ヒューマン・ハーベスト(2014)



原題も「humanharves」(人間の収穫)
区民館で無料上映があったので見てきました
人狩り」というタイトルで上映されるときもあるようです

2000年以降激増したという中国での臓器移植
「中国に行けば移植ができる」
移植ツアーで外国からやってくる重症患者たち
1週間ほどで臓器は見つかり即手術できます



中国政府の回答は臓器の提供者は死刑囚
または臓器提供志願者から

しかし中国の死刑囚は年間約2千人
しかも法律で1週間以内に刑が実行されるそうです
ドナー登録する人間も100人にも満たないということ
なのに臓器移植の手術は年間数万件から
時には10万件以上あるというのです



これはどう考えてもおかしい
カナダの元アジア太平洋地区担当大臣デービット・キルガー氏と
人権弁護士デービット・マタス氏が率いる調査団が調査

提供者はウィグル、チベットなどの少数民族キリスト教信者
そして最大の犠牲者となっているのが
法輪功(ファルンゴン)学習者だということ
特定のコミュニティをもち中国共産党に従順でないとみなされ
捕らえられた「無実の囚人」と呼ばれている人々



しかも強制労働に拷問、女性は何度も暴行をうけたうえ
生きたまま臓器を取り出される
場合によっては生きたまま火葬されてしまうというのです

この調査報告により各国では移植臓器法を改正
違法な臓器移植や、国外での移植を禁止します

それでも違法なルートとは知らないまま
臓器移植をしてしまう人はいるのでしょう
もちろんそれには莫大な費用がかかります
臓器移植は富裕層相手の巨大ビジネスなのです



映画の中では、ナチスユダヤ人迫害と対比していましたが
上映の後、年配の女性同士が
「こんなこと戦争中はどこの国でもやっていたのよ」と
サラっと言っていたのには驚きました
戦争を経験した人はどれだけ惨いことを見てきたのでしょう

私は臓器移植はしないだろうし(するお金もないし)
辛い治療もしたくないし、太く短く生きたいけれど
(夫からは絶対長生きすると言われているがな)



これから臓器移植を望んでいる本人は、どう感じるのか
そういう視点もあると映画としてもっと
考えさせられるものになったと思います

実際に中国で臓器移植をした方も主演していましたが
今、健康で生きていることについて
私はですが、後悔しているようには見えませんでした

思想が違うというだけで捕らえられた受刑者たちが
いち早く解放されることを願います



【解説】SMGネットワークホームページより
ドナー制度の整った先進国では臓器移植は通常1~3年待つが、数か月場合によっては、数週間で臓器移植ができる国がある。中国にはドナー制度があるが、有意な数のドナーがいない。一体その臓器はどこからくるのだろうか?2010ノーベル平和賞候補者デービッド・マタス氏とデービッド・キルガー氏が調査を行い、その真相・実態を明らかにする