夕陽の用心棒(1964)

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「裏切ったら殺す 裏切らなくても殺す」

タランティーノ選「マカロニ・ウェスタ2012


原題は「Una Pistola per Ringo」(リンゴのための拳銃)

続・荒野の1ドル銀貨」Il ritorno di Ringo 1965”(リンゴの帰還)

「荒野の1ドル銀貨」”Un dollaro bucato 1965”(ランドリー・ドル)

とは関係ない本作の正式な続編だそうです

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1958年にデビューして、それまでエキストラや端役だった

ジュリアーノ・ジェンマを世界的に有名にした作品ということ

セルジオ・レオーネ(「荒野の用心棒1964」「夕陽のガンマン1965」)

が火付け役となったマカロニ・ウエスタン・ブームに

便乗したというところでしょうか

(日本では未公開、邦題もくっつけただけ 笑)


フェルナンド・サンチョのほうが、この作品で自身の悪役のスタイルを確立し

その後200以上の映画に主演したという

実はジェンマよりスゴい俳優(笑)

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でも、おっさんばかりが主人公の西部劇界で

若くて可愛いくてアクションもできるジェンマ(元体操選手)が

人気を呼んだのは当然といえば当然かもな

日本ではスクーターまで発売されたんだから(笑)


クリスマス間近で浮かれるテキサスの町

メキシコ人の強盗団サンチョ(フェルナンド・サンチョ)一味は

銀行から10万ドルを強奪し、町外れにある農場主の屋敷に立てこもります

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そこで保安官は留置場に入れられている早撃ちのガンマン

(人を殺しているが本人は正当防衛と主張)

エンジェル・フェイス(リンゴのあだ名 ジュリアーノ・ジェンマ)に

奪われた10万ドルを取り戻すためと人質を救うため

成功したら3割を報酬として渡すという条件で協力を依頼します

農場主の娘ルビーは保安官の婚約者だったのです


残虐なサンチョは農場の農民たちを人質にとり

毎日2人づつ殺すと宣言し実行していました

なのに農場主のクライドも娘のルビーにも深刻さはなく

クリスマスツリーの飾り付けをしたり(笑)

強盗団に高級な酒を振舞ったりします

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しかも老紳士クライドは、サンチョの情婦ドロレスをレディとして扱い

その美貌を褒めて褒めて褒めまくる(イタリア男の鏡 笑)

それにはドロレスもまんざらじゃない

ふたりはだんだんと親しい間柄になっていきます

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保安官事務所から脱走したと嘘をつき、農場に乗り込んだリンゴは

サンチョの傷の手当てをすることで信頼させ

騎兵隊がやってくることを教えます

そして銀行でせしめた10万ドルの4割を払うなら

メキシコに逃がすと持ちかけるのです

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一方でリンゴはルビーだけは保安官に雇われたことを打ち明け

ルビーは一味から逃れられると希望を持ちますが

(父親とドロレスのイチャイチャも気に入らない)


リンゴはサンチョにも保安官に雇われていることを伝え

報酬として銀行から3割もらえることを打ち明けます

そこでサンチョはリンゴに4割払って一緒に逃亡することを承諾します

そのことを知ったルビーは、リンゴを裏切り者のユダだと

激しく非難するのでした

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そのわりには知略や策謀があるわけでなく、行き当たりばったり

退路確保しないで強盗する一味も間抜けだがな 笑)

クリスマスの夜で警備が薄くなっている

(保安官らが監視している)風車小屋を襲撃するため

サンチョの部下たちと小屋に向かうと

 

リンゴは後ろから発砲しサンチョの部下たちを殺し

逃げ道を奪うため谷に爆薬を設置

ベンと打ち合わせした後、農場に戻ります

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すると以前からルビーを気に入っていたペドロが

ルビーを襲おうとしていました

リンゴはルビーを救おうとペドロは殴り合いになり

ナイフでペドロを倒すと、サンチョには正当防衛だったと主張します

(風車小屋の部下たちは背中から撃ったがな)

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が、サンチョもリンゴのことを

頭から信頼していたわけではありませんでした

風車小屋からリンゴに(保安官から)送られた鏡の光の合図を見た瞬間

サンチョの部下にリンゴは縛り付けられ殴られます

サンチョは部下たちに、リンゴに教えたのとは

違う合図を送るように指示していたのです

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しかしリンゴは、更に金を要求し(笑)

もうひとつ逃げ出す方法があるといいます

それは人質を乗せた馬車に隠れて脱出するというものでした


翌朝リンゴが馬車の準備をしていると

ドロレスはクライドと農園に残ると言います

しかしドロレスの裏切りをサンチョは許さず殺してしまいます

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そのときリンゴの仕掛けた爆弾が爆発し馬車が暴走、谷も爆発

屋敷に残った一味とリンゴは撃ち合いになり

次々と倒れていくサンチョの部下たち

そして最後にひとり、物陰に隠れたサンチョを(鐘の反射を使って)倒す


保安官と騎兵隊が屋敷に到着すると、すでにリンゴの姿はなく

残された鞄からはきっちり3割の現金が抜かれていました

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辻褄なんてどうでもよく、だだ誰も彼も殺してしまえなんですが(笑)

真夏の夜にビール片手に見るのには

濃い濃いマカロニはぴったりかもね

(それも寂しい女だなとは言わないで 笑)


【解説】KINENOTEより

当時はモンゴメリー・ウッドという役者名であったジュリアーノ・ジェンマを、一躍スターダムへと押し上げた記念すべきマカロニウエスタンの傑作。銀行を襲った山賊・サンチョが農場に立てこもり、早撃ちの流れ者・リンゴが派遣されるが…。【スタッフ&キャスト】監督・脚本:ドゥチオ・テッサリ 撮影:フランチェスコ・マリン 編集:リチア・クアーリャ 音楽:エンニオ・モリコーネ 出演:モンゴメリー・ウッド(ジュリアーノ・ジェンマ)/フェルナンド・サンチョ/ジョージ・マーティン/アントニオ・カサス