララは不思議に思います
毛糸の糸で「TOM」を作ったら、前妻のマディソンと娘が連れて来た犬に
ぐじゃぐじゃにされました
前妻のマディソンはトムの悪口を散々言い、ララにジョシュという男の話をします
頭にきたトムはマディソンの高級バックにおしっこをしました
猫の餌を食べず、猫用トイレも使わないトムにララが困っていると
トムがボロボロにした電話帳の切れ端から
パーキンスのペットショップの広告を見つけ、ララはパーキンスに連絡をします
トムがパーキンスに「ララにトムだと伝えろ」と言うと
パーキンスは「なぜ猫になったか自問し続けろ」と
元の体に戻るにはタイムリミットがあり、それを過ぎると残りの人生は猫のままで
そのためには猫らしくするのが最良の方法だと答えます
そしてララには「去勢していないから暴れるんです」
もしまた暴れるようなことがあったら「私が去勢がします」と伝え帰りました
渋々猫の餌を食べ、猫用トイレで用を足すトム
ララにジョシュという男から連絡が入り、ララが外出しようとしたので
トムはララのバックの中から車の鍵をくわえて逃げ、阻止しようとします
しかしララに「去勢」と言われ、トムは鍵を渡し
トムがこの猫を選んだのは自分とそっくりだからだわ、と言われます
しょうがないので窓から飛び降り、ララの車に忍び込んだトム
ジョシュの待つ家に到着すると、トムは嫉妬のあまり車から飛び出し驚くララ
ジョシュは不動産会社の人間で、ララは離婚を考えて家を買おうとしていました
しかしトムが意識不明の重症になり、愛していることに気づいた
とても家を買う気になれないとジョシュに告げます
家ではレベッカが、幼いレベッカとトムがダンスする動画を見て泣いていました
レベッカにこんなに愛されていることを知ったトム
たとえ猫の姿でも最高のパパになろうと誓います
涙を流すレベッカをマディソンの娘が写真に撮りSNSにアップします
レベッカは怒りますが、彼女は「泣く姿は男子にモテる」と反省しません
「ママ同士が友達なだけで、友達じゃない」とその子と絶交してしまいます
哀しむレベッカをトムは風船で遊んで励まします
その頃会社では、イアンが証券会社を呼び
会社を売却するための重役会を行っていました
それを知ったデヴィッドは反対しますが、イアンは相手にしません
デヴィッドはララに相談し、トムはイアンの悪事に気付きます
トムは自分に何かあった時、会社をデヴィッドに譲ると「定款」を残していました
しかしその「定款」をイアンはシュレッダーにかけてしまいます
デヴィッドのリュックに忍び込んで会社にやってきたトムは
シュレッダーを倒しデヴィッドにそのことを伝えます
デヴィッドは母親マディソンのところに行き、「定款」がないか調べます
マディソンがトムと結婚していた頃はトムは航空会社の経営で忙しく
仕事ばかりだった愚痴りますが、離婚するときは慰謝料として
会社の経営権すべて渡してくれたこと
今の「ファイヤー・ブランド」という会社名はデヴィッドが子どもの頃書いた
イラストから付けられたことをデヴィッドは教えられます
「彼なりの愛情表現だったのね」というマディソンの言葉に
なんとか父親の新ビルを北米一の高さにしようと決意します
そこでデヴィッドは重役たちの前で、ビルの高さを北米一にできる
設計図を提示しますが、またもやイアンに追い払われてしまいます
そしてファイヤー・ブランド・タワーの落成式の日
イアンは何とかトムの延命措置を取り外そうと担当医に相談していました
一方もこもこパンツがパパではないかと疑いを持ったレベッカは
猫を連れてパーキンス・ペットショップに向かいます
彼が家に来た時、パーキンスが猫と話しているように思えたからです
そこでもこもこパンツは、昔レベッカがパパと踊ったダンスを披露します
もこもこパンツはパパだと確信したレベッカは
ダンスを見せればママも猫がパパだと信じてくれると思い病院に向かいます
その時、トムは脳死状態に陥ってしまいました
病院に駆けつけたデヴィッドは、トムの背広から新ビルの入館証を発見し
トムからもらったパラシュートを掴み新ビルに向かいます
病院に到着したもこもこパンツはデヴィッドを追いかけようとしますが
そこではララが医師と呼吸器を止める相談をしていました
ダンスを見てララがトムだと信じれば、 トムの命は助かるかも知れない
しかしトムはデヴィッドを助けるため病室を飛び出しました
パーキンスの力を借りて新ビルに侵入したトムは、屋上に向かい
デヴィッドに続きビルから飛び降り、パラシュートの紐を引くタイミングを教えます
無事パラシュートは開き、地上に降りたトムは記者会見のマスコミに囲まれ
ファイヤー・ブランド社の売却はありえないと宣言します
トムはデヴィッドを誇りに思い、地面に叩きつけられる瞬間光に包まれ
病室のトムの意識が戻り、ララとレベッカは歓喜しました
イアンは売却の計画を続行しようと、急ぎ足で歩きスマホしていました
パーキンスの「危険だから電話を切ったほうがいい」という警告を無視し
イアンは車に轢かれ救急車で運ばれ
気が付いた時、意識は1匹の猫の体に入っていました
回復したトムはレベッカとパーキンス・ペットショップを訪ねます
猫を欲しがるレベッカにパーキンスが渡したのはもこもこパンツでした
もこもこパンツとの再会に大喜びするレベッカ
パーキンスは9回目の命をスタートさせたもこもこパンツを
「最後の命を君のところで過ごしたがっている」と
もこもこパンツをトムとレベッカに託したのでした
【ネタバレあらすじ終了】
この映画が酷評を受けたのは、公開後たまたま
ケヴィン・スベイシーのスキャンダルと重なったことが大きな要因で
そこまで酷い映画ではありません
親子で楽しむというより、10代のお子さんのいる
今一番仕事が仕事が忙しい年代の、パパやママが見るのにおすすめ
子どもって、親のことをこんなに愛しているんだと
猫から目線で知ることができるのです
子どもが幼い時はほんの一瞬、いつまで続くかわからない長い長いGW
お子さんのいるご家庭では楽しい親子関係を築いて欲しいと思います
【解説】allcinemaより
「ユージュアル・サスペクツ」「アメリカン・ビューティー」のケヴィン・スペイシーがペットの猫と心が入れ替わってしまったワンマン社長を演じるコメディ。猫になってしまった主人公が、そうとは知らない家族や会社乗っ取りを目論む社員相手にドタバタ大騒動を繰り広げるさまをコミカルに描く。共演はジェニファー・ガーナー、クリストファー・ウォーケン。監督は「メン・イン・ブラック」シリーズのバリー・ソネンフェルド。r> 仕事一筋で傲慢な大企業の社長トム・ブランドは、“北半球一高いビル”の建設にご執心。そんな中、
忘れていた娘の誕生日プレゼントに猫をあげることにしたトム。怪しげなペットショップで“Mr.もこもこパンツ”と名付けられた猫を購入するが、その帰り道にひょんなことから猫と一緒にビルの屋上から転落してしまう。すると、その拍子にトムと猫が入れ替わってしまうのだった。意識の戻らないトムは入院を余儀なくされるが、トムの意識が入ってしまった猫のほうは幸いにも無傷で、そのままペットとして家族に迎えられる。妻や娘に自分であることを伝えられず悪戦苦闘する猫のトム。一方会社でも、乗っ取りを企む社員の計画が着々と進行していくのだったが…。