真昼、夕陽、決闘、死闘、荒野、ガンマン、用心棒、勇者、〇〇の男・・
同じような邦題のせいで、記憶できない西部劇シリーズ
が、イーストウッドとシャーリー・マクレーンの登場で
見ていたことにすぐに気付く
しかもレビューまでちゃんと書いていました(5年前)
原題は「TWO MULES FOR SISTER SARA」(シスター・サラのための2頭のラバ)
メキシコの革命ゲリラに雇われた流れ者
ホーガン(クリント・イーストウッド)は
目的地のチワワに向かう途中
3人の悪漢に襲われている半裸の女性を助けます
このままでは火傷をしてしまうと、服を着ることを命じると
そこに現れたのはシスター・サラ(シャーリー・マクレーン)と名乗る尼僧で
自分もチワワ出身だと言い一緒に旅をすることになるのです
貴重な水を使い祈りをささげたり
3人の悪漢をひとりで埋めたり(死体の身元がバレたらヤバイ)
この女最初から怪しい
しかもフランス軍の要塞や動きについてやたら詳しい
か弱そうに見えて、ガラガラ蛇の尻尾を鳴らして敵を追い払ったり
時にはビッチしか使わない毒舌を吐く
なんでも姉が売春婦で、その罪を償うため尼僧になったという
だけど男の脳みそは、いったんこうと思い込んだら
なかなか修正が利かない(笑)
シスター・サラの口八丁をそのまま信じてしまいます
だって彼女があまりにも魅力的だから
若くない、美人でもない、スタイルがいいわけでもない
特別演技派というわけでもない
だけど当時の女優たちが演じることを嫌ったという「娼婦」役でも
さらっと可愛くこなしてしまう
与えられた役を自分なりに精一杯演じる潔さ
だからイーストウッドがマクレーンを気に入ってるのがよくわかる
しかもトップクレジットまで譲ってる(笑)
シーゲルも彼女の演技に合わせて演出したかのように見えます
小さなラバの尻を木の枝でしきりに叩く姿が愛おしい
それがなんで、アトランティス人だとか
体外離脱とかの人になっちゃったんだろ(笑)
フランス軍に攻め入る前に、ヤキ族の矢に胸を刺されたホーガン
サラに薬草を採取させ、矢の軸に溝を作り火薬を入れ点火
矢を抜くのに見事成功したものの
ボーガンは痛み止めのためのウイスキーを飲みすぎて泥酔
サラはホーガンの代わりに橋を登りダイナマイトを仕掛け
ライフルの標準をあわせるため肩を貸す
ゲリラ軍にダイナマイトの調達を頼んだときも大活躍
ゲリラ軍に資金がなくダイナマイトが買えないと知ると
自身のロザリオを寄付したことで
町中の人が隠していた金銀を寄付してくれたのです
あとはどうやってフランス軍の要塞に侵入するか
サラは友人の家の地下と要塞への侵入口が繋がってると言います
友人の家はなんと売春宿でした
サラは売春婦で、しかもスパイ容疑で指名手配されていたのです
侵入口に鍵がかかって入れなかったため
ホーガンは指名手配のサラを連れ
懸賞金目当てで将校に差し出すと要塞に入り
その間パリ祭のお祝いだと、女こどもが
ピニャータ(誕生日や記念日に叩き割る、お菓子を詰めたくす玉)を届ける
しかに中に入っているのはお菓子ではなくダイナマイト
鐘の音とともに始まる銃撃戦と
ふんだんに使われたダイナマイトの爆破音の心地よさ
一方で、多くの人々が敵味方なく死んでいく
ついにゲリラ軍が勝利し、ホーガンはフランス軍から金庫を奪還
旅も戦いも終わり入浴しているサラの浴槽に飛び込みます
ラスト、再び旅立つふたり
そのときサラは、贅沢な買い物を馬に積み
派手な衣装に身を包んでいました
とにかくシャーリー・マクレーンの魅力だけで最後まで見れる
見終わったあとの気分もスッキリいい
最初は(マクレーンの肌の色が白すぎるため)
エリザベス・テイラーにオファーがいったというけど
この作品は本当にマクレーンで正解だったと思います
だけどタイトルは、絶対また忘れてしまう予感(笑)
ちゃんとした原題があるんだから、どうにかしようよ
【解説】KINENOTEより
メキシコが舞台のアクション西部劇。製作はマーティン・ラッキンとキャロル・ケイス、監督は「マンハッタン無宿」のドン・シーゲル、脚本はアルバート・マルツ、撮影はガブリエル・フィゲロア、音楽は「さよならを言わないで」のエンニオ・モリコーネがそれぞれ担当。出演は「ペンチャー・ワゴン」のクリント・イーストウッド、「スイート・チャリティ」のシャーリー・マクレーン。その他ジョン・ケリーなど。