ある愛の詩(1970)





原題「Lovestory」に対して「ある愛の詩
邦題がよいです

そして有名すぎる

"Lovemeans never having to say you're sorry"
(愛していれば後から謝ったりしなくていい)というフレーズ


切なくて愛おしい曲はフランシス・レイ
アカデミー作曲賞を受賞しました


でも思ったより感動しませんでした()
もちろん泣けもしませんでした
結末を知っていたということもありますが
アリ・マッグローがあまりに健康的すぎて
哀しい気持ちになれません()





ほかにも感情移入できなかったのは
大学を卒業したらパリへ留学するという
ジェニファー(アリ・マッグロー)
行かないでくれ!とオリバーライアン・オニール)が
引き留めるシーン

それでふたりは結婚を決めるわけですが
好きな人の夢を諦めさせるのはどうかなと思います
だからこそラストに名セリフが効いてくるのは確かではありますが



そしてオリバーの父親(レイ・ミランド)に対する頑なな態度
私はこの父親がそれほど悪い人間には思えません
むしろ良いお父さんだと思います

子どもの恋人がどのような人物であるか知りたがるのは
どこの親も同じですし、当然のこと
結婚についても、ロースクールを卒業してから考えろと
忠告するのも親として当然のこと

それを熱意をもって説得するのでもなく
ただ一方的に反発するだけ
せめてジェニファーの治療代を借りるときだけは
正直にジェニファーに対する愛を
父親に語って欲しかったと思います




原作者で脚本を書いたエリック・シーガル
オリバーのキャラクターは、ハーバード大学
教授をしている時に知った
アル・ゴアがモデルになっていると言っているそうです

この作品がデビュー作のトミー・リー・ジョーンズ
(オリバーのルームメイトのハンク)は
実際にアル・ゴアのルーム・メイトだったそうです
頭のいい人ばかりです()



でも前半はといえば、ツンデレ女と出会って
口喧嘩から恋をして、ほぼイチャイチャ()

思うにこれは若い時に見なければならない作品で
親世代のほうに年齢が近くなってくると
このふたりのちょっとした行動が
どうにも鼻についてしまう瞬間があります

ただ結婚式のシーンは素敵でした
お互いが考えた誓いの言葉で結ばれる
地味ですが感動的です

そして最期にジェニファーが父親(ジョン・マーリー)を想い
カトリック式で葬式をしてくれとオリバーに頼むところ



結局、純愛な若いカップルよりも
よかったということで落ち着いた次第であります


【解説】allcinemaより
 オリバーが最初にジェニーに出会ったのは大学の図書館だった。名家の四世とイタリア移民の娘という余りにも身の上の違う2人だったが、彼らは次第に惹かれ合っていった。父の反対を押し切ったオリバーは、ハーバードの法律学校へ入る少し前にジェニーと結婚。送金は中止されるが、学費や生活費の為にジェニーは働き、貧しいながらも幸せな日々を送っていた。やがてオリバーは優秀な成績で卒業、法律事務所へ勤めるため、2人はニューヨークへ移る。そんな新しい生活が始まろうとしていたその時、オリバーは突然医者からジェニーが余命短い事を知らされる……。かつて2人で遊んだ、誰もいないスケートリンクをオリバーがひとりで見つめているオープニング、そのスケートリンクで無邪気に遊ぶ2人の笑顔、ケンカして家を飛び出していったジェニーが見つからず戻ってきたオリバーに“鍵がないの”と涙を浮かべて笑いかけるシーン、そして彼女の亡くなった病院を後に、反対していた父に向かって“愛とは決して後悔しないこと”という名セリフ……。そのどれもが胸に染みる名シーンであり、それらを叙情溢れるタッチ、フランシス・レイの素晴らしい音楽で描いた本作は、まさに不朽の恋愛映画と呼ぶに相応しい名作である。