僕たちのラストステージ(2018)





ウィル・フェレルの「俺たち・・」シリースではなく(笑)

原題は「STAN& OLLIE」(主演2人のファーストネーム
ャップリンと同じ時代に活躍していお笑いコンビ
ローレル&(オリー)ハーディの晩年を描いた話
日本では極楽コンビ呼ばれていたそうです

お笑いにもそれぞれの時代があって
今では正直笑えるものではありませんでしたが(笑)



たとえていうなら、ドリフターズばりのアクション古典ギャグ
作中映画は”極楽シリーズ”「極楽ピアノ騒動」(1932)日本未公開)
映画の成功で人気絶頂期を迎えるものの
離婚やらギャンブルでお金に不自由しているふたり

ローレルはギャラの交渉で映画会社のオーナーと喧嘩して他社と契約
一方まだ契約期間の残っているオリーは映画会社に残り
コンビは解散してしまいます



そして16年後、ふたりは主演映画(ロビンフッド)の資金を確保するため
イギリスに興行ツアーにやってくるのです
しかし彼らはすでに過去の人間で、宿泊先は安ホテル
劇場の観客席はガラガラでした

それでも新作コントを作り練習に励
ドサ周りも厭わず、コツコツとライブ活動を続けていく
やがて再びスポットライトが当たるようになり
お互いの妻をイギリスに呼ぶことになります



またこの奥さんふたりが個性的で(笑)
第二の主人公といっていいでしょう
こんなにアクの強い人間ばかり集まると
それはそれでバランスがとれるのでしょうか(笑)

そんな劇場は満席、いざ再起というとき
ローレルとオリーの間に再び不穏な空気が流れてしまい
お互いの言動を我慢できずに、最悪の言葉で傷つけてしまいます
そのうえオリーが心臓発作で倒れてしまうのです



人が羨むほど仲の良かった親友が、夫婦が、親子が
突然仲たがいして口も利かなくなること、周りでもよくありますね
いつも仲良くベッタリ、一緒にいるからこそ見える細かな欠点
どうでもいい些細なことにまでイラつく

これが女同士だと、恨みだけ残して
絆は二度と戻りませんが(怖いよ 笑)



男は後悔して、ヨリを戻したがる
好い時ばかりを思い出す

ローレルもオリーに心からの謝罪をします
こんな自分を理解して、ついてきてくれて
いつも正論を言ってくれるのはオリーだけ

真面目で、地味で、派手さもなく、奇をてらった演出もないけれど
仲直りしたふたりがベッドで手を繋ぐシーンには
(友情に亀裂した経験のない私でも)胸に詰まるものがありました



そして、モノクロ映画の合成映像技術の世界を
カラーで分かりやすく伝えてくれた術は
私的には面白かった

単純に「頭いい!」って感嘆できる
アイディアの世界って好きなんですよね(笑)



これは愛のある「男の映画」
夢を目指す人間にはきっと、今でも共感できるものがあると思います



【解説】allcinemaより

あなたを抱きしめる日まで」のスティーヴ・クーガンと「シカゴ」のジョン・C・ライリーが、伝説のお笑いコンビ“ローレル&ハーディ”の晩年を演じる伝記ドラマ。すでに過去の人となっていた2人が、英国で新人芸人並みの過酷なホール巡業を行っていた史実を基に、衝突を繰り返しながらも強い絆で結ばれた2人の友情の軌跡をユーモラスかつ哀愁あふれる筆致で綴る。監督は「フィルス」のジョン・S・ベアード。
 1953年。スタン・ローレルとオリバー・ハーディは、“ローレル&ハーディ”としてハリウッドで一時代を築いた伝説のお笑いコンビ。しかしすっかり落ち目となり、2人は再起を期してイギリスでホール・ツアーを敢行することに。ところが用意されたホテルは2流で、小さなホールにもかかわらず客席はガラガラ。かつての栄光には程遠い試練が続く。それでもめげずにイギリス中を巡っていくスタンとオリバー。次第に観客も増え始め、ロンドンでの公演が決まったのを機に、アメリカに残してきたお互いの妻を呼び寄せる。少しずつ明るい兆しが見え始めたかに思われたローレル&ハーディだったが…。