事件解決の鍵を握っているのは、渋さもヒーローっぽさもない
おしゃべりなお調子者
いままでのハード・ボイルド調を覆した新境地で
サンフランシスコの坂道であえてカーチェイスをしないお行儀の良さ
線路工事中に、脱走した囚人ギャンズをトラックで拾い
逃走するインディアンのビリー・ベア
公園のベンチにはクレジット・カードを届けに来て殺された
ヘンリー・ウォン刑事の死体
サンフランシスコ市警のジャック(ニック・ノルティ)は
盗まれたクレジット・カードを捜査中のふたりの刑事に加担しますが
ジャックの判断ミスにより、ふたりの刑事は
ホテルで娼婦と寝ていたギャンスに射殺されてしまいます
ジャックはギャンズのかっての仲間で、今は服役中の
レジーの条件は刑務所から出してくれということ
ジャックは強引にレジーを48時間だけ仮釈放させるのです
本当にエディ・マーフィの活きがよくて(笑)
明るくて、楽しくて、女好きで
エディの魅力120%
一方のニック演じるジャックは
なによりも仕事が優先、だけど自分勝手で偏屈な嫌われ者
そんな付き合うのが難しい男だけど、レジーは全く気にしない(笑)
相手が刑事だろうが、ギャングだろうが、女の子だろうが
とにかくマイペース、わが道しか行かない
この芯の通った、決してブレない自分を持っている
そんなキャラクターに魅力を感じてしまうのです
捜査が進むうち、レジーが何か隠していると怪しむジャック
殴り合いの末、ギャンズたちが狙っているのは
自分のポルシェのトランクに隠している
”誰も盗難届けを出せない性質”の50万ドルだと
レジーは打ち明けるのです
そこからは50万ドルの追跡劇&銃撃戦
そんな中でもレジーのお目当ては常に女の子(笑)
だって48時間しか猶予はないんだもん(事件よりそっち)
凶悪ギャンズとビリー・ベアも、意外と最後はあっさり(笑)
レジーも美女とお知り合いになれて、事件もナンパも無事解決
そしてなにより、頑固で堅物のジャックに
やがて友情のようなものが芽生え
融通がきくようになったことに、嬉しさを覚えるのです
「50万ドルはお前のものだ」
ジャックは事件解決で汚名返上
レジーは美女と出会えて、お金も取り戻し、あと半年で出所
真面目に考えればお互いの行動が”正しい”かどうか別として(笑)
希望のもてる爽快なラストはやはり気分がいい
何より、笑えて、楽しめて、元気になれる
そしてエディ・マーフィが好きになる(笑)
これは間違いなく
もっと評価されるべき、低予算映画の傑作のひとつだと思います
野外労働中の囚人が、仲間の助けを得て脱走した。犯人に相棒を殺された刑事ジャックは、彼らとつながりのある、服役中の黒人レジーに捜査協力を求める。48時間の仮釈放という条件で、二人は凶悪犯の追跡に当たるが……。ストーリーその物よりも、ノルティ、マーフィの凸凹コンビによるやりとりが最高。本作で映画デビューを飾ったE・マーフィが作品世界から逸脱せず、上質のハードボイルド・アクションに仕上がっている。