消えない罪(2021)

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原題は「THE UNFORGIVABLE 」(許されざる者

サンドラ・ブロック制作主演(57歳と思えば若い)

しかも女らしさを全てかなぐり捨てて熱演

元受刑者が社会復帰する難しさ

世間からの偏見、厳しい風当たり

被害者家族の復讐心

 

それぞれの人々の立場は違うけど

これって誰の心にもあるものなので

わかりやすい映画でしたね

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殺人罪で20年間服役していたルースサンドラ・ブロック

仮釈放され水産加工工場で働きながら

得意の大工作業を活かし寄付金で教会をホームレス用の施設に建て替える

NPO法人の工事を手伝うことになります

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同じ会社で働くブレイクという男友達も出来ます

(ルースに気がある、がルースの罪を同僚にバラしてしまう)

そして何日かごとに保護観察官のヴィンセント・クロスに

近況を報告するのが日課

 

そんな中、事件当日の様子が何度もフラッシュバックされ

彼女がなぜ服役し、妹を探しているのかが明らかになっていきます

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農場を営んでいた両親が亡くなり、行政によって農場は立ち退き

当時5歳だった妹ケイティは養子に出されることが決定されます

 

ルースは断固と反対し、妹と立てこもり

警官が大挙して押しかけたものの埒があかない

そこで地元の保安官が説得のため裏口から踏み込むと

保安官は銃弾に倒れてしまいます

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この時点で、保安官を殺すなんて立ち退きや養子縁組どころか

一生妹に会えなくなるのにおかしいだろ?と

多少なりともオチに気付くわけですが(笑)

 

妹の再会だけを信じて、手紙を書き続け出所を待っていたルース

一方、大学生の妹はキャサリンという名でピアニストを目指し

新しい家族と幸せに暮らしていましたが

ルースが出所したその日交通事故を起こしていました

ルースと何か関係があるのではないかと気が気でない養父母

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そしてルースの釈放を歓迎しないもう一組

保安官の父親をルースに殺され、いまは警察官として働いている

キース(兄)とスティー(弟)でした

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父親の死後アルコール依存症になった母親を介護しているキースは

ルースを尾行し職場や住んでいる場所を突き止め復讐しようとします

しかし妻子あるスティーヴは過去は忘れ

今ある家庭を大切にしようと言います

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ある日、かって妹と住んでいた農場を訪ねたルース

現在はマルコム夫妻とふたりの息子が住み

家の中はリフォームされていましたが昔の名残りもあり

妹と幸せに過ごした日々を思い出します

しかもマルコム氏は弁護士でした

どうか妹の生死だけでも知りたいと依頼するルース

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彼の途力で、妹の養父母との面会にこぎつけますが

ばかかこの女、癇癪を起こしてしまいすべて水の泡

ホームレス用の施設まで破壊し水の泡)

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ところが両親の話を盗み聞きしたケイティの義理の妹エミリーが

ルースが送った手紙を発見し、その内容に感動

ルースに会いケイティの演奏会のリハーサルがあることを教えます

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ケイティの演奏会に行っていいか、マルコム氏の家に確認に行くルース

しかしマルコム氏は不在で、対応に当たった夫人に

またもや激しい癇癪を起こしてしまう

冷静に何があったのかを問いただす夫人に

「妹はまだ5歳だったのよ!」とネタバレ(笑)

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その頃、キース(兄)が妻と寝ていたことを知り(そっちも兄弟かよ)

自暴自棄になってしまったスティーヴ (弟)は

エミリーをケイティだと勘違いし、彼女を誘拐し監禁

ルースをおびきよせることにします

 

父親を殺されたあと、辛い目に遭ってきた日々を

(辛い目に遭わせたのは母ちゃんと兄貴だけどな)

彼女にも思い知らせるために

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でもスティーヴ も本当は悪い人間ではない

ルースの説得に応じ、エミリーに突き付けた銃口を外し

警官隊に捕らえられることになります

 

エミリーを救ったルースを待っていたのは救急車と

ケイティの養父母、そして大人になったケイティでした

ケイティは過去の全てを忘れてはいなかったのです

ルースに駆け寄り、そっと抱きしめる

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昔、視聴者の何十年も離れ離れになった肉親を探し

ご対面させるというテレビ番組があって

赤ちゃんで生き別れになった肉親でも

なぜ会った瞬間にわかりあい、泣いて抱き合えるのか

子ども心に不思議に思ったのですけど

 

今なら顔も知らなくても「感じるもの」があるのだろうなと

何となく納得できます

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ただ展開が安易なのと、法律的に曖昧なのが残念

ネタ晴らしも、もう少し引っ張ったほうがよかったですね(笑)

 

 

【解説】allcinema より

英国のTVドラマ「アンフォーギヴン 記憶の扉」をサンドラ・ブロック主演で映画化したNetflix作品。長い服役生活を終えて出所したヒロインが、いまだ過去の罪を許されない厳しい世間の中に身を置きながら、彼女にとっての償いにして唯一の希望である離れ離れとなった妹を懸命に探し求める葛藤と相克の日々を描く。共演はヴィンセント・ドノフリオジョン・バーンサルヴィオラ・デイヴィス。監督はドイツ出身の新鋭ノラ・フィングシャイト。Netflixでの配信に先立ち、一部劇場でも上映