突撃隊(1961)



原題は「HELLIS FOR HEROES(地獄は英雄のためである)


戦闘シーンは記録映像の流用という(笑)

見るからに低予算で小品の戦争映画なのですが

これは隠れた傑作でした




そしてドン・シーゲル作品の特徴といえば

「自分の失敗は、自分でけりをつける」

ここでも、かっての英雄が自分の信念のもと

けじめをつけ未練を残さない姿には、美しさまで感じてしまいます


うその答弁に証拠隠滅というどこかの政治家たちとなんという違い

そっちのジジイには汚さしか感じませんが(笑)



1944年、ジーグフリード線

ドイツのフランス国境地帯に作られた対フランス要塞線

帰国する気満々で待機するアメリカ軍にやってきた

かっては十字勲章を授けられた実績があるものの

泥酔暴行事件で二等兵に降等された補充兵士、リース(スティーヴ・マックィーン


しかし帰国できるどころか、わずかな兵士たちが送られたのは最前線

後続部隊到着まで、ドイツ軍を釘づけにしろと命令され




大部隊に見せるため、ジープを改造して戦車の音を出したり

アイディア勝負でドイツ軍を騙そうとするわけですが(笑)

ドイツ軍の斥候(せっこう=敵の状況を探る兵士)に

小隊であることがバレてしまいます


リースは攻撃される前に、攻撃すべきだと

ヘンショー(ジェームズ・コバーン)と

コリンスキー(マイク・ケリン)を引率して敵の要塞に潜入しようとします




しかし先頭を行くリースが、地雷のひとつを見落としてしまい

その地雷をヘンショーが踏み、背負っていた火炎放射器が爆発

襲撃に気付いたドイツ兵によってコリンスキーも銃撃され

生還したのはリースだけでした


リースを軍法会議にかけると非難するルーミス大尉(ジョセフ・フーバー)

しかしリースの言う通り、このままでは隊は全滅してしまう

敵の”トーチカ”(兵士がたてこもるコンクリート製の防御陣)に

爆弾を投げ込もうと計画を立てます




とはいえ数人しかいない味方は、あえなくドイツ兵に殺され

リースも腹に銃弾を受けてしまいます

そのうえトーチカに放り込んだ爆薬が投げ返されてしまう


リースはその爆弾を抱えトーチカに身を投げ

敵兵とともに爆死します




イマドキみたいに、死ぬ前にグチグチとお涙頂戴な長話などせず

何も言わない、無言なのがいい


これは反戦映画ではないし、戦争について語る映画でもない

これはシーゲルの”男の美学”の映画




このシーゲル流美学はマックイーンにも

「ダーティ・ハリー」(1971)など多くの作品で組んだ

クリント・イーストウッドにも多大な影響を与えたに間違いないと思います


ザッツUSアーミーなオープニングのロゴからかこっこいいですし

ミリタリー・ファンにもおススメします




【解説】allcinemaより

 第二次大戦末期、ドイツのトーチカが建つ前線突破に一小隊が挑む。主人公は自動小銃を撃ちまくり、トーチカを攻略するが……。マックィーン主演、D・シーゲル監督による、兵士の死闘を描いた戦争アクション