ある少年の告白(2018)



「母の言うことはいつだって正しい」


原題は「Boyerased」(引き裂かれた少年

またLGBTモノかよ?と思いましたが()

実際にある、同性愛者矯正施設での出来事


これが昔の話ならともかく、今でも行われているなんて

アメリカの差別意識をなくすることは

想像する以上に難しいのでしょう



アメリカの田舎町の牧師で実業家の父(ラッセル・クロウ)と

敬虔なキリスト教信者の母(ニコール・キッドマン)をもつ

高校生のジャレッド(ルーカス・ヘッジズ)は、学業優秀でスポーツマン

チアリーダーの彼女もいて、恵まれた生活を送っていました


そして大学に進学、ヘンリーという学生と意気投合しますが

ある夜、親友だと思っていた彼に襲われてしまいます




ショックを受けたジャレッドはヘンリーを避けるようになり

実家に帰るわけですが、そこにヘンリーと思われる男性から電話がきて

母親はジャレッドが同性愛者であることを告げられるのです


父親は教会の長老や、同じ境遇だった経験者の助言を借り

(でも女医さんの小さなアドバイスがいちばん心に響く)

ジャレッドを矯正施設(月謝3000ドル=33万円強)に入居させます




これがどう見ても、オウム真理教のような新興宗教的な場所で

そこの施設長であるサイクス(ジョエル・エドガートン)が

また見るからに胡散臭い(笑)


ジャレッドはそこでほかの同性愛者の若者たちと

同性愛矯正プログラム」を受けるのです




でもどう見ても矯正というよりは”洗脳”

言葉巧みに弱みに付け込み、言うとおりにしなければ

恐怖と暴力で脅し操るのです


LGBTの中にも、さらにLGBTQというものがあって

Qとはquestioning(尋問)の頭文字で

LGBTQとは「性自認性的指向を定めない人」


なので自分がどのような性的指向なのかをきちんと気づかせ

なぜそうなったかの原因を知れば

同性愛は矯正できるというのです




サイクスに従ったほうがいいというジョンに

「自分の罪」をでっちあげることで

治ったフリをするんだとアドバイスするゲイリー(トロイ・シヴァン)


そんななか大柄だけど気の弱いキャメロンだけは

どうしてもサイクスの要望に応えられなかったせいで

「悪魔を追い払う儀式」をされてしまいます




ジャレッドもサイクスに嘘がつけませんでした

サイクスに「あなたに怒ってる」と怒りを露わにし

施設から逃げ出そうとします

その時助けてくれたのは、キャメロンでした


そしてニコール姐さんのかっこいいこと!

息子を救うのに、神も悪魔も関係ねえ!!




ジャレッドは両親のために同性愛を捨てようとしたんだろうな

だけれど結局自分が変われないと知り

ありのままの姿で生きることを決めた


父親が息子がゲイであることを認めることができないのも

よく理解ができます

でも家族を失ってしまうことのほうがもっと辛いということを

関係がこじれてしまう前に気づけたのは良かった




神の御心とは何だろう

少なくとも、聖書の文言を原理主義的に

縛り付けることではないと思います

LGBTを敵視し、傷付け、基本的な人権までも剥奪していい

そんなふうに解釈していいはずがない


アメリカがトランプ政権のうちは

この先何本のLGBTや黒人差別映画が作られるのでしょう

これも暗にトランプを批判している作品ですが

宗教とLGBTの結びつきについては興味深く見ることができました




自らもゲイであることを公言している
トロイ・シヴァン(王子様みたい!)は

周りからのゲイに対する環境が不安なら、自身の身を守って欲しいと伝え


必ず自分と共通の人がいるのだから、心を強く持って広い世界を見てほしい

この作品が少しでもLGBTQの力になれればと述べたそうです




【あらすじ】ウィキペディアより
監督はジョエル・エドガートン。出演はルーカス・ヘッジズニコール・キッドマンラッセル・クロウら。小さな町でバプティストとして育った19歳のジャレッド・エモンズはゲイであることを両親と衝突し、家から出されてしまう。そこで、教会が支持する同性愛者の転換プログラムに参加することを余儀なくされる。ジャレッドはプログラムのセラピストと再び衝突してしまう